Mars hoax

2016.02.15 (Mon)
今日は宇宙のオカルト、といっても宇宙物理学関連ではなく、
もう少し身近な太陽系惑星のお話です。題名の Mars は火星で、
ローマ神話の戦いの神から名がとられているというのはご存知だと思います。
hoax のほうは一般的には馴染みがない単語ですが、英文のオカルト関連書籍、
ウエブサイトなどにはよく出てきまして、「人をだますイタズラ」「でっちあげ」
のような意味で使われます。

例えばMoon hoax で検索すると、アポロ宇宙船は実は月には到達していない、
みたいな話が出てきます。『カプリコン1』という映画がありましたが、
あれはアメリカ政府の陰謀として、月への有人飛行をでっちあげたという内容でした。
月面上での一部始終はスタジオ撮影で、
宇宙飛行士たちはその後抹殺される運命に・・・といった筋書きでしたね。

映画の話を出しましたが、フィクションで出てくる太陽系惑星は、
昔は金星が舞台のものも多かったのです。金星は大きさが地球に近く、
そのため重力もほぼ同じで、地球の双子星などと言われたこともあります。
だからSF作品の舞台になりやすかったのですが、
宇宙探査が進んでその実体が明らかになってくると、
人気は火星に移ってしまいました。

一番の問題は温度です。金星の赤道付近は500℃ほどにもなるため、
これは人間は生きていられません。
耐熱宇宙服、宇宙ステーションのようなものがあればいいんでしょうが、
温度を下げるためには大量のエネルギーが必要です。
寒いところで温度を上げるほうがまだしも楽なんですね。
火星の気温は-40℃から-150℃、
これなら高いほうは地球の極地でもありえる温度ですし、なんとかなりそうです。

ということで、近年作られた映画は、『マーズ・アタック!』
『ミッション・トゥ・マーズ』『レッドプラネット』『ドゥーム』などなど、
火星が舞台になっているものが多いのです。
他の惑星への植民もけっこう真面目に研究されていますが、
やはり金星よりも火星のほうが可能性が高いというのが結論のようです。
火星は確かに地球より小さいですが、液体の水(海)がないため、
人間が住める陸地の面積は地球とほぼ同じくらい。
また、自転周期からくる1日の長さも24時間40分くらいで地球に似ています。
(ただし1年は地球の地球の1、9年ほどに相当)

しかし問題点も多々あります。火星に大気があるといっても非常に薄く、
人間は素のままだと1分以内に死ぬそうです。
当面は『トータル・リコール』のようにドームを建設して、その中に住むしかないでしょう。
(長期的には、藻類を使って酸素をつくるなどもあるかも)
あと火星は小さいので、重力が地球の3分の1程度です。
ピョンピョン跳んで歩けるので便利そうですが、おそらく骨に影響が出てきます。

ですからドーム内には人工重力が必要でしょう。
また、大気が薄く地磁気もないため、宇宙からの有害放射線も多量に降り注いでいるので、
これからの防御も必要と思われます。しかし福島原発の例でわかるとおり、
放射線を完全に防ぐ現実的な手立ては、今のところないんですよね。
あとはそうですね、太陽から遠い分、熱だけでなく当然ながら太陽光も少ないため、
地球上の植物を育てるのは難しいとかもあるかもしれません。

さて、余談が長くなってしまいましたが、表題の hoax の話に移ります。
一番有名なのは「火星の人面岩」というやつですね。巨大な人面像のように見え、
超古代に栄えていた火星文明の遺跡だとか言われたりもします。
最近話題になっている画像をいくつか紹介すると、
1,火星のビッグフット 
2,火星トカゲ 
3,火星ネズミ 
4,火星のファラオ像?
5,火星のイソギンチャク人間!? あと頭蓋骨やその他の骨格に見える画像は多々あります。
これ、5の画像に fake zoom と書かれてますけど、
画像を拡大し、鮮明化する時点で意図的な修正がされているものが多いんですね。

1,2(画像はクリックで拡大)
1,2
3,4
3,4



前に一度紹介したことがある、Richard C. Hoagland(リチャード・ホーグランド)氏、
この人が今のところ、このような Mars hoax のアメリカで1番の権威とされていて、
興味ある方はFacebookなどで検索されてください。HPもあります。
英文サイトでは、スプリングフィールド科学博物館職員、
元CBSニュースの科学アドバイザーなどの経歴があるとなっています。
日本でも下のような訳書が出てますね。  関連記事 『オカルトを仕掛ける』



さてさて、この手の人たちの主張というのはたいがい、
「NASAは大きな秘密を隠匿している、宇宙人や宇宙文明の痕跡を隠している」
といったものなのですが、しかし上掲のような画像は全部 NASA が出してきたものです。
hoax の人たちは当然、自前の探査衛星など持っていないので、
公開された画像を詳細に調べて1~5のようなのを「発見」するわけです。
しかしながら、宇宙生命に最も関心を持っているのは NASA 自身ですし、
探査力も使っている機器も民間とはレベルが違います。
もし本物があったとして、素直に公開するもんでしょうかねえ。




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