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余剰次元はあるか?

2016.02.28 (Sun)
『神の粒子と言われた物質に質量をもたらす「ヒッグス粒子」を発見した、
欧州原子核研究機構(CERN)が所有する世界最大の加速器
「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」がそう遠くないうちに
パラレルワールドを発見するかもしれないという驚きのニュースが流れた。
理論物理学者スティーブン・ホーキング氏をはじめ、
「この研究を続けていくと最終的に宇宙が崩壊する」と批判する科学者たちもいるが、
「CERN」はこれまで誰も成し遂げられなかったこの実験によって
宇宙の解明に繋がると反論している。

CERNの研究員ミール・ファイザイ教授は、以下のように述べている。
つまりは、何枚もの紙が平行に存在しているようなものなのです。ここでは、
縦と横だけを持つ2次元の物体が3次元に存在していることになりますが、
パラレルワールドはそれより高い次元に存在しているということなのです。
我々は、重力が違う次元に流出することも想定しています。
それと同時にマイクロブラックホールが生成される可能性があるとも。』


今晩はこのお話でいきます。できるだけわかりやすくなるよう努めます。
えーどっからいきましょう。まずこの文章はかなり誤解を招きやすいです。
「パラレルワールド」と書かれると、どうしてもSF小説に出てくる
平行世界を連想してしまいますが、これはまったく違う話なんです。

それと、ホーキング博士がこの実験に反対しているというのもじつに興味深い。
ホーキング博士の研究分野は相対論的宇宙論と言っていいでしょうが、
スケールが大きいため実験・観察で証明されることが難しい。
しかし、もし極微小のマイクロブラックホールができれば、
それが蒸発する「ホーキング放射」も確認される可能性が高いでしょう。
ホーキング放射は理論的な穴はないので、多くの研究者は実際にあると思っています。
これが観測されれば博士のノーベル賞もありえるんですが、
自ら反対されているんですねえ。

マイクロブラックホールができれば、この世界に余剰次元がある、
ということの証明につながります。極小、また超短時間の世界では、
重力は一般的な世界よりもはるかに強くなります。それにより余剰次元がつぶれて、
(実際は違いますがたとえと思ってください)
マイクロブラックホールができるものの、ホーキング放射で短時間に蒸発する。
じゃあ「余剰次元」って何だ?ということになりますよね。
これは超弦理論(超ひも理論)の予言からきているものです。

まず、次元とは何かということを簡単におさらいしてみます。
われわれのこの世界は、縦・横・高さの3次元、プラス時間1次元の計4次元と、
ずっと考え続けられてきています。
点(・)が1次元です。ただしこの点は大きさはなく、位置だけがあります。
点が動くと線ができ、線も1次元ですが長さはあっても幅はありません。
2次元は平面、縦横だけがある紙の上と思えばいいでしょう。

下の図のAは、1次元の点人間が2次元の円に閉じ込められて出られません。
Bだったら欠けた部分から脱出することができます。ところが3次元のわれわれは、
天井が開いているので、Aの点人間を上からつり上げて出してやることができますよね。
このように、3次元から見れば2次元は、4次元から見れば3次元は、
一方に大きな穴が開いているということができるんです。
で、重力の力が弱くて観測がしにくいのは、
この穴から別の次元に漏れているせいだとも考えられています。

文書1
こっからはQ&A方式で。

Q どうして超弦理論は考え出されたの?
A 素粒子を1次元の・と考えると、大きさがないから計算に無限大が出てくることが多い。
無限大が出るとその式は破綻するし、重力の説明もできない。
「標準理論」で、無限大による式の崩壊を防いだのが朝永博士らのくり込み理論。
それで、素粒子は・ではなく、われわれの観測できない大きさの、
振動するひもなんじゃないかと考えたわけだ。
ひもが動くんだから、当然重力も発生する。
このきっかけを作ったのは、あの南部陽一郎博士なんだよ。

Q 超弦理論でどうして多くの次元が必要なの?
A 素粒子というのはたくさんの種類があるけど、
それを全部、ひもの振動のしかたの違いとして説明するには、
次元が空間9つ、時間1つの計10個必要なんだ。
最初から多次元が想定されたわけじゃなくて、
ひもの振動で今ある粒子を説明するために、後づけでだんだんに出てきた話なんだよ。

Q えーじゃあ、なんだかうさん臭いな。次元は10個なの?
A 空間9次元 + 時間1次元の計10次元だったんだけど、
今はさらにひもが膜(ブレーン)の上に載っている(生えている)とする、
11次元の理論(M理論)も出てきてるね。

Q 空間は3次元としか思えないけど、残りの6次元はどうなってるの?
A 「コンパクト化」といって、観測できない大きさにまで丸め込まれているという話だね。
これは前に説明した「超対称性の破れ」によって起きたみたいだ。
コンパクト化される原理は「カルツァ=クライン収縮」って呼ばれてる。
カルバンクラインじゃないよ。どっちも数学者の名前で、
クラインは「クラインの壺」で有名な人だね。下の図で、紙をくるくる巻いて棒状にし、
横から見ると線に見えるだろう。こんな感じで余剰次元が見えなくなるってこと。
10次元の話だからもっと複雑なんだけど、原理は同じ。

名称未設定 5cc

Q えーこんなこと本当にあるの?
A ある、と考える研究者はけっこういるし、
大きな大学では超弦理論の研究者をまず雇ってる。いつか証明されるかもしれないし、
他の所に先を越されたくないからね。だけど、これはもっと大きな理論の、
一面しか見えてないものだろうという研究者もいるし、
ただ単に数学上のものでしかないという批判もあるんだよ。

Q じっさいに超弦理論がある証拠は発見されていないの?
A 直接的な証拠はまったくないんだ。
間接的なのは「ブラックホールの情報問題」とかあるけど。
だから、今回のマイクロブラックホールの観測が期待されてるわけだ。

Q 超弦理論の現状はどうなの?
A 困ったな。それは、超弦理論の研究者の書いた本を読めば、
ますます発展してるってなってるけど、
実際は超弦理論からは数学的に整合性のある無数に近い宇宙モデルが発生して、
われわれの宇宙がそのどれに相当するのか、もうわけがわからなくなっているんだ。
それとね、プランク長さ以下のことだから、永久に観測できない可能性もある。
だから、若くて才能ある物理学者の卵が超弦理論に踏み込むのは危険視されてるんだよ。
一生を目に見える成果の出ない研究に捧げることになる可能性があるからね。
でも、量子論と重力理論の統一は魅力的なテーマだからねえ。

Q 最後にするけど、もし実験でマイクロブラックホールができると危険なの?
A 危険はない、という意見が一般的だね。
だけど、君だって思わぬところでミスすることはあるだろ。
確証のあることは言えないんだ。あるとき突然人間の実験のせいで、
ヒッグス場の「相転移」などで、J・G・バラードの『結晶世界』のみたいに、
連鎖的に宇宙が崩壊してしまうことも、絶対ないとは言えないんだよ。
Q それは怖いね。(最後に怖い話になってよかった)






 
 
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