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左右の話

2016.03.01 (Tue)
怖い話ではありません。まあ、雑談に近いものなんですが、
自分的にはけっこう警戒する内容です。
というのも、錯覚を起こしてうっかりミスしやすいんですね。ちなみに自分は、
幼稚園の頃は左右の判別がたいへん苦手でして、
先生に右と言われたときにはとっさに、茶碗と箸を持つ仕草をしてしまうという ww
こういう経験のある方は他におられるんでしょうかね。

さて、地球はどっち回りでしょうか。
これはむろん北半球と南半球では違うでしょうが、
われわれから見ればどうか。これWikiで見たら、
「地軸の北方向を正とすると右手回りである」と出ていました。
うーん、右手回りねえ。難しい言いかたをしますが、これは後でちょっと出てきます。
一般的には、「左回り」または「反時計回り」という言いかたをしますよね。

これについて、ネットを見ていたら、面白い話が出てました。
一つは、「現在の時計が右回りなのは、日時計の影がそうやって動いていくなごりである」
というもの。なるほど、と思いました。これはありえそうです。
もちろん南半球では逆なんでしょうが、
太古の文明は北半球に多かったということでしょうか。

もう一つは、「陸上競技のトラックはなぜ左回りなのか」というもので、
これは正式な答え?は「世界陸連がそう決めたから」なんでしょう。
しかし、その根底には「左回りのほうが好記録が出やすい」ということもあるようです。
これは実験で確認されています。理由としては、
右利きが多いから、人は右足の方が長いから、心臓が左にあるからなどが出ていますが、
その中に、地球は左回りだからというのもあるようです。
うーん、自転による転向力がランナーにも働くということですか。
しかし、南半球でも競技トラックは左回りでしょうし、
そうすると南半球では記録が出にくいことになるのか?
これは調べてみるとけっこう面白いかもしれません。

ところで、左右をなぜ区別しなくてはならないのでしょう。
上下はどうしても区別されますよね。地球重力がないと宇宙に落ちていきますので、
重力がかかる方向というのは自然にわかります。
では、左右は何のためにあるんでしょう。
「車は左、人は右」を守らないと交通が混乱するからでしょうか。
これは、人間の体には前後の区別があるからじゃないかなあと思います。
人間の目は体の前についていて、基本的に前しか見えません。
ですから「背後を襲われる」なんて言葉も出てきます。

しかしもし、人間の体が球形、あるいは直立する
コロンブスの卵みたいなものだったらどうでしょう。
しかも目は体のまわりにぐるっと100個ほどついていて、360°見えるとします。
手はそうですね、八方に出ているとしましょうか。どの方向にも同じように動けます。
これなら体の前後の区別はいらないかもしれません。前後がなければ、
それと垂直に交わる左右の軸も、もしかしたら必要ないかもしれないという気がしますが、
どうでしょうか。・・・ま、宇宙は広いので、そういう宇宙生命体もいないとは限りません。
もしいたら、その宇宙人がどういう社会を築いているのか興味深いですね。

さて、なぜこういう話をしているかというと、
「宇宙人に画像や実物を送らずに、
言葉や論理だけを通信して左右を伝えることができるか?」

というおもしろ論理問題(オズマ問題)があるんです。なんだ簡単そうじゃないか、
と思うかもしれませんが、これがけっこう難しい。
いろんな人が考えを出していますが、どれもこれも穴がある。
詳しくはWikiの「左右」という項目を検索されてみてください。あまりに難しいので、
「しょせんは、左右なんて人間の決め事にすぎない。
宇宙空間には上下・前後・左右なんてないだろ」こういう意見も出てきました。

では、自然界には左右の区別というのはないのでしょうか。
これは1950年台までは、物理学の世界でもないと思われていました。
「パリティ対称性」という言葉があります。
略してP対称性と書かれることが多いですね。
これは簡単に言えば、鏡に写したように空間を反転させても、
物理法則が成り立つということです。(実際は鏡は1軸の反転だが空間反転は3軸)

例えばどっか外国の風景を鏡に写して撮影し、
それをテレビ画像として放送しても、まず鏡像とは気づきにくいでしょう。
それは文字などは反転しているでしょうが、そういうことをのぞけば、
鏡の中の世界でも物理法則は同じに成り立っています。
鏡の中だからといって、水が低いとこから高いところに流れることはありませんね。

ところが、前にちょっと出てきた、この世にある4つの基本的な力
(電磁気力、強い力、弱い力、重力)のうち「弱い力」で、
この対称性が破れていることが発見されたんです。
弱い力は、放射性元素が崩壊するときにベータ粒子を飛び出させる力で、
これまで一般的に話題になることがなかったんですが、
福島原発事故で耳にすることが多くなりました。

詳しい部分は省きますが、ある放射性同位体がベータ粒子を飛び出させるとき、
回転している方向から左により多く出てくる。
これが鏡の世界で反転して成り立つのなら、左右の区別はできません。
ところが厳密に計測してみるとそうじゃなかったんです。
対称性が破れている。これは世界中の物理学者が仰天しました。
つまり、自然界には本来持っている性質として、
右と左の区別があった、と言ってもいいようなんです。

このあたりのメカニズムを解明したのが、
2008年ノーベル賞受賞の小林・益川理論です。
もし対称性がここで破れていなければ、
宇宙には物質と反物質が同じくらいの数になり(現状は物質のほうが多い)
われわれ人間も生存できてはいなかったでしょう。

さてさて、前述の「宇宙人に左右の概念を言葉だけで伝える」については、
このP対称性の破れと、みなさんが中学校の理科で勉強した右ねじの法則か
フレミングの右手の法則かを併用すれば、
これは論理的に可能です。冒頭で、Wikiが「右手回り」という
普通使わない語を使用しているのは、このことを意識してのようです。

ただし・・・もしもその宇宙人の住む世界が、
物質ではなく反物質でできていたとしたら、
これは正しく伝えることができません。オズマ問題は思考実験なので、
考えられるあらゆる条件を想定することは必要で、性質が物質とは逆の
反物質が存在することはわかっています。高名な物理学者ファインマンは、
「左右の定義を伝えた後に、その宇宙人が左手で握手を求めてきたら(普通は右手)
断りなさい。その宇宙人は反物質でできているかもしれない」
というジョークを述べています。
物質と反物質が衝突すると対消滅を起こし、これは大爆発しますから。

この回転軸を基準として宇宙人に左右を伝える





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