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恐竜をつくる

2016.04.02 (Sat)
今日はこのニュースでいきます。『国内最大の琥珀の産地として知られる、
岩手県久慈市の約9000万年前(白亜紀後期)の地層から、
小型の肉食恐竜の歯の化石が見つかったと、久慈琥珀博物館が3月31日発表した。
大学教授らでつくる調査団が発見した。
肉食恐竜の歯の化石が見つかるのは県内では初めて。
見つかった歯の化石は、根の部分を含め長さ2センチ、幅5ミリ、厚さ3ミリ。
サイズから全長2、3メートルの小型の恐竜の歯とみられる。

肉食恐竜に特徴的なノコギリのようなギザギザの溝はないが、
断面に丸みがある草食恐竜と異なり、歯が薄く、
ナイフのようなカーブがあることから、肉食恐竜のものと判断した。
よく似た形の化石は1917年にカナダで最初に見つかっており、
鳥に近い小型恐竜「デイノニコサウルス類」の可能性があるという。
発見場所は、博物館から約300メートル離れた久慈層群玉川層。
これまでカメやワニといった脊椎動物の化石1000点以上が発掘され、
2012年3月には大型草食恐竜の歯の化石も見つかった地層だ。』
(読売新聞)

自分は恐竜好きですので、こういうニュースはわくわくします。
これ、最初に「国内最大の琥珀の産地」とあるのは、ニュースでは触れられていないものの、
映画『ジュラシック・パーク』を意識してのことじゃないでしょうか。
あの映画では、恐竜を再生するための方法として、
琥珀(植物の樹液の塊が化石化したもの)の中に、恐竜の血液を吸った蚊を発見し、
その血液の中からDNAを抽出して、足りない部分はカエルのもので補い、
大型種のワニを代理母として恐竜の卵を産ませる。
だいたいこんなシステムだったと思います。
琥珀に閉じ込められた古代の生物自体は珍しいものではなく、
(下の画像参照)宝石として珍重されています。

あれはSFパニック映画のジャンルになるんでしょうかね。
空想物語なので、野暮なことを言ってもしょうがないんですが、
上記システムを実際に行うのはまあ不可能と言ってよいでしょう。
まず、大型爬虫類である恐竜DNAの修復に、なぜ小型両生類であるカエルを使うのか。
恐竜の血液といっても、それはオスかメスかのどっちかのものなわけで、
そのままでは胚(幼生に育っていく細胞)を作ることは不可能ですが、
カエルの場合は人為的な単性生殖ができます。
たしか卵子を、メス自身の血液をつけた細い針でつっつくような方法で、
幼生を得ることができたはずです。

ここでちょっと余談、イエス・キリストは聖母マリアから、
「処女懐胎」によって誕生したと、キリスト教では説かれています。
これは単性生殖と言って差しつかえないでしょう。
このため、アダムとイブの行為から発生した原罪を、聖母マリアは、
生まれながらに持っていないというわけですね。(これを「無原罪のお宿り」といい、
「ルルドの泉の奇跡」の話と深い関係があります。いつか書きます。)

人類の歴史には、単性生殖で産まれた人間が少なくとも5人はいる、
というようなオカルト話がありますし、
神話やおとぎ話では不思議な泉の水を飲んだり、太陽が落ちてきた夢を見て、
子どもをはらんでしまったといった内容のものもありますが、
実際には哺乳類では不可能と、生物学的には考えられてきました。

というのは、人間など哺乳類の場合は、両親のDNAが両方そろった中から、
決まった部分をそれぞれ取り出して、
一つの子どものDNAにする仕組みになっているからです。
ですが2004年、東京農大の研究で、世界で初めて、
雌ゲノムだけを使用して「かぐや」という単為発生マウスがつくり出されました。
(特定の遺伝子が欠損したマウスの未成熟な卵母細胞の核を卵子に移植)
また、女性の卵巣内の腫瘍で、切開してみたら歯や髪の毛の断片、
内臓部分が出てきた、などという話も聞きます。ですから処女懐胎というのも、
絶対に不可能とは言えなくなってきているようです。

さて、恐竜の話に戻って、カエルの遺伝子の作用で単性生殖の恐竜の胚をつくる、
まずここで無理がありますよね。あまりに技術的なハードルが高すぎます。
それと、モアという、ニュージーランドにかつて生息していた、
ダチョウよりさらに大きい飛べない鳥がいまして、これは絶滅してしまったのですが、
復活を試みる研究の過程で、DNAの化学物質の半量が消失する「半減期」が、
およそ500年という事実が判明してしまったのです。
ですから、6550万年に絶滅したとされる恐竜では、
血液の中のDNAの大半が壊れてしまっていることでしょう。

さらに、もし超ラッキーにも氷河の中とかから、
低温のために、ほとんど破壊されていないDNAが見つかり、
それに前述のようになんとか修復をほどこしたとしても、
代理母、つまり恐竜の卵を産んでくれるのはどの生物にすればよいのでしょうか。
これがマンモスと象であれば、かなり近い種ですし、
体の大きさも似ていますので、可能性はそれなりに高いでしょう。
(マンモスの場合は胚をつくるのにメス象の卵子を使用する。)

『胚さえ作れればマンモスは復活できる。成功すれば世界で初めてだ。
プロジェクトを率いる近畿大大学院生物理工学研究科、
入谷明教授(85)の表情は明るい。2015年7月に、
マンモス「ユカ」の細胞片を納めたサンプル100本がロシアから届いた。
チームの研究者から、たんぱく質がしっかりしていて状態も良く、
期待できるとの報告が上がっている。』


しかし恐竜の場合、ティラノサウルスの最大種は13mくらい。
カミナリ竜の仲間だと、体長30mとまで言われることがあります。
蛇をのぞけば、現存の爬虫類の最大はイリエワニの7mくらいでしょうが、
はたして恐竜の卵を産むことができるでしょうか。
さんざんに苦労を重ねたあげくに、殻を割って出てきたのが、
ちょっと大きめのカエルの変種だった、なんてことになってしまいそうな気がします。
夢を壊すような話になってしまいましたが、今日はこんなところで。
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