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恐竜はどこまで再現できる?

2020.04.09 (Thu)
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今回はこういうお題でいきます。またまた映画のお話です。
みなさんは、映画の『ジェラシック・パーク』のシリーズは、
何作ごらんになったでしょうか。自分は恐竜フアンですので
全作見ています。第一作が1993年、最新作が2018年で、
比べてみるとCGの進歩がよくわかります。

さて、このシリーズにはさまざまな恐竜が登場しますが、
はたしてどこまで正確に再現されているものでしょうか。
まず体長や体高、これは化石からわかります。恐竜の化石の
多くは骨格だけなんですが、それをもとに、
筋肉のつき方もだいたいわかりますよね。

ですから走る速さや動きの特徴なども、まずまず正確では
ないかと思うんですが、問題は外見です。特に皮膚の色。
恐竜の皮膚が化石化したものはきわめて少ないので、
色や模様を再現するのは難しかったんです。

ノドザウルス(5.5m)の皮膚を含む貴重な化石
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あれ、でも、子どもの頃に見た恐竜図鑑では、恐竜の色は普通に
あったぞとおっしゃられるかもしれません。じつは、あれは
すべて想像だったんです。まずは現生する動物を参考にした。
大型恐竜であればゾウやサイ。小型のものだったら
トカゲ類をもとに再現。

あとは、生息環境から、草原にすむものはカナヘビのような保護色。
森林地帯にすむものは、虎のような縦縞。トサカなどがある種類は、
異性にアピールするために派手な色をしていたんじゃないか、など。
それが最近、少しずつですが恐竜の体色についての理解が
進んできました。これは、恐竜が羽毛を持つことと関係があります。

T・レックスはふたたび羽毛なしで再現されることが多くなった
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このところ、恐竜の再現図が変化してきましたよね。
鳥のような羽毛を持った姿で多く描かれるようになりました。
最初の羽毛恐竜が発見されたのは1996年で、その後次々に
見つかるようになったんですが、全体からみればまだ少数です。

で、羽毛恐竜の化石をくわしく調べたところ、メラノソームという
器官が見つかったんです。これはメラニン色素を含む細胞小器官で、
多くの生物にあります。始祖鳥のメラノソームを分析した結果、
羽根の色は黒であることがわかりました。その後、さらに分析が
進められ、羽根の内側はもっと明るい色であることも判明しました。

羽毛化石の多くは中国の遼寧省で見つかりますが、2010年、
ジュラ紀後期(約1億5000万年前)の地層から見つかった
アンキオルニスという羽毛恐竜の化石から、全身の色を推定する
ことに米中の合同研究チームが成功しました。下図をごらん
いただければわかりますが、まんま鳥ですよね。

アンキオルニス


やはり鳥類は恐竜の子孫というか、恐竜の一部が進化した種で
あることがよくわかります。研究チームは、色や模様が
わかっているさまざまな現生鳥類の羽毛を調べ、細胞内の
メラニン色素を含むメラノソームの形や大きさ、
密度と実際の羽の色との関係をデータベース化。

その上で、ほぼ全身の羽毛が保存されていたアンキオルニスの
化石から、29カ所の羽毛を顕微鏡で観察。メラニン色素の分布を
データベースにあてはめ、各部位の色を推定したんです。
電子顕微鏡やコンピュータ技術がなかった昔では無理な話ですね。

T・レックスの貴重な皮膚化石
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さて、ここまで書いてきたのはあくまで羽毛恐竜の色ですが、
そうではない恐竜はどうだったのか。スウェーデン・ルンド大学の
研究チームは、モササウルスやイクチオサウルスなどの化石から
分子を抽出して分析。その結果、やはりメラニン色素が見つかり、

また、色素密度が非常に高かったことから、「全体的に黒ずんだ
色合いの皮膚」と結論づけています。ですから、将来的には
ティラノサウルス・レックスの色もわかるかもしれません。
ちなみに、T・レックスの皮膚化石は見つかっており、
それはウロコ肌で、羽毛説に疑問を投げかけています。

パラサウロロフス
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さて、残り字数が少なくなってきました。次に恐竜の声は
どうだったのか。これも化石からはノドの構造はわかりません。
ただ、カモノハシ竜の仲間であるパラサウロロフスの研究では、
この種類は頭部から後ろに1mも伸びる長いトサカを持っていて、

その内部は空洞です。この模型をつくり、空気を通してみたところ、
管楽器のオーボエをもう少し低くしたような音が出ました。
子どもの頃はトサカが短いので、大人よりは高い音だったと
推測できます。ただ、動物が音を出すしくみはいろいろで、
これ以外の恐竜についてはよくわかっていません。

映画で主人公たちを追いつめたヴェロキラプトル
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さてさて、映画の話に戻って、『ジェラシック・パーク』では
鳴き声はどうしていたかというと、ヴェロキラプトルのうなり声は、
カメの交尾するときの音を録音して合成しています。
また、T・レックスの吠え声は、犬・ペンギン・トラ・ワニ・ゾウ、
この5種類の動物の鳴き声をミックスしたものだそうです。

この他にも、複数の恐竜にウマの声が使われているということです。
ということで、恐竜の体色と声の話でしたが、
まだ書くことはたくさんありますので、そのうち続きを
やりたいと思います。では、今回はこのへんで。

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UMA学の基本その1

2020.03.30 (Mon)
合成の可能性大の漂着UMA
明らかな深海魚の合成画像

今回はこういうお題でいきます。カテゴリはUMA談義。
じつは自分はオカルトに興味を持ったきっかけがUMA(未確認生物)
だったので、この分野はたいへん好きなんですが、いかんせん
話題がありません。どこそこの海岸に不可思議な物体が流れ着き、
〇〇政府で分析中・・・ここで情報が立ち消える。

十年一日のように同じことをくり返し、知識の集積ということが
ないんです。まあ、世界的なUMAの研究機関があるわけでも
ないので、しかたないことなんですが。マスコミの姿勢もよくない
ですよね。画像を載せ、煽りのキャプションを入れてそれで終わり。
ただうさん臭さだけが積み重なっていくという。

さて、本項では、自分がこれまでに研究してきたUMA学の
基本について書いていきます。ただ、過去記事と多少かぶるところが
あるかもしれません。では、基本その1、「〇〇には見えない」を
信用してはいけない。このバリエーションとして、「〇〇に△△はない」
というのがあります。要は見た目にだまされないこと。

どういうことかは、おいおい説明していきます。下の画像を
ごらんください。これは2017年、フィリピンのディナガット・
アイランズ州の海岸に打ち上げあられた巨大な生物組織。白い毛の
固まりで、ある種の犬の顔みたいにも見えます。地元では話題騒然、
こんなのは漁師でも見たことがないと評判になりましたが・・・

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フィリピンの自治体が出した結論はマッコウクジラの死体。
今は簡単にDNA分析ができますので、まず間違いはないでしょう。
毛のように見えるのは、腐敗した筋肉組織がくり返し波で洗われたため。
ぶっちゃけた話、地球上でここまで巨大な生物はクジラしかいません。

次の画像は、UMAフアンには有名なもので、1896年、アメリカ・
フロリダ州セント・オーガスティンに近いアナスタシア島の海岸に
打ち上げられたもので、後に「セント・オーガスティンモンスター」
と名づけられました。最初にこれを分析した地元医師は、
ハーバード大学に鑑定を依頼します。

vvvv (5)

動物学、頭足類の権威であったハーバードの教授が出した結論は
巨大タコ。2ヶ月後、その物体は、オクトパス・ギガンテウス
(Octopus giganteus)と命名されました。重さは5トンほどもあり、
タコの全長は30m級と推定されました。ですが、タコは寿命が短く、
そこまで大きくなれるかの疑問もありました。

その後、死骸は失われてしまいます。おそらく腐敗がひどいので
埋めたか海に還されたかしたんでしょう。ただし標本は残っていて、
1970年代に行われた分析でも結論はタコ。ですが、1995年、
再度分析が行われ、電子顕微鏡の進歩により、肉塊は皮膚下の
タンパク質構造であるコラーゲンであることが判明したんです。

もちろんクジラのものです。次に行きます。下の画像は、
1969年、メキシコ、ベラクルス州のテコルートラ町の海岸で発見
されたもので、漂着してから何週間かたっており、かなり腐敗が進んで、
あちこちの骨がむき出しになり、なかば砂に埋れていたそうです。

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通称「テコルートラの怪物」と言います。これについては以前に
詳しく書きましたが、自分の結論はクジラ、おそらくナガスクジラです。
画像の左は恐竜の頭のようにも見えますが、これはクレーンで
持ち上げられ、さらに前のクチバシ部分を切り取られているからです。

ここで、クジラにクチバシはないと思われるかもしれませんが、
そもそもクチバシではなく、頭骨の一部ですね。
調査団が来て調べた結果は、おそらくクジラだろうが、突然変異かも
しれないというもの。まあ、DNA分析のなかった当時としては
いたしかたないでしょうね。

次、これも前にご紹介したかな。2007年、アフリカのギニアの海岸に
漂着したもので、巨大な亀ではないかとも言われましたが、
自分の見るところではやはりクジラです。
横から見た画像ではっきりしますが、このヒレはクジラのものです。

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それが何でこうなったかと言うと、爆発(笑)したからでしょう。
クジラの死体はふつうは沈みますが、腐敗ガスがたまって浮き上がって
くることがあります。(下の画像)そして爆発するんですが、
火薬的なものではないので、破裂と言ったほうがいいのかな。
上部の模様を比べてみれば、そっくりなのがわかるでしょう。

腐敗したクジラ わかりにくいですがヒレも同じです
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次、2007年に中国の海岸で発見されたものです。やはりクチバシ状の
骨があり、その部分だけで1メートル、頭全体では約3メートル。
一部では、プテラノドンなどの翼竜の生き残りではないかと
言われましたが、ただ似ているだけです。

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この頭は100kg以上はゆうにありそうですが、それでは翼竜は
滑空できません。翼竜は翼長12m級の大型のものでも、
骨が中空になっていて、体重は70Kgまでもいかなかったと考えられて
います。これはザトウクジラなどの中型クジラでしょう。
あ、基本その1を書いてるうちに終わってしまいました。

さてさて、ということで、UMAの死体の場合、見た目が何かに似ている
といって、結論を急いではいけません。あと、「経験の深い漁師が
クジラではないと言っている」などの証言があっても、その漁師は
クジラの解剖や腐敗過程の観察はしたことがないはずです。
では、今回はこのへんで。





イカのオカルト

2019.12.22 (Sun)
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今回はこういうお題でいきます。どっちかといえばUMA系の内容に
なるかもしれません。さて、自分は趣味で海水魚飼育をしていますが、
イカを飼ったことはありません。アクアリウム仲間でも、
イカを飼ってる人はほとんどいないんですが、
これにはいろいろ理由があります。

まず、イカの寿命が短いことで、ほとんどの種類が寿命1年以内と
言われています。アオリイカなんかは50cm以上になるので、
ちょっと信じがたいんですが、ひじょうに成長が早いんですね。
餌を食べれば、食べた分だけ大きくなります。

有名な画像 フェイクであることが判明しています
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それと、餌付けが難しいことです。基本的に生き餌しか食べない
と思われ、小魚などを用意するのが大変。あと、デリケートな
生物なので、水槽のガラスにぶつかっただけで死んでしまうという
こともあるようです。この対策として、市場などで飼っているイカは、
円形の生簀に入れて水流をつけたりしていますね。

水族館で展示している場合も、死んだらすぐに補充するという形で、
同じ個体を長期飼育しているわけではありません。
さて、イカのオカルトというと、やはりダイオウイカ関係が
まずあげられるでしょう。未確認生物ではありませんが、
巨体なのに生態がよくわかっていません。

水中のダイオウイカ 目が怖い
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これまでずっと、海岸に死んで打ち上げられたものしか見る機会が
なかったんですね。近年、ダイオウイカと呼ばれているものには
2種類いることがわかってきました。ダイオウイカと
ダイオウホウズキイカです。この2種、
分類学上は近縁とは言えないようです。

大きな違いは、ダイオウイカが腕に吸盤を持っているのに対し、
ダイオウホウズキイカは鋭いかぎ爪になっていることです。
大きさは、ダイオウイカが最大のもので体長18m以上、
ダイオウホウズキイカのほうはもっと大きく、
20m以上になる可能性が指摘されています。

ダイオウホウズキイカの触手 吸盤ではなくかぎ爪を持っている
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同程度の体長の場合、体重はダイオウホウズキイカのほうが
だいぶ重い。丸く太った形をしてるんですね。
で、これらのイカも、けっして寿命は長くはなく、
3年前後と見られています。なぜ、イカの仲間が短期間で
これほど大きくなるのかは解明されていません。

あと、われわれが目にする刺し身のイカは白いですが、
イカは体表の色を変えることができ、ダイオウイカは水中では
赤褐色をしていることが多いようです。海岸に打ち上げられた
ものは、体表組織がはがれ落ちて白くなっている。

タコ型のクラーケン
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ダイオウイカの天敵がマッコウクジラなのもよく知られて
います。マッコウクジラを解剖すると、胃からダイオウイカの
組織が出てくることが多いんです。また、マッコウクジラの体に、
吸盤の跡や引っかき傷が見られることもあり、
深海での生存競争がくり広げられているようです。

さて、西洋には「クラーケン」という海の怪物の伝説がありますが、
そのモデルがダイオウイカと言われます。クラーケンが
描かれた絵を見ると、頭が丸いものが多く、イカとタコのイメージが
混ざっているように思えますが、タコの仲間でダイオウイカほどの
大きさになるものは知られていません。

イカ型のクラーケン
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クラーケンの大きさは、数十mから数kmまであります。
さすがに後者は伝説の域を出ないでしょう。
クラーケンは船を襲ってひっくり返し、海に落ちた船員を食べて
しまうとも言われますが、ダイオウイカが人間を襲ったという
報告は、近代になってからはありません。

生活域が交わらないんですね。ただ、船が死んで浮いている
ダイオウイカにぶつかったなどのことは考えられなくもないでしょう。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』
に登場したクラーケンは、触手はタコに似てましたが、
頭にイカのエンペラ(三角の外套膜)があったと思います。

シー・モンク


さて、伝説のUMAの一種に「シー・モンク」というのがあります。
モンクというのはキリスト教の修道士のことで、また
「ビショップ・フィッシュ」という別名もあります。ノルウエーなどで、
このシーモンクが浜に打ち上げられたり、網にかかった記録が
残っていて、これにはダイオウイカ説があります。

上の画像を見てもらえばわかりますが、足が複数あって長く
イカっぽいですよね。外套膜のようなものも見られます。
で、日本のUMA(妖怪?)に「アマビエ」というのがいます。
これはおそらく「アマビコ 天彦」の誤記だと考えられる
(コ を エ と書き誤った)んですが、

アマビエ シー・モンクに似ています
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幕末に熊本県に現れたアマビエは「姿は人魚に似ているが、
口はくちばし状で、首から下は鱗に覆われ、三本足であった」と
記録されています。上の画像をごらんください。
シーモンクとよく似てませんか。口がくちばし状というところからも、
自分はこれもダイオウイカではないかと考えています。

さてさて、ということで、やはりUMAよりの内容になりました。
みなさんは寿司ネタとしてのイカはお好きでしょうか。
自分はあっさりしているようで、噛んでいると深い味わいがあって
大好きです。ということで、今回はこのへんで。

イカのくちばし
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UMAとは何か?

2019.10.22 (Tue)
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今回はこういうお題でいきます、ひさびさにUMAの記事ですが、
UMAってオカルトのジャンルの中でも、あんまり人気ないんですよね。
日本で一番盛り上がっているオカルトは、やはり心霊だと思います。
これに対し、海外ではUFOが最もメジャーという国が多い印象です。
ではUMAはどうかというと、中にはそういう概念すらない国もあります。

もともと、UMAという言葉は日本でつくられたもので、外国人に
言っても通用しません。1976年、『SFマガジン』編集長の森優氏
(後の超常現象研究家の南山宏氏)が、UFO(Unidentified Flying Object)
を参考にして考案したもので、「Unidentified Mysterious Animal」
という和製英語です。

では、英語ではこのような「未確認動物」を何というかというと、
「Cryptid」で、それを研究する学問が「Cryptozoology(隠棲動物学)」。
ただ、この単語も特殊なもので、自分が前にカナダ人の友人に
話したときには、まったく通じませんでした。向こうでも、
普通の人が日常使うような言葉ではないんですね。

最近、最も目撃例の多い、アメリカとカナダの国境付近にあるメンフレマゴック湖の「メンフレ」
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このとき、相手がカナダ人ということで、自分は、オカナガン湖に
棲むUMA、オゴポゴ(Ogopogo)について話題をふったんですが、
それも知らなかったんです。この友人は、オカナガン湖がある
ブリティッシュコロンビア州に住んでいるのに。海外でも、
この手のことに興味のない人には、ほとんど知識がありません。

ちなみに、オゴポゴとは、体長は5~15m、頭が60cm程度の
蛇状の生物とされます。この名前からわかるように、アメリカ先住民の
伝説がもとになっています。正体としては、巨大なチョウザメ、
バシロサウルスや首長竜、新種のクジラ説があります。

南極近海の「ニンゲン」さすがにこれはフェイク画像
Gて (1)

さて、UMAについて、まず「Animal(生物)」の部分は問題ないですよね。
「Unidentified(未確認)」はどうでしょう。未確認というのは
「新種記載」されていないということです。新種記載は分類学(博物学)
の用語で、もしみなさんが新種らしき生物を発見し、命名したいと
考えた場合、これにチャレンジすることになりますが、かなり大変です。

まず、その生物がすでに記載されたものではないかを調べるため、
過去の膨大な論文にあたらなくてはなりません。そこでもし、
同じと思えるものが見つかった場合、残念ながら新種発見ではなく
「同定」ということになってしまいます。で、新種で間違いない
となったら「国際命名規約」にしたがって、やっと命名できるんですね。

イギリス、ノーフォーク州グレート・ヤーマスの海岸で発見された漂着物
Gて (3)

ここでやっかいなのが、新種記載には「標本」が必ずいることで、
写真に撮った、ビデオに収めただけではダメなんです。
ハードルが高いですね。例えば深海生物の場合、多くの目撃例があり、
いる場所もわかっていてビデオに撮られている。でも、標本がないので
新種と認定されていないものは多いんです。

世界には、この新種記載を趣味としている人がけっこういます。
日本でも昆虫でそれをやってるグループなどがありますが、
こんな面倒くさいことをよくやるなあと、自分なんかは思ってしまいます。
で、このことはUMAの定義と深く関連してるんですね。みなさんは、一般的な
昆虫や小さいエビなんかが新種であっても、それをUMAと言いますか?

ちょっと違うんじゃないと思いますよね。ここで重要なのが「Mysterious
(神秘的)」の部分です。何らかの形で、多くの人の興味を惹きつける
話題性がないと、UMAとは言わないんじゃないでしょうか。例えば大きさ。
「あの湖には最低5mくらいの蛇状の生物がいる」こういう証言があれば、
わくわくしますよね。そこが重要なんです。

フィリピンで発見された漂着物 政府の調査でクジラの一部と判明 毛のようなものは皮膚組織
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そんな大きなものが今まで発見されてないのは不思議です。
何らかの形で「神秘性、不思議さ」がなければ、UMAの条件を満たしません。
また、UMAは はかないものだとも思います。発見されたと同時に
UMAではなくなってしまい、新種生物になります。あるいは、
それがバシロサウルスとかだった場合、絶滅生物の生き残りです。

絶滅と思われていた生物が生き残っていて見つかった例はけっこうあり、
その代表格がシーラカンスですね。約6500万年前(中生代白亜紀末)
の大量絶滅時に消えた生物と考えられていましたが、1938年、
南アフリカ沖で発見されて世界の生物学者は騒然となりました。

大水族館でも長期飼育に成功していないシーラカンス
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現在、世界で生き残りがいるんじゃないかと言われているものには、
メガロドン、バシロサウルス、プレシオサウルスなどの首長竜、
プテラノドンなどの翼竜がいます。ただ、これらは絶滅したと考えられる
時期がだいぶ違います。では、ネッシーはどうでしょう。
首長竜説もありますよね。

さて、前に記事に書いたんですが、国際的な科学者の合同チームが、
ネッシーを環境DNAの面から調べるプロジェクトが進められていたのが、
このたび終了しました。環境DNAは生物が出している物質のDNAで、
みなさんが周囲に髪の毛や皮膚の破片、唾液などをまき散らすのと
同じです。次世代シーケンサーという機器を使えば、正確にわかります。

インドネシアまたはブルネイの川で撮られとされる謎の画像
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これでネス湖の水を調べた結果、残念ながら未知の生物のDNAは
発見されませんでした。そのかわりというか、大量のウナギのDNAが
見つかっています。ネス湖は寒冷地にありますが、ウナギの生息には
適しているようです。調査チームのニュージーランド・オタゴ大学、
ニール・ゲメル教授は、「巨大ウナギの可能性がある」と述べています。

さてさて、ということで、今回はUMAの話題でした。
いつも書いていることですが、UMAの話題が盛り上がらないのは、
きちんとした調査をせず興味本位に取り扱い、続報を報道しない
マスコミに大きな責任があると思います。では、今回はこのへんで。

関連記事 『環境DNAって何?』

ネッシーについての調査団の推論 巨大ウナギ説
Gて (2)




ネッシーとUMA界の現状

2019.05.26 (Sun)
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スコットランドの山あいに細長く湛えられた神秘的なネス湖。
ここは言わずと知れた伝説のUMA、ネッシーがいく世代にもわたって
目撃されてきた場所である。1934年に大々的に報じられた、
ネッシーを撮影したとされる写真は、のちにフェイクであることが
わかったが、その後も目撃例が相次ぎ、ネッシーらしき何かが
必ず潜んでいるはずだと信じている人も多い。

昨年、ニュージーランドの研究チームはネッシーのDNA調査を
行うことを発表。まだまだ夢とロマンを捨てたくない
熱いUMAへの想いだが、ネッシー研究家の
スティーブ・フェルサム氏の見解は、ちょっと残念な感じのものだ。
ネッシーと思われる生き物はいるにはいるが、
それはヨーロッパオオナマズであるというのだ。
(カラパイア)

今回は科学ニュースから、このお題でいきたいと思います。
何をいまさらという感もありますが、ネス湖に潜むとされるネッシーは、
「ヨーロッパオオナマズ」が正体ではないかとするものですね。
まあ、その可能性はかなりあるんじゃないでしょうか。

この記事に登場するスティーブ・フェルサム氏は、
有名なネッシー研究家で、ネッシーの夢にとりつかれ、24年前に仕事を
やめて以来、ネス湖畔にキャンピングカーを持ち込んで住み、
一生を研究に捧げてきた人物ですので、その人が言う言葉には重みがあります。

スティーブ・フェルサム氏と住居のキャンピングカー
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さて、前にも少し書きましたが、ネッシーの正体については、
3つの説があります。① 既知生物説 ② 絶滅した古生物説
③ まったくの新種生物説 ですね。この中で、引用した記事の推論は
①ということになりますが、既知生物説はあまり好まれないんですよね、
理由はおわかりだと思います。ツマラナイ、夢がないからです。

既知生物の中で、ネッシーの候補にあげられることが多いのは、
やはりヨーロッパオオナマズ、それからチョウザメですね。
これについては現在調査が進められています。次世代シーケンサーという
装置を使って、水の中に溶け込んでいる環境DNAを調べるんです。

ヨーロッパオオナマズ 遠近法が使われているため大きく見えますが、おそらく2m以下xdsr (1)

このことは、前に一度記事に書いていますが、みなさんが毎日、
髪の毛やつば、皮膚の破片などを周囲にまき散らしているように、
水中の生物も、そのDNAが含まれた物質を水の中に溶かし込んでいます。
その水のサンプルをシーケンサーにかけて分析すると、
その水域にすんでいるほぼすべての生物がわかるということになります。

関連記事 『環境DNAって何?』

えー、そんなの不正確だろ、と思われるかもしれませんが、
そうではありません。日本の琵琶湖でこれによる調査を行ったところ、
人間が網などで捕獲して調査するよりも正確で、日数は短期間で済み、
しかも費用も安上がりだったという結果が出ているんです。

DNA分析を行う次世代シーケンサー
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ですから、この調査を行えば、ネス湖にヨーロッパオオナマズ、
あるいはチョウザメがすんでいるかどうかはわかるはずです。
また、もしもですが、未知のDNAを含んだ物質が発見された場合、
それがネッシーの正体である可能性も、ぜったいにないとは言えないんです。

さて、ネッシーについては、②の古代生物の生き残り説が言われることが
多かったんですね。主な候補となったのはプレシオサウルスなどの
首長竜です。ただ、首長竜類の絶滅は今から6500万年も前のことで、
約150万年前の生物であるメガロドンが生き残っている
というのとはちょっと話が違うんですね。

しかも、ネス湖一帯は約1万1000年前まで氷河に覆われており、
ネス湖ができたのはその氷河が溶けてからです。ですから、首長竜がすんでいる
ことは理論的にありえません。この事実があまりに重いため、
ヨーロッパの研究者はなんとかして抜け道を考え出そうとしました。
いわく、ネス湖には地下洞窟があって海とつながっているとか。

プレシオサウルス
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でも、何度か行われているボーリング調査の結果では、海水がネス湖に
入り込んだ痕跡は皆無なんです。さらに、もし湖底トンネルがあったとしても、
圧力の関係から、そこをある程度の大きさの生物が通るのは
不可能だろうと考えられます。上記引用のニュースも、こういったことを考慮し、
現実的なヨーロッパオオナマズ説が主張されているのだと思います。

ヨーロッパオオナマズは、全長が最大4m、体重が400kgに達すると
されます。ただ、最近は開発が進んで生息環境が荒らされているせいか、
2m以上の大物が見つかるのはごく稀です。大物と言われるものでも、
1.5m、体重50kg以下がほとんどです。人食いナマズ 「クノ」
といった話もありますが、伝説の域を出ません。

あと、これは余談ですが、チェルノブイリ事故で立入禁止になった
地域の川で巨大魚が日常的に目撃され、写真にも撮られていて(下の画像)、
放射能の影響で突然変異して大きくなったなどと言われますが、
これこそヨーロッパオオナマズで、人間がまったくいなくなったため、
生息に適した環境になって成長したのだと思われます。

立入禁止区域で目撃される巨大魚
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さて、こっからはUMA界の現状についての話になりますが、
数あるオカルトの分野の中でも、特に盛り上がりに欠けていると思います。
これにはいろいろな原因があり、まあ、一番大きいのは、
世界の隅々にまで人が行くようになり、未踏の領域が減ったことです。

あとは、画像・映像加工ソフトの登場で、写真の専門家でなくても、
簡単にUMA画像を作れるようになったこと。ただ、これについては、
心霊やUFOでも同じですよね。自分は、UMA話が盛り上がらない最大の原因は、
報道する側の安易な姿勢にあると思っています。「○○国の、〇〇海岸に
流れ着いた不気味な死体」みたいな形で画像が紹介されます。

有名な漂着死体
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で、「正体は不明、現地人は誰も見たことがないと言っている。
現在、政府の関係機関が回収して調査中」・・・これで報道が終わってしまって、
続報が出ることはまずありません。そもそも、アフリカなどの途上国の場合、
漂着死体が見つかっても調査なんかしないですし、分析機器もありません。
多くの場合、埋めるか捨てられて終わりでしょう。

さらに、珍しく「ウバザメの死体である」と結論が出たとしても、
それは報道されないんですね。マスコミには「報道しない自由」というのが
あるらしく、ニュース価値がないと判断されるわけです。
ですが、自分のようなオカルトを研究しているものにとっては、
ある生物の死体が、どのように腐敗し、また波に洗わたり他の生物に
食われて変形するかは、ひじょうに興味深いことなんです。

さてさて、ということで、UMA関係のニュースを穴埋め記事的にあつかっている
関係者には猛省をうながしたいと思います(笑)。狼少年の話と同じで、
こういうことがくり返されていると、だんだん興味が失われていくのは
当然でよね。では、今回はこのへんで。

関連記事 『クジラのクチバシ』