オカルトの本質

2018.02.22 (Thu)
今回はオカルト論でいきます。さて、オカルトとは何か?
こう聞かれると、これはかなり困ります。Wikiで「オカルト」を見ると、
「オカルト(occult)は、秘学・神秘的なこと・超自然的なもの。
ラテン語: occulere の過去分詞 occulta(隠されたもの)を語源とする。
目で見たり、触れて感じたりすることのできないことを意味する。」
となっていて、まあそれはそうなんですが、
この定義はあいまいだよなあ、とも思います。

で、自分がどうしても「オカルト」を短い言葉で定義しなければならないとしたら、
「再現性がないもの」こう言うしかないんじゃないかと思っています。
例えば、そうですね。30年ほど前に「常温核融合」というのが話題になりました。
普通、核融合というのは、水素爆弾のように高温高圧で発生します。

しかし、もし室温程度の環境下でそれが起きるのなら、これはエネルギー革命に
つながりますよね。最初に常温核融合があったとされる実験は、
「重水を満たした試験管に、パラジウムとプラチナの電極を入れ、しばらく放置、
電流を流したところ、電解熱以上の発熱が得られ、
核融合の際に生じたと思われるトリチウム、中性子、ガンマ線を検出した」

こんな具合でした。特別な準備はいっさいいらないし、実験費用もかかりません。
そこで、発表以来、世界中の研究室で追試が試みられたものの、
実施された追試の圧倒的多数では、核融合反応や入力以上の
エネルギー発生が観測できなかったんですね。
(一部にそれらしい現象が見られたという報告はあります)

このため、研究者の間では常温核融合はオカルト、
疑似科学であるという認識が広まり、世界的な権威のある学術誌は、
常温核融合に関する論文の掲載を拒否しています。
これこれ、こういう実験をすれば核融合が起きる、というレシピがあって、
それに忠実に従って実施しても起こらない、つまり再現性がないならば、
オカルトと言われてもしかたないんじゃないでしょうか。

日本でもこのようなケースはいくつもありました。
記憶に新しいところでは、小保方女史のSTAP細胞がそうでした。
世界のどこの研究室でも再現ができない。疑われてもしょうがないですよね。
この事件は自殺者まで出して、たいへん後味の悪い形で終息しています。

あと、面白いところでは、日本の東北大の研究者が、
「右回りのコマは重量が軽くなる」という論文を発表し、
これを最初に聞いたとき、自分は「ありうるかも」と思ってしまいました。
地球の自転と何か関係があるかもしれないと考えたからです。
しかし、やはり世界中の研究室の追試で否定されてしまったんですね。
ただ、これは意図的に騙そうとしたのではなく、
測定ミスであった可能性はあると思います。

さて、では「再現性がない」ことについて、オカルト界はどう扱っているのか。
まず「わざと再現を難しくする、再現のハードルを上げる」ということがあります。
魔術や錬金術では、ある目的を行うために、「死刑囚の手首」 
「女のヒゲ」「イモリのため息」など、まず手には入らないだろうという材料を、
鍋に入れてグツグツ煮なければならない、などと書かれることが多いんです。



これは中国の仙術でも同じで、4世紀の仙術指南書『抱朴子』には、
仙薬の作り方として、よく似たようなことが載っています。
材料が手に入りにくければ、再現もできませんよね。
そして嘘だとばれることもないわけです。こうして、詐欺師はいつまでも
イカサマを続けて、権力者から金を引き出すことができました。

また、心霊や超能力関係もそうです。さまざまな条件が整わないと、
霊現象や超能力現象を再現できない。中には、実験の関係者の中に、
たった一人でも能力に疑いを持つものがいれば、実感は成功しないなどと
言う人もいました。しかし、関係者の一人ひとりが、
実験についてどう思ってるかを推し量るのはまず不可能ですよね。

あと、UMAなんかはわかりやすいと思います。ネッシーはいる、いない。
これを論争しているヒマがあったら、ネッシー捕獲作戦に打って出れば
いいわけで、もしネッシーが捕まえられたら、
それは、実験で超常現象が再現されたのと同じことでしょう。
ネッシーの生物学的な特質が調査され、ネッシーはUMAを卒表して、
図鑑に採録される既知生物になるわけです。

さてさて、ということで「再現性」はオカルトを見るための重要なキーです。
もしある現象が、世界のどこでも、誰にでも再現できるのなら、
それはオカルト(隠されたもの)ではなく、世間に開かれたものになります。
例えば、最初は世界中の学者が半信半疑だった「相対性理論」なんかでも、
数多くの実験で追認され、現在では物理学の教科書に載っているんですね。








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ハリーポッターとキリスト教

2018.01.22 (Mon)


今回はこういうお題でいきます。今はほとんど聞かなくなりましたが、
第2作の『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の映画が公開された後くらい、
2002年から2007年頃まで、キリスト教側からの、
ハリー・ポッターシリーズに対する批判・非難がいろいろとありました。

自分はちょうどこの頃アメリカに住んでいたんですが、
ハリー・ポッターに反対していたのは主にカトリックの信者だったと思います。
ご存知のように、アメリカはプロテスタントの勢力が強く、
アメリカの宗教の50%を超えるものの、さまざまな会派に分かれていて
足並みがそろいません。これに対し、カトリックは20%ちょっとくらいですが、
ローマ法王庁を中心に団結しているので、声は大きいんですね。

アメリカ図書館協会から受け入れ禁止書籍として認定されましたし、
狂信的カトリック関係者によって、焚書騒ぎや訴訟が起きたこともありました。
また、ハリー・ポッターの映画に協賛したコカ・コーラに対して、
抗議と不買運動が行われたりもしています。
あと、キリスト教原理主義団体からも非難の声があがりました。
これはプロテスタントではありますが、カルトと言ってよいもので、
一般のプロテスタントの教会では、それほど大きな抗議運動はなかったと思います。

さて、どうして非難が起きたかというと、原因は2つあるのかな、
と自分は考えています。一つは、聖書ではっきりと魔法(呪文を唱えること)
を禁止しているからです。『あなたの間に、自分の息子、娘に火の中を通らせる者、
占い師、卜者、易者、呪術師、呪文を唱える者、口寄せ、霊媒、
死者に伺いを立てる者などがいてはならない。(申命記)』

キリスト教では、奇跡は神の力によって起きると考えられており、
それ以外の超自然的な出来事は、悪魔のしわざとされます。
魔女や魔法使いはサバトを開いて黒ミサを行い、悪魔を召喚することによって、
魔法の力を授けられる。つまり、魔法=悪魔主義 という図式になっているんですね。
ですから、まだ宗教観の定まっていない子どもたちが、ハリーポッターから、
魔法を賛美するような影響を受けてはならないということなんでしょう。

もう一つ、これは自分の考えなんですが、ハリーポッターによって、
カトリック教会の歴史的な悪行の一つである「魔女狩り」が思い起こされ、
いろいろと都合が悪いからじゃないかと思います。
魔女狩りは、15世紀~18世紀において、
全ヨーロッパで推定4万人から6万人が処刑されたと推定されていますが、
もちろんそのほとんどが無実の人々でした。

さて、ハリーポッターのシリーズはファンタジーです。同じく魔法が出てくる
ファンタジー作品は、トールキンの『指輪物語』をはじめ多数あります。
しかし、それらのほとんどに大きな批判はないのに、
ハリーポッターだけが非難を受けたのはなぜなんでしょう。

これは舞台設定が原因なんでしょうね。ハリーポッターの舞台はこの地球上で、
ナルニア国などの異世界ではありませんし、しかも現代の話です。
それと作者J・K・ローリングの筆力も大きかったと思います。
ローリングの描写が緻密で正確なので、ファンタジーを超えた現実感があり、
魔法の実在を感じさせてしまったためなんじゃないかと思うんです。

ただ、ローリングは、自分の作品がキリスト教界との摩擦を引き起こすことを
予測していたと思われます。ですから、
作品から注意深くキリスト教に関することを取りのぞいています。
頭のいい人ですから、論議を起こすのを避けたかったんでしょう。
ギリシア神話などは取り入れられているのに、キリスト教のにおいのするものは
ほとんど見つかりません。せいぜい「クルーシオ(磔の呪文)」くらいでしょうか。

ハリーポッターの世界は魂の存在を認める世界観です。それは「嘆きのマートル」
などの幽霊がいること、ヴォルデモートが分霊箱を作ったことなどからわかります。
では、その魂は肉体が死んだ後にどこに行くのでしょうか。
『ハリー・ポッターと死の秘宝partⅡ』の最後のほうで、ハリーがいったん死んで?
真っ白なキングズ・クロス駅にいる場面がありました。

そこで、亡くなったダンブルドアや傷ついたヴォルデモートの魂に出会うんですが、
あれはあの世とこの世の中間地点なんだと思われます。
ただ、あの世は神が支配する世界であるとか、
天国や地獄があるなどといったことは作品には出てきません。
このあたりも、ローリングがキリスト教の世界観を避けているのがわかります。

さてさて、前法皇であるベネディクト16世が枢機卿だった時代に、
ハリーポッターを批判する手紙が書かれ、それが公表されました。
ですが、2009年の法王庁のニュースレターには好意的な書評が掲載されましたし、
「子供の頃に想像の世界で、妖精や魔法使いと遊んだ記憶があるのは当たり前のこと」
というコメントも出されました。ハリーポッターの世界的な評価が定まるにつれ、
ヴァチカンも立場を変えざるをえなくなったということなんでしょうね。
では、このへんで。

関連記事 『ハリーポッター魔法の源』








若者のオカルト離れ?

2018.01.09 (Tue)
UFOやUMAを信じない今の若者は「ロマンがない」先日、匿名掲示板2ちゃんねるに、
「なぜ最近の若者はUFOもUMAも心霊も信じなくなってしまったのか?」
というスレッドが登場した。

本文には短く「ロマンなさすぎですやん」の文字。このスレッドを立てた人物は、
最近の若者たちがロマンがないものだから、
未知の飛行物体や未確認生物の実在を端から信じていないと考えているようだ。

(以下略 にこにこニュース)

今回はこのお題でいきます。「若者の○○離れ」といったニュースを、
最近はひんぱんに見かけるようになりましたが、
これもその一つなんでしょうか。2ちゃんねる(5ちゃんねる)のスレッドでは、
統計結果などは示されてはいませんでしたが、
これ、自分は、あるかないかと言えば、あると思います。

原因はいくつか考えられますが、ネット社会になっても、
依然として強い影響力を持っている地上波テレビのオカルト番組の内容が、
あまりに低レベルだというのもその原因の一つに挙げられるでしょう。
例えば心霊系の番組だと、心霊写真や動画が流されると、
女性タレントがまず悲鳴をあげ、さらに男性芸人がツッコミを入れて混ぜっ返す。
さらに、うさん臭い霊能者が怪しげなコメントを加える。
まあ、こういう作りになっているものが多いですよね。

でもこれ、わざとああいう風に低劣に作っている面があるんです。
もし視聴者から抗議の電話などが入ったときに、
「ああ、あれはシャレなんです。バラエティなんですよ」
「えーこんなのマジで見てる人なんていないでしょ」
みたいなスタンスで答えられるように、最初から企画されているんでしょうね。

昔は、「あなたの知らない世界」の新倉イワオ氏や、
「木曜スペシャル」の矢追純一氏のように、その世界の権威とされる人が、
かなりガチに見える態度で語っていたもんですが、
今はそういう形の番組作りはどこもしてないですからねえ。
たま出版社長の韮澤潤一郎なんかは完全なギャグ要員ですし。

予算の問題もあると思われます。マジな心霊番組を作るには、
かなりのお金がかかるんです。心霊スポットやワケアリ物件、幽霊屋敷などに、
様々な科学測定機材をそろえて多人数のスタッフで何日も泊まり込み、
それで、何かしらの結果が出る可能性はごくわずかです。

これに対し、視聴者からの投稿画像やネットで拾ったビデオなどを流すだけなら、
ほとんどお金はかからないですからねえ。
NHKがBSでやってる『幻解!超常ファイル』はなかなかいい番組だと思いますが、
民放では、視聴率がそれほど期待できないものに、
とてもあんなふうにお金はかけられないと思います。

その他にも、UFOやUMAなどは、画像、動画が素人でも簡単に加工できるように
なったことが大きいと思います。youtubeには毎日たくさんのその手の動画がupされ、
その量に比例して、信頼性が低くなっていくようです。
自分も、パソコンにフォトショップを入れてますが、
1時間くらいかければ、知り合いに見せると「うわー怖!」
と言われるくらいのものは簡単に作れてしまうんです。

あとは、前にも少し書きましたが、日本の特殊事情があります。
昔はオカルトと言われていたものの一部が、スピリチュアルと名前を変えて
浸透してきているんですね。日本人で熱心に宗教を信じる人は、
世界の他の国に比べれば少ないと思います。
むしろ宗教に一種の警戒感を抱いている人が多い。

ただ、占星術をやる自分が言うのもなんですが、
占いとかお守り、ラッキーアイテムみたいなのを好む人は多いですよね。
あるいはパワースポットやパワーストーンなども。
スピリチュアルは、宗教ではないということが一つの売りになっていると思います。
既存の宗教とも新興宗教ともまた違う自然の摂理のようなものという形で、
オカルトにとって代わるように勢力を拡げていっています。

あとは、異世界とか、タイムトラベルとか、世界線の移動、平行世界など、
どちらかと言えばSFに近い分野が好まれるようになりました。
アニメやラノベなんかは「異世界もの」がすごく多いですよね。
フアンの人が、異世界をガチで信じているということもないんでしょうが、
異世界ものには癒やしの効果もありますし、
オカルトに代わるものとしての役割を果たしているような気もします。

さてさて、そういうことで、もしかしたら日本では、
オカルトはその役目を終えつつあるのかもしれません。
ですが、この風潮は、ホンモノのオカルトが選り分けられるよい機会である
とも自分は考えています。たくさんのニセモノが排除され、ホンモノだけが残る。
本物のオカルトは間違いなくありますから。








新年のご挨拶

2018.01.01 (Mon)


みなさん、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。
・・・と、おめでたい年の始めに怪談を書くのもなんですので、
これで終わろうと思ったんですが、それも愛想がないと思い返して、
少しだけオカルト界を展望してみたいと思います。

・心霊・・・オカルト界全体が低調な中にあって、
心霊分野はそこそこ盛り上がりがっていたと思いますが、昨年7月、
残念ながら、やらせではないかと疑われる事件が発生してしまいました。
ご存じの方も多いと思いますが、TBS系列の「世界の怖い夜!」という番組で、
心霊写真として紹介された画像に対して、
写真の持ち主が「写真をねつ造、合成された」と訴えたんですね。

また、この番組で「写真が撮影された現場で事故死した女性の霊」
と鑑定した心霊研究家の池田武央氏は自身のブログで、
「偽造されたものに霊的なものが宿ることが増えている」
と釈明。後に記事を消去しています。

うーん、まあ自分はこれについてあれこれ論評する立場にはないですけど、
またこれで、「心霊=うさんくさいもの」
というイメージが上書きされてしまったのは残念です。
他局でも、この手の番組がやりにくくなったのは間違いないでしょう。

・UFO・・・これは火が消えたようになってしまいました。
やはり矢追純一氏のように先に立ってひっぱっていく存在がないとダメなんでしょうか。
ただこの分野は、日本はダメですけど、世界的にはそうでもありません。
youtubeなどの動画サイトには、次々と世界各地からの投稿があげられています。
日本のUFOフアンの人にも頑張って観測してほしいところですね。

・UMA・・・世界的に低調です。
UMAの場合、最大の問題は「続報がない」ということだと思っています。
○○国の△△海岸に不可思議な生物の死体が流れ着いた、
地元では組織のDNA解析を検討中・・・と、このあたりまで報道されて、
そこで情報がぱったりと途絶えてしまうんですね。
これがずっとくり返されるばかりなので、さすがにUMAフアンも飽きてきています。
報道したメディアは、たとえそれがウバザメだったとわかっても、
最後まで責任を持って伝えてほしいなあと思います。

・超能力・・・これもあんまり新しい話題がないです。
インドのサイババが亡くなって以来、有名な人も出てきていないですし、
「ソ連政府が認めた驚異の超能力者」みたいな神秘性も薄れてきています。
あと、最近のマジックってすごいですよね。youtubeでセロの動画などを見ても、
手品というより魔法としか思えないようなことをやっています。
あれを見てしまった後にスプーン曲げなどを見ても、
どうしてもインパクトに欠けるかもしれません。

・陰謀論・・・これはけっこう流行ってる気がします。
フリーメイソンとかイルミナティとか、
そういうことを言う人が以前より増えたように思えますが、
これはアメリカのポップス歌手レディ・ガガの影響が大きいかもしれません。

・予言・予知・・・これはどうでしょう。
東日本大震災以来、地震の予言をする人がだいぶ増えたんですが、
まったく当たらないので、最近やっと下火になってきた気がします。
ただ、1999年に終わったと思われていた
「ノストラダムスの大予言」が、このところ復活してきていますね。
「ノストラダムス 2018」で検索すると、たくさんのサイトが出てきます。

・古代文明、超科学、オーパーツなど
まあ、もともとそんなに盛んな分野ではありません。
一部に根強いフアンがいて細々と続いているといった感じです。
あとそうですね、UFO分野と重なる部分があるのかもしれませんが、
「NASAが発表した火星の画像の中に人工物が写っている、生物がいる」みたいな話は
海外ではそれなりに盛り上がっていますね。

さてさて、以上のようにオカルト界全体に大きな動きは見られませんが、
日本の場合は特殊な事情があるんじゃないかと思います。
江原啓之氏に代表されるスピリチュアル界が、
オカルト分野のかなりの部分を取り込んでいる気がするんですね。
「チャネラー」とか「サイコメトリー」「幽体離脱」など、
オカルト分野のものだったのが、新たにスピリチュアルの衣を着て説明されています。
これも時代の流れということなんでしょうねえ。

関連記事 『「サイコメトリー」って何?』










自分とオカルト

2017.12.28 (Thu)


自分の本業は、原稿を書いてお金をいただくライターです。
書いているジャンルは旅行や歴史、神社仏閣などが中心ですが、その他に洋画や洋楽、
美術、AI、科学技術、将棋、アメカジ、アメ車・・・と多岐にわたります。
もちろん占星術についても書いてます。
あと、このブログを始めてからオカルト関係の依頼がかなり増えました。
これについては素直に喜んでいます。

さて、自分はオカルティストと自称していまして、
これはオカルトを研究している人間という意味なんですが、
この呼称はいろいろと誤解を生みます。
まず、オカルティストと聞くと、夜中に床に五芒星を書いてロウソクを立て、
悪魔を召喚したりしてるんじゃないかと思う人がそれなりにいます。
これはまあ、オカルトという言葉の響きにはどうしてもそういうイメージが
含まれてしまいますので、しかたがないとは思ってます。
ある程度、神秘的なイメージを持たれたほうがいい場合もありますし。

オカルトを研究するにあたっては、中立的な立場をとって行うのが大原則です。
つまり、信じる側に立って研究してもいけないし、
かといって、最初から絶対にインチキだ、
という見方をするのもよくないんですね。でないと先入観によって目が曇ります。
ですから、みなさんもオカルトサイトや本をご覧になる際には、
その著者やサイトの管理人が、どういうスタンスでオカルトに臨んでいるのか
注目してみるのがよいのではないかと思います。

あと、最近は霊障の相談のようなのが友人や出版社を通じて来ることがあり、
怖い体験談をお寄せいただくのは歓迎なんですが、
これにはちょっと困っています。自分は霊体験はないですし、
宗教的な知識は詳しいほうだと思いますが、いわゆる霊感などもありません。
ですから当然、霊を祓うなどといったこともできないんです。
もしそういう相談があった場合には、
自分には常識的な対応策程度しか話すことはできません。

さて、では、お前は心霊体験などについてどう思ってるのか?
と聞かれると、これも困るんですよねえ。いちおう怪談を書く人間ですし、
「この世に心霊現象などはない」と言い切ることはできません。
というのは、どう考えても不可解だとしか言いようのない現象も、
たしかに存在することはすると思うんです。

これは前にも一度書いたことがありますが、
自分は19世紀から20世紀前半にかけての心霊主義時代の、
欧米の降霊会や霊媒の画像を収集して、外付けのハードディスクに保存してます。
これが、全部で4000をこえるくらいの枚数があるんですが、
中に一枚だけ、画像表示ソフトなどで立ち上げると、
コンピュータが壊れてしまうものがあるんです。

なんだウイルスが入ってるんだろう、と思われるでしょうが、
それは各種のアンチウイルス、アンチマルウエアソフトでチェックして、
そうではないことを確認しています。
ただの画像でしかないはずなんですが、自分のコンピュータ2台の他、
共同事務所のもの、某出版社の編集部のものと、
合計4台のコンピュータを壊した実績があるんですよ。

ここまで書くと、どういう画像なのか興味を持たれると思います。
それは、1860年代のアメリカで、ある女性霊媒師が降霊会で
ネイティブ・アメリカンの霊を呼び出している場面を写したもので、
ネットから入手したのではなく、アメリカ人の愛好家からメールでいただいたんです。
ちなみに、そのアメリカの方は昨年、狩猟中の事故で亡くなっているんですね。
あと、自分も去年大病をしましたし・・・

まあ、偶然なのかもしれないですし、ぜひにもそう思いたいところですが、
やはり怖いので、そのファイルは完全にお蔵入りということにしています。
・・・これほどハードな例ではないにしろ、
不可解と思えることはまだ他にもいくつかあるので、
「心霊現象などといったものはない」と言い切る自信も自分にはないんです。

ただまあ、世の中にある霊能相談、霊視鑑定、霊的な治療、霊的なお守り、
開運商品などにインチキなものが多数存在するのは事実です。
それで、高額な金銭を失って訴訟になっている例もたくさん見聞きしています。
これは金額の多寡でみるのがいいかもしれませんね。
数百円、数千円程度のことなら、洒落として、ダメ元と思って買ったりしても
大きなダメージを受けることはないでしょう。
それ以上になるものには、近づかないようにするのが賢明なのではないでしょうか。