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時間について考えよう

2016.03.25 (Fri)
これ、のっけからなんなんですが、時間についてはほとんどわかってないんですよね。
現代物理学の、単位(時間の場合は分とか秒)を持つものの中で、
最も解明がなされていない、と言ってよいのではないでしょうか。
ですから本項も、あまり実りある内容にはならないでしょう。
ただし、何か時間に関したニュースがあれば、いつでも取り上げることにします。

ローマ帝国の4世紀ころの哲学者、アウグスティヌスの、
「私はそれについて尋ねられない時、時間が何かを知っている。尋ねられる時、知らない。」
という有名な言葉が残っています。アウグスティヌスの基本的な考え方は、
時間を、過去、現在、未来としてみた場合、過去は「すでに過ぎ去ってないもの」
未来は「いまだ来ないもの」であるのは明白なので、
結局のところ現在しかないのだ、というもので、これは今のところ真理ですよね。
過去がもし何らかの形で保存されているのだとしたら、
タイムマシンで戻ることも可能なのかもしれませんが、
完全消去したエロ画像のデータのように、すでにどこにもないのであれば、
これは戻ることがかないません。

よく言われるのは、時間には「方向性」があるということです。
過去から未来に向かって流れる「時間の矢」ということですね。なぜそうなっているのか、
というのは宇宙論におけるビッグバン仮説から考えるべきでしょう。
宇宙はある時点で無から生じ、急激に膨張していった。
このときに時間も生まれ、ビッグバン時点を最も過去として、
未来へ広がり続けているということです。まあ、これはわかりやすい。

あと、時間には「不可逆性」という性質もあります。
「覆水盆に帰らず」 「It is no use crying over spilt milk.」と、
洋の東西を問わず同じ意味のことわざがあるのですが、
いったん過ぎてしまった時間をやりなおすことはできません。
「連続性」もありますね。当たり前だと思うかもしれませんが、
時間が連続していないと、昨日結婚したはずなのに、
今日目が覚めるとまだ独身だった、などということが頻繁に起きてしまい、
われわれは世界に対する信頼を失って、途方に暮れるでしょう。

それと前に少し書きましたが、時間は相対性理論によって、
空間と切り離すことができません。地球と10光年、距離が離れた星では、
時間も10年分違っていて、この差を埋めることは原理的にはできないのです。
地球から見れば相手の星は10年前、相手から見れば地球は10年前、
この相対性を打ち破るには、光より速い物質が必要です。
逆に言えば、もし光よりも速いものがあれば、自分自身が動けるかは別として、
未来から情報を現在に持ってくることは可能です。明日の新聞を読むことができる。
ところで自分は、時間と空間が連続的につながっているのは、
「量子もつれ(エンタングルメント)」という現象と深く関係していると考えています。
このほうの解明は、それなりに進んできているようですよ。

時間が、空間と切り離して考えることができないのは、
タイムマシンで思考実験してみればすぐわかります。
例えば10秒前の過去に戻るとしましょう。しかし地球は自転、公転しています。
公転だけ考えても、秒速30kmくらいのスピードでしょうか。
それと、あまり言われることはありませんが、われわれの太陽系、銀河系自体も、
宇宙の中を高速で落ちて(動いて)いるのです。
ですから時間だけを元に戻すと、宇宙空間にぽつんと出てしまう、
ということになってしまわないでしょうか。

もう一つ、時間には最小単位があります。
「とびとびの世界」という項で書きましたが、不確定性原理とのからみから、
「プランク時間」というごくごく短い時間は、原理的にその中を観測することができません。
(プランク長を光速で通過する時間がプランク時間)
現在のところ、プランク時間は数珠つなぎになった穴のようにして考えられています。
長いフィルムの真っ黒なひとコマずつと言ってもいいかもしれません。
それがつながって、時間の流れをつくり出しているのです。  
関連記事 『とびとびの世界』

さて、先ほど、光速を超えるものがあれば未来から情報は持ってこれる、
と書きましたが、そういうものはあるのでしょうか。
光の「群速度」というのはあります。光の複数の波を重ね合わせて、
強力なレーザー光とすれば、真空中で光速を超えることは実験で確認されています。
しかし、ここから情報を取り出すことは、
残念ながら原理的に光速でしかできないんですね。
あとは「位相速度」というのもありますか。

それから、超巨大な電光掲示板をつくってライトを並べ、
一直線に次々点滅するようにプログラムすると、
そのライトの線が伸びていく速さは光速を超えるでしょうが、
これは物質が移動しているわけではなく、単にそう見えるだけでしかありません。
相対性理論の式に、超光速を代入すると質量無限大になって式が破綻してしまいます。
前に書いた特異点ということと基本的に同じなんです。

さてさて、現役最先端の物理学者の中にも、
タイムマシンの思考実験をしている人はいますが、現在の技術では作ることが不可能な、
論理的ではあるものの、非現実的なモデルしか登場しません。
当ブログにたびたび登場するホーキング博士は、
「時間順序保護仮説」というものを考え出しました。

ただしこれ、真面目な学説というより、半分冗談がかったものだと自分は見ています。
簡単に言えば、(タイムマシンができるなど)
時間の順序がおかしくなるような事態が発生すると、量子論的な効果が働いて、
それを防いでしまう、というような仮説です。もしこれが本当なら、
タイムマシンは完成しないようにこの世界ができている、ということになりますね。
うーん、ここまで書いて、まだ序論も序論ですね。そのうちに続きを。






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