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電脳将棋

2016.04.10 (Sun)
えー今日はまったく仕事をせず、1日中ネットでのんびり将棋観戦でした。
自分は自由業なので土日もないようなもんですが、完全休養してしまいました。
見ていたのは第一期電王戦というイベントで、IT関連企業ドワンゴの主催。
将棋ソフト同士のトーナメントの優勝ソフト「ponanza」と、
人間のプロ棋士のトーナメント叡王戦の優勝者である山崎隆之八段の対局でした。
対局は2回行われる予定で、そのうちの1回目だったんです。
結果は、出だしから人間側の疑問手があり、調子が上がらず、
終始不利なままで終盤に突入して、あっさりと土俵を割ってしまいました。
あまりにソフトが強すぎて人間側にはチャンスがなく、盛り上がりに欠ける内容でしたね。

しかし、この結果は多くの人が事前に予想していたとおりです。
もう将棋においては、ソフトの力がプロ棋士をだいぶ上回っていて、
かつて七冠を制覇したことのある羽生名人でも、
まず勝てないだろうと見ている人が大多数です。
将棋においては、ソフトが人間の力を超えたのは3年くらい前のことだったでしょう。
それ以降は、対戦してもずっとプロ棋士のほうが分が悪いんですね。

これが囲碁だと、将棋よりも複雑なゲームであるため、まだプロのほうが強い
と考えられていたのですが、先日、googleの開発した「AlphaGo」が、
世界最強囲碁棋士の一人である韓国のイ・セドル氏との5番勝負で、
4-1と勝ち越して囲碁フアンに衝撃を与えました。
AlphaGoが内容でも圧倒してしまったんですね。
AlphaGoは、ニューラルネットワークという思考システムを用い、
これまでの囲碁ソフトととは、まったくできが違っていました。
まあしかし、いずれはこうなることではありました。

というのは、将棋も囲碁も、本質的には図形的な要素を含んだ計算であるからです。
もし桁数の多い四則計算、例えば「3245✕2647÷42」(今適当に考えた)
こんなのを100問、人間とコンピュータが、どっちが早く正確に解けるか、
という競争をしたら、これは人間が勝つと思う人は少ないでしょう。
囲碁も将棋も、計算という点ではこれと同じことなんですね。
ですから、コンピュータ(ソフト)のほうが勝つのは当然といえば当然です。

ここで、コンピュータとソフトという2つの言葉が出てきていますが、
ソフトのほうは将棋を指すための思考プログラムのことです。
これを性能の高いコンピュータにつなげば、さらに強さが増します。
コンピュータ(ハード)とソフトを合わせて、人工知能(AI)と言えばいいでしょうか。
将棋や囲碁などはAIに向いた分野であり、強さという点では人間を超えました。
思考方法も、人間をなぞるのではなくAI独自のものが出てきているようです。
しかしながら、そう単純に割り切ることができない問題がいくつかあります。

自分は何年も前からこの経緯を見ていたんですが、
いろいろと考えさせられることがありました。その一つは、
「文化」ということです。将棋の文化、例えば対局で和服を着たり、
駒を並べる作法の美しさや、礼儀作法なんかのことです。これは長い歴史から生まれ、
今のところコンピュータにはないものですが、これをどう見るか。
いくらそういう付加価値をつけても、人間はコンピュータより弱いじゃないか、
と考えるのか、それともその価値を認めるのか。なかなか難しいところですよね。

これは比較が妥当かどうかはわかりませんが、茶道の場合はどうでしょう。
もしもコンピュータにプログラムを入れて、ロボットアームをつなげ、
人間がやるよりも上手に、多くの人がおいしいと感じるお茶をたてることができたら、
これはコンピュータが人間を超えたことになるか。
(そういうプログラムは実際にあります)まあ、茶道は総合芸術ですので、
書画などの鑑賞、花を飾るセンスなども含まれますし、
何よりもてなしの心、気配りが要求されます。
これは今のところ、AIには苦手な分野とは言えるでしょう。

もう一つは「勝負」ということです。
ソフト同士の選手権も何年も前から行われていて、
ハイレベルな戦いが繰り広げられていますが、いまいち人気がありません。
見る人が少ないので、スポンサーもつきにくく商業ベースにのらない。
これはレベルが高過ぎて、多くの人には理解できないということもありますが、
最も大きな要因は、AIは人間的ではないということだと思います。

何をあたりまえのことを言ってるんだ、と思われるでしょうが、
高額賞金のかかった対局で、勝ちが見えたときに萎縮してミスをしてしまうとか、
絶対に負けたくないライバルに敗れて苦悩する姿とか、
そういう人間的な部分が勝負の醍醐味であり、見ていて面白い。
やっている個人の感情が手にとるようにわかるから、見る側も感情移入できるわけです。
これはスポーツ系でも同じことが言えるかと思います。
テニスをする機械同士の戦いを人間が見ていて、はたして面白いのかどうか。
このあたりの論点が整理されないまま、「AIが人間を超えた」
「機械が人間に勝った」と言うのは、誤解を招く気がしますね。

「電王手さん」





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コメント
bigbossmanさん、こんばんは!!^^

>テニスをする機械同士の戦いを人間が見ていて、はたして面白いのかどうか。
鋭いっ!!と感じました。^^数日前に女子高生AIりんなさんをフォローしてみました。^^;
くわがたお | 2016.04.13 20:37 | 編集
コメントありがとうございます
りんなさんは自由自在ですよね
あれ本当に全部がAIの応答なものでしょうか?
だとしたらスゴイですが
bigbossman | 2016.04.13 21:40 | 編集
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