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本物の怪談

2019.07.13 (Sat)
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今回はこういうお題でいきます。カテゴリは怪談論ですね。
自分が当ブログに書いている怪談は、ほとんどが創作です。また、
ネットで出回っているものの多くもそうでしょう。ただ、世の中には、
怪談としか呼べないような事件も実際に起きてるんですよね。
これは、猟奇犯罪事件ともまたちょっと違っています。

そういうのは、できるだけ記事の中でご紹介するようにしてきましたが、
いくつかふり返ってみたいと思います。最後に新ネタも入れてあります。
「人体の不思議展事件」 中国の話です。
古代中国は怪談の宝庫でしたが、現代でもそれは変わりません。
臓器関係や人肉食、食品汚染などいくらでもあります。

人体の不思議展は、プラスティネーションという方法で加工された
死体を1995~2012年にかけて巡回展示していた興行で、
その死体の身元は不明ですが、多くは死刑囚のものではないかと言われます。
その中で呼び物だったのが、妊娠8ヶ月とされる女性の死体を
腹中の胎児とともに展示したものでした。

プラスティネーションを行うには、死後すぐに加工を始めなくてはなりません。
この展示死体の場合、手枕のポーズをとらせ、腹部の皮をはいで
胎児をむき出しにし、胎児のほうにも樹脂を注入する必要があります。
中国ネットでは、この死体は、張偉傑という大連のテレビアナウンサーの
ものではないかという噂が出ています。

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張は、大連市の市長であった薄熙来の愛人でしたが1998年に失踪。
失踪当時、薄の子どもを妊娠していて8ヶ月でした。その後、薄は
妻とともにイギリス人殺人事件に関与して中国当局に逮捕され、収賄も
摘発されて無期懲役判決を受けます。で、この夫婦、死体を加工していた
大連の会社に資金を投資し、死刑遺体のルートも提供していたとされます。

関連記事 『晒しの話』

「御殿場市殺人事件」1987年、静岡県御殿場市の川原で男性の絞殺死体が
発見され、会社員のAさんと判明しました。妻の話では、それまで
たびたび不審電話がかかってきていて、その日もAさんは電話で呼び出されて
川原に向かった。しかし警察はこの証言を怪しみ、
妻を追求した結果、殺人を自白したんです。

で、この殺人が起きる少し前、妻は「女性セブン」の心霊写真コーナーに、
自分の息子を撮ったスナップを投稿しています。その写真の霊自体は、
木の葉の重なりが人の姿に見えなくもないというあいまいなものでしたが、
当時、心霊写真の第一人者であった中岡俊哉氏が鑑定して、
「被写体の子ども、あるいは撮影者に霊障のおそれがある」と述べています。

「女性セブン」誌の心霊記事
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ただ、この投稿が載った女性セブンの発売は殺人が行われた後のことで、
編集部では、中岡氏の鑑定が殺人行為に影響を与えたわけではないと弁解します。
この殺人犯の妻が、その心霊写真の中に何者の姿を見たのか、
そのときの心理を考えると背筋に冷たいものを感じますね。

関連記事 『女性週刊誌とオカルト』

「スレンダーマン殺人未遂事件」 これはアメリカの話。スレンダーマンとは、
異様に手足が長い長身の男で、顔はのっぺらぼう。子どもをさらうとされて
いますが、もちろん実在ではなく、アメリカのネット掲示板に投稿された
加工画像なんです。それがつくられた経緯もはっきりしています。

ところが、2014年、ウイスコンシン州で、14歳の少女2人が、
同級生の少女を押さえつけてナイフで19回も刺す事件が発生。
幸いなことに、被害者は重傷でしたが生きのびています。
主犯格の少女は、ネットで読んだスレンダーマンのサイトに触発され、
手下になるための条件をクリアするために犯行に及んだと証言しています。

また、スレンダーマンが彼女を監視して心を読み、司令を与えていると
信じていたそうです。明らかな創作物が、実際の事件の原因になったわけです。
この事件の裁判は現在も進行中で、犯人は未成年なんですが、第一審では、
主犯格の少女に対して、25年間の精神病院への収容という判決が出ています。

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関連記事 『〇〇manの恐怖』

そろそろ残り字数が少なくなってきたので、新ネタにいきましょう。
これはご存知でしょうか。「三原山連続自殺事件」 古い話です。
東京都、伊豆大島にある三原山は自殺の名所で、1933年だけで、
なんと男性804人、女性140人合計944人の投身自殺が起きてるようです。

1933年(昭和8年)、実践女学校の生徒、松本貴代子が親友の富田昌子に
自分の死を見届けてくれるように頼み、火口に身を投げました。
この事件について警察の捜査が進むと、富田は1ヶ月前にも、
別の女子生徒の依頼をうけ、同地で自殺に立ち会っていたことが判明します。

新聞やラジオで、一連の自殺事件を大々的に報道すると、
警察の取り調べとあいまって精神を病んでいた富田は、同年中に死亡。
死因は髄膜炎と発表されました。三原山火口にはたくさんの野次馬が押しかけ、
中には自殺志願者も多く、見物人が「誰か自殺するやつはいないのか」と
声をかけると、「おお」と答えて簡単に飛び込んだと当時の新聞に載っています。

三原山火口の古い写真、これってゴンドラに人が乗ってる?

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怖いですね。こういうのを「ウェルテル効果」といい、「自殺報道の影響で
自殺が増える」現象をさします。これは実際に確認されており、日本でも、
1986年のアイドル歌手岡田有希子の飛び降り自殺を受けて、30名あまりの
若年者が高所から飛び降り自殺しています。X JAPANのhideのときにも起き、
警察の要請で、メンバーが自殺を思い留まるよう呼び掛ける記者会見を開きました。

さてさて、ということで、まだまだあるんですが、これくらいにしておきます。
悪趣味と思われるかもしれませんが、自分はオカルト研究者として、
こういう事例をデータ化してファイルに保存してるんです。
今後も小出しにしていくつもりでいます。では、今回はこのへんで。




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いろいろな怪談

2019.06.23 (Sun)
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今回はこういうお題でいきます。カテゴリは怪談論です。
最近、読む怪談よりも語る怪談が盛り上がっている感じがします。
怪談師と呼ばれる人が登場して、あちこちでいろいろなイベントが
開かれていますね。自分も何度か行ったことがあります。

昔は、怪談を専門に語る人ってそう多くはなかったんですね。
「牡丹燈籠」などの古典落語をのぞけば、稲川淳二さんとか
桜金造さんとか、芸人、タレントを兼業している方がほとんど
でしたが、最近の怪談師は、本業はあっても、それとは関係のない
形で怪談を語るという人も増えてきました。

「OKOWA」というイベントをご存知でしょうか。「ジャンル不問で
世界一怖い話をするのは誰かを決める対戦形式の大会」とされ、
昨年から始まって、ニコニコ生放送で公式生中継されています。
当ブログの読者の方なら、ご覧になっているかもしれませんね。



これなどは、対戦ルールとして創作か実話かは問いませんし、
ジャンル不問ということで、詩の朗読があったりもしました。
自分は、じつに面白い試みだと思って見ています。
怪談を評価するにあたって、「怖さ」を基準にするのは王道です。

よく、「怖さにはツボがあって反応のしかたが一人一人違う」
などとも言われ、それは一面では正しいのですが、それでも、
聞いた多くの人が「怖い」と思うような怪談はあります。
もちろん、そういうのを作るのはたいへんです。

さて、当ブログの怪談の場合は、あまり、読者層を想定して
書くということはしていません。いただいたコメントを見るかぎりでは、
主婦層や学生の方が多いようですが、そういう人たちに好まれるような
怪談といっても難しいんですよね。ということで、できるだけ
いろんなタイプの怪談を書いていこうと思ってるわけです。

で、書くにあたってまず考えるのは「実話度」ということです。
これは自分が勝手に作った言葉ですので、検索しても出てきません。
自分の書く話のほとんどは創作なんですが、とは言っても、
いかにも実際にありそうな感じに書くことはできます。
そういうのは実話度が高い怪談ということです。

つげ義春 『ゲンセンカン主人』


実話度が高い怪談を書くのは、そう難しいことではありません。
例えば、妻子ある男性と不倫している女性のもとに、
男性の奥さんの生霊が出たとか、スピリチュアル系の怪談マンガには
よく出てきます。まあ、実話度は高いですよね。

週刊誌の事件記事なんかを利用して書くことが多いですね。
実際に起きた事件の内容をもとにして、どっかに心霊的な要素を入れる。
それもごくさりげなくです。そうすると、もともとが実話なので、
「ああ、こういうことはあるかもしれない」という怪談ができるんですが、
自分的には、それだけだとあんまり面白くないんです。

オカルト的な要素の強い怪談も書いていきたい。妖怪が出てきたり、
古い農村の因習が恐怖の源になっていたり、悪の組織が何か
心霊的な悪巧みをしかけたり・・・ただ、そういった内容は、読む人に
「こんなことがこの世にあるわけはない」とも思われやすいんです。
その手のものを、自分は「フィクション度が高い」と位置づけています。

キャプチャ
の段階があって、今回はどのあたりの線でいこうかというのは、
書く前にいつも考えます。もう一つ、上記のことと深い関係に
あるんですが、「謎度」ということも考えています。 



これは、その話の中に謎があるとして、それが最後までにどれくらい
解決されるのか、ということです。自分の書く話は、すべて一人称の
語りなので、その語り手にわかっていることが話のすべてです。
ですから、謎度を調節するのもそんなに難しくはありません。

例えば、あることが原因で霊障が起き、語り手が悩まされるが、
語り手はその原因を調査して理由がわかり、霊能者などに依頼して
霊障を収める・・・こういう形だと、オカルト的には謎は少ないですよね。
ですが、それだけだとやっぱり書いててツマラナイんですね。
謎度の高い不条理系の話も魅力があります。

なぜその怪異が起きるのか、原因がわからないままに語り手が
事件に巻き込まれ、最後まで解決しないまま、現実がぐにゃんと
ゆがむように終わる謎度の高い怪談。そういうのがお好きな方も
おられると思います。「理由、原因がわからない」ということは、
それだけでも恐怖の対象になりますからね。



みなさんが社会生活をしていて、理由がわからない出来事というのは
そんなにないはですよね。原因があって結果があり、原因というのは
自分の行動の場合が多いので、他人に嫌なことをされたとしても、
その理由はだいたい思いあたると思います。

それが不条理系の話の場合、例えば、あなたが会社に行くと、
前日まで仲の良かった同僚や関係のうまくいってる上司が、あなたを
避けるような態度をとります。でも、あなたには心あたりがまったくない。
こういう形で始まることが多いんです。

さてさて、上の話の続きですが、会社のメンバー全員に嫌がれたまま
1日が終わったあなたは、思い切って上司に理由を聞いてみます。
すると上司は、あなたの顔を見ないようにしながら「だって君、
蛇になりかかってるじゃないか」こう答えて話が終わる・・・その後に、
トイレに行って鏡を見るシーンをつけ加えてもいいかもしれません。
鏡に映っているのはいつもと変わりない自分。では、今回はこのへんで。

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スピリチュアルを避ける

2019.03.27 (Wed)
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今回はこういうお題でいきます。カテゴリは怪談論です。
この題名、おそらくみなさんは意味不明だと思いますが、
自分は、このブログに書いてる怖い話をスピリチュアル系にしたく
ないんですよね。そこはいつも気をつけて避けている部分です。

スピリチュアル系の怖い話なんてあるの? と思われるかもしれません。
自分はあると考えています。といっても、スピリチュアルには
多種多様な考え方があるので、自分が意識しているのは、
朝日新聞出版が出している雑誌「HONKOWA」みたいな内容です。

こう書くと誤解を受けそうですが、スピリチュアル系の怖い話が悪いとか、
そういうことを言っているわけではありません。
じつは自分は「HONKOWA」の愛読者でして、近所のコンビニで
ほとんど毎月買っています。まあ、立ち読みのときもありますが。

内容をご紹介すると、だいたい巻頭になっているのが、
漫画家の山本まゆりさんの作品です。これには、雑誌で霊視相談もやっている、
寺尾玲子さんという実在の霊能者が主役として登場します。
あと、同じく実在の、天宮視子さんという霊能者が出ることもあります。

寺尾玲子氏
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「HONKOWA」4月号が今、手元にあるんですが、
「絶対選んではいけない部屋特集」となってて、寺尾、天宮の
お二方とも登場してます。今号はなかなか面白い作品が多かったと思います。
あと、女性漫画家の絵は全体的に白っぽい(ベタやトーンが少ない)
んですが、山本まゆりさんはそうでもなく、読みやすいですね。

さて、じゃあどうしてスピリチュアル系の話を避けてるかというと、
一つは、自分が書いているのが創作怪談だからです。
これは好みの問題かもしれませんが、あんまり霊能者を話に登場させたく
ないんですね。霊能者を主人公にすると、話が書きやすいのはたしかです。

依頼者から不可解な出来事が起きていると相談を受け、主人公の霊能者が
現場を訪れて霊視し、霊障の原因を探ります。
するとそこが、古代からの因縁のある土地であることがわかり、
最終的には主人公が霊能を使って除霊・浄化をする・・・

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でも、この形は漫画だからできるんじゃないかと思うんです。
漫画では、絵はすごく重要です。ストーリーはそれなりでも、
絵に力があれば作品として成り立つものなんですが、
字だけで読ませる怖い話だと、なかなかそうはいきません。
マンネリになってしまう可能性が高いと思います。

あと、もう一つ、世間で霊能者を謳っている人物や団体には、
こう言っちゃなんですが、きわめて怪しいものが多いんですよね。
詐欺と紙一重のものも多数あります。ですから、自分が書く話では、
霊視や除霊で何でもズバズバっと解決できる
霊能者というのは、あんまり出したくないんです。

まあ、自分の場合は、最初からフィクションとして書いてるので、
みなさん作り物と思って読んでおられるわけですが、
「本当にあった」という謳い文句で強力な霊能者を出してしまうと、
世間的によくない影響もあるんじゃないかと思うんですね。

さて、スピリチュアル系の怖い話でよく出てくるのが、生霊、地縛霊、
前世、守護霊、霊道、実際にあるパワースポット、パワーストーン、
気づき・・・あと、なかなか成仏できない自殺者の霊とかです。まあこれ、
自分の話にはまったく出てこないかというと、そうでもないんですが、
できるだけ避けるようにはしてます。

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それと、因縁系の話です。例えば、怨みをのんで死んだ人がいて、
その霊が憎い相手の家族に祟るとか、前に住んでいた部屋の住人が
死んで地縛霊化し、次の入居者の前に現れる・・・ストーリーの破綻は
ありませんが、あまりにストレートすぎて自分はツマラナイですね。
どうせ書くなら、もうひとひねりも、ふたひねりもしたい。

それから、一番重要な点ですが、話をスピリチュアル系にしないためには、
中身を説教臭くしない、結末を教訓的にまとめないということが大切です。
スピ系の怖い話だと、最後に、「自業自得だね」とか、
「やっぱ、こういうことはしちゃいけないんだよね」みたいな
セリフが出てきたりするんですが、これは自分は絶対やりません。

むしろ自分の話は、わけがわからないまま、地雷を踏むような形で
主人公が恐ろしい出来事に巻き込まれ、きわめてヤバイ状態になって、
ぶつんと切れるように終わる・・・こういう形が多いんじゃないか
と思います。ぐにゃんと現実がゆがむような不条理感を
出すことができたら、その話は成功です。

さてさて、だらだらと書いてきましたが、上で述べたように、
スピリチュアル系の怖い話が悪いというわけではありません。
ただ、自分はちょっと書けないなということで、もちろん、スピ系怪談が
お好きな方は読まれて何の問題もないと思います。
では、今回はこのへんで。

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「怖い話」の周辺事情

2019.02.06 (Wed)
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今回はこういうお題でいきます。カテゴリは怪談論です。
さて、当ブログですが、基本的にはオカルトのブログです。
まあ、ときどき、内容がオカルトの範疇を越えてしまうこともあるんですが。
目的は2つ、一つは自分が書いた怖い話を載せることで、もう一つは、
いまいち元気がないオカルト界を活性化させたいということです。

ブログを始めたのはもう5年以上前のことで、開始するにあたって、
アクセス数はあんまり期待できないだろうなと思っていました。
というのは、「怖い話」の好き嫌いは、極端に分かれるからです。
しかも、どっちかというと嫌いな人のほうが多い。

下のアンケート結果をご覧ください。これは「デイリサーチ」さんのホームページから
引用させていただいたもので、ネットでのアンケートではありますが、
調査母数が15万8千と多いので、まずまず信頼度は高いと思われます。
「好き」が約26%、「嫌い」が45%ほどですね。

「怖い話は好きですか?」アンケート
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まあ、そんなもんだろうなあと思います。で、自分が考えるのは、
「怪談が好きではない」という人は、いくつかのタイプに分かれるんじゃないか
ということです。当ブログは「読む怪談」なんですが、まず、これは怖い話だけの
ことではないんですが、字を読むのが好きじゃないという人が多いんですよね。
今は、地上波テレビ以外にも、Youtubeなどの動画配信サイト、

映画を見ることができるスカパーなどの有料チャンネル。
その他に、オンラインゲームやスマホのゲームアプリなどなど、
時間をつぶすためのものはいくらでもあります。出版不況ということが言われて
久しいですが、ちまちま活字を読むのはめんどくさいという人が
ますます増えてきている。これは社会の流れで、どうにもならない気がします。

特に、自分の書く怪談は長いので、ずらっと字が並んでるのを見ただけで、
もうたくさんと思われてしまいそうです。そういう人たちをふり向かせるのは
無理なんじやないかな。かといって、怪談を映像にしても、
youtubeでも怪談を朗読してるチャンネルもありますが、

再生数はそんなに多くないんですね。むしろ、ユーチューバーの人が、
実際に心霊スポットに行く探索物なんかのほうが人気があります。
じつは自分も、怪談チャンネルを作ろうかと考えたことも
あったんですが、本業にさしさわるほどたいへんな手間がかかるわりに、
おそらく再生数は伸びないだろうと思って断念してるんです。

さて次に、怪談嫌いのタイプとして、「怖い思いをしたくない」という
人がいると思います。みなさんのまわりにもいませんか。
怖いテレビ番組が始まるとすぐチャンネルを変える人とか、
極端な場合、誰かが怪談を始めると耳をふさいじゃう人とか。



これもどうしようもないですよねえ。ゴキブリが嫌いな人にゴキブリをさわれ
と言っても絶対さわらないでしょう。泣きますよね。自分はジェットコースター
のような乗り物が嫌い(苦手)で、遊園地とかに行ってもまず乗ることはありません。
そういう、生理的に嫌いなものを無理強いすることはできないです。

次に、「オカルト、怪談、心霊・・・その手のものは非科学的だし、
全部嘘だから嫌い」こういう人もいると思います。
まあ、社会的に健全な態度と言えないこともないですが、嘘だとしても、
嘘を嘘として楽しむ余裕も必要なんじゃないでしょうか。

このあたりは複雑なんですよね。「ホラー映画や小説はフィクションとして
楽しむことができるが、実話怪談は、嘘なのに本当だと言ってるから嫌い」

そういう人もいます。また逆に、「本当にあった話なら読むけど、
最初から創作とわかってるものは読まない」
という人も多いんです。

なぜこうなってるかというと、「オカルト・心霊」そのものが、
あるともないとも確定していないからでしょう。前にご紹介しましたが、
幽霊がいるか・いないかのアンケートで、だいたい「いると思う」が40%、
「いないと思う」が60%くらいでした。そうすると、単純に考えても、
下の4タイプの人がいることになります。

・幽霊はいないと思うし、怖い話は嘘だから嫌い
・幽霊はいないと思うが、それはそれとして怖い話を読むのは好き
・幽霊はいると思うが、怪談は怖いから嫌い
・幽霊はいると思うし、怖い話を読むのも好き 

ということで、「怖い話は嫌い、怪談は読まない」という人を
こっちの側に引き込むのはじつに難しいんです。自分はなかばあきらめています。
こう考えてみると、怖い話というのは、ごく一部の愛好者を対象としたものに
ならざるをえません。一定数の読者はいるものの、けして大きな流れにはならない。
自分としても、行きづまりを感じてるんですね。

さてさて、自分が最近ちょくちょく、オカルトとは関係ない社会問題を
取り上げて書くようになったのも、一般人を引き込んで、なんとかこっちの世界に
目覚めさせよう(笑)という意図があるからなんですが、
なかなかうまくいきません。何かいい方法はないもんでしょうかね。
では、今回はこのへんで。

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よい怪談を書くために

2018.11.07 (Wed)
今回はこういうお題でいきます。カテゴリは怪談論ですね。
でねえ、こういう内容を書くと、後でいろいろ言われるんですよね。
「お前は怪談のプロでも専門家でもないだろ。何を偉そうに!」
みたいなことです。まあ、たしかにそうなので、
素人の戯れ言と思って聞いていただければ幸いです。

さて、まずはじめに「よい怪談」って何でしょうか?
これはいろいろな考え方があると思いますが、怪談を読む側から考えると、
長い夜のひととき「怖い思い、ぞっと背筋が寒くなるような思いをしたい」
という場合がほとんどなんじゃないでしょうか。

ですから、怪談は、まず怖くないとダメだと思うんですね。
それはもちろん、「心温まる、感動する怪談」とか、
「派手なアクションでスカッとする怪談」などがあってもいいと思いますし、
実際に自分もそういうのを書いてもいます。

ですが、やはり怪談の本質というものを考えると「怖いかどうか」
ということが評価の軸になるのは当然だろうと思います。
感動する話とかは、例えば、オー・ヘンリーの「最後の一葉」とか、
普通小説でいくらでもできるわけで、
怪談でなければならない必然性はないですよね。

ただ、当ブログの怪談論で何度か書きましたが、「怖い」って難しいんです。
それは、人によって「怖い」と思うツボが異なってるからです。
自分の書いた話でも、仲間内で「どれが怖かったですか?」と聞くと、
かなりバラバラの答えが返ってきますし、ある人が「すごく怖い」と言ったものが、
別の人は「ぜんぜんだった」となることも珍しくありません。

この対策は難しいというか、自分は、どうにもならないと思ってます。
恐怖という感情は、その人がどういうふうに生まれ育ってきたかと、
密接に関係があるんじゃないでしょうか。ですから、「怖い」を意識しながら、
なるべくいろんなタイプの怪談を書いてくしか、手はないような気がします。

さて、では、「よい怪談」を書くにあたって、どんなことが必要でしょうか。
まず考えられるのは「文章力」ですが、自分はこれ、
そんなに必要ないんじゃないかと思ってます。何か人に見せるものを書く場合、
それは文章力があるに こしたことはないんですが、

怪談の場合、文章がたどたどしかったりしたほうが、かえってリアリティがあって
迫力が出る場合もあります。それに、ふつう怪談では、くわしい情景描写や、
登場人物の心理描写はしないものです。そういう部分を入れると、
「創作臭い、小説じゃないんだから」と言われてしまいます。

ですからまあ、読み手が、よどみなくすらすら読める程度の文章力は必要でしょうが、
そんな高いレベルが要求されることはないと思います。
自分も、当ブログの怪談を書くにあたっては、「情景、心理描写は最小限に」
ということを心がけてるつもりです。といっても、
興に乗ってだらだらと書いてしまうこともあるんですが。

次に、「オカルト知識」はどうでしょう。これはもちろん、ないよりは
あったほうがいいに決まってます。「お坊さんにお祓いしてもらった」とか、
「神社の御本尊」とか書くと変ですよね。そこで読み手が引っかかってしまうと、
それ以上読んではもらえないかもしれません。

あと、古典にある有名な怪談や世界の都市伝説。そういうものを知っていれば
いるほど、書く内容にバラエティが出てくると思います。
自分の場合も、『今昔物語』とか、中国の『聊斎志異』なんかから
ヒントをもらって書いたものがけっこうあります。

古くから伝わっている、大勢の人に広まっている怪談というのは、
それだけ怖さのツボが押さえられたものが多いんです。
ただし、あくまでヒントをもらうだけで、完全なマネではいけません。
芥川龍之介に、「鼻」 「芋粥」など、『今昔物語』を下敷きにした短編がいくつも
ありますが、どれも独自性を持った芥川文学になってますよね。

さて、長くなってきたので最後にします。「人生経験」のようなものは
怪談に必要でしょうか。これねえ、以前は特に必要ないだろうと思ってたんですが、
最近になって少し考えが変わってきました。怪談のパターンということを考えると、
一番単純なのが、「○○を見た、体験した」というものです。

例えば、「夜道を歩いていたら血まみれの女がいて追いかけてきた」とか。
これが悪いということではありません。書き方によっては怖くなりますし、
上で書いたように、怪談は怖ければいいわけですから。ただ、最近自分は、
意識して、「語り手の人生とからんだ怖さ」みたいなのを書くようにしています。

どういうことかというと、「怖ろしい体験をすることによって人生が変わった」
また逆に、「それまでの生き方が怖ろしいものを呼び込んだ」みたいな話です。
これ、なかなか難しいんですよねえ。ですが、
それだけに挑戦のしがいがあるようにも思ってるんです。

さてさて、ということで、今回は怪談論でした。ですがこれ、
一介の素人の占い師が言ってることですから、異論もたくさんあると思います。
秋の夜長の季節になってきました。みなさんも一つ、
創作怪談に挑戦されてみてはどうでしょうか。では、このへんで。