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聞いた話 服2題

2016.04.05 (Tue)
これは実際に取材してうかがった話です。最初のは古着が関係してくるんですが、
自分はアメカジの雑誌に映画の話を書いたりしてる関係で、
古着の店にもよく行きます。これまで特に怖い目にあったということはないんですが、
この話を聞いてからは少し気持ち悪くなりました。アメカジの古着の場合、
向こうの楽しげな大学生活を感じさせるようなものも多いんですが。
2番目の話も、最初の話にどこか内容が似ています。
どっちもはっきりしたことはわからないんですが、
実際に聞いた話というのは、みなほとんどこんなもんなんです。

イラストレーターのAさんから聞いた話

Aさんはずっと雑誌のイラストを書いていたんですが、腕を見込まれて、
ハードカバーの本の装丁の仕事がはいってきまして。
「ああ、俺もいよいよデザイナーに昇格か」とうれしくなりました。
それで自分へのお祝いに服を買うことにしまして、行きつけの古着屋に行きました。
これ、古着だから安いということではなく、長く履いていい味の出たジーンズなんか、
かなりの高値で売られてたりするんです。あと、ビンテージのアワードジャケットなんかも。
日本でスタジャンと言われてるようなやつです。店は渋谷の行きつけのショップだったんですが、
春用に選んだのが俗にモッズコートと呼ばれてるものでした。
フードつきのライトなもので、イギリスのパンクロックフアンが好んで着用していて
その名がついたんですね。何十着も吊るしである中から、試着を繰り返し、
気に入ったのを選んで顔なじみの店長のとこに持っていき、2万3千円くらいだったそうです。

店長は「お、いいの見つけたね」と言いながら、ポケットから防虫剤を出してましたが、
片方のポケットからくしゃくしゃの紙片をつかみ出しまして、
「なんだこりゃ・・・あ!」と何かを思い出したように小さく叫んだそうです。
で、カウンターにいたAさんものぞき込むと、横罫が入ってメモ用紙とわかるその紙片には、
「1976 赤坂」とだけ日本語で書かれてあったそうです。
「何だそれ?」と聞いてみましたら、店長はちょっと考えこんだ顔をし、
「うーんこれね、だいぶ前に店頭で買ったんだけど、そんときにちょっとトラブルがあって。
 ま、品物自体は問題ないんだけど、それ思い出して」
こう言って、2万円までまけてくれたんですね。で、軍用コートなんて言うと、
兵士が戦場で実際に使ったものと思うかもしれませんが、そういうのは専用の店でないと
置いてなくて、Aさんが買ったのもレプリカの古着だったんです。

だからそのときは、それが怖い話につながるとは考えてなかったそうです。
部屋に持ってきたコートはクローゼットには入れず、虫干しもかねて窓際に掛け、
それから仕事の打ち合わせに出かけました。その後居酒屋で一杯のつもりが、
何軒もはしごをして部屋に帰ってきたのが12時過ぎ。
シャワーだけ浴びて寝たんですが、イヤーな夢を見ました。
特にストーリーはなく、目の前にフェンスらしき目の粗い金網があって、
そこに髪をつかまれて顔をゴリゴリ押しつけられている夢です。
夢なのに顔面に鈍い痛みを感じて目が覚めると、横向きで寝ていたので、
ベッドから窓際に掛けていた、買ったばかりのコートが見えたんですが、
なんだか揺れ動いているように思えました。全体がではなく、両腕の部分だけです。
「え?」と思って半身起き上がると、コートの両腕が腕組みするような形にスーッと動き、

両袖から手が出てきました。「薄暗かったんではっきりしないけど、
 黒人の手じゃないかと思った。小さかったので10代前半くらいの少年の手かな」
Aさんはどう言ってましたね。コートの腕は、前ならえをするようにAさんのほうへ伸び、
両手を合わせて拳銃の形をつくり、Aさんをパンパンと撃つような動きをしたそうです。
これは音はなかったそうですけど。Aさんはのけぞって壁に背中をぶつけましたが、
もう一度見返したときには腕は消え、袖はだらんとぶら下がっているだけでした。
「これだけなら、俺が夢を見たで済む話なんだけど、朝になって顔を洗うとき、
 鏡を見たら頬に変な線が赤く残ってたんだよ。まるで押しつけられた金網の跡みたいに」
それ以後は特に何事もなく、コートも着用していまして、
買った店にまた行ったとき店長にこの話をしましたら、
「うーん、そういうこともあるかもだね」とだけ答えが返ってきたそうです。
 
バイク乗りのOさんから聞いた話

これ、Oさんは20代後半の男性ですが、仕事が何かは聞いていません。
自分が行きつけのバイクショップでよくお会いするんです。
この話も、去年の暮れ頃、バイクショップの店内で整備を待っているときに、
ストーブを囲んで聞かせていただいた話です。
去年の夏、Oさんは仲間と3人、バイクで市営の墓地公園に出かけました。
夜中の1時ころだったそうです。これは肝試しとかそういうことじゃなく、
単に山全体が公共墓地になってる曲がりくねった道を、
バイクで上下するのが面白かったからで、
Oさんも仲間も幽霊や超常現象はまったく信じてはいなかったそうです。
坂道自体は車通りは皆無ですし、白い強い光の街灯が20mおきくらいにあって、
怖いと感じることはありませんでした。

ただし、その場所は長居をすると、住民から通報されてパトカーが来たりするので、
30分以内で戻るようにしていたそうです。で、お互いにタイムを計って何本も上下し、
満足して下のコンビニに行きまして、バイクを停めて店内に入ると、
仲間の一人がOさんに向かって、「あーお前、背中それどうしたんだよ?
と言いました。「あー背中? どうかしたのか」Oさんが返すと、他の仲間も、
「うわーキモい、蛾だらけになってるぞ」そのとき上に着ていたのは
革チョッキだったんですが、脇腹を引っぱっても自分では見えない。
ただし手で腰の上をさわると、ねたーっとした感触がありました。
あわててトイレに入ってチョッキを脱いでみると、
背中のしたのほうにべったりと樹液のようなものがついていて、
さらにその上に小さな白い蛾が何匹もはりついてたんですね。

背筋がゾクゾクとしたOさんは、チョッキを脱いで裏がえして丸めて出てきました。
「お前それ、木にこすったんだろ」仲間がそう言いました。夏場のことですので、
墓地公園の街灯にたくさん蛾がたかっていたのはOさんも見ているんですが、
木にこすったりした心あたりはまったくなかったんですね。
下はTシャツでしたので、チョッキはそのまま持ち帰ったものの、
部屋で出してみると青臭い嫌な臭いがしまして、蛾がくっついてることを思うと、
洗う気にもなれず、何年も着用したものだったので、
惜しくはないや、と燃えるゴミの袋に押し込んでしまいました。
翌日は仕事が休みだったので、起きたときには午前11時頃になっていまして、
腹が減ったOさんは台所にうどんをつくりに行きました。
そのときに、むき出しで置いてあるゴミ袋の中が白く光って見えたんです。

中で何かLEDライトほどの白く「光るものが、いくつも動いているように見えました。
「え、え?」と思わず跳びのきました。昨夜の蛾のことを思い出したんです。
でも、蛾は死んでるように思えたし、発光してるはずもないですよね。
離れたところから見ていると、いきなり袋の中のゴミがブワーッと
噴火したみたいに飛び出しました。天井にぶつかったのもあったと言ってましたから、
これはかなりの勢いです。そしてゴミが全部下に落ちても、
白く光る玉5つっくらいがそのまま宙を舞っていました。
ここは詳しく聞いたんですが、大きさはピンポン球よりちょっと小さいくらいで、
輪郭は、よく写真にうつるオーブと言われるものよりぼんやりしてたそうです。
Oさんの見つめる前で、それらは一斉に同じ方向に飛び、
台所の曇りガラスの窓にあたると、ジワーッと溶けるように消えてなくなったそうです。

がなはjせえr




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