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聞いた話 音2題

2016.02.11 (Thu)
編集部バイト員のKさんから聞いた話

Kさんは写真の専門学校に通う男性の方で、ある出版社でバイトしていまして、
そこで自分と知り合いました。20代前半です。
おかしなことが起きたきっかけは、古書店で洋書の写真集を買ったことです。
大判の古い本で傷みも激しかったのですが、その分、安くなっていて、
数百円だったそうです。Kさんは風景写真を専門にしたいと考えていて、
その本は白人の写真家が撮ったアラスカの風景でした。
有名な写真家だそうですが、自分は初めて聞く名前でしたね。
本も見せてもらいましたが、白と青以外はくすんだ色しかないアラスカの大地が、
遠景でとらえられた印象的な写真が多かったです。
本はKさんの部屋の机の脇のラックに立てかけられ、ときおりパラパラめくって見ていました。
ただ、この話、Kさん自身に怪異が起きたというわけではないんです。

はじめは隣の部屋からの苦情でした。Kさんが朝にゴミ出しにいったとき、
たまたま隣に住む同じ年代の学生と会い、そのときに、
「昨日の夜部屋に外人が来てた?」って言われ、「いや、部屋にいたけど一人だけだった」
「えーでも、なんか外人が英語ですごい怒鳴ってたじゃないですか、30分くらい。
 うるさくて寝られなかったすよ」 「えー、そんなはずないけど、何時ころ?」
「11時半から12時にかけてくらい」 「俺の部屋のほうの壁から?」
「そうすよ」こんな感じでしたが、Kさんには心あたりがありません。
そもそも外人の知り合いなんていないし、Kさんはテレビを見ないのでそれも違う。
だからそう言うしかありませんでした。それから3日して、今度は下の部屋の住人から。
やはり時間は夜の11時過ぎでした。部屋のチャイムが鳴って、出てみると下の部屋の男性。
この人は50代で大手印刷会社に勤めてるんですが、離婚して一軒家から移ってきたそうです。

しかめっ面で「あんたねえ、ドンドン足を踏み鳴らすのやめてくれる」
「そんなことしてないですよ」 「だってね、天井からホコリが落ちてくるほどだったし、
 上はあんたの部屋だから。それに今も外の廊下で大声が聞こえたぞ、外国語の」
「俺の部屋からですか?」 「そうだよ」 「いや、誰も来てないですけど」
そう言って部屋の中を見せたら、男性は不承不承戻っていきました。
この2回とも、Kさんはアラスカの写真集を見ていたんですが、
それと関係あることとは思わなかったそうです。翌日、バイトから帰ってきたら、
ラックに立ててあった写真集が下に落ち、
何かに引っかかったのかカバーが大きく裂けていました。
拾い上げると、裂け目からカバーの下に何かがあるのが見えました。小さなメモ用紙が、
表紙にテープで貼りつけられていて、英語の筆記体が書かれていたんです。

はがしてみたものの、Kさんにはよく意味がわからず、
翌日、学校で英語の読める人に見せたところ、
「よくわからないけど、なんか軍隊の不正を告発するような内容だな。
 物資の横流しがどうこうとか書いている。すごいスピードであせって書いたような字だな」
こう言われました。そのメモは学校のゴミ箱に捨てたそうです。
それから苦情を言われることはなく、写真集もまだ持っています。
「変な話でしょ。でも、それくらいしか原因が考えられないんですよ。
 こういうことに詳しいって聞いたんですけど、どう思います?」
でもねえ、自分としても何とも言えないんですよね。物や手紙などに念が残って、
いろんな怪異を引き起こすという話は確かに聞いたことはありますが・・・
メモを見たかったんですけど、なくなってしまったのでどうしようもありません。

猫カフェ勤務のUさんから聞いた話。

Uさんは20代後半の男性で、前はペットショップにいたんですが、今は猫カフェに勤めています。
自分は海水魚を飼っているので、そこのペットショップによく行ってて顔見知りになりました。
Uさんが高校生のときのことです。
「もうその頃から、携帯電話が普及したせいで、公衆電話がどんどんなくなってたんですよね。
 けど、学校の近くの児童公園に一台残ってたんですよ。典型的な電話ボックスですね。
 俺はチャリ通学してて、近くを通ってたんだけど、気に留めたことはないし、
 もちろん使ったこともないです。でね、高3になって部活を引退し、
 早く帰るようになった頃にこんな噂を聞いたんですよ。・・・夕方5時ころになると、
 そこの公衆電話が鳴っているときがある。横を通るときにかすかに呼び出し音が聞こえるって」
「ああ、公衆電話にも電話番号があるから、それを知ってる人がかけてたのかも。
 そうする意味はわかんないけど」

「ですよね。まあ、何かの事情で、そういう手段でしか
 連絡できないってこともあるかもしれないけど、聞いたってやつはみな、
 ボックスの中には誰もいなかったって言ってるし」
「それでどうなりました?」 「いや、お定まりの話ですよ。そのときに受話器をとって、
 電話に出てしまうと、呪われるとか死ぬとか、夜に幽霊がやってくるとか」
「ま、そうなりますよねえ」 「でね、仲間内の物好きなやつらが集まって、
 ボックスの電話が鳴るのを見ててみようってことに」
「はああ、勉強のほう、受験とか大丈夫だったんですか」
「それは俺は動物飼育の専門学校に入ることに決めてて、試験なんてなかったから。
 仲間もそういうやつばっかでした。・・・いいですか、こんな話で」
「興味深いです。続けてください」

「でね、その日集まったのは4人・・・5人だったかな。
 俺と男友だち3人。その一人が彼女を連れてて。
 その彼女というのが霊感があるってことだったんです」 「はいはい」
「授業は3時半ころに終わって、それから皆でラーメン屋に入って5時過ぎ、公園に行きました。
 みなチャリです。皆はけっこうワクワクしれるようだったけど、でも俺は、
 正直なところ電話は鳴らないだろうって思ってたんです。
 まず鳴ること自体が嘘だろうと思ったし、もしたまたまそういうことがあっても、
 毎日張りついてでもいないと、それにバッチリあたるとかはないだろうと」 「はいはい」 
「で、チャリにまたがって公園の生垣の外の道にいたんです。電話ボックスのすぐ近く。
 最初、その霊感女子がボックスを見たときには、『変なものは感じない』って言ってたんですよね。」
「で、電話は鳴りましたか?」 「それが10分ほど待ったら鳴ったんです」

「あ、鳴ってる、聞こえるぞ、って誰かが言い、そしたら俺にも聞こえました。
 音はかすかでしたけどね。誰か出てみろ、そう言いながらチャリを立てて公園内に入りました。
 そしたら霊感女子が、ダメ、戻ろう。ボックスの中、黒いものでいっぱいになってきてる。
 って言いまして、ちょっとビビりましたけど。そしたら彼氏のほうが、じゃ、俺が出る。
 これね、彼女が普段から霊感じみたことを言うのが気に入らなかったみたいですね。
 たんにいいとこを見せようとしただけじゃなかったみたいです。
 ダメー、黒いの髪の毛だよ。ぐるぐる渦巻いてる。って、彼氏の腕を引っ張って。
 いや、俺には何も見えませんでした。でね、彼氏がボックスの戸を開けた瞬間、
 呼び出し音が止んだんです。でも、そいつは受話器を取り上げて、おーい、もしもし。
 ってやったんですけど、何の音もしない。って受話器を置きました。
 そのときです。全員の・・・持ってないやつもいたから4人の携帯に一斉に着信が入りまして。

 昔だからガラケーで、マナーモードでしたけど。いっせいに電話に出たときにはもう切れていたんです」
「ははあ、着信の履歴は」 「それがね、うーん、携帯を持ってた4人をA、B、C、Dとしますと、
 AからB、BからC、CからDにかけたことになってたんです。
 これCが俺で、Aが彼氏、Bが彼女ですよ」 「??? ・・・ということはAの履歴は?」
「それが残ってなかったんです、変でしょう」 「たしかに」
「だいたい俺らが互いに電話かけあったりなんてしてないですから」
「で、その後は?」 「ええ、何度か集まったんですが、もう電話は鳴りませんでした。
 誰かの身におかしなことが起きたとかもないです。ただ・・・2年後に大きな台風があって、
 小学生の子どもが一人亡くなってるんです。その電話ボックスのすぐ近くの道でです。
 台風が去った後に、垂れ下がってた電線で感電したんですよ。電話線じゃなく電線。
 これは新聞にも出ました。関係があるのかはわからないですけど」



 


 
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