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ネッシーとUMA界の現状

2019.05.26 (Sun)
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スコットランドの山あいに細長く湛えられた神秘的なネス湖。
ここは言わずと知れた伝説のUMA、ネッシーがいく世代にもわたって
目撃されてきた場所である。1934年に大々的に報じられた、
ネッシーを撮影したとされる写真は、のちにフェイクであることが
わかったが、その後も目撃例が相次ぎ、ネッシーらしき何かが
必ず潜んでいるはずだと信じている人も多い。

昨年、ニュージーランドの研究チームはネッシーのDNA調査を
行うことを発表。まだまだ夢とロマンを捨てたくない
熱いUMAへの想いだが、ネッシー研究家の
スティーブ・フェルサム氏の見解は、ちょっと残念な感じのものだ。
ネッシーと思われる生き物はいるにはいるが、
それはヨーロッパオオナマズであるというのだ。
(カラパイア)

今回は科学ニュースから、このお題でいきたいと思います。
何をいまさらという感もありますが、ネス湖に潜むとされるネッシーは、
「ヨーロッパオオナマズ」が正体ではないかとするものですね。
まあ、その可能性はかなりあるんじゃないでしょうか。

この記事に登場するスティーブ・フェルサム氏は、
有名なネッシー研究家で、ネッシーの夢にとりつかれ、24年前に仕事を
やめて以来、ネス湖畔にキャンピングカーを持ち込んで住み、
一生を研究に捧げてきた人物ですので、その人が言う言葉には重みがあります。

スティーブ・フェルサム氏と住居のキャンピングカー
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さて、前にも少し書きましたが、ネッシーの正体については、
3つの説があります。① 既知生物説 ② 絶滅した古生物説
③ まったくの新種生物説 ですね。この中で、引用した記事の推論は
①ということになりますが、既知生物説はあまり好まれないんですよね、
理由はおわかりだと思います。ツマラナイ、夢がないからです。

既知生物の中で、ネッシーの候補にあげられることが多いのは、
やはりヨーロッパオオナマズ、それからチョウザメですね。
これについては現在調査が進められています。次世代シーケンサーという
装置を使って、水の中に溶け込んでいる環境DNAを調べるんです。

ヨーロッパオオナマズ 遠近法が使われているため大きく見えますが、おそらく2m以下xdsr (1)

このことは、前に一度記事に書いていますが、みなさんが毎日、
髪の毛やつば、皮膚の破片などを周囲にまき散らしているように、
水中の生物も、そのDNAが含まれた物質を水の中に溶かし込んでいます。
その水のサンプルをシーケンサーにかけて分析すると、
その水域にすんでいるほぼすべての生物がわかるということになります。

関連記事 『環境DNAって何?』

えー、そんなの不正確だろ、と思われるかもしれませんが、
そうではありません。日本の琵琶湖でこれによる調査を行ったところ、
人間が網などで捕獲して調査するよりも正確で、日数は短期間で済み、
しかも費用も安上がりだったという結果が出ているんです。

DNA分析を行う次世代シーケンサー
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ですから、この調査を行えば、ネス湖にヨーロッパオオナマズ、
あるいはチョウザメがすんでいるかどうかはわかるはずです。
また、もしもですが、未知のDNAを含んだ物質が発見された場合、
それがネッシーの正体である可能性も、ぜったいにないとは言えないんです。

さて、ネッシーについては、②の古代生物の生き残り説が言われることが
多かったんですね。主な候補となったのはプレシオサウルスなどの
首長竜です。ただ、首長竜類の絶滅は今から6500万年も前のことで、
約150万年前の生物であるメガロドンが生き残っている
というのとはちょっと話が違うんですね。

しかも、ネス湖一帯は約1万1000年前まで氷河に覆われており、
ネス湖ができたのはその氷河が溶けてからです。ですから、首長竜がすんでいる
ことは理論的にありえません。この事実があまりに重いため、
ヨーロッパの研究者はなんとかして抜け道を考え出そうとしました。
いわく、ネス湖には地下洞窟があって海とつながっているとか。

プレシオサウルス
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でも、何度か行われているボーリング調査の結果では、海水がネス湖に
入り込んだ痕跡は皆無なんです。さらに、もし湖底トンネルがあったとしても、
圧力の関係から、そこをある程度の大きさの生物が通るのは
不可能だろうと考えられます。上記引用のニュースも、こういったことを考慮し、
現実的なヨーロッパオオナマズ説が主張されているのだと思います。

ヨーロッパオオナマズは、全長が最大4m、体重が400kgに達すると
されます。ただ、最近は開発が進んで生息環境が荒らされているせいか、
2m以上の大物が見つかるのはごく稀です。大物と言われるものでも、
1.5m、体重50kg以下がほとんどです。人食いナマズ 「クノ」
といった話もありますが、伝説の域を出ません。

あと、これは余談ですが、チェルノブイリ事故で立入禁止になった
地域の川で巨大魚が日常的に目撃され、写真にも撮られていて(下の画像)、
放射能の影響で突然変異して大きくなったなどと言われますが、
これこそヨーロッパオオナマズで、人間がまったくいなくなったため、
生息に適した環境になって成長したのだと思われます。

立入禁止区域で目撃される巨大魚
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さて、こっからはUMA界の現状についての話になりますが、
数あるオカルトの分野の中でも、特に盛り上がりに欠けていると思います。
これにはいろいろな原因があり、まあ、一番大きいのは、
世界の隅々にまで人が行くようになり、未踏の領域が減ったことです。

あとは、画像・映像加工ソフトの登場で、写真の専門家でなくても、
簡単にUMA画像を作れるようになったこと。ただ、これについては、
心霊やUFOでも同じですよね。自分は、UMA話が盛り上がらない最大の原因は、
報道する側の安易な姿勢にあると思っています。「○○国の、〇〇海岸に
流れ着いた不気味な死体」みたいな形で画像が紹介されます。

有名な漂着死体
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で、「正体は不明、現地人は誰も見たことがないと言っている。
現在、政府の関係機関が回収して調査中」・・・これで報道が終わってしまって、
続報が出ることはまずありません。そもそも、アフリカなどの途上国の場合、
漂着死体が見つかっても調査なんかしないですし、分析機器もありません。
多くの場合、埋めるか捨てられて終わりでしょう。

さらに、珍しく「ウバザメの死体である」と結論が出たとしても、
それは報道されないんですね。マスコミには「報道しない自由」というのが
あるらしく、ニュース価値がないと判断されるわけです。
ですが、自分のようなオカルトを研究しているものにとっては、
ある生物の死体が、どのように腐敗し、また波に洗わたり他の生物に
食われて変形するかは、ひじょうに興味深いことなんです。

さてさて、ということで、UMA関係のニュースを穴埋め記事的にあつかっている
関係者には猛省をうながしたいと思います(笑)。狼少年の話と同じで、
こういうことがくり返されていると、だんだん興味が失われていくのは
当然でよね。では、今回はこのへんで。

関連記事 『クジラのクチバシ』




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モササウルスの話

2019.03.17 (Sun)
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今回はこういうお題でいきます。カテゴリはUMA談義ですが、
じつは、ネッシーはUMAですが、モササウルスをUMAと言うのは
難しいんですね。UMA(Unidentified Mysterious Animal)とは、
目撃例や画像のみがあって、正体がはっきりしていない生物のことです。

ですから、「ある水域に何か不思議な生物がいるようだ」
こういう噂が出ている時点ではUMAなんですが、
もしそれが捕獲され、モササウルスと同定されてしまった場合には、
既知の古代生物の生き残りということになってしまいます。
ま、シーラカンスと同じようなあつかいになるわけですね。

さて、モササウルスは中生代白亜紀後期の約7900万 ~
6500万年前に生息していた肉食海棲爬虫類です。
恐竜と生息していた時代がかぶっていますが、恐竜ではありません。
また、モササウルスというのは属の総称で、その中に何種類かがいます。

体長は約12~18メートルと大きく、現存するホオジロザメの4倍、
ジンベイザメの1.5倍の大きさがあります。胴体は細身で、
長い尾部を持っています。化石からはヒレの形状はわかりませんが、
現在のサメに近かったのではないかとする研究者もいますね。

映画 『ジュラシックワールド』
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性格は凶暴と考えられています。これは、発見されるモササウルスの
化石で、骨にまでケガを負っているものが大変に多いためで、
同種間での縄張り争いによるものと見られています。
食べていたのは、同時代の大型の魚類、爬虫類など。

かつては、ものかげに潜んで獲物を捕食していたという説が有力だった
んですが、最近の研究では、自分から積極的に狩りをして、
獲物を追いかけていたのではないかと考えられるようになりました。
当時の魚類などは、時速40kmほどで泳げたと考えられていて、
モササウルスはそれ以上の速度を出せたのかもしれません。

ちなみに、ホオジロザメが時速30kmほど、シャチが時速70km
程度と考えられています。白亜紀後期の海洋生物の食物連鎖の頂点に
立っていたわけですが、なぜ絶滅してしまったのかは、
他の恐竜類と同じで、約6600万年前にユカタン半島に衝突したと

考えられる巨大隕石(小惑星)による気候変動のためです。
このときには、海洋生物の約70%がいなくなるという
大絶滅が起きてるんですね。ですから、モササウルスが現在まで
生き残っている可能性は、かなり厳しいと見るしかないようです。

「動く棺桶」と呼ばれ、戦死率の高かったUボート


さて、このモササウルスを目撃したのではないかとする記録が残っています。
時は第一次世界大戦世界大戦のさなか、1915年7月30日、
場所はアイルランドのファストネット東南沖約14kmの海域、
ドイツ海軍第4潜水艦隊所属のUボート、U-28からの魚雷攻撃を受け、
イギリスの貨物船イベリアン号が沈没しました。

すると、船体の機関が爆発した衝撃で、巨大な生物が水面に浮き上がって
きました。その生物は全長が20mほどもあり、大きな4つのヒレと長い尾を持ち、
ワニの首を長くしたような姿をしていました。怪物はそのまま海に沈んだため、
写真撮影することはできませんでした・・・

モササウルスとUボート
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この話も、UMA本にはほぼ必ず載っていますね。ちなみに、Uボートの
フォストナー艦長のこの話が掲載されたのは、1933年10月19日付の
ドイツ新聞『アルゲマイネ・ツァイトゥング』です。
なんと、実際の目撃から18年もたってからのことです。

不思議ですよね。軍事上の秘密とも考えにくいし、
なぜずっと黙っていたんでしょう。これについて調査したのが、
イギリスの作家・歴史研究者であるマイク・ダッシュ(Mike dash)氏です。
この人の本は日本でも何冊か翻訳・刊行されています。

マイク・ダッシュ氏
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ダッシュ氏の調査によれば、まず、U-28号の当時の水兵で、
フォストナー艦長以外に、怪物の目撃談を話していた人物はいなかったこと。
そして、船長が新聞に目撃談を発表した1933年には、
当時の船員は一人も生き残っていなかったことが、つきとめられています。

さらに、U-28号のイベリアン号撃沈時の航海日誌が発見され、
そこには、怪物の目撃記録はまったく載っていなかったことも判明したん
ですね。これは怪しさ爆発です。残念ながら、ドイツ貴族の男爵でもあった
フォストナー艦長によるホラ話だったのではないかと、
現在は考えられているようです。

U-28号の当日の航海記録
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さてさて、では、モササウルスが実際に生き残ってる可能性は
ゼロなんでしょうか。これは難しいですね。モササウルスと並ぶ海棲の
巨大生物に、メガロドンがいますが、メガロドンはサメ、つまり魚類ですので、
空気呼吸が必要ないし、深くまで潜ることができます。
しかし、爬虫類のモササウルスはそうはいきません。

もし海面近くにいるのなら、もっと目撃例があってもよさそうなものです。
ただ、トルコのヴァン湖で目撃される「ジャノ(ジャノワール)」というUMAの姿が、
モササウルスに似ているという話もあります。ヴァン湖は塩湖で、
陸封されたモササウルスがいるのかもしれません。ぜひ生き残っていて
もらいたいものです。では、今回はこのへんで。

関連記事 『メガロドンについて』

「ジャノ」とされるUMA画像
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マンモス復活!?

2019.03.14 (Thu)
シベリアの永久凍土のなかで2万8000年間にわたって眠っていた
マンモスの化石から採集した細胞核を、マウスの卵子内で細胞分裂の
直前まで目覚めさせることに近畿大学などの国際共同グループが成功した。
絶滅動物を細胞レベルで復活させる夢に結びつくとして、
世界中から注目が寄せられている。
(ハザード・ラボ)



今回は、科学ニュースからこういうお題を拝借します。
マンモスの復活ですか。これ、じつはかなり昔から出ているニュース
なんですよね。マンモスの凍結死体が発見されるのは、
ほとんどが現ロシア、シベリアの永久凍土からですから、
古くからソ連の研究チームによって復活が試みられてきました。

ですが、結果として一例も復活していません。なぜ復活できないのか、
この主な原因は、DNAに半減期が存在するからです。
オーストラリアのコペンハーゲン大学の研究チームが、モアという
絶滅巨大鳥類の残存DNAを調べた結果、DNAには521年の半減期が
あることが判明したとされています。

モア


もちろん、死体の保存状況によって、その壊れ方は違うでしょうが、
温度マイナスの環境で良好に保存されていたとしても、
その崩壊をのがれることはできないようです。
半減期間の521年って、ずいぶん短いと思われませんか。

映画『ジュラシック・パーク』では、恐竜の血を吸った古代の蚊が、
樹液の中に閉じ込められてコハク化し、その中から恐竜のDNAを
採集していました。ですが、最後の恐竜が滅びたのが6500万年前
とされているので、たとえ空気に触れないコハクの中であっても、
そのDNAはボロボロに壊れてしまっているはずです。

コハクに閉じ込められた先史時代の蚊


ですから、現状では、恐竜復活は技術的に不可能。
まさに映画の中だけの夢物語なんですよね。では、マンモスの場合は
どうでしょう。みなさんの中には、マンモスは古代生物だから、
現存のゾウより大きかったと思われている人もいるんじゃないでしょうか。

でもこれ、みなさんがイメージする一般的なケナガマンモスは、
アフリカゾウよりもやや小さいんですね。体長540cm、
肩の高さ300cm~350cmと言われます。ただ、マンモスにも
種類があって、ステップマンモスはアフリカゾウよりかなり大きいですし、
中には、肩の高さ120cmのコビトマンモスなどもいます。

左から ステップマンモス・アフリカゾウ・ケナガマンモス


さて、マンモスは約400万年前から1万年前ころまでの期間に
生息していた哺乳類で、巨大な牙が特徴です。
現在のゾウの近縁種ではありますが、直接の祖先ではありません。
ですから、もし凍土の中でマンモスが見つかったとしても、
そのDNAは壊れてしまっているはずです。

マンモスが絶滅した原因には、いろいろな説があります。
・氷河期末期の気候変動にともなう植生の変化による
・人間の狩猟の対象になり、多くが狩られてしまったため
・伝染病の蔓延による などです。この他にもあるんですが、
最近の研究では、伝染病説が有力視されてきています。

あと、マンモスはいまだに生き残っていて、隠れて暮らしているという
説もあります。最後のマンモスは、紀元前1700年ころ、
東シベリアの沖合にある北極海上のウランゲリ島で狩猟されたという説が
ありますので、そんなことは絶対にないとも言いきれません。
この話もたいへん面白いんですが、今回ご紹介するのは無理ですね。

マンモスの骨格標本


さて、では、もしマンモスのDNAが発見されたとして、
どうやって復活させるのか。これには2通りの方法が考えられます。
一つめは、マンモスの精子を現代の雌ゾウの卵子に授精して
50%雑種のマンモスを誕生させ、雌が生まれれば、
再びその卵子にマンモスの精子を授精し、75%マンモスを作出します。

これを繰り返せば、やがては100%近いマンモスが生まれてくることに
なるはずですが、まず精子が壊れず残っていることは
考えにくいですし、もしうまくいくとしても、
数十年の歳月がかかってしまい、現実的には無理だと思われます。

もう一つの方法は、体細胞クローン技術を利用した方法で、
マンモスの凍結死体からDNAが状態よく保存された細胞を取り出し、
体細胞クローン技術により胚を発生させ、雌ゾウの子宮に移植する
ことによりマンモスを誕生させます。この方法だと、
1世代で100%近いマンモスができることになります。

Yuka


上記引用のニュースは、ロシアと近畿大学による共同研究で、
2010年にシベリアで発見され、「Yuka(ユカ)」と名づけられた
若い雌のマンモスからDNAを採集しています。このDNAも残念ながら
壊れてしまっていますが、近畿大学では、マウスの卵子にマンモスの
細胞核を注入し、DNAが自動修復されることをねらっているようです。

昔から、マウスの卵子には傷ついたDNAを修復する機能が備わっている
ことが知られていましたが、その技術を応用しようというわけです。
それにしても、巨大なマンモスのDNAを小さなマウスの卵子で
修復しようとするあたり、自分は面白いなあと思いますね。



ただ、研究の現状としては、マンモスのDNAを取り込んだマウスの
細胞核の中には、細部分裂の直前の状態まで変化したものもありましたが、
いずれも最終的には途中で止まってしまったという、
ちょっと残念な途中経過報告が出ています。

さてさて、ということで、ほんとうはすべて人力で、
マンモスのDNA復元ができればいいんでしょうが、それにはまだまだ時間が
かかりそうです。期待を持って見守っていきたいと思います。
では、今回はこのへんで。




シーサーペントの話

2019.03.12 (Tue)
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今回はこういうお題です。UMAのカテゴリですね。
「シーサーペント(sea serpent)」は海蛇(かいだ)と訳され、
海に生息する、脚のない巨大な怪物のことです。ちなみに海蛇(ウミヘビ)は、
実在する生物で、そんなに大きなものはいませんが、
鮮やかな色をしていて、致死性の強い毒を持っている種類が多いんです。

ウミヘビ
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さて、歴史上で目撃されたシーサーペントについて、逸話を列挙していっても
いいんですが、すでにUMA系の立派なホームページがいくつもあるので、
ここでは、自分が好きな話を一つだけご紹介したいと思います。
「モノンガヘラ号事件」と聞くと、ははあ、あれかと
思われる方もいらっしゃるでしょう。

1852年1月13日、南太平洋の赤道付近で、アメリカの捕鯨船、
「モノンガヘラ」号の見張りが、海中を激しく動く巨大な生物を発見した。
クジラなら捕りにいくだけだが、しばらく観察しても船長にも何だかわからない。
とりあえずボートを下ろすことにした。この当時は母船から砲で銛を打つ
のではなく、小さなボートからクジラに対して手で銛を投げていたんですね。

木製ボートにある種の貝がくっついたもの
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くりだした3艘のボートの先頭に立ち、シーバリー船長が生き物に一番銛を
打ちこんだ。生き物はいったん海に沈んだが、すぐに3m以上ある長い頭が
海中から立ち上がり、ボートに向かってむかって突進してきた。
3艘のボートはすべて、あっという間にひっくり返り、
船員たちはなんとか泳いで母船に逃げ帰った。

最大7mになり、海に生息するモンスター イリエワニ
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銛にむすんだ網はどんどん伸び、300メートルになっても足りず、
つぎ足された。遠くから生き物の叫び声が聞こえてきた。
翌日の朝方、ようやく怪物の死体が海面に浮き上がってきたが、
経験のある船員でも、そのような生き物をこれまで見たことがなかった。

絶滅した?海棲爬虫類 モササウルス 全長は最大で18m


その怪物は「モノンガヘラ号」(約30メートル)よりも長く、
胴の幅は最大の部分で15メートルもあった。頭部はワニに似ていて、
長さ3メートル、口の中には24本の鋭い歯があり、
歯の大きさはおよそ8センチ、ヘビの歯に似て内側にカギ形に曲がっていた。
色は茶色がかった灰色で、幅約1メートルの明るい縞が全体にあった。

サルパの群体 数十mにもなる
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シーバリー船長は、怪物の首を切断し、保存のため大きな塩漬けの桶に入れ、
近くにいたレベッカ・シムズ号のガヴィット船長に託し、
ニュー・ベッドフォードへ送った。しかし、その後、モノンガヘラ号は
消息不明となり、何年かのち、「モノンガヘラ」の船名板が、
アリューシャン列島のウムネク島の浜辺に流れついた・・・

子どもの頃にUMA関係の本でこの話を読んだときにはワクワクしました。
話の内容がすごい具体的ですよね。
ニュー・ベッドフォードに送られた怪物の首はどうなったんだろうと、
世界地図で地名を調べたりしたもんです。ですが、残念ながらこの話、
海外サイトなどを調べると、どうやら創作みたいなんですね。

打ち上げられた巨大な流木
タイトルなしvvv

さて、目撃されたシーサーペントの正体としては、いろいろな説が
あげられています。まず1つめは海藻のかたまりや流木を誤認した説。
海藻は動かないだろうと思われるかもしれませんが、ゆっくり走る
船の上にいると、自分は動いておらず、相手のほうが進んでいると
錯覚することがないわけではない気がします。

50m以上になる海藻 ジャイアントケルプ
めめめm

2つ目は、既知の生物を誤認したもの。例えばクジラの誤認。
みなさんはクジラと言えば、マッコウクジラのようなゴツいのを思い浮かべ
られる方が多いんじゃないかと思いますが、クジラの種類は多く、
その中には、かなり細長い形状のものがいるんです。
中型クジラはむしろそのタイプが多いんじゃないかな。

ニタリクジラ 最大15m
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それから、リュウグウノツカイ誤認説。リュウグウノツカイは深海魚と
言われますが、そんなに深場にいるわけでもなく、海流などの関係で、
海面まであがってくることも多いんです。台風の後などには、
海岸に打ち上げられたものが見つかります。日本海側と太平洋側では
タイプが違い、太平洋側のは10mを超えるまで大きくなると言われます。

かなり大きなリュウグウノツカイの個体
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それと、シーサーペントには「背中にコブがあった」という証言もありますが、
ここから、列をつくって泳いでいるイルカ、またはアシカやオットセイ、
セイウチなどの海獣類を誤認したという説もあります。
あとは、小魚の群泳やクラゲなどの群体を見誤った可能性も指摘されています。
海洋生物の中には、蛇と見まがうような細長いものは珍しくないんです。

イワシの群れ
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こういうふうに書くと、海を知りつくしている船員や漁師が見間違いを
するはずはない、という意見が必ず出てくるんですが、
はたしてそうでしょうか。下の画像は、ラブカという原始的なサメですが、
ベテラン漁船員でもまず見ることはない珍しいものです。

原始的なサメ ラブカ 2mほど
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もちろん、海は広大で、神秘にあふれていますから、
未知の巨大生物がいるのかもしれません。そう考えたほうがロマンがあります。
ただ、これはネッシーなどでも言われることですが、その種が存続するためには、
ある程度まとまった個体数が必要です。数百という数だと、完全な絶滅危惧種に
なってしまいます。数千でも危ないかもしれません。

イルカの一種 スナメリ 2mほど
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まあ、古代に絶滅したと考えられ、1952年まで発見されなかった
シーラカンスのような例もあります。かつては広範囲の海域にいたものが、
だんだんに生息域がせばめられ、ある特定域だけにまとまって
隠れひそんでいる可能性はゼロではないでしょうね。人間が来ることのない
深海にいて、ときおり浮上するのかもしれません。

さてさて、ということで、シーサーペントの正体は、誤認以外に、
古代海竜の生き残り、つまり爬虫類説。巨大ウナギなどの魚類説。
未知の海棲哺乳類説、イカ・タコなどの軟体動物、クラゲ類などなど
諸説入り乱れている現状なんですね。では、今回はこのへんで。

オーストラリアの有名なシーサーペント写真、捏造の疑いが強い
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メガロドンについて

2018.08.23 (Thu)
全長23メートル、体重20トンの超巨大ザメ“メガロドン”の恐怖を描き、
全世界興収3億ドル突破を果たした『MEG ザ・モンスター』。
200万年前に絶滅したとされるメガロドンの真実とは?
 (映画.com)

メガロドン

今回はこの話題でいきます。ひさびさのUMAのカテゴリですね。
9月7日から公開される、映画『MEG ザ・モンスター』のMEG(メグ)とは、
学名 カルカロクレス・メガロドンの略で、絶滅した古代鮫のこと。
要するに、新手のサメ映画なわけです。
ただし、メガロドンについては、絶滅していないとする意見もあります。

まず、メガロドンはいつころ生息していたのか? これは、約1800万年前から
約150万年前とされます。恐竜の絶滅が、約6500万年前ですから、
それよりもずっと新しい生物です。人類の誕生を約400万年前とすると、
時代がかぶっていることになりますが、ほとんど接点はなかったでしょう。

次に、メガロドンの大きさですが、映画の設定は体長23m、体重20t。
ただし、実在したメガロドンの体長には諸説あります。
これは、サメが軟骨魚類であり、化石は歯しか残らないためです。
かつては、体長40mあったのではないかという説もありましたが、

現在は否定され、最大でも12m程度ではなかったかと考える研究者が
多いようです。だいたいジンベイザメの最大クラスと同じくらいですね。
ちなみに、映画『ジョーズ』に登場したのは、現存するホオジロザメですが、
最大で6mほどですから、メガロドンはその倍くらいの大きさです。

メガロドンの歯の化石


あと、メガロドンの体型は、ホオジロザメの巨大版として復元されることが
多いんですが、近年になって、その近縁性は否定されるようになりました。
ですから、メガロドンがどんな姿をしていたのか、正確にはわかりません。
また、ホオジロザメがメガロドンの子孫ということでもありません。

次、メガロドンはなぜ絶滅したのか? これにはいくつかの説があります。
まず、メガロドンは4m程度の小型のクジラを餌にしていたと考えられますが、
そのクジラ類が海水の冷たい海域に適応して逃げ込んだため、
餌がなくなったから、という説。サメは魚類で変温動物なので、
冷たい海まで追いかけていけなかったということですね。

他の説として、メガロドンの絶滅の時期と、現生するシャチやホオジロザメの
登場の時期とが重なっており、メガロドンはこれらとの生存競争に負けて
絶滅したのではないかとする説です。うーん、もしこれが正しいとしたら、
メガロドンってあんまり強くなかったんですね。

少し話を変えて、動画サイトなどには、シャチとホオジロザメのどちらが強いか、
比較する映像などが出ています。体の大きさはほぼ同じですが、
戦えばシャチが圧勝します。シャチはサメを襲って食べますが、
サメがシャチを襲うことはありません。
(病気や外傷で弱った個体を、サメが食べることはあるかもしれません)

これは、魚類の中でも軟骨魚類であるサメと、哺乳類であるシャチの体の
つくりの違いが最大の原因です。下の図を見れば一目瞭然ですが、
シャチは太い背骨、強靭な肋骨を持っていて、
体当たり一発でホオジロザメを殺すことができると言われます。

サメとシャチの骨格


また、運動性能もかなり違います。シャチの最大速度は時速70km、
ホオジロザメは、大型魚類の中では速いほうですが、それでも時速30kmと、
シャチの半分しかありません。さらに、体の柔軟性も大きな差異があり、
ホオジロザメはゆっくりとしか向きを変えることができませんが、
シャチは上昇・下降、急転回など自由自在です。

水中でキリモミ状に回転したりすることもできます。これに対し、
サメは腹を上にすると動けなくなってしまいます。シャチが、
戦法としてサメを上向きにして弱らせる様子が、動画サイトには出ていますね。
さらに知能の面、サメは単独行動することが多いのに対し、
シャチは群れをつくって集団で狩りをします。

宙返りをするシャチ、サメにはこのような動きはできません
ダウンロード

このあたりのことから類推すると、メガロドンの泳ぐスピードは遅く、
動きも鈍かったのではないかと考えられます。ですから、より小回りの利く
ホオジロザメやシャチの登場によって、メガロドンが生存競争に破れて
淘汰された可能性は十分あるんじゃないかと思います。

さてさて、メガロドンは現在も生き残っているのか?
ちなみに、メガロドンはUMAではありません。UMAの定義は完全な未知生物ですが、
メガロドンは既知の絶滅生物です。うーん、どうでしょう。
メガロドンとされる写真や目撃証言はいろいろあります。

下の画像などがそうです。前にいるのがクジラで海が血に染まっていて、
後ろに背びれが見えるのがメガロドン。背びれの長さは1.8mとされていますが、
比較対象物もないですし、これだけではなんともいえないですね。
次の画像は、前にある潜水艦と比較はできますが、
一匹の個体ではない可能性もあります。

メガロドンとされる画像
名称未設定 1

この他、乗っていた船が海中の何かに衝突し、後で調べてみると、
巨大な歯形がついており、ホオジロザメの何倍もの大きさの歯が刺さっていた。
そういう話もいくつかありますが、確証とはいい難いものです。
また、目撃証言の中には、オンデンザメなどの既知の巨大ザメを
メガロドンと見誤っている場合もあるでしょう。

さてさて、ここまで否定的なことを書いてきましたが、
生き残っていない、という証拠もないわけで、オカルトフアンとしては、
もちろんメガロドンが生き残っていたほうが夢があります。
いつか、動かぬ証拠が発見されるかもしれませんね。では、今回はこのへんで。