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殺生戒と畜生道

2021.02.16 (Tue)
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今回はこういうお題でいきます。仏教の話で、オカルト論ですね。
さて、殺生戒は正式には「不殺生戒」で、字のとおり生き物を
殺してはいけないという戒律です。仏教では五戒と言って、
在家信者が守らなくてはならない重要な戒律が5つあり、
そのうちの一つです。

ここで注意しなくてはならないのは、在家信者とあることです。
僧侶は当然ですが、一般の職業についている信者が守るべき
ものなんです。ちなみに五戒の残りは、不偸盗戒、不邪婬戒、
不妄語戒、不飲酒戒です。これら一つ一つについては、
今回はふれません。

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不殺生戒は、「生き物を故意に殺してはならない」です。故意で
なければしかたのないこともありますよね。例えば道を歩いていて
小さな虫を踏み殺してしまうなど。高徳の僧侶の中には、
それも避けようと弟子に自分の通る道を掃かせたという逸話も
ありますが、弟子が踏み殺してるんじゃないでしょうか。

ただ、不殺生は難しいですよね。完全な菜食主義になってしまいます。
そこで日本では、四足の動物以外の魚や鳥は食べられていました。
肉食でしか摂れない必須アミノ酸もありますし、いたしかた
ありません。で、これが厳密に守られていたかというとそうでもなく、

畜生道
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ウサギは「匹 ひき」と数えずに「羽 わ」としますが、これは
四足の動物ではないという方便なんです。また、鹿が紅葉、
猪が牡丹などの隠語を使って、けっこう食べられていました。
これらは害獣で、田畑を荒らしますからねえ。

さて、次は畜生道の話にうつります。仏教において、衆生がその業の
結果として輪廻転生する六つの世界である六道の一つです。
その中でも特に、地獄道、餓鬼道、畜生道を三悪趣と言います。
畜生道は、親が子を食べ、兄弟同士が交合する世界とされます。
で、上記の不殺生戒は畜生道と深い関係があるんです。

寒山拾得
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『沙石集』という仏教説話集があります。鎌倉時代に、無住道暁
という僧が編纂したもので、題名は「沙から金を、石から玉を引き出す」
つまり、日常的な瑣事から仏教の教義を説くといった意味です。
たしか全部で150くらいの話があったと思います。

その中にこういうのが出てきます。中国、唐の時代の僧である寒山
(かんざん)と拾得(じっとく)が、在家の金持ち信者から接待を
受けました。ところが、人々が酒を飲み肉を食べていると
2人はしきりに笑って料理に箸をつけようとしない。
そのため、饗応した主人は気分を害してしまった。

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後日、2人が師匠に説明するには、「彼らが食べていた肉は、
畜生道に落ちた親の肉であり、私たちはそれを知らず楽しんでいる
彼らを哀れんで泣いていたのだが、彼らの目には笑っているように
見えたのだろう・・・こんな内容でした。あと、道教的な話に
変えられていますが、芥川龍之介が書いた『杜子春』では、

師の命令で言葉を発しない杜子春に怒った閻魔大王が、畜生道に
落ちた杜子春の両親を連れて来させると、彼の前で鬼たちに
めった打ちにさせ、杜子春はついに「お母さん」と言葉をもらして
しまいます。最後は師が、「あそこで言葉を出さなければ、私が
お前を殺していた」で終わります。

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また、上田秋成の『雨月物語』に、「夢応の鯉魚」という話があり、
興義という高僧がいて、鯉の絵を描くのが大変上手だった。
あるとき病気になり息絶えてしまったが、少しだけ体が温かかった。
そこで火葬せずそのままにしていると、3日たって生き返った。
そして「自分は鯉になって大きな池を自在に泳いでいたが、

漁師に釣り上げられてしまった。その漁師は檀家の平の助という
人に鯉を売り、膾に料理されてしまった。今、宴会をしてるだろうから
見てこい」と弟子に言った・・・出家した僧は本来、魚も
不殺生戒で食べることができず、精進料理が発達したわけです。
現在のお坊さんはどうでしょうか。

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さて、最後にオカルト話を。昔の見世物に「親の因果が子に
報い・・・」という口上があり、蛇捕りをしていた男に娘が
生まれたが、体に鱗のある蛇女になったなどの話が語られます。
親が犯した殺生の罪が、子どもにまで影響を与える。

で、これ、妖怪?の「牛女」と関係があるんです。件(くだん)
という妖怪は、体が牛で顔が人間、生まれ出ると人語を話し、
近い将来に起きる凶事を予言するとされました。その逆、
体が人間で頭が牛というのが牛女なんですが、太平洋戦争末期、
兵庫県、六甲山の近くで焼け跡をあさっているのが目撃された

これは牛女ではなく件 この話は現代の神戸ビーフまでつながってます
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という怪談があります。じつは差別に関わる内容で、あまり
取り上げにくいものなんですね。西宮にあった牛馬の屠殺業者
の家に牛頭の娘が生まれ、座敷牢に入れられていたが空襲で
逃げ出した。そういうたちの悪い噂に、件の予言の話が混ざって
できたものだろうと自分は推測しています。

さてさて、ということで、不殺生戒と畜生道の関係について
見てきました。このあたりのことは、現代の仏教僧では、
ただのお話としてしかとらえてない人が多いんですよね。
では、今回はこのへんで。





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住んではいけない家・部屋

2021.02.14 (Sun)
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今回はこういうお題でいきます。オカルト論です。
現在、事故物件が注目を集めてますよね。事故物件住みます
芸人と自ら言う松原タニシさんによる本、原作のマンガや
映画が大ヒットしています。

わざわざ事故物件とされる部屋を探してそこに住み、
自分の体験をレポートする。また、固定カメラを設置して
24時間映像・音声を撮り続ける。これはこれで
なかなか大変だと思います。売れてよかったですね。
さて、不動産用語では事故物件を「心理的瑕疵物件」と



言うようです。瑕疵は傷という意味で、もし大きな建物の
陰になって日当たりが悪かったりすると、それは
物理的な瑕疵物件となります。心理的といった場合、
多くは殺人や自殺が起きた部屋、あるいは孤独死して
長期間発見されなかった部屋などを指します。

ただし、法律による心理的瑕疵の明確な定義がある
わけではありません。要は、「その事実を知っていたら
契約しなかった」と依頼者に訴えられた場合、不動産屋側が
不利になるような物件ということです。そのため、
不動産屋には告知義務があります。

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で、この話は以前にもやってるので、今回はもう少し別の
観点から、住んではいけない物件について書いてみます。
うーん、そうですね。まず、土地でしょうか。曰く因縁のある
土地に建てられた家がよくないというのはわかりますよね。

例えば殺人事件があった家が解体され、いったん更地になり、
そこに新たに建てられなどのケース。2000年代に起きたある
連続殺人事件の場合、地域住民が犯人の家が残ってるのが
耐えられないと訴え、自治体が入手して公園にされましたが、
そこには誰も立ち入らないと言われます。

土地(敷地)の種類
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あとはその土地が過去に古戦場、処刑場、墓地などであった場合。
1982年の映画『ポルターガイスト』では、さまざまな
怪異が起きる原因が、ラストで、その土地は元墓地であり、
不動産屋が墓石だけ移動させて、遺体はそのまま放置したため
であることが判明します。これは日本的な感覚で、

アメリカ映画では珍しいと当時は言われました。ちなみに、
この映画はシリーズ化されましたが、子役の女の子が
3作目撮影直後に急死しています。また、土砂崩れや水害などで
多数の死者が出た土地に建てられた家がよくないのは
誰でもわかりますよね。

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次は、現代ではあまりないと思いますが、陰惨な事件のあった
家の部材などが新しい家に使われるケース。小野不由美氏の
小説を原作に、2016年に映画化された『残穢 -住んでは
いけない部屋- 』では、ストーリーの中で北九州最恐と
言われる「奥山怪談」が語られており、

資産家であった奥山家最後の当主が家族と使用人を皆殺しして
自殺。解体された奥山屋敷の部材を買い取った愛知県の米溪家では
その部材「欄間」から仏間を覗くと地獄が見えると伝えられ、
仏間の次の間で寝ると、どこか遠い地の底で吹いているような
風の音が聞こえて金縛りにあうという話になっています。

『ポルターガイスト』のラスト
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さて、ここで少し話題を変えて、家相的によくない立地の家と
いうものもあります。いろいろあるんですが、3つくらい
ご紹介しましょう。まずひとつ目は、正方形や長方形ではなく
不定形の土地に建った家。都会ではそういう場所も
けっこうありますよね。

特によくないのが、土地の形が三角である場合で、住人の中で
争いごとが起きやすいとされます。これを防ぐには、土地は
三角でも建物はきちんとした長方形にし、三角形の頂点には
イチイ、カシワ、イチョウなどの木を植えるのがよいと言われます。

四神相応
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次は、T字路、またはY字路の突き当たりにある家。日本では
古くからよくないとされており、そこにお堂や道祖神を
置いたりしていました。理由は複数の道を通ってくる魔が
そこで止まって居着いてしまうからです。そういう家に住むと、
落ち着きのない生活になり、ケガや病気が頻発するとされます。

もしそういう家に住むことになった場合、突き当たり部分に
頑丈な塀を作る。3つ目は、西側に川や池などの水地がある場合。
これは「四神相応」という考え方からきているもので、通常、
西には道、東に水があるのがよいとされます。西側に水があると
金運が流されてしまい、出費が多くなりお金が貯まらない。



あとは、もと湿地であった場所。湿邪と言いますが、そういう土地は
湿気が強く、健康に被害をもたらしたり、地盤沈下で家が傾いたり、
道路の少しの振動が家の中で大きく響くなどの実害があるとされます。
まあ、これがよくないのは当然ですよね。

さてさて、ということで、よくない家や部屋について見てきましたが、
そういう物理的、心理的瑕疵のある物件は値段が安い場合があり、
あえて希望して住もうという人も多いんです。ま、その人の
エネルギーが強ければ、ちょっとした影響は はじき飛ばして
しまったりするものです。では、今回はこのへんで。

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西洋4大精霊について

2021.02.10 (Wed)
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『指輪物語』のバルログ

今回はこういうお題でいきます。オカルト論です。さて、
どっから書いていきましょうか。話は前7~5世紀ころの
古代ギリシアに遡ります。この頃、ギリシアの哲人たちの間では
「アルケー 万物の根源」についての議論が盛んでした。
すべての物質のおおもとは何であるか、ということです。

あるものは、それは火であると言い、あるものは空気であると
言いました。またデモクリトスは、すべてのものには それ以上
分割できない最小の単位があるとし「アトム 原子」と名づけます。
今から2500年も前の話ということを考えれば、
じつに鋭い着想だと思います。

エンペドクレス
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そんな中、哲学者であり、医師や政治家でもあったエンペドクレスは
万物は4大元素の混合からできていると説きました。火、水、土、空気
の4つの「リゾーマタ」が4大元素です。このことが、ずっと後世まで
影響を与え続けてきたんですね。また、アリストテレスは、
物質の状態である「熱・冷・湿・乾」を4大元素としました。

ちなみに、古代中国は、「陰陽五行」という言葉があるとおり、
5大元素説をとります。木、火、土、金、水ですね。
この手の古代の発想は似ていて当然ではありますが、中国の場合、
空気がなく、そのかわり金(金属)と木が加えられています。

パラケルスス


さて、古代ギリシア・ローマ時代の叡智は、中世、キリスト教が
思想界を支配する暗黒時代にいったん失われてしまいますが、
中東などのオリエント世界には残っていて、深く研究されていました。
それが11世紀から始まった十字軍遠征により再発見されます。
と、こんなことを書いていると、それだけで終わってしまいます。

どんどん進めます。4大元素説は民間信仰に取り入れられ、それぞれの
属性を司る精霊がいるとされました。この考えを発展させたのが、
16世紀の偉大な医師、錬金術師でもあったパラケルススです。
彼は著作の中で、水の精霊をニンフ、火の精霊をサラマンダー、
空気(風)の精霊をシルフ、土(地)の精霊をピグミーとしました。

古書に登場するサラマンダー
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ただ、ヨーロッパは多くの国に分かれており、それぞれの精霊は
国ごとになじみの深いものに変えられていきます。例えば、
ニンフがウンディーネ、ピグミーがノームといった形です。
ここからは、それぞれについてごく簡単に説明していきます。

まずはサラマンダー、火トカゲと訳されることが多いですが、
サンショウウオのことです。この精霊は、火にかけても死なず、
新たに生まれ変わることができるとされました。これについては、
一部のサンショウウオは、焚火や山火事などのとき、湿った地面に
潜り表面の粘液で火傷を防ぐ性質があるため、

ウンディーネ
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まるで火の中から這い出たように見えることからきているという
説があります。サンショウウオは神秘的な生物で、両生類のため、
水中でも陸上でも姿を変化させて生きることができます。
これが古代の人には不思議だったんでしょうね。火の精霊はこれ以外、
フェニックス、バルログ、イスラムのイフリートなどがいます。

次に水の精、一般的なウンディーネについて。若い、美しい女性の
姿をとるとされます。パラケルススの本では、ウンディーネには
魂がないが、人間の男性と結婚すると魂を得ることができる。
ただし、男の気が変わり、愛が裏切られると水の泡に戻ってしまう。

ローレライ像
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以前も書きましたが、アンデルセンの童話『人魚姫』は、
この話を下敷きにしています。あと、水の精霊としては
ローレライも有名ですね。ドイツの説話で、ライン川の河中にある
島に半裸の若い娘がいて、美しい歌声で船人を誘惑し溺れさせる。
ハイネ詩・ジルヘル作曲の歌曲がよく知られています。

土の精はノーム。小人の種族で一人ではありません。身長は
15cm程度から人間の子どもくらいと、さまざまな説があります。
もともとヨーロッパには、靴屋のお手伝い小人とか庭小人の
伝承があり、ゴブリンやドワーフとの関係も指摘されますね。

7人の小人
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「白雪姫」に登場する7人の小人は、ドワーフと言われることも
ありますが、それにしては小さいので、やはりノームが
いいでしょう。土の精ですので、金鉱など地中の鉱物のありかを
知っていて、鍛冶仕事が得意とされます。ですから、自分の家の
庭に小人がいるのは縁起がいい。

最後が空気(風)の精で、シルフ、シルフィードとも言います。
これもパラケルススによると、ふだんは目に見えないが、
人間の姿をとるときは、ほっそりした少女の姿になります。
ちなみに、ルネサンス期の絵画を見ればわかりますが、
女性はどっちかというと豊満なほうが美しいとされてました。

東風にのってやってきたメアリー・ポピンズは風の精?
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シルフィードにはあまり具体的な逸話がないんですが、
シェークスピアの戯曲『テンペスト(あらし)』に出てくる妖精
エアリアルがシルフィードと同一とも言われます。
やはり空気の精ですので、いまいちつかみどころがない。

さてさて、ということで、西洋の4大精霊について見てきました。
みなさんの中には、もしかして壮大なファンタジー物語を
書いてやろうという方もおられるかもしれません。
何かの参考になれば。では、今回はこのへんで。





ゴミのオカルト

2021.02.09 (Tue)
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今回はこういうお題でいきます。オカルト論です。
さて、ゴミにはどんなオカルトがあるでしょうか。ゴミがある場所
というのは単純に汚いですよね。そこから目をそむけたくなります。
つまり、見た人の心に嫌な影を落とすわけです。

ゴミ自体もそうですが、ゴミがあることによって、人の心の中に
悪いものが溜まります。そしてそれが怪異を呼び込む。
これって、神道における穢れの概念ですよね。穢れたものは、
祓い清めなくてはなりません。逆に言えば、掃除をすることは
自分の心を清めることでもあるわけです。

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学校で校内暴力が盛んだった頃、蹴られて破れた壁なんかを
そのままにしておくと、ますます暴力行為がエスカレートするので、
こまめに修理したり、新しいものに変えるのがよいと言われました。
また、これは賛否両論あるんですが、生徒にトイレの便器掃除を
させることが心の教育につながる、という活動があります。

外国人があの様子を見ればびっくりします。そもそもほとんどの
国では、トイレどころか生徒が教室の掃除をすることもありませんし、
給食の配膳なんかもないですから。で、日本のそういった特別活動を
見た外国人の感想も、やはり賛否両論に分かれるんです。

ゴミ屋敷
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企業でも、社長が社屋のトイレ掃除をするというところもあり、
カーグッズ会社のイエローハットの創業社長などが有名です。
どうなんでしょう、社長がトイレ掃除をすることで業績がよくなる
わけではないでしょうが、社員からは親しみやすくなる・・・のかな。
あ、話題がゴミとは違う方向にいってますね。

さて、穢れた場所は怪談の舞台となることが多く、例えばゴミ屋敷、
ゴミ収集所、スクラップ工場など。自分も、「ゴミ屋敷の清掃の話」
「見なきゃよかった」などという話を書いています。
下にリンクを貼っておきますので、よろしければご覧ください。

『ゴミ屋敷の清掃の話』  『見なきゃよかった』

ゴミ収集所
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あと、「餓鬼」という話もこれ系です。餓鬼は不浄な場所にしか
住めないので、自分の部屋や会社などで餓鬼が見えるようになったら、
遠からずよくない出来事が起きる。やはり、こまめに定期的な
掃除を心がけるようにしないといけません。

餓鬼
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ゴミ屋敷ができるには、さまざまな心理的な要因があります。
ものがもったいなくて捨てられない。そういう人は、わざわざ
別の場所から、自分のものではないゴミを拾ってきたりもします。
また、一人暮らしで孤独感が強く、その心のすき間をゴミで
埋めているなどのケースもあるようです。

この問題は、警察に通報しても対処が難しいんですよね。自分とこの
敷地に置いてるかぎりは犯罪にはなりません。結局は、そこの
自治体が対処にあたることが多いんです。で、大量のゴミがあれば
虫が発生します。掃除に入った業者が、積み重なったゴミ袋の下に
ウジなどの虫がたくさんいるのを発見することになります。

こういう人怖があります。ある男性が妻に失踪され、そのショックから
何もできなくなり、家がゴミ屋敷になった。男性はそこで数年暮らした後、
ふらりといなくなった。自治体の担当者が親族に連絡し、その許可をえて
業者に片づけさせると、床下から失踪したとされる妻の遺体が出てきた。

スクラップ場
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つまり、この男性は衝動的に妻を殺してしまっていて、その死臭を    
ごまかすため、わざと家をゴミ屋敷にしたわけです。
これに、男が拉致してきたんでしょう、行方不明になっていた
女子高生の遺体も見つかった、という内容がつけ加わることもあります。

『餓鬼』

さて、ゴミ捨て場ですが、近所トラブルの原因になることが
多いですよね。分別をきちんとしてなかったり、収集日を違えて
出したり。粗大ゴミなどは、まだ使えるだろうと、出したのを
持って帰る人もいて、じつはそれは呪いの品で、
怪異の原因になるというのも怪談の定番です。

スペースデブリのイメージ
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最後に社会的な方面に目を向けると、宇宙ゴミ(スペースデブリ)
が大きな問題になっています。これについては、当ブログでも
何本か記事を書いてますが、世界各国で4000回を超えるロケットの
打ち上げが行われ、その数倍にも及ぶデブリが発生しています。
1mm以下の微細デブリまでも含めると数百万とも数千万個とも言われます。

これらは異なる軌道を回っているため、回収はきわめて困難。
今後、ロケットや人工衛星を打ち上げるのの大きな支障となってるんです。
あとは、最近はマイクロプラスチックの問題が取り上げられることが
多くなりました。環境中に存在する微小なプラスチック粒子で、
特に海洋環境において問題化しています。

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大きなゴミなら回収の手立てもありますが、マイクロの名のとおり、
5mm以下で、しかも自然分解されにくく、長い期間、
環境を汚染し続けます。あと、上図は日本海溝の深度6200mで
見つかったマネキンの頭部です。

さてさて、前半で掃除することが心を祓い清めると書きましたが、
現代では、掃除できないもの、不可能な場所が存在する
わけですね。これは考えてみれば怖いことです。
では、今回はこのへんで。





お経の話あれこれ

2021.02.03 (Wed)
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今回はこういうお題でいきます。仏教のお話です。さて、
日本の仏教はいくつもの宗派に分かれてますよね。みなさんの
ご家庭がもし仏教だったとしたら、宗派は何でしょうか? 興味を
持って少し調べてみましたら、下のような図が出てきました。

これによれば、仏教徒全体で、禅宗の曹洞宗と密教の真言宗が
約2割。ついで、浄土真宗、日蓮宗、浄土宗の順になっています。
日蓮宗は以前は法華宗と言いました。これら宗派の違いは
どこにあるかと言うと、膨大にある経典の中で、特にどの経典を
重要視しているかだと言われます。

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で、さらに、宗派の違いはよく登山に例えられ、高い山を登るのに、
歩む登山道は一つだけではなく、いくつもの登山路があるのと
同じ、などとも言われます。でも、本当にそうなんでしょうか。
いくつもの仏教の宗派が出てきた鎌倉時代、宗派どうし、
寺院どうしでいがみ合い、武力をもって戦うこともありました。

また、宗派によって教えも違います。小さな違いならいいんですが、
霊魂観、死後の世界観なども異なっています。これは、仏教が
日本に伝来して以来、さまざまな民間信仰を取り込んできたのが
最も大きな要因なのではないかと考えます。

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さて、仏教の経典を仏典と言いますが、多種多様、さまざまな種類が
あります。「法華経」 「般若心経」などは有名ですし、
みなさんの中には、唱えることができたり、写経をしておられるという
方もいるかもしれません。では、これらのお経にはどういった
違いがあるんでしょう。

まず、どうやってお経ができていったか。お釈迦様が生きていた時代、
お釈迦様は教えを文字に残すことを許しませんでした。
修行を通じて体得していくものだったんです。ですが、
お釈迦様の死後、教えが変質し、失われるのを危惧した弟子たちが
文字に編むことを始めます。

インドの仏塔 仏舎利塔のつくりには厳格なきまりがあります
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このお釈迦様の直接の教えを説いたものを「原始仏典」と言います。
「阿含経」がその代表で、阿含(あごん)とは、サンスクリット語の
アーガマ、「伝承された教説、その集成」という意味で、
お釈迦様の肉声が多数収められています。

この他、原初仏典には「ダンマパダ(発句集)」 「スッタニパータ
(経集)」 「大涅槃経」などがあります。涅槃とは、もともと
一切の煩悩から解脱した、不生不滅の高い境地を指しますが、
転じて、お釈迦様など聖者が亡くなることを表すようになりました。
大涅槃経にはお釈迦様の入滅の様子とともに、

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仏舎利(お釈迦様の遺骨)の分配についてもふれられており、
前3世紀にインドに起ったマウリア朝のアショーカ王は仏教を厚く
保護し、仏舎利を掘り起こし、それを細かくして各地に埋め、
そこに仏塔を立てました。その数は8万4000とも言われます。

さて、この後、お釈迦様の死後500年以上たって、「大乗」
(多くの人々を救う)という考え方が生まれ、そこでは「般若波羅蜜」
が重視されました。この説明はたいへん難しいんですが、自分の
理解では「仏となるための修行の道」といった意味かと思います。
これを説いたのが「般若心経」で、やはりお釈迦様の言葉が書かれています。

日蓮上人
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次に知られているのが「法華経」で、これができた当時、すでに
仏教は多くの宗派に分かれており、なぜ分かれてしまったかという
疑問に答えるような内容になっています。これを最も重視しているのが、
鎌倉時代中期に日蓮によって興された日蓮宗ですね。
日蓮宗では「南無妙法蓮華経」を お題目と言いますが、

「尊い法華経」という意味で、日蓮は『立正安国論』を著し、
他宗派を、日本を滅ぼす間違ったものであるとして厳しく批判し、
弾圧されました。この後、日本を襲った国難、フビライ・ハンの
元寇がその現れであると言われたりしますね。

毘盧遮那仏
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さらに大乗仏教では、お釈迦様以外にも薬師如来、阿弥陀如来など、
仏教の修行によって仏となった尊者があるとされ、それぞれの
教えを説いた仏典ができていき、「大乗仏典」と呼ばれます。例えば
「華厳経」の華厳は「美しい花で飾られた教え」という意味で、
この経の主である毘盧遮那仏の説いた真理を表します。

「維摩経」は、維摩居士(ゆいまこじ)という在家の信者が、
出家している上座部(小乗)仏教の僧侶らを問答によって次々に
打ち負かすという内容です。つまり、出家をしなくても
修行ができる大乗仏教の宣伝みたいになってるんです。
「大日経」は比較的新しく、7世紀ころにできた密教の経典です。

遣唐使だった空海、最澄によって日本に密教が伝わり、
天台宗、真言宗ができました。あとは、浄土宗系で読まれる
「阿弥陀仏経」 「無量寿経」など。浄土宗系では、難しい勉強は
必要なく、ただ阿弥陀仏の名を唱える(南無阿弥陀仏)ことで
どんな人でも成仏できると説かれます。

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これ以外には、仏教がインドから中国へと伝わり、そこでできた
お経があり、これらは「偽経」と呼ばれます。サンスクリットを
漢訳した体裁になっていて、お盆の起源を説明した「盂蘭盆経」
など。この他、少数ですが、日本で作られたお経もあります。

さてさて、ということで、仏典と仏教宗派について見てきました。
怪談では、お寺に行って霊障のお祓いをしてもらうなどのシーンが
出てきますが、実際は、お寺は勉強と修業の場で、呪いや祟りを
祓うにはふさわしくないんですね。(密教系ではあります)
では、今回はこのへんで。




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