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重力波観測

2016.02.13 (Sat)
科学ニュースはどこも、この話が続いてますので、
当ブログでも触れることにしました。しかしこれ、どっから話せばいいですかねえ。
世間様ではバレンタインデーのほうに関心が高いのかもしれないのに、
色気のない内容ですいませんね。

「LIGO」


『米国の重力波観測所「LIGO」(ライゴ)を中心とする、
米国や欧州などからなる国際研究チームは、
日本時間2月12日未明、重力波を初めて直接的に観測することに成功したと発表した。
重力波の存在は今から100年前にアルベルト・アインシュタインが予言していたもので、
その予言が正しかったことが証明されるとともに、重力波を使って宇宙を研究する
「重力波天文学」という新しい研究の扉が開くことになった。』
(sorae.jp)

まず、重力波とは何かということですが、
『時空(重力場)の曲率(ゆがみ)の時間変動が波動として光速で伝播する現象』
こんなふうにWikiには出ていました。
かなりわかりにくいですが、質量のある物体があれば、そこに重力が発生します。
ですから、みなさん一人一人が存在しているだけで重力波を出している。
指でパソコンを打っても重力波は生じます。
じゃあ、そんなありふれたものがなぜ今まで見つからなかったかというと、
これがものすごく微弱なためなんです。

この世界には4つの力があると言われています。
①電磁気力(電気力と磁気力は基本的に同じ)
②強い力(強い相互作用とも言います)原子核内の陽子と中性子を結合している力で、
 簡単に言うと糊みたいなもんです。かの湯川秀樹博士の中間子理論は、
 結果としてこの力を予言したことになります。
③弱い力(弱い相互作用)これ、わかりにくかったんですが、
 福島原発の事故で有名になってしまいました。
 放射性崩壊のときにベータ線を出す力です。
④重力

こう書くと、えー摩擦力とか遠心力とか、握力とか背筋力とかw
もっと力の種類っていっぱいあるじゃないと思うかもしれませんが、
そのようなのもこの4つの根源的な力のうちのどれか、
または組み合わせとして説明がつきます。
この4つは元々の宇宙の始まり(ビッグバン)のときには同じ一つの力だったのですが、
さまざまな理由で枝分かれしていったんですね。

で、重力は②、③に比べればわれわれにとって身近なものなのに、
なぜ今まで重力波が見つからなかったかというと、
①~③よりも圧倒的に弱いからです。これも意外な感じがしませんか。
重力があるから、みなさんは宇宙に落ちていかないで地球にくっついていられる。
体重が増えると動きにくいですし、エレベーターに乗ればふわっとした感じを受ける。
重力ってけっこう身近に感じるものなのに、けっして大きな力とは言えないのですね。

さて、重力は空間をねじ曲げます。ここもわかりにくいでしょうが、
みなさんがプルプルしたゼリーの中にいると思ってください。
これが重力場です。で、外側からゼリーの端っこを引っぱると、
空間全体がゆがみますよね。(みなさん自身もゆがみます)
で、引っぱった指を離すと、プルプルした揺れがゼリー全体を伝わっていく。
これが重力波です。

上記の引用にあるアメリカの観測装置LIGOというのは、
超々々精密な長さを測るための装置です。
L字型になった同じ距離の2方向に光を打ち出して鏡に反射させ、
帰ってくる時間を調べる。だから考え方によっては超精密な時計と言ってもよいでしょう。
これは何もなければ、つねに帰ってくる時間は同じのはずですが、
もしも空間がゆがんだらどうでしょう。

下の図のように、正方形を押しつぶして平行四辺形にすると対角線の長さに違いが出ます。
これと同じなので原理は単純なものなんですが、問題は精度でした。
LIGOのアームは4kmもあるのに、観測された変化は10のマイナス21乗という
超微細なものだったんです。それだと誤報の可能性も、と思われるかもしれませんが、
LIGOは離れた場所に2ヶ所、ルイジアナ州とワシントン州にあって、
そのどちらもがわずかな時間差で検出しているので、まず間違いはなさそうです。

空間がゆがむと
キャプチャ

さてさて、実は日本でも東大がKAGURA(かぐら)という同様の観測装置を
「スーパーカミオカンデ」に隣接してつくりまして、
来月15日から試運転する直前に、アメリカに先をこされてしまったんですね。
まあ学問ですから、どこが発見してもいいわけですが、
KAGURAは地下施設ですからより精密な観測ができたので、残念といえば残念です。
また、自分なんかはこの周辺事情に大きなロマンも感じます。

というのは、上でさんざん重力波は微弱だという説明をしまして、
それがどういう経緯で発見されたかは書いてなかったのですが、
これは天空の大イベントがあったからです。
今回観測された重力波は、地球から約13億光年ほど離れた宇宙で、
それぞれ太陽の29倍と36倍の質量を持つブラックホールが
合体したときに出たものです。LIGOではそのときのエネルギー出力は、
目に見える宇宙全体の50倍もあったと推定しています。

え? どこがロマンかわからない? これはですね、
約13億光年ほど離れた場所から届いたということは、このブラックホール合体は、
今から約13億年前に起きたということですよね。
重力波も光速でしか伝わりませんから。そんなに桁数の多い過去の話だったら、
もう1年、半年くらいズレてたってよさそうなもんじゃないですか。
そうしたら東大KAGURAも間に合ったかもしれないんです。
・・・KAGURAやLIGOのような施設が世界各地にできれば、
これは多方向から観測できる重力望遠鏡のようなものになるでしょう。
重力天文学への道が開けたということです。




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