加工画像

2016.04.03 (Sun)
じゃ話していきます。まずね、自分は怖い話のまとめサイトってのをやってるんです。
ええ、ネットの掲示板に掲載された怖い話、怪談ですけど、
それを読みやすくまとめたサイト。いやあ、入ってくる金は小遣い程度なんですが、
やっぱ根が好きなんでしょうね、そういう話。え? 
本当にあった出来事だと思うかって? うーん、それはね、一種のお約束ですよ。
投稿するほうは、実際にあったことというスタンスは崩さないし、
読むほうもそれは大前提。でないと白けちゃいますからね。
それに、本当だという証拠もまずないけど、嘘だって証拠もない。
だからね、自分も頭から疑ってかかるなってことはしません。
だって、それで何一ついいことがないじゃないですか。違いますか?
それでね、自分は話がいくつかまとまって入ったページの最初に、

自分が加工した画像を入れてるんですよ。ええ、ネットから怖い画像を拾って、
でも、それを載せるだけだと著作権関係でマズいことがあるかもですから、
フォトショでより怖くなるように加工するんですよ。
そうすれば、オリジナルのコラージュ作品って言いわけができるでしょ。
今まで文句が来たことはなかったんですけどね。それで、
心霊スポットの話がいくつか集まったんで、サムネイル画像を作ったんです。
背景は日本のですね。「廃墟」で検索して暗いトーンの洋室の画像を拾いました。
うーん、このときは特に何かを意識したってことはなかったです。
ただ雰囲気がよかったから。でね、それに倒れてる人物を入れたんですよ。
これは外国の画像。別に日本のでもよかったけど、
人物はなるべく海外サイトから見つけるようにしてるんです。

そのほうがクレームがくる率は低いだろうと思って。
で、それ、後でわかったことですけど、ブラジルのサイトのものだったんですよ。
黒髪でピンクっぽいブラウスを着た女の人が、向こう向きで倒れてるやつ。
それを切って、トーンを同調させて貼りつける。
慣れてるので30分もかかりませんよ。出来はまあまあかと思いました。
特別に怖いって感じでもなかったんですけどね。
そのページをブログにアップしまして、そうすると見てくれた人がコメントを書き込んで、
その人たち同士でやりとりになるんです。だいたい30コメントくらいつきますが、
普通は数日で終わるんですよ。コメントの中には、サイト管理人の自分あてのもあって、
「今回も怖い画像見つけてきましたね」みたいに褒められたりします。
これはだいたい毎回あるんですよ。だから特別変だとも思ってなかったんですけど。

ところが、次のページをアップしても、その後も1日に2つは必ずコメントが来てたんです。
ま、遅れて読んだ人のだと思ってたんですが、内容がちょっとおかしい。
というのは、一つのコメントはひらがなで「かねこひろつぐ」ってこれだけ。
もう一つは外国語3行分で、しかも英語じゃないやつ。後で見せますから。
それ、友だちに見せたら「ポルトガル語じゃないか」って言われまして。
変だなあ、こんなこと今までにはなかったのにって思ってたんですけど。
まあ、荒らしってわけじゃないから気にしないことにしてたんですよ。
それから2週間して、ブログがかなり更新されても、
その2つのコメントは、毎日ずっとそのページに送られてきてたんです。
でね、ある日、警察から電話がかかってきたんです。
「ブログのことで話を聞きたい」って。これはあせりましたね。

いや、不法なことはほとんどないはずなんですが、
それでも著作権関係を言われるとマズイ部分もあるし。
でもね、まとめサイトって無数にあるじゃないですか。
だから自分とこだけが摘発されるような心あたりはなかったんですよ。警察は、
こっちから訪ねていくか、それとも署に来られるか聞いてきたので、
自分から出向くって答えました。何の話かってのは、電話では教えてくれなかったです。
で、警察署の一室に通されまして。何かの容疑者あつかいされてる
感じはなかったんです。パソコンで自分のブログを見せられまして、
今話してるページの画像のことについて聞かれたんです。どうやって作ったのかってことです。
もちろん正直に話しましたよ。拾った元の画像も検索して見せましたら、警察も
納得したようでした。でね、何で自分が呼ばれたのか、ダメ元で逆に尋ねてみたんです。

そしたら、はぐらかされるかと思いきや、答えてもらいまして。
なんでも、ある廃墟でかなり昔に未解決の殺人事件がありまして、
男が若い女性を他の場所で殺して、廃墟まで運んできて遺棄したっていう。
その犯人が自首してきたんだそうです。でね、その理由が、
自分のブログのその画像を見て怖くなったからってことだったんだそうで。
「うわー」と思いました。知らないこととはいえ、殺人事件現場の写真使っちゃったのかってね。
ところがです、警察の話によると、遺棄現場はその画像の場所とはずっと離れた県ということで、
「この画像のどういうあたりが怖いのか」って警察が容疑者に聞いても押し黙ってしまう。
まあ事件の本筋には関係ない話ですから、深く追求するまでもないとは思ったものの、
いちおう確認のために自分を呼んだってことみたいでした。それでね、ほら、
これって「かねこひろつぐ」のコメントと何か関係あると思うじゃないですか。

で、それも警察に聞いてみたんですが、「容疑者のことは詳しく話せないが、かねこひろつぐ、
 という名前ではないし、関係者にもそういう人はいない」こう返されました。
でね、わけがわからなくなりまして。まあでも、たいしたことがなくてよかった、
と思って家に戻りまして、その画像のコメント欄を見たんです。
そしたら「かねこひろつぐ」のは来てなかったんですが、他に、これはいつも来る常連さんから、
「このページの画像変えたんですか。芸が細かいですね。倒れてた女の人が半身起きてきてますね」
ってのがあったんです。そんなはずは・・・と思って見たら、
これが本当に、うつ伏せで胸を床につけてたのが、両手をついて起き上がる形になってまして。
「うわー」と思いました。けどねえ、そのときも本物の怪奇現象なのかは半信半疑で、
誰かがイタズラで入れ替えた可能性もあるわけだし。
ともかくその画像は削除して、あたり障りのないものに入れ替えたんです。

その日の夜ですね。前にコメント欄の話をした友人からメールがありまして。
ポルトガル語のほうのコメント、翻訳ソフトを使ったらわけわからんかったから、
ブラジル人の留学生に見せて訳してもらったって、その訳が送られてきたんです。
そのとき、自分ははじめて、ブラジルはポルトガル語を使ってるってわかったんです。
こんな内容でした。「静かに近づいてくるものが、騒がしいものよりも怖ろしい場合はある。
 鐘を鳴らせ、弔いの鐘を鳴らせ。指差す先に死がある」
ねえ、これ不気味でしょう。友人のメールには、原文はもっと詩的で、
韻を踏んであるって書いてましたしねえ。あまり気味が悪いんで、
加工した元画像も消去しようと思いまして、外づけHDのフォルダを開きまして。
画像を見てイスから落ちそうになりましたよ。画像の女が立ち上がっていたんです。
向こう向きうつ伏せから立ち上がったので、暗い中にうっすら背中が見えるんですが、

左手を後ろに投げ出すようにして自分のほう、というか撮影者のほうを指差してたんです。
それと、これははっきりしなかったんですが、背中に刃物が突き立ってるようにも見えて・・・
もちろんすぐに削除しました。それから、拾った元のネット上の画像ですね。
これを確認しようと探してもみたんです。もしかしたら、同じ人の画像が何枚もあって、
その中にうつ伏せ状態のと立ってるのもあるのかと思って。ところがね、
これがどう検索しても見つからなかったんです。
警察で見たときにはすぐに出てきたんですけどね。
でね、昨日です。家の固定電話の留守録にメッセージが入ってました。
「かねこひろつぐです。すぐに返信してください。あなたの命が危険です」って男の声で。
これ、番号は電話機に入っててわかります。どうすればいいんでしょう。
連絡したほうがいいんでしょうか。それが聞きたいのもあってここに来たんです。






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