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時間について2

2016.03.27 (Sun)
前々回の続きです。えー今日はアインシュタインの話を中心に書いていきます。
相対性理論の時空連続体という概念は、空間3次元時間1次元で構成されているのですが、
時間の次元数を増やす、ということを考えられた方はおらないでしょうか?
自分はのんびり風呂に入ってるときなんかに考えることがあります。
ま、以下のお話はトンデモですので、そのつもりでお聞きください。

時間が1次元だとすると、空間の1次元というのは点と線ですよね。
点には大きさがなく、線には太さはありません。
点というのは現在、と考えてみます。現在は一瞬のうちには過去になってしまい、
なかなか意識するのが難しいところが、大きさを持たない「点」と似ているかもしれません。
そしてこの現在がつながって、過去から未来に伸びる時間の線をつくっている。



では、これを2次元にするにはどうすればいいかというと、時間には両端があることにして、
線の最初と最後をつなげて輪っかにしてしまうのが一つの手でしょう。
もっとわかりやすく、その輪っかを紙に貼りつける。
で、自分は輪っかの中心にいることにすれば、
そこから過去にも未来にも自在に行けるわけです・・・
(この内容は、いちおうブロック宇宙論というのを下敷きにはしています。)
まあ、こんな簡単なことではないでしょうね。時間の多次元化については、
世界の有名数学者が取り組んでいいるものの、成功しているとは言いがたいのです。
自分ごときがぱっと考えてわかるわけはありません。

話変わって、前回は、光速を超えるものについて、
「群速度」「位相速度」の話をしましたが、まだあるだろう、と思われる方がいるでしょう。
そう、あの、アインシュタインが「奇怪な遠隔作用」と呼んだ例のもののことです。
これを論じるためには、まずそのあたりの周辺事情を説明しなくてはなりません。
アインシュタインは、ボーアらが始めた「量子力学」を快く思ってはいませんでした。
不完全な理論と考えていたわけです。特に問題にしたのが、「波の収縮」について。
ある粒子がどこにあるのか、これは観測してみるまでわからない、
というのが量子力学の立場です。観測する前は確率の雲として広がっている。
それが観測という行為によって「波の収縮」が引き起こされ、ある一点に位置が決まる。

これは直感に反します。粒子はミクロ世界の話ですが、マクロの、
例えばお月さま、これが見ていないときには波のように広がっていて、
見た瞬間に夜空のある位置に月として現れる、というのと本質的には変わりないんです。
アインシュタインはもちろん「見ていないときにも月はそこにある」とする立場でした。
ま、おおかたの人はそうですよね。月のある可能性が確率の雲として広がっている、
という考え方を受け入れられず、「神はサイコロをふらない」とまで批判したのです。

(なお、ここで言う神とは、キリスト教の神ではなく、この世のしくみの真理、
みたいなもののことだそうです。)アインシュタインは波が収縮するように見えるのは、
まだ明らかにされていない、隠れた変数があるのだと考えていました。
アインシュタインのノーベル賞は、光電効果における光量子仮説によるものです。
これは物質の波と粒子の2面性を認めた、量子力学の先駆的研究だったんですが。
ボーア中心のコペンハーゲン派の量子力学を認めることはできなかった。

そこで、さまざまな形で量子力学に難癖をつけて論争を挑んだのですが、
その一つが「EPRパラドックス」と呼ばれるものです。
提唱者である、アインシュタイン(Einstein)、ポドルスキー(Podolsky)、
ローゼン(Rosen)の3人の頭文字をとってこう言われています。
ごくごく簡単に説明すると、AとBの粒子が対になって生まれたとします。
この2つの粒子は必ずスピンする方向が逆向きになります。
これが前回に出てきた「量子もつれ」と呼ばれる現象です。
ですが、どちらがどう回転しているかは、観測するまでわからないのです。

このA、Bを観測しないままで、片方ずつ箱に詰めます。
そしてAの箱を1光年ほども離れた場所に移動させて開け、観測を行います。
その結果、Aは右向きにスピンしていることがわかりました。
この瞬間、箱を開けなくても、地球に残ったBの粒子の向きが決まってしまうことになります。
なんだ、そのどこがパラドックスかと思うかもしれませんが、情報は本来、
光速度以下でしか伝わらないはずで、特殊相対性理論に反することになるんですね。

まさにアインシュタインが言ったように「奇怪な遠隔作用」です。
これを巡って、量子力学の総帥であるボーアとアインシュタインで大激論になりましたが、
結果だけを申し上げると、軍配は量子力学に上がり、アインシュタインの敗北に終わりました。
それも思考実験による決着ではなく、アラン・アスペらによる
実際の実験で確かめられてしまったので、これは決定的なものです。
これ以後、アインシュタインは量子力学との関わりを避け、
独自の研究を続けましたが、目立った成果は得られませんでした。
まだアインシュタインブームが起こる前でしたので、つらい晩年であったようです。

しかし現在では、この問題提起の着眼点が素晴らしかったという点で、
アインシュタインは評価されていますね。
この量子もつれを利用して、「量子テレポテーション」の技術が開発されたのです。
ミクロの粒子は基本的に個性を持ちません。例えばビー玉のようなものであれば、
まったく同じに見えても、顕微鏡などで見ればぞれぞれ傷がついていて、
区別することができます。重さなども微妙に違うでしょう。ところが、ミクロの世界では、
ある金の原子は他の金の原子と区別することができないのです。
もちろん電子などにおいても同じです。

これを利用して、AとBの粒子が量子もつれにあるとき、
もつれの関係をBからCに移してやります。
そうすると、一瞬にして離れた場所にあるBがCへと移動(テレポート)したのと、
理論的には変わらないことになります。日本の東京大学、古澤 明博士は、
無条件の量子テレポーテーションを高確率で成功させ世界の話題を呼びました。
ちなみに、古澤氏は最初は民間会社であるニコンの研究員だったんですね。

ただ、量子テレポテーションは光速を超えるものの、実際の通信に利用するためには、
従来の電波等、光速の制限を受けるものを使用するしかないので、
未来から情報を持ってこれるようになるのは、当分先になるんでしょう。
さらに、この量子もつれを利用したテレポテーション技術は、
量子コンピュータにも発展が期待されているのです。

ボーアとアインシュタイン






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