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火星移住の話

2018.12.16 (Sun)
『How We'll Live on Mars』などの著書を持つ、
作家のステファン・ペトラネック氏によれば、我々人類の火星移住は
運命づけられた未来であるという。地球は完全絶滅に向けて動き出しているのであり、
小惑星の衝突、破局的な火山噴火、太陽フレアなどによって、
滅亡へと向かう勢いが加速するということだ。

また、作家のマイク・バラ氏は、「人類が火星で十分に長い期間を経て進化すれば、
彼らの身体は大型化し、特に頭は不自然なまでに大きくなり、
手足はひょろ長くなります。そして地球よりも太陽から離れている火星は、
昼でもあまり明るくないため、ものがしっかり見えるように目が大きくなる。」
と述べています。
(tocana)

今回はこういうお題でいきます。今、宇宙関係の話題がすごく盛り上がっていますね。
前にお伝えした、中国の、月の裏側を探査する「嫦娥」。
それと、アメリカ、NASAの探査機「インサイト」による火星からの画像送信。
まさに、米中の宇宙開発競争の幕が開けたという雰囲気になっています。

火星の低気圧にさらされると
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上掲の記事は、アメリカ人の作家などが、人類の火星移住における身体的な変化に
ついて述べたものですが、自分にはいろいろと疑問のある内容です。
まあ、これは科学的な専門家の意見ではないので、しょうがないのかもしれませんが、
どうしても人類を、「体がひょろ長く目が大きい」ステロタイプの宇宙人に
進化させたがっているという気がします。

さて、人類の火星移住の可能性については、当ブログでも前に書いていますが、
さまざまな困難が予想されています。まず一つめが、
火星は地球よりも太陽から遠いため、寒いことです。
火星の平均表面温度は-43℃、最低温度は-140℃になります。
これだと、南極で暮らしているようなもんですよね。

2つめは、低重力です。火星の表面重力は地球の約1/3ですので、
そのまま暮せば、人間の体にいろんな悪影響が出ると予想されます。ちなみに、
国際宇宙ステーションの宇宙飛行士には、長期の無重力下での滞在で、
筋力の低下、骨量の減少、カルシウム不足等が見られ、
さらに頭部への血流過大なども指摘されています。

火星への移住
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3つめ、宇宙からの放射線による被爆ですね。火星の大気は薄く、
地球のような強い地磁気もないため、ほぼ素通しで放射線に晒されてしまいます。
ですから、何らかの形で体を保護する必要があります。
4つめは、火星大気に酸素が少ないこと。まだこの他にも、
障害はいろいろあると思われます。

で、上の記事は、「火星の低重力で人間の身長が伸び、体がひょろ長くなる」
という意見なんですが、これ、火星移住にあたって低重力対策をしないってこと
なんですかね。しかし、それは無理でしょう。では、低重力にそのまま晒されていると、
どんな危険があるか、もう少しくわしく考えてみましょう。

まず考えられるのは、宇宙ステーション内と同じく、
骨がもろくなることです。人間の体は、地球上では重力によって、
絶えず下方へと引っぱられていて、骨は、それに負けないような
強度を維持しているんですよね。あと、循環器系はどうでしょうか。

探査機インサイトからの「宇宙人の写った」画像
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心臓から出た血液は、地球の重力に逆らって上、つまり頭の方向に上っていきます。
ところが、低重力下では心臓ポンプの勢いが強すぎて、
頭にいく血液が多くなり、足にいく血液はその分少なくなるでしょう。
昔の火星人の想像図は、「頭が大きく、足は触手のようなタコ型」
が多かったんですが、これはこのあたりのことを考えてのことなのかもしれません。

あとまあ、人間の体は細胞から成り立っていますよね。細胞は水の詰まった袋で、
60兆個もあるとされる細胞の一つ一つにも地球の重力が働いています。
それが低重力に長期間さらされることで、どう変化するかはわかりません。
また、火星で妊娠したとして、子宮内の胎児がどのように成長するのかも不明です。
ということで、人類が火星上で「そのまま暮らす」のは無理です。

では、どうやって低重力を克服するか。まあ、最も簡単なのは、
頭部に、地球上での体重の2倍程度の重りをつけること(笑)。
でもそれだと、姿勢を変えるたびに、重りの重心がずれてしまいます。
これは、足の裏に強力な電磁石をつけて、鉄の床を歩くとかでも同じことです。

人工重力として、よくSF小説に出てくるのは、遠心力を利用したものです。
巨大な、そして高速で回る観覧車を想像してみてください。
回転するものには、中心から外側に向かって遠心力が働きます。
この場合、回転の中心が、地球上でいえば上の方向、
円の外周が下の方向ということになります。(下図)

人工重力
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次に、これも超巨大なジェットコースターのようなものをつくり、
地球の重力加速度1Gで走らせる。このときに、進行方向が地球での下になり、
後ろ側が上になります。あれ、人工重力って、なんか遊園地みたい、
と思われた人がいるんじゃないでしょうか。

それは正解です。遊園地の乗り物は、重力(加速度)を操って、
ふだんとは違う感覚を味わわせるものが大部分なんですね。まあ、この他にも、
火星上に大規模な電磁場を発生させて重力のかわりにするとかも
理論的にはあるんでしょうが、それはさすがに非現実的です。

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さてさて、ここまで、主に低重力について書いてきましたが、
おそらく、火星に移住した人類は、厚いドームの中にいないと、
生きていけないでしょう。そのドームの中は暖かく、空気があり、
重力が地球程度で、さらに宇宙放射線から守られている。

こう考えると、人類の火星移住がいかに難しいかがわかると思います。
もう100年程度でできるようになるとは、とても思えません。
フィリップ・K・ディック原作の映画、『トータル・リコール』では、
ドーム内の酸素供給をめぐる利権が、テーマの一つになってましたよね。
では、今回はこのへんで。

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プロレスと移動カーニバル

2018.12.14 (Fri)
アメリカの移動カーニバル
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今回はこういうお題でいきますが、できるだけブログの趣旨に沿った、
オカルトな内容にしたいと思います。さて、みなさんはプロレスはお好きでしょうか。
自分はけっこう好きです。ただ、自分は小学校から大学まで柔道をやっていたので、
見始めた少年時代から、プロレスが、いわゆる「本気でたたかう競技」
ではないことはわかっていました。

まず、本気の競技だと、ああいうゆっくりした間にはなりません。
たえず動き回っていなくてはならず、選手同士が互いに技を出し合うという形には
ならないんですね。また、ブレーンバスターやボデイスラムという技がありますが、
かけられるほうが踏ん張れば、簡単には人間の体は持ち上がりまん。

プロレスはすべて、細かい約束事から成り立っています。
例えば、ヘッドロックという頭を締めつける基本技がありますが、
あれは必ず左手でやることになっています。youtubeで、どれでもいいので
プロレスの試合を見てもらえばわかりますが、ほぼ100%左腕です。

カーニバル・レスラー
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これは、そのほうが、かけられた相手がバックドロップなどで返しやすい
ということもありますし、初顔同士のプロレスラーの対戦でも、
約束事があればスムーズに試合を運ぶことができるからで、ケガの防止にもなります。
数ヶ月に1試合のボクシングとは違って、プロレスは毎日のように興行があるので、
相手にケガをさせないことが大切です。

さて、自分はなにもここでプロレスを貶めるつもりはないですし、
秘密を暴くのが目的というわけではありません。アメリカ文化の一つとして、
プロレスを大いに尊敬しているつもりです。上でボクシングの話を少し書きましたが、
アメリカにおけるボクシングとプロレスはルーツが違います。

ボクシングはもともとヨーロッパで始まったもので、
それが開拓者とともにアメリカにも伝わりました。ボクシングの創成期には、
マフィアがからんだ八百長もありましたが、基本的にはガチの試合です。
これに対し、プロレスには善玉(ベビーフェイス)と悪役(ヒール)がいて、
試合の勝敗も最初から決められています。

フレンチ・エンジェル(怪奇レスラー)
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なぜそうなのかというと、アメリカのプロレスのルーツが「移動カーニバル」
からきているからなんですね。移動カーニバル(traveling carnival)は、
国土の広いアメリカをサーキットして回る興行で、みなさんも、アメリカ映画で
子どもが射的なんかをやってるシーンをご覧になったことがあると思います。

特に、テレビのまだなかった時代には、移動カーバルが町にやってくるのは、
娯楽の少ないアメリカの田舎町の住人には、たいへんな楽しみだったんです。
ちなみに、アメリカは南北にも広く、北部は冬とても寒いので、
移動カーニバルは基本的に、夏の暑い時期に北部、
冬場は南部のほうを回ることになっていました。

この移動カーニバルがアメリカ文化に与えた影響って、ひじょうに大きいんです。
SF作家のレイ・ブラッドベリには、長編『何かが道をやってくる』、
短編集『黒いカーニバル』がありますが、どちらも、
子ども時代のカーニバル体験への郷愁から書かれた作品です。
トルーマン・カポーティの『遠い声 遠い部屋』なんかもそうですね。

カーニバルは楽しいだけではなく、不気味な出し物もありました。
怪しげな占い師が店を出していたり、エレファントマンのようなフリークス(畸形)
のショーもありました。アメリカのホラー映画では、ピエロが出てくるものが
多いですが、それも子どもの頃のカーニバル体験からの連想です。

フリークショーの4本足の少女
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さて、19世紀にアメリカで大人気だった降霊術も、カーニバルのように
各地を巡業して回りました。このときにアメリカでは、幽霊は勝手に
さまよい歩くのではなく、霊媒師が呼び出すものだという認識が広まったんですね。
ただこれは、日本製のホラー映画の影響もあって少しずつ変化してきています。

また、アメリカの各地で、現在でも霊媒師(ミーディアム)が活動しているのも、
その心霊主義の時代の影響が残っているからなんです。
なかなかプロレスの話にならないですね。みなさんはイタリアの映画監督、
フェデリコ・フェリーニの『道』という作品はご存じでしょうか。
あれには、ザンパノという力技のカーニバル芸人が出てきますよね。

フェリーニ『道』のザンパノ


初期のプロレスラーも、そういうところから生まれてきたんです。
カーニバルのテントの一つに簡単なリングを作り、賞金を賭けて、
その町の腕自慢の素人の挑戦を受ける。これにはかなりの実力が必要です。
また、入場料を取ってカーニバルレスラー同士の対戦を見せる。

このときに、観客の憎悪を買う悪役レスラーが最初からいたんですね。
悪役レスラーは体が大きく、ひげもじゃの怖い風貌をしている。
それに対し、善玉レスラーは体は小さいですが、若々しくスマートで、
はじめは苦戦するものの、最終的には悪役レスラーを倒して観客の喝采を受けます。

この形が発展したのが、アメリカンプロレスなんです。
ですから、始まった当初から勝敗の決めごとがあったわけです。
勝ち負けはその地のプロモーターが決め、それに逆らうことはできません。
もし決めごとを破ってガチを仕掛けたりしたレスラーがいれば、
アメリカ全土にお触れが出て、そのレスラーは干されることになります。

ハーリー・レイス(レスラー)
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ヨーロッパ出身で、日本で「プロレスの神様」と呼ばれたカール・ゴッチも、
干されたことのある一人です。NWA世界ヘビー級王座を通算8回獲得し、
「ミスター・プロレス」の称号を持つハーリー・レイスは、本人は明言してませんが、
15歳でカーニバルレスラーとしてデビューしているんです。
では、今回はこのへんで。

レイ・ブラッドベリ『何かが道をやってくる』
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お茶の話

2018.12.13 (Thu)
インフルエンザウイルスの表面は、「スパイク」と呼ばれる突起状の
たんぱく質で覆われています。ヒトに感染する際、このスパイクが呼吸器粘膜の
細胞表面に吸着、侵入するうえで重要な役割を果たしているのです。

紅茶ポリフェノールには、この「スパイク」に付着し、
ウイルスが細胞に吸着する能力を奪う力があり、ウイルスの感染を阻害し、
無力化することが分かっています。
(現代ビジネス)

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今回は、科学ニュースからこういうお題でいきます。みなさんは紅茶派でしょうか、
それともコーヒー派、あるいは日本の緑茶? じつは、自分はコーヒーってほとんど
飲まないんですよね。緑茶もまず飲みません。そのかわり紅茶はよく飲むので、
これはうれしいニュースです。特に、紅茶の中でもハーブティーが好きで、
ブレンドを工夫したりして楽しんでいます。

ハーブティー
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上掲のニュースは、紅茶の持つ抗インフルエンザ効果についての話ですが、
紅茶にインフルエンザ菌を殺す力があるというわけではないようです。
インフルエンザ菌は、人間の粘膜に取りつくためのギザギザのトゲを
持っていますが、それを紅茶ポリフェノールが包み込んで動けなくする、
体の奥に入っていきにくくする、ということみたいですね。

あれ、でも、紅茶、緑茶、ウーロン茶って、どれも同じ「茶ノ木」の葉を
原料にしていますよね。どう違いがあるんでしょうか。
これは、生葉を乾燥、発酵させてつくるさいの発酵度の違いなんです。
まず、まったく発酵をしないのが緑茶です。

そして、半発酵したものがウーロン茶、完全醗酵させたのが紅茶です。
茶の葉に含まれるカテキン(タンニン)は、不発酵なら緑色ですが、
発酵が進むにつれて赤くなっていきます。このとき、カテキンが酸化によって、
「紅茶ポリフェノール」に変化します。

紅茶ポリフェノールの主な成分は、テアフラビンと呼ばれるもので、
緑茶にはほとんど含まれていません。このテアフラビンを含んだアメが売られていて、
なめるだけで風邪やインフルエンザを予防できると言われます。
もちろん、紅茶を飲んでも効果があるわけですが、
味が嫌いだという人は、うがいだけでもいいようです。

さて、当ブログは健康ブログではありませんので、この話題はこれくらいにして、
紅茶やお茶に関する怖い話ってあんまりないんですよね。
自分は、世界のホラー小説や映画はかなり知ってるんですが、
すぐには思い浮かびませんでした。これ、どうしてなんでしょうかねえ。

同じ嗜好品でも、お酒や煙草はあれこれ思いつきます。例えばお酒だと、
ポーの『アモンティリヤアドの酒樽』とかロアルド・ダールの『味』とか。
煙草だと、これはホラーとはいい難いんですが、
芥川龍之介の『煙草と悪魔』なんかですね。

やっぱり、お酒が人を酩酊させるのに対して、お茶類はカフェインが含まれていて、
思考を冴えさせる効果があるせいかもしれません。と、ここまで考えて、
『吸血鬼カーミラ』を書いたアイルランドの怪奇小説家、シェリダン・レ・ファニュに、
そのものずばり『緑茶』という短編があるのを思い出しました。

シェリダン・レ・ファニュ 『緑茶』
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これ、19世紀の、まだイギリスで緑茶が珍しかった頃に書かれたもので、
世界初のドラッグ小説と言われます。筋は、ある牧師が緑茶を飲むようになってから、
真っ黒い子猿につきまとわれる幻覚を見るようになり・・・という内容で、
緑茶が、東洋の神秘を象徴する小道具みたいになってるんですね。
自分が読んだときには、そう怖いとは思わず、あまり印象に残りませんでした。

あ、そうだ、緑茶に関してはきわめつけの話があるじゃないですか。
落語の『まんじゅうこわい』です。日本のものかと思ったら原話は中国みたいです。
ある嫌な男が、「俺は怖いものは何もないが、あえていえばまんじゅうが怖い」と言う。
そこで男を困らせてやろうと山盛りのまんじゅうを出したら、
男はすべて平らげてしまって、最後に「今度はお茶が怖い」・・・

紅茶については何かありますかねえ。ギリシア神話のキルケーの話がそうかな。
キルケーは、ホメーロス作『オデュッセイア』に出てくる魔女で、
気に入った男を自分の島にさらってきて、飽きるとハーブティーを飲ませて
豚に変えてしまいます。ただ、それが茶の葉をベースにした飲み物かは
わかりません。たぶん違うのかな。

ギリシア神話の魔女キルケーとキルケーのハーブティー
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このキルケーの話は、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』のアイデアの一つなんです。
ドイツ文学者の中野京子氏による『怖い絵』シリーズでは、上掲の、
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスのキルケーの絵が取りあげられており、
その出版を記念した特製のハーブティーが販売されています。

さて、歴史的にみれば、お酒はどこの国でも自前のものが古くからありました。
糖類を発酵させることでアルコールはできますので、
日本でも古代から酒造りが行われていたことがわかっています。
『万葉集』にも、お酒を詠んだ歌はいろいろ入ってますよね。

これに対し、コーヒー、紅茶、あとカカオなんかは原種の植物がないと
飲むことができません。で、それぞれ不幸な歴史をかかえています。
カカオは南米原産で、コロンブスなどのスペイン人の探検家が、
中南米を征服するさいに出会って、ヨーロッパに紹介したものです。

アラビアコーヒー
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コーヒーはアラビア原産のものが、ヨーロッパ人によって逆に南米に持ち込まれ、
プランテーションで奴隷に栽培をさせていました。紅茶もそうですね。
インドを植民地にしたイギリスが、現地人に栽培させていたことはよく知られていて、
どれも帝国主義による搾取の上に成り立っていたものなんです。

さてさて、コーヒーやお茶にはカフェインが含まれており、覚醒作用がありますが、
飲みすぎると、夜眠れなくなるだけでなく、不整脈、動悸、悪心、めまい
などが起きると言われています。カフェイン中毒で亡くなった例もかなりあるようで、
摂りすぎにはご注意ください。では、今回はこのへんで。

インドの紅茶摘み
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月の裏の話

2018.12.10 (Mon)
中国は、世界で初めて月の裏側に着陸することを目指して、
無人の月探査機を打ち上げました。

無人探査機「嫦娥四号」は8日未明、四川省の衛星発射センターから、
ロケットに搭載して打ち上げられました。月までは数週間かかる予定で、
年明けに月の裏側に着陸して月面の鉱物や表面の構造、
地質などを調査する計画です。着陸に成功すれば世界で初めてとなります。

習近平指導部は「宇宙強国」を国家目標に掲げていて、アメリカなどと並んで、
科学技術で世界の覇権を握ることを目指しています。
(テレ朝news)

月の表と裏
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今回はこういうお題でいきます。自分は占星術師ですので、これまで、
当ブログでは積極的に宇宙の話を取りあげており、月についても何度か書いています。
まず、探査機の名前の「嫦娥 じょうが」というのは、中国神話の登場人物で、
もとは仙女だったが、地上に下りた際に不死でなくなったため、西王母の不死の薬を
盗んで飲み、月に逃げて蟇蛙(ヒキガエル)になったと伝えられています。

この話はかなり古くからあるようで、発掘された前2世紀の「馬王堆漢墓」の吊画には、
月の上に、大きなヒキガエルが描かれています。
中国では、毛沢東の文化大革命によって、古い神話伝承などは捨て去られて、
ほとんど顧みられなくなったんですが、最近は復活してきて、
むしろ積極的に、探査機の名前などに使われるようになっています。

中国の月の女神「嫦娥」
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さて、月の不思議の一つとして、つねに地球に同じ面を向けている点があります。
地球からは、どうやっても月の裏側を見ることができないんですね。これは、
月の裏側からは電波通信もできないということです。ですから中国では、
嫦娥からの通信電波を中継するための衛星を別個に打ち上げているんです。

では、なんで月の裏側は見られないんでしょうか。この理由は、
月の自転と公転の周期が同じためで、どちらも27.32日です。
これ、一見すると不思議な感じがしますよね。
地球の場合、自転周期は当然ながら1日、公転周期は約365日です。

ですので、オカルト界では昔から、月の裏側には宇宙人の秘密基地があるなどと
言われてきました。ただし、惑星と衛星の関係を考えると、
これは不思議でもなんでもないんです。太陽系の衛星は、
例えば、木星のガニメデ、土星のタイタン、火星のフォボスなどなど、
ほとんどが自転と公転の周期が同じなんです。

月の裏側が地球から見えない理由
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ここで、詳しい説明はしませんが、これは惑星とその衛星が、
潮汐力によって互いに影響をおよぼし合っているためと考えられています。
その形が、いちばん軌道が安定するんですね。このため、
月の重力の影響によって、地球の自転周期も少しずつ長くなってきてるんです。
はるか遠い将来には、地球の自転も月と同期するのかもしれません。

さて、では、月の裏側には何の不思議もないかというと、これがあるんです。
アポロ11号は、月の「静かの海」に着陸しましたが、
これは月をウサギに見立てた場合、顔にあたる部分で、
一般的に、「月の海」とは、地球から見て暗くなっている場所を指します。

ここで少し、オカルト的な余談になります。海外では、アメリカを中心に、
「アポロは月に行っていない」説というのが流行していますよね。
ところが、日本ではあまり盛んではありません。
なんでかというと、これにはオカルト界の勢力争いが関係してるんです。

アポロ11号の月面到達
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「アポロは月に行っていない」説は、どちらかというと陰謀論になります。
アメリカ政府が、国民にいろんなことを隠しているという内容ですが、
日本人にはあんまり面白くありません。ですから、日本の場合、
「アポロは月に行き、宇宙飛行士が宇宙人と接触した」説のほうが優勢なんです。

話をもとに戻して、月の海は、最初はクレーターの影だと思われていたんですが、
だんだんにそうでないことがわかってきました。クレーターではあるものの、
その中に、黒い鉱物が広がっています。これは、約38億年ほど前、
月の内部にマグマが形成され、クレーターの底から噴出して内部を埋めたものと
考えられます。だから黒く見えるんですね。

で、この海のある割合が、月の表と裏ではまったく違うんです。(最初の画像)
月の表の海の比率は約30%なのに対して、裏側はわずかに2%でしかありません。
これ、不思議ですよねえ。また、また裏側は表側より標高が高く、地殻が厚くなっており、
鉱物の組成もかなり違っています。このことを「月の二分性」といいます。

どうしてこんなことになったのか。いろいろな説が立てられています。
例えば、月ができたばかりの頃は、月の表側は地球からの放射熱でドロドロに溶け、
裏側のほうが早く固まったからとか、月形成の初期に、表側で巨大衝突があり、
表側の高地を構成する地殻物質の多くが吹き飛ばされてしまったためであるとか。
でも、はっきりしたことはわかっていないんですね。

さて、長くなってきたので、そろそろ、月にあるとされる「宇宙遺跡」をご紹介します。
必ずしも裏側というわけではありません。赤丸で囲まれた画像は、
「かぐや姫の遺体」(笑)と呼ばれるものです。
この他にもたくさんあるんですが、みなさんどう思われますでしょうか。

月面の宇宙遺跡とされる画像
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これ以外にも、日本では、福来友吉博士によって発見された超能力者の一人である
三田光一が、昭和6年に月の裏側を「念写」した写真が残っています。
これ、実際に月の裏側の画像と比較してみればわかりますが、
似ても似つかないとしか言いようがありません。

三田光一による月の裏面の念写写真
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さてさて、最後に、習近平主席は、中国が「宇宙強国」となることを目指すと
述べていますが、一方のアメリカはこれを受け、トランプ大統領が、
「アメリカ宇宙軍 US space force 創設」を明言していますよね。
また米ソの宇宙開発競争のようなことが始まるんでしょうか。
くれぐれも平和利用にかぎってほしいですね。では、今回はこのへんで。

関連記事 『月=人工天体説って何?』




「ブレインテック」って何?

2018.12.07 (Fri)
IT企業を中心とする新興企業が、次の市場として狙っているのは人間、
正確には人間の脳だ。神経工学を使い脳を操作する。これをブレインテックという。

今、ブレインテックが熱い。次々とベンチャー企業が起ち上がり、
夢のようなマシンを作り出している。ブレインテックを使って、被るだけでダイエット
できたり、ゲームのスコアを上げたり、明晰夢を見たりできる
「魔法のヘッドセット」が登場したのだ!
(Rakutennews)



今回は、科学ニュースからこういうお題でいきます。
うーん、ブレインテックと聞けば、自分は車好きなので、車のウインドウに貼る
フィルムの会社かと思ってしまいますが、そうではないようです。
「ブレインテック braintech」は、brain(脳) と technology(技術)を
組み合わせた造語で、かなり幅広い意味で使われているみたいですね。

さて、上掲の記事で、どうやって痩せるかといいますと、
「Modius」というヘッドセットがすでに発売されていて(下図)、
これを電極が耳の後ろになるようにかぶり、1日に45分着けているだけで
体重が減るということのようです。

「Modius」


すでに、369ユーロ(約4万7000円)でオンラインストアから買うことができ、
アプリをスマートフォンにダウンロードすることで、ヘッドセットからの電気刺激が
頭蓋骨に加わります。これは、すでに開発され、うつ病の治療などに使用されている、
「tDCS(経頭蓋磁気刺激)」という技術を応用しているみたいですね。

耳の後ろあたりから、脳の前庭部という部分に電気を流すと、
前庭部は平衡感覚を司っているので、そこを刺激されると平衡感覚を失います。
つまり、車酔いや船酔いと同じ状態になるわけです。
気持ちが悪くなるので、ご飯が食べられなくなって痩せる。原理は簡単ですが、
みなさんこれ、健康的なダイエット法だと思いますか?



インターネットの商品サイトには、「効果があった」 「なかった」など、
さまざまな声が寄せられていて、批判的な内容も載せているのは良心的な感じもします。
ところで、余談になりますが、世の中には、いろんな健康食品、
サプリメント、健康器具などがあって、改正された薬事法により、
「〇〇病が治る」 「〇〇病に効果がある」という表現は使うことができなくなりました。

じゃあ、業者はどうするのかというと、「製品の愛用者からのお便り」という形で
宣伝をする場合が多いんです。「これを使ったら、〇〇が数ヶ月で治りました。
とても感謝しています」みたいなものですが、これねえ、サクラが多いんですよね。
ひどいときには、実在しない架空の人物からのお便りだったりします。

前に少し書きましたが、健康食品やサプリメント、〇〇水、浄水器・・・
この手のものは、オカルトと結びついている場合がけっこうあるんです。
また、新興宗教団体が資金集めの手段として健康器具を売ったりもしています。
本来、実際に病気に効果があるものは、きちんとした治験をへて医薬品になります。

それが、そうでないということは、効果のほどは怪しいということです。
治療法もそうですね。手を患部にかざすだけという治療を売り物にしている
宗教団体は有名です。ただしこれも、「治療」という言葉を使ってはいけないので、
「〇〇療法」となっている場合が多いんです。

川島なお美さんも受けた、純金の棒で患部をなでる「ごしんじょう療法」


最近、癌治療をしていることを表明した高須院長は、前に雑誌のインタビューで、
「そもそも、効くものは「医薬品」に分類されるから、医師じゃないと処方できない。
で、効くか効かないかわからないものは「医薬部外品」、
ほとんど効かないものを「化粧品」って呼ぶんですよ。」こう述べていましたが、
この図式は、健康食品でも民間療法でも、まあ同じです。

で、上記の「Modius」も、自分が海外サイトで調べたかぎりでは、かなり怪しいものです。
では、ブレインテックを使って痩せることはできるんでしょうか。
これは、自分はできると思います。人間の食欲を司る中枢は、
脳の視床下部にあることがわかっています。また、そこには性欲中枢もあります。

じゃあ、それを刺激したら、ダイエットができたり、媚薬のような効果を発揮できるのか。
たぶんそうでしょう。上記の「Modius」の場合は、頭蓋骨に電気刺激を与えているので、
マッサージ機と大差ないものです。ですが、脳の食欲中枢に直接電極を刺して
刺激するのは、外科手術ということになって、医師にしかできません。

食欲の起きるしくみ


それと、治験が難しいということもあります。人間の脳に直接刺激を加えるのは、
「人体実験」ではないかという批判があり、なかなか実施することができないんです。
動物実験はできるでしょうが、サルで起きた効果が、
人間でも現れるとは言えません。あと、肥満は慢性病の原因になるでしょうが、
必ずしも、命取りの病気というわけではありませんよね。

これがもし、ひじょうに致死率の高い病気なら、人体実験的な治験も許されるかも
しれませんが、ダイエットのために脳をいじるのは、倫理的な問題があるんですね。
また、ダイエットの場合、標準体重の人でも「もっと痩せたい」と実行して、
かえって体調を崩してしまうこともあります。以上のようなことから、
直接 脳に刺激を与える形のダイエットというのは、とうぶん行われることはないでしょう。

あとはそうですね、脳への直接刺激でできることはいろいろ考えられます。
例えば、麻薬を使ったように幻覚を見せることもできるでしょうし、眠りに誘ったり、
集中力を高めたり、持久力や筋力を高めたりすることもできると思われます。
これは、スポーツ選手が使うとドーピングということになりますが、
薬物使用とは違って痕跡が残りにくいでしょう。

オウム真理教のヘッドギア


このように、脳への直接刺激は、たしかに多くの可能性を秘めているんですが、
同時にかなりの危険性もあります。脳については、わかっていないことが多く、
その要因は、人体実験ができないからというのが最も大きいんです。
上記のニュースでは、今後、ブレインテックの開発が大きく進むだろうとなっていますが、
ここまで書いたように、自分はあんまりそうとは思えないんですよね。

さてさて、ということで、外部から人間の脳を直接刺激することは危険な技術です。
人格をまったく変えてしまったり、思いのままに行動を操ったり、
恐怖や自己保存本能をなくし、良心が麻痺して罪悪感などを感じない、
殺人マシーンのような兵士をつくることも可能でしょう。この技術は、
かなり慎重に扱われるべきものだと考えます。では、今回はこのへんで。

関連記事 『太陽常温説とオカルトの闇』