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イカのオカルト

2019.12.22 (Sun)
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今回はこういうお題でいきます。どっちかといえばUMA系の内容に
なるかもしれません。さて、自分は趣味で海水魚飼育をしていますが、
イカを飼ったことはありません。アクアリウム仲間でも、
イカを飼ってる人はほとんどいないんですが、
これにはいろいろ理由があります。

まず、イカの寿命が短いことで、ほとんどの種類が寿命1年以内と
言われています。アオリイカなんかは50cm以上になるので、
ちょっと信じがたいんですが、ひじょうに成長が早いんですね。
餌を食べれば、食べた分だけ大きくなります。

有名な画像 フェイクであることが判明しています
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それと、餌付けが難しいことです。基本的に生き餌しか食べない
と思われ、小魚などを用意するのが大変。あと、デリケートな
生物なので、水槽のガラスにぶつかっただけで死んでしまうという
こともあるようです。この対策として、市場などで飼っているイカは、
円形の生簀に入れて水流をつけたりしていますね。

水族館で展示している場合も、死んだらすぐに補充するという形で、
同じ個体を長期飼育しているわけではありません。
さて、イカのオカルトというと、やはりダイオウイカ関係が
まずあげられるでしょう。未確認生物ではありませんが、
巨体なのに生態がよくわかっていません。

水中のダイオウイカ 目が怖い
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これまでずっと、海岸に死んで打ち上げられたものしか見る機会が
なかったんですね。近年、ダイオウイカと呼ばれているものには
2種類いることがわかってきました。ダイオウイカと
ダイオウホウズキイカです。この2種、
分類学上は近縁とは言えないようです。

大きな違いは、ダイオウイカが腕に吸盤を持っているのに対し、
ダイオウホウズキイカは鋭いかぎ爪になっていることです。
大きさは、ダイオウイカが最大のもので体長18m以上、
ダイオウホウズキイカのほうはもっと大きく、
20m以上になる可能性が指摘されています。

ダイオウホウズキイカの触手 吸盤ではなくかぎ爪を持っている
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同程度の体長の場合、体重はダイオウホウズキイカのほうが
だいぶ重い。丸く太った形をしてるんですね。
で、これらのイカも、けっして寿命は長くはなく、
3年前後と見られています。なぜ、イカの仲間が短期間で
これほど大きくなるのかは解明されていません。

あと、われわれが目にする刺し身のイカは白いですが、
イカは体表の色を変えることができ、ダイオウイカは水中では
赤褐色をしていることが多いようです。海岸に打ち上げられた
ものは、体表組織がはがれ落ちて白くなっている。

タコ型のクラーケン
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ダイオウイカの天敵がマッコウクジラなのもよく知られて
います。マッコウクジラを解剖すると、胃からダイオウイカの
組織が出てくることが多いんです。また、マッコウクジラの体に、
吸盤の跡や引っかき傷が見られることもあり、
深海での生存競争がくり広げられているようです。

さて、西洋には「クラーケン」という海の怪物の伝説がありますが、
そのモデルがダイオウイカと言われます。クラーケンが
描かれた絵を見ると、頭が丸いものが多く、イカとタコのイメージが
混ざっているように思えますが、タコの仲間でダイオウイカほどの
大きさになるものは知られていません。

イカ型のクラーケン
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クラーケンの大きさは、数十mから数kmまであります。
さすがに後者は伝説の域を出ないでしょう。
クラーケンは船を襲ってひっくり返し、海に落ちた船員を食べて
しまうとも言われますが、ダイオウイカが人間を襲ったという
報告は、近代になってからはありません。

生活域が交わらないんですね。ただ、船が死んで浮いている
ダイオウイカにぶつかったなどのことは考えられなくもないでしょう。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』
に登場したクラーケンは、触手はタコに似てましたが、
頭にイカのエンペラ(三角の外套膜)があったと思います。

シー・モンク


さて、伝説のUMAの一種に「シー・モンク」というのがあります。
モンクというのはキリスト教の修道士のことで、また
「ビショップ・フィッシュ」という別名もあります。ノルウエーなどで、
このシーモンクが浜に打ち上げられたり、網にかかった記録が
残っていて、これにはダイオウイカ説があります。

上の画像を見てもらえばわかりますが、足が複数あって長く
イカっぽいですよね。外套膜のようなものも見られます。
で、日本のUMA(妖怪?)に「アマビエ」というのがいます。
これはおそらく「アマビコ 天彦」の誤記だと考えられる
(コ を エ と書き誤った)んですが、

アマビエ シー・モンクに似ています
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幕末に熊本県に現れたアマビエは「姿は人魚に似ているが、
口はくちばし状で、首から下は鱗に覆われ、三本足であった」と
記録されています。上の画像をごらんください。
シーモンクとよく似てませんか。口がくちばし状というところからも、
自分はこれもダイオウイカではないかと考えています。

さてさて、ということで、やはりUMAよりの内容になりました。
みなさんは寿司ネタとしてのイカはお好きでしょうか。
自分はあっさりしているようで、噛んでいると深い味わいがあって
大好きです。ということで、今回はこのへんで。

イカのくちばし
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UMAとは何か?

2019.10.22 (Tue)
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今回はこういうお題でいきます、ひさびさにUMAの記事ですが、
UMAってオカルトのジャンルの中でも、あんまり人気ないんですよね。
日本で一番盛り上がっているオカルトは、やはり心霊だと思います。
これに対し、海外ではUFOが最もメジャーという国が多い印象です。
ではUMAはどうかというと、中にはそういう概念すらない国もあります。

もともと、UMAという言葉は日本でつくられたもので、外国人に
言っても通用しません。1976年、『SFマガジン』編集長の森優氏
(後の超常現象研究家の南山宏氏)が、UFO(Unidentified Flying Object)
を参考にして考案したもので、「Unidentified Mysterious Animal」
という和製英語です。

では、英語ではこのような「未確認動物」を何というかというと、
「Cryptid」で、それを研究する学問が「Cryptozoology(隠棲動物学)」。
ただ、この単語も特殊なもので、自分が前にカナダ人の友人に
話したときには、まったく通じませんでした。向こうでも、
普通の人が日常使うような言葉ではないんですね。

最近、最も目撃例の多い、アメリカとカナダの国境付近にあるメンフレマゴック湖の「メンフレ」
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このとき、相手がカナダ人ということで、自分は、オカナガン湖に
棲むUMA、オゴポゴ(Ogopogo)について話題をふったんですが、
それも知らなかったんです。この友人は、オカナガン湖がある
ブリティッシュコロンビア州に住んでいるのに。海外でも、
この手のことに興味のない人には、ほとんど知識がありません。

ちなみに、オゴポゴとは、体長は5~15m、頭が60cm程度の
蛇状の生物とされます。この名前からわかるように、アメリカ先住民の
伝説がもとになっています。正体としては、巨大なチョウザメ、
バシロサウルスや首長竜、新種のクジラ説があります。

南極近海の「ニンゲン」さすがにこれはフェイク画像
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さて、UMAについて、まず「Animal(生物)」の部分は問題ないですよね。
「Unidentified(未確認)」はどうでしょう。未確認というのは
「新種記載」されていないということです。新種記載は分類学(博物学)
の用語で、もしみなさんが新種らしき生物を発見し、命名したいと
考えた場合、これにチャレンジすることになりますが、かなり大変です。

まず、その生物がすでに記載されたものではないかを調べるため、
過去の膨大な論文にあたらなくてはなりません。そこでもし、
同じと思えるものが見つかった場合、残念ながら新種発見ではなく
「同定」ということになってしまいます。で、新種で間違いない
となったら「国際命名規約」にしたがって、やっと命名できるんですね。

イギリス、ノーフォーク州グレート・ヤーマスの海岸で発見された漂着物
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ここでやっかいなのが、新種記載には「標本」が必ずいることで、
写真に撮った、ビデオに収めただけではダメなんです。
ハードルが高いですね。例えば深海生物の場合、多くの目撃例があり、
いる場所もわかっていてビデオに撮られている。でも、標本がないので
新種と認定されていないものは多いんです。

世界には、この新種記載を趣味としている人がけっこういます。
日本でも昆虫でそれをやってるグループなどがありますが、
こんな面倒くさいことをよくやるなあと、自分なんかは思ってしまいます。
で、このことはUMAの定義と深く関連してるんですね。みなさんは、一般的な
昆虫や小さいエビなんかが新種であっても、それをUMAと言いますか?

ちょっと違うんじゃないと思いますよね。ここで重要なのが「Mysterious
(神秘的)」の部分です。何らかの形で、多くの人の興味を惹きつける
話題性がないと、UMAとは言わないんじゃないでしょうか。例えば大きさ。
「あの湖には最低5mくらいの蛇状の生物がいる」こういう証言があれば、
わくわくしますよね。そこが重要なんです。

フィリピンで発見された漂着物 政府の調査でクジラの一部と判明 毛のようなものは皮膚組織
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そんな大きなものが今まで発見されてないのは不思議です。
何らかの形で「神秘性、不思議さ」がなければ、UMAの条件を満たしません。
また、UMAは はかないものだとも思います。発見されたと同時に
UMAではなくなってしまい、新種生物になります。あるいは、
それがバシロサウルスとかだった場合、絶滅生物の生き残りです。

絶滅と思われていた生物が生き残っていて見つかった例はけっこうあり、
その代表格がシーラカンスですね。約6500万年前(中生代白亜紀末)
の大量絶滅時に消えた生物と考えられていましたが、1938年、
南アフリカ沖で発見されて世界の生物学者は騒然となりました。

大水族館でも長期飼育に成功していないシーラカンス
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現在、世界で生き残りがいるんじゃないかと言われているものには、
メガロドン、バシロサウルス、プレシオサウルスなどの首長竜、
プテラノドンなどの翼竜がいます。ただ、これらは絶滅したと考えられる
時期がだいぶ違います。では、ネッシーはどうでしょう。
首長竜説もありますよね。

さて、前に記事に書いたんですが、国際的な科学者の合同チームが、
ネッシーを環境DNAの面から調べるプロジェクトが進められていたのが、
このたび終了しました。環境DNAは生物が出している物質のDNAで、
みなさんが周囲に髪の毛や皮膚の破片、唾液などをまき散らすのと
同じです。次世代シーケンサーという機器を使えば、正確にわかります。

インドネシアまたはブルネイの川で撮られとされる謎の画像
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これでネス湖の水を調べた結果、残念ながら未知の生物のDNAは
発見されませんでした。そのかわりというか、大量のウナギのDNAが
見つかっています。ネス湖は寒冷地にありますが、ウナギの生息には
適しているようです。調査チームのニュージーランド・オタゴ大学、
ニール・ゲメル教授は、「巨大ウナギの可能性がある」と述べています。

さてさて、ということで、今回はUMAの話題でした。
いつも書いていることですが、UMAの話題が盛り上がらないのは、
きちんとした調査をせず興味本位に取り扱い、続報を報道しない
マスコミに大きな責任があると思います。では、今回はこのへんで。

関連記事 『環境DNAって何?』

ネッシーについての調査団の推論 巨大ウナギ説
Gて (2)




ネッシーとUMA界の現状

2019.05.26 (Sun)
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スコットランドの山あいに細長く湛えられた神秘的なネス湖。
ここは言わずと知れた伝説のUMA、ネッシーがいく世代にもわたって
目撃されてきた場所である。1934年に大々的に報じられた、
ネッシーを撮影したとされる写真は、のちにフェイクであることが
わかったが、その後も目撃例が相次ぎ、ネッシーらしき何かが
必ず潜んでいるはずだと信じている人も多い。

昨年、ニュージーランドの研究チームはネッシーのDNA調査を
行うことを発表。まだまだ夢とロマンを捨てたくない
熱いUMAへの想いだが、ネッシー研究家の
スティーブ・フェルサム氏の見解は、ちょっと残念な感じのものだ。
ネッシーと思われる生き物はいるにはいるが、
それはヨーロッパオオナマズであるというのだ。
(カラパイア)

今回は科学ニュースから、このお題でいきたいと思います。
何をいまさらという感もありますが、ネス湖に潜むとされるネッシーは、
「ヨーロッパオオナマズ」が正体ではないかとするものですね。
まあ、その可能性はかなりあるんじゃないでしょうか。

この記事に登場するスティーブ・フェルサム氏は、
有名なネッシー研究家で、ネッシーの夢にとりつかれ、24年前に仕事を
やめて以来、ネス湖畔にキャンピングカーを持ち込んで住み、
一生を研究に捧げてきた人物ですので、その人が言う言葉には重みがあります。

スティーブ・フェルサム氏と住居のキャンピングカー
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さて、前にも少し書きましたが、ネッシーの正体については、
3つの説があります。① 既知生物説 ② 絶滅した古生物説
③ まったくの新種生物説 ですね。この中で、引用した記事の推論は
①ということになりますが、既知生物説はあまり好まれないんですよね、
理由はおわかりだと思います。ツマラナイ、夢がないからです。

既知生物の中で、ネッシーの候補にあげられることが多いのは、
やはりヨーロッパオオナマズ、それからチョウザメですね。
これについては現在調査が進められています。次世代シーケンサーという
装置を使って、水の中に溶け込んでいる環境DNAを調べるんです。

ヨーロッパオオナマズ 遠近法が使われているため大きく見えますが、おそらく2m以下xdsr (1)

このことは、前に一度記事に書いていますが、みなさんが毎日、
髪の毛やつば、皮膚の破片などを周囲にまき散らしているように、
水中の生物も、そのDNAが含まれた物質を水の中に溶かし込んでいます。
その水のサンプルをシーケンサーにかけて分析すると、
その水域にすんでいるほぼすべての生物がわかるということになります。

関連記事 『環境DNAって何?』

えー、そんなの不正確だろ、と思われるかもしれませんが、
そうではありません。日本の琵琶湖でこれによる調査を行ったところ、
人間が網などで捕獲して調査するよりも正確で、日数は短期間で済み、
しかも費用も安上がりだったという結果が出ているんです。

DNA分析を行う次世代シーケンサー
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ですから、この調査を行えば、ネス湖にヨーロッパオオナマズ、
あるいはチョウザメがすんでいるかどうかはわかるはずです。
また、もしもですが、未知のDNAを含んだ物質が発見された場合、
それがネッシーの正体である可能性も、ぜったいにないとは言えないんです。

さて、ネッシーについては、②の古代生物の生き残り説が言われることが
多かったんですね。主な候補となったのはプレシオサウルスなどの
首長竜です。ただ、首長竜類の絶滅は今から6500万年も前のことで、
約150万年前の生物であるメガロドンが生き残っている
というのとはちょっと話が違うんですね。

しかも、ネス湖一帯は約1万1000年前まで氷河に覆われており、
ネス湖ができたのはその氷河が溶けてからです。ですから、首長竜がすんでいる
ことは理論的にありえません。この事実があまりに重いため、
ヨーロッパの研究者はなんとかして抜け道を考え出そうとしました。
いわく、ネス湖には地下洞窟があって海とつながっているとか。

プレシオサウルス
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でも、何度か行われているボーリング調査の結果では、海水がネス湖に
入り込んだ痕跡は皆無なんです。さらに、もし湖底トンネルがあったとしても、
圧力の関係から、そこをある程度の大きさの生物が通るのは
不可能だろうと考えられます。上記引用のニュースも、こういったことを考慮し、
現実的なヨーロッパオオナマズ説が主張されているのだと思います。

ヨーロッパオオナマズは、全長が最大4m、体重が400kgに達すると
されます。ただ、最近は開発が進んで生息環境が荒らされているせいか、
2m以上の大物が見つかるのはごく稀です。大物と言われるものでも、
1.5m、体重50kg以下がほとんどです。人食いナマズ 「クノ」
といった話もありますが、伝説の域を出ません。

あと、これは余談ですが、チェルノブイリ事故で立入禁止になった
地域の川で巨大魚が日常的に目撃され、写真にも撮られていて(下の画像)、
放射能の影響で突然変異して大きくなったなどと言われますが、
これこそヨーロッパオオナマズで、人間がまったくいなくなったため、
生息に適した環境になって成長したのだと思われます。

立入禁止区域で目撃される巨大魚
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さて、こっからはUMA界の現状についての話になりますが、
数あるオカルトの分野の中でも、特に盛り上がりに欠けていると思います。
これにはいろいろな原因があり、まあ、一番大きいのは、
世界の隅々にまで人が行くようになり、未踏の領域が減ったことです。

あとは、画像・映像加工ソフトの登場で、写真の専門家でなくても、
簡単にUMA画像を作れるようになったこと。ただ、これについては、
心霊やUFOでも同じですよね。自分は、UMA話が盛り上がらない最大の原因は、
報道する側の安易な姿勢にあると思っています。「○○国の、〇〇海岸に
流れ着いた不気味な死体」みたいな形で画像が紹介されます。

有名な漂着死体
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で、「正体は不明、現地人は誰も見たことがないと言っている。
現在、政府の関係機関が回収して調査中」・・・これで報道が終わってしまって、
続報が出ることはまずありません。そもそも、アフリカなどの途上国の場合、
漂着死体が見つかっても調査なんかしないですし、分析機器もありません。
多くの場合、埋めるか捨てられて終わりでしょう。

さらに、珍しく「ウバザメの死体である」と結論が出たとしても、
それは報道されないんですね。マスコミには「報道しない自由」というのが
あるらしく、ニュース価値がないと判断されるわけです。
ですが、自分のようなオカルトを研究しているものにとっては、
ある生物の死体が、どのように腐敗し、また波に洗わたり他の生物に
食われて変形するかは、ひじょうに興味深いことなんです。

さてさて、ということで、UMA関係のニュースを穴埋め記事的にあつかっている
関係者には猛省をうながしたいと思います(笑)。狼少年の話と同じで、
こういうことがくり返されていると、だんだん興味が失われていくのは
当然でよね。では、今回はこのへんで。

関連記事 『クジラのクチバシ』




モササウルスの話

2019.03.17 (Sun)
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今回はこういうお題でいきます。カテゴリはUMA談義ですが、
じつは、ネッシーはUMAですが、モササウルスをUMAと言うのは
難しいんですね。UMA(Unidentified Mysterious Animal)とは、
目撃例や画像のみがあって、正体がはっきりしていない生物のことです。

ですから、「ある水域に何か不思議な生物がいるようだ」
こういう噂が出ている時点ではUMAなんですが、
もしそれが捕獲され、モササウルスと同定されてしまった場合には、
既知の古代生物の生き残りということになってしまいます。
ま、シーラカンスと同じようなあつかいになるわけですね。

さて、モササウルスは中生代白亜紀後期の約7900万 ~
6500万年前に生息していた肉食海棲爬虫類です。
恐竜と生息していた時代がかぶっていますが、恐竜ではありません。
また、モササウルスというのは属の総称で、その中に何種類かがいます。

体長は約12~18メートルと大きく、現存するホオジロザメの4倍、
ジンベイザメの1.5倍の大きさがあります。胴体は細身で、
長い尾部を持っています。化石からはヒレの形状はわかりませんが、
現在のサメに近かったのではないかとする研究者もいますね。

映画 『ジュラシックワールド』
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性格は凶暴と考えられています。これは、発見されるモササウルスの
化石で、骨にまでケガを負っているものが大変に多いためで、
同種間での縄張り争いによるものと見られています。
食べていたのは、同時代の大型の魚類、爬虫類など。

かつては、ものかげに潜んで獲物を捕食していたという説が有力だった
んですが、最近の研究では、自分から積極的に狩りをして、
獲物を追いかけていたのではないかと考えられるようになりました。
当時の魚類などは、時速40kmほどで泳げたと考えられていて、
モササウルスはそれ以上の速度を出せたのかもしれません。

ちなみに、ホオジロザメが時速30kmほど、シャチが時速70km
程度と考えられています。白亜紀後期の海洋生物の食物連鎖の頂点に
立っていたわけですが、なぜ絶滅してしまったのかは、
他の恐竜類と同じで、約6600万年前にユカタン半島に衝突したと

考えられる巨大隕石(小惑星)による気候変動のためです。
このときには、海洋生物の約70%がいなくなるという
大絶滅が起きてるんですね。ですから、モササウルスが現在まで
生き残っている可能性は、かなり厳しいと見るしかないようです。

「動く棺桶」と呼ばれ、戦死率の高かったUボート


さて、このモササウルスを目撃したのではないかとする記録が残っています。
時は第一次世界大戦世界大戦のさなか、1915年7月30日、
場所はアイルランドのファストネット東南沖約14kmの海域、
ドイツ海軍第4潜水艦隊所属のUボート、U-28からの魚雷攻撃を受け、
イギリスの貨物船イベリアン号が沈没しました。

すると、船体の機関が爆発した衝撃で、巨大な生物が水面に浮き上がって
きました。その生物は全長が20mほどもあり、大きな4つのヒレと長い尾を持ち、
ワニの首を長くしたような姿をしていました。怪物はそのまま海に沈んだため、
写真撮影することはできませんでした・・・

モササウルスとUボート
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この話も、UMA本にはほぼ必ず載っていますね。ちなみに、Uボートの
フォストナー艦長のこの話が掲載されたのは、1933年10月19日付の
ドイツ新聞『アルゲマイネ・ツァイトゥング』です。
なんと、実際の目撃から18年もたってからのことです。

不思議ですよね。軍事上の秘密とも考えにくいし、
なぜずっと黙っていたんでしょう。これについて調査したのが、
イギリスの作家・歴史研究者であるマイク・ダッシュ(Mike dash)氏です。
この人の本は日本でも何冊か翻訳・刊行されています。

マイク・ダッシュ氏
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ダッシュ氏の調査によれば、まず、U-28号の当時の水兵で、
フォストナー艦長以外に、怪物の目撃談を話していた人物はいなかったこと。
そして、船長が新聞に目撃談を発表した1933年には、
当時の船員は一人も生き残っていなかったことが、つきとめられています。

さらに、U-28号のイベリアン号撃沈時の航海日誌が発見され、
そこには、怪物の目撃記録はまったく載っていなかったことも判明したん
ですね。これは怪しさ爆発です。残念ながら、ドイツ貴族の男爵でもあった
フォストナー艦長によるホラ話だったのではないかと、
現在は考えられているようです。

U-28号の当日の航海記録
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さてさて、では、モササウルスが実際に生き残ってる可能性は
ゼロなんでしょうか。これは難しいですね。モササウルスと並ぶ海棲の
巨大生物に、メガロドンがいますが、メガロドンはサメ、つまり魚類ですので、
空気呼吸が必要ないし、深くまで潜ることができます。
しかし、爬虫類のモササウルスはそうはいきません。

もし海面近くにいるのなら、もっと目撃例があってもよさそうなものです。
ただ、トルコのヴァン湖で目撃される「ジャノ(ジャノワール)」というUMAの姿が、
モササウルスに似ているという話もあります。ヴァン湖は塩湖で、
陸封されたモササウルスがいるのかもしれません。ぜひ生き残っていて
もらいたいものです。では、今回はこのへんで。

関連記事 『メガロドンについて』

「ジャノ」とされるUMA画像
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マンモス復活!?

2019.03.14 (Thu)
シベリアの永久凍土のなかで2万8000年間にわたって眠っていた
マンモスの化石から採集した細胞核を、マウスの卵子内で細胞分裂の
直前まで目覚めさせることに近畿大学などの国際共同グループが成功した。
絶滅動物を細胞レベルで復活させる夢に結びつくとして、
世界中から注目が寄せられている。
(ハザード・ラボ)



今回は、科学ニュースからこういうお題を拝借します。
マンモスの復活ですか。これ、じつはかなり昔から出ているニュース
なんですよね。マンモスの凍結死体が発見されるのは、
ほとんどが現ロシア、シベリアの永久凍土からですから、
古くからソ連の研究チームによって復活が試みられてきました。

ですが、結果として一例も復活していません。なぜ復活できないのか、
この主な原因は、DNAに半減期が存在するからです。
オーストラリアのコペンハーゲン大学の研究チームが、モアという
絶滅巨大鳥類の残存DNAを調べた結果、DNAには521年の半減期が
あることが判明したとされています。

モア


もちろん、死体の保存状況によって、その壊れ方は違うでしょうが、
温度マイナスの環境で良好に保存されていたとしても、
その崩壊をのがれることはできないようです。
半減期間の521年って、ずいぶん短いと思われませんか。

映画『ジュラシック・パーク』では、恐竜の血を吸った古代の蚊が、
樹液の中に閉じ込められてコハク化し、その中から恐竜のDNAを
採集していました。ですが、最後の恐竜が滅びたのが6500万年前
とされているので、たとえ空気に触れないコハクの中であっても、
そのDNAはボロボロに壊れてしまっているはずです。

コハクに閉じ込められた先史時代の蚊


ですから、現状では、恐竜復活は技術的に不可能。
まさに映画の中だけの夢物語なんですよね。では、マンモスの場合は
どうでしょう。みなさんの中には、マンモスは古代生物だから、
現存のゾウより大きかったと思われている人もいるんじゃないでしょうか。

でもこれ、みなさんがイメージする一般的なケナガマンモスは、
アフリカゾウよりもやや小さいんですね。体長540cm、
肩の高さ300cm~350cmと言われます。ただ、マンモスにも
種類があって、ステップマンモスはアフリカゾウよりかなり大きいですし、
中には、肩の高さ120cmのコビトマンモスなどもいます。

左から ステップマンモス・アフリカゾウ・ケナガマンモス


さて、マンモスは約400万年前から1万年前ころまでの期間に
生息していた哺乳類で、巨大な牙が特徴です。
現在のゾウの近縁種ではありますが、直接の祖先ではありません。
ですから、もし凍土の中でマンモスが見つかったとしても、
そのDNAは壊れてしまっているはずです。

マンモスが絶滅した原因には、いろいろな説があります。
・氷河期末期の気候変動にともなう植生の変化による
・人間の狩猟の対象になり、多くが狩られてしまったため
・伝染病の蔓延による などです。この他にもあるんですが、
最近の研究では、伝染病説が有力視されてきています。

あと、マンモスはいまだに生き残っていて、隠れて暮らしているという
説もあります。最後のマンモスは、紀元前1700年ころ、
東シベリアの沖合にある北極海上のウランゲリ島で狩猟されたという説が
ありますので、そんなことは絶対にないとも言いきれません。
この話もたいへん面白いんですが、今回ご紹介するのは無理ですね。

マンモスの骨格標本


さて、では、もしマンモスのDNAが発見されたとして、
どうやって復活させるのか。これには2通りの方法が考えられます。
一つめは、マンモスの精子を現代の雌ゾウの卵子に授精して
50%雑種のマンモスを誕生させ、雌が生まれれば、
再びその卵子にマンモスの精子を授精し、75%マンモスを作出します。

これを繰り返せば、やがては100%近いマンモスが生まれてくることに
なるはずですが、まず精子が壊れず残っていることは
考えにくいですし、もしうまくいくとしても、
数十年の歳月がかかってしまい、現実的には無理だと思われます。

もう一つの方法は、体細胞クローン技術を利用した方法で、
マンモスの凍結死体からDNAが状態よく保存された細胞を取り出し、
体細胞クローン技術により胚を発生させ、雌ゾウの子宮に移植する
ことによりマンモスを誕生させます。この方法だと、
1世代で100%近いマンモスができることになります。

Yuka


上記引用のニュースは、ロシアと近畿大学による共同研究で、
2010年にシベリアで発見され、「Yuka(ユカ)」と名づけられた
若い雌のマンモスからDNAを採集しています。このDNAも残念ながら
壊れてしまっていますが、近畿大学では、マウスの卵子にマンモスの
細胞核を注入し、DNAが自動修復されることをねらっているようです。

昔から、マウスの卵子には傷ついたDNAを修復する機能が備わっている
ことが知られていましたが、その技術を応用しようというわけです。
それにしても、巨大なマンモスのDNAを小さなマウスの卵子で
修復しようとするあたり、自分は面白いなあと思いますね。



ただ、研究の現状としては、マンモスのDNAを取り込んだマウスの
細胞核の中には、細部分裂の直前の状態まで変化したものもありましたが、
いずれも最終的には途中で止まってしまったという、
ちょっと残念な途中経過報告が出ています。

さてさて、ということで、ほんとうはすべて人力で、
マンモスのDNA復元ができればいいんでしょうが、それにはまだまだ時間が
かかりそうです。期待を持って見守っていきたいと思います。
では、今回はこのへんで。