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体験談としての実話怪談

2016.01.30 (Sat)
今日は時間がなく、怪談論のカテゴリに入る短い記事になります。
何度も書いているんですが、当ブログの怖い話はホラー小説の形はとっていません。
ほとんどの話は、一人称形式での語りなのですが、
最近は「聞いた話」という形のものも多くなってきました。
これはマンネリを避けるという意味合いが強いのですが、
それでも体験談であることに変わりはありません。
ホラー小説と実話怪談の違い・・・これはいろいろあるものの、
その最大の部分は、実話怪談は体験談であるということだと思います。

ま、ホラー小説でも体験談形式のものはないわけではありません。
「ホラー小説」というのは大きなくくりで、その中での自由度が高いからです。
とはいえ、多くのホラー小説は現在進行形で書かれています。
つまり小説の主人公は、今現在、恐怖のただ中にあるんですね。
駅のホームで、次から次と襲ってくるゾンビをかわして列車に跳び乗った。
ほっと一息つく間もなく、車両間の扉が開いて、さらに恐ろしいバケモノが姿を現す。
こんな感じです。このほうが臨場感があるし、先の展開が読めない分、
ハラハラドキドキ、手に汗を握る。登場人物への感情移入も強まるでしょう。

それに対して実話怪談の怪異は、すでに起こったこと、終わったことということになります。
これは当然ですよね。話をしている当人は、怪事を切り抜けてきてそれを語っているのです。
そこには一つの安心感があると言っていいかと思います。
怪談はある意味、安心感を楽しむものであるのです。
自分は安全な場所にいて「そりゃ怖かったでしょうね~、あんた助かってよかったね~」
といった形で体験談を聞く。それが当ブログの場合は怪談ルームの面々であるわけです。
よく修学旅行の部屋で怪談大会になった、などということがあります。
百物語などもそうでしょうが、これは、大勢の人がいて恐怖を共有できる安心感を楽しむ、
といった側面もあるのではないかと思います。

しかし、それだけではツマラナイと考え、
実話怪談でも、さまざまな仕掛けを話に取り入れることもあります。
その一つは、「語っている本人は助かったと思っているが、実は助かっていない」という形。
どういうことかと言いますと、その話の中で、
語り手が何らかの呪いのようなもの巻き込まれていて、
この後に必ずよくないことが起きると推測できる、といった話の作り方のことです。
「おいおい、あんたそれヤバイだろ、もう大丈夫だと思ってるかもしれんけど、
この後絶対に怖ろしいことが起きるから」そう言いたくなるような場合ですね。

自分の話にはけっこうこのパターンが多いです。
「・・・心配でならないので、ここ(怪談ルーム)の話を聞いて相談に来たんです」
最後に話し手がこう語ってるものがいくつもあります。
また、話し手はもう助かったと思って安心しているが、
聞いてるものには、はっきりとヤバイことがわかる、このタイプのもの書いています。
話のしめくくりで安心することができず、さらに不安が高まるような話にすれば、
ひと粒で2度美味しいというか w

また中には、話を聞いてしまった者にも災いが及ぶという形もあります。
これはホラー小説でもできるでしょうが、
ホラー小説がはっきり創作であると読者にわかっているのに対して、
自分の話はともかく、プロの方が書かれている実話怪談は、
「本当にあったこと」というのが建前ですので、より効果が高いと思われます。
昔、「カシマさん」という都市伝説のような話があって、
カシマさん、というのは不幸な亡くなり方をした女性なのですが、
この話を聞いた者のところへは3日以内にカシマさんがやってきて道連れに殺そうとする。
そのときに「◯◯」という対処のしかたをすれば助かるが、
少しでも間違えるとあの世につれていかれてしまう・・・  『カシマさん』Wiki

ただねえ、この形式は多くのパターンが出てしまっていて、
「ああ、これは聞いたものがヤバくなるパターンだな」とスレた読者にはわかってしまい、
かえって陳腐な印象を与えかねません。ですから、今後これをやろうとする場合は、
よほど巧妙なしかけを工夫しないといけないでしょうね。






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