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聞いた話 町議編

2015.12.31 (Thu)
町議編とはおかしな題名だと思われるでしょうが、これは関西某県、
某町で町会議員をやっておられるMさんから聞かせていただいた話です。
公職にある方ですので、かなり細部はぼかして書かせていただきました。
Mさんは60代後半で、広い田畑を持ち農業もやっておられます。
その地域に古くから続く家系の当主なんですね。
地域史も研究されておられ、寺社の由緒や民話、古美術などにもたいへんに造詣が深い。
で、話の中には霊能めいた内容も出てくるのですが、
もちろんMさんが超自然的なものの存在を公言、吹聴しているわけではなく、
たまたま地域の方のお世話をする中で、そういう事例に巻き込まれてしまうのです。
そこはちゃんと書いてくれよと言われ、話を掲載する許可をいただきました。
最初の話は「藁蛇」にかかわるものです。

藁蛇(わらへび)というのは、文字どおり藁でなった蛇なのですが、
神社の鳥居や手水所の柱などに巻きつけられているのを見ることができます。
下に画像をあげておきましたが、眼や口が入れられているもの多いようです。
魔除け、厄除けのほか、雨乞いにもご利益があると言われたりします。
さて、Mさんのお仲間の町議の一人娘が結婚することになりまして、
これはめでたい話なのですが、式まであと1ヶ月を切ったあたりから、
その娘さんの具合が悪くなりました。でも、大学病院で精密検査を受けても、
これといった異常は見つからないのですね。どういう症状かというと、まず頭が痛む。
これは朝の目覚めのときが一番痛み、だんだんと日が高くなるにつれて治ってくる。
娘さんは、夢のなかで黒い人がきて頭を踏まれると訴えていたのですが、まあ夢の話ですし、
顔にアザなどができているわけではないので、医師は重視しなかったようです。

それと、これはだしばらく後になってわかったのですが、
真夜中あたりになると、全身にふつふつと出来物ができるというジンマシン症状。
粟粒のような大きさのが、主に背中側にできてくるのですが、
これは痛みもかゆみもなく、わずか5分程度でおさまってしまうので、
病院にいくときはきれいな皮膚なんですね。わかってからはアレルギー検査もしましたが、
原因物質は特定できませんでした。そんなこんなで娘さんは参ってしまい、
寝こむことが多くなりましたが、俗にいうマリッジブルーではないかと親戚からは言われ、
家族もぜひ予定どおり式をあげさせたいと、入院するまでには至らなかったんです。
もちろん心配はあったので、それでMさんのところに相談がきたんですね。
Mさんがその町議のところへ向かいまして、典型的な田舎の豪農屋敷だったのですが、
畑の中の敷地に足を踏み入れたとたん、軽い目眩のようなものを感じたそうです。

それから病床の娘さんに会って話を聞いたものの、特にはかばかしい成果はなし。
ただ、何か隠し事があるような気配は感じたそうですが、無理問いはしませんでした。
で、Mさんは、さっきの目眩は何だったのだろうと屋敷の外を調べてみました。
そしたら、庭のある場所を踏み越えると頭の中でパチッと火花が散る感じがした。
その部分の地面を調べてみると一本の藁しべが落ちていまして、
別に珍しいことではないのですが、持ち上げてみるとずっとつながっていたんです
藁一本にはそんな長さはないので、端が結ばれているということですね。
その藁をた林の中に入ってから徐々に太くなり、大人の腕から太腿ほどにもなって、
杉の木の下枝に藁蛇の頭が載っていました。そのあたりの藁・・・
綱と言ったほうがいいでしょうか、
には、本物の蛇の抜け殻が何十本も巻きつけられていたそうです。

その藁蛇の口の部分からは、一本の藁しべが出ていまして・・・
けっきょく町議の屋敷のぐるりを藁蛇の体が取り巻いていたということです。
そして頭がしっぽを咥えている状態。これは西洋ではウロボロスの蛇といって、
永遠、完全などの象徴的な意味を持つのですが、
Mさんが藁しべをまたぎ越えたとき、ひじょうに禍々しい感じを受けたのです。
これが娘さんの体調不良の原因になっている呪なのではないかと思いました。
しかし、藁蛇というのは本来は魔除けの神具です。
そこで調べてみましたところ、このような古来からの習俗には表と裏がありまして、
使おうと思えば、禍事を目的として使用することもできることがわかりました。
当然ながら、この呪を仕掛けた人物がいるわけです。藁蛇自体は、
儀式をして途中を断ち切れば呪は破れるのですが、Mさんはそうしませんでした。

人を使って、いろいろと周辺事情を調べたんですね。すると、
この結婚話が決まる以前、娘さんには別につきあっていた人がいて、
その人は拝み屋血筋と言われる家系の出身者だったのです。
それで、誰が呪をかけたのかはわかりました。しかし問題が解決したわけではないですよね。
娘さんの結婚相手というのは、近くの市の建設会社の跡取り息子で、
政略結婚的な意味合いがあるのではないかとMさんには思えました。
・・・ここからの経緯を詳しく書くのは、オカルトホラーブログの目的からは外れますので、
省略させていただきますが、Mさんは町議一家と話し合いを持ち、
娘さんからも真意を聞き取りました。その後に、呪を行ったと思われる家も訪れ、
そこでも息子から話を聞いたわけです。結果、結婚話は破断、
かといって拝み屋の息子とよりを戻したというわけでもなかったのです。

それはそうですよね。娘さん本人の体に危害が及ぶような呪をかけたわけですから。
ま、このような話なのですが、いくつか補足をさせていただきますと、
まず藁蛇の丸くなった体を他者が儀式をして切り離した場合、
それは倍の大きさになってかけた本人のところに戻っていくのだそうです。
人を呪わば穴二つ、ということわざどおりになるわけです。
それを知っていたため、Mさんも簡単には切り離すことができなかったんですね。
もう一つ、娘さんのジンマシン症状ですが、
これは藁蛇に巻きつけられていた蛇の抜け殻が効果を発揮していたようです。
一般には、蛇の抜け殻は金運上昇、財布に入れておくとお金が貯まるなどと言われます。
蛇本体と抜け殻で数が増えたように見えるからなのかもしれませんが、
これにも裏としての使用法があり、

娘さんの発疹の原因になっていたのだということでした。
急に現れる粟粒のような発疹は、実は蛇の鱗だったのです。
ほうっておくと、どんどん出てくる時間が長くなり、数も増えて、
治ってもひどい痕が残ってしまうのだそうです。これはなかなか怖い話ですね。
藁蛇は、仕掛けた拝み屋の家族が自分らの手で切り、
その後に氏神神社でお焚き上げして灰になりました。
ああ、話がもうこんな長さになってしまいましたね。
「最初の話」などと冒頭で書きましたが、二つ目に入るのはちょっと無理なようです。
いずれ項を改めて書かせていただきたいと思っているのですが、
実は近々、Mさんとお会いする予定がありまして、
もしかしたらそこで、また新たな話をお聞きすることができるかもしれません。

『藁蛇』






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