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霊能家族

2016.05.05 (Thu)
*ナンセンス話です。

うちの家族の話です。うちは両親と僕と妹の2人の5人家族で、
僕は中学2年、妹は双子で小学校4年です。それで全員が、
いわゆる霊能というのを持ってるんです。両親は恋愛結婚なんですが、
どっちも家系が代々霊能者が輩出してる血筋で、その関係で知り合ったみたいです。
その両親の力を、僕ら子どもも受け継いだってことなんですね。
うーん、家族で一番力があるのは、妹2人のうちのどっちかでしょう。
2卵性双生児なんで顔もけっこう違うんですけど、どっちもスゴく力を持ってまして。
妹の名前は、ホントはキラネームなんですが、お梅とお竹にしておきますね。
お梅のほうは心霊系の、まあよくいる霊能者なんですけど、
お竹のほうは珍しいUFO系なんです。いや、宇宙人がいるかどうかは
僕にはわかりませんけど、お竹が巻き込まれる事件てのがそういうのばっかりで。

田んぼミステリーサークルとか、お稲荷さんの地下にある不思議な機械とか、
放射性反応が出る緑の液体とか、いかにもそれ系の怪事にぶちあたるんです。
これも素質というか、才能なのかもしれません。
僕ですか?いや、僕はぼちぼちです。力は家族で4番目だと思います。
妹たち、母、僕、父の順番ですね。
いや、霊能で生活してるってことはありませんよ。
父は普通のサラリーマンですし、母はスーパーのパートですから。
霊能で料金をとったことはありません。ですけど、たまに依頼が来たりはします。
宗教団体とかが多いですね。変な神様を地中から掘り出して収拾がつかなくなったから、
なんとか収めてくれとか。そういうときは人助けと思ってやります。
妹たちが出ていくことが多いです。一番時間の自由がきくので。

でね、2ヶ月くらい前、あるお金持ちの洋館に招待されて、
呪いの元になる品物を探すってのをやったんです。そのときの話をします。
その洋館は明治時代からある建築ですが、大規模に改築して、
あるお金持ちの家族が住んでいるんです。改築があったのが4年ほど前なんですが、
それ以来怖い出来事が起こり始めました。よくある、人がいないはずの2階の足音とか、
夜中にドアをノックされるとかそういうやつです。
これがだんだんにエスカレートしていって、
天井が渦巻いてチョコレートのように溶け始め、そこに巨大な顔が現れたりとか・・・
もちろん、次の瞬間には天井は元に戻ってるんです。
あとは、家中のナベの中に髪の毛のかたまりが入ってるとか、
トイレの水洗から真っ赤な水が流れるとか、その手の怪奇現象が。

でね、知り合いの霊能者に相談をしたら、それは呪いだろうって言われて。
前に改築したときに、一家を怨んでいる人物から、
家のどっかに呪いの種を仕込まれたんだろうって話になったんです。
まあ、そういうことはあります。その家のご主人は会社の社長ですから、
まっとうに仕事をしてるつもりでも、知らず知らず怨まれてる場合もあるんですよ。
いや、これは父が話していたことの受け売りですけど。
それで、その霊能者の人がとりあえずは家の中から呪いの種を見つけようとしまして。
でもね、その洋館は2階建で、1階が12部屋、2階が8部屋もあるんです。
おそらく改築の工事中に仕込まれたものだろうから、
呪いの元がどこにあるのか、探すのはたいへんなんですね。
ええ、これは僕らの家族が行く前のことで、ご主人から聞いた話です。

その霊能者は式神の法を使ったらしいです。
そうです、昔の陰陽師の安倍晴明なんかがやってた技法ですね。
具体的には、習字紙くらいの和紙に呪文を書いて人型に切り抜きます。
で、それを扇でパタパタ扇いで宙を飛ばさせます。
え? 曲芸みたいだって? ああ、でも、人型はセンサーとして、
霊能者の人とつながってるから、手も疲れますけど精神も疲れるんです。
その家の人に全部の部屋のドアを開けさせ、人型を扇ぎながらすべて回ったんですけど、
反応がなかったそうです。たぶん呪いには探知されたときに隠す力もついてたんでしょう。
家の中を2周目に入ったところで、その人は疲労で倒れちゃったんです。
そしたら倒れたところに、飛ばしてた和紙が落ちてきたんです。
人型は畳ほどの大きさの蛾に変化して、霊能者の体の上にバサーッと。

でね、目を回した霊能者が気がついたときには、
人型は元の大きさに戻って、その人の額にべったり張りついてたそうです。
これは自分の力では及ばない、その霊能者はそう考えて、兄弟子にあたる人を呼びました。
その人は、金魚法というのを使ったんだそうです。これは僕は初めて聞いたやり方ですが、
ガラス製の平べったい円筒容器があって、それが中で八方に仕切られてる。
これは8つの方位ってことですね。容器には水が張られ、
それぞれの仕切りに小さな金魚が泳いでるんですよ。それを両手で捧げるようにして持ち、
屋敷の部屋をすべて回る。このときの金魚の動きで、
呪いの元を見つけるってことですね。面白い方法だと思いましたが、
成功はしなかったそうです。どの部屋に入っても8匹の金魚の動きに変化はない。
それで、リビングまで戻って容器の水を変えようとしたら、金魚が一瞬で全部消えた。

ややあって、兄弟子の霊能者が目を白黒させて倒れたんです。
喉もとを押さえてもがく口から、次々と金魚が吐き出されて・・・
ええ、容器から口の中へと瞬間移動しちゃったわけです。それで、その人も失敗。
でまあ、つてをたどってうちに話がきたんです。父が二つ返事で承諾しまして、
翌週の日曜日に、母をのぞく4人でそのお屋敷に出かけました。
持ってたのはダーツです。今、はやってるんでしょう。あの、的にあてる小さい矢。
それを全員が一個ずつ。装備はそれだけでした。
でね、着いたらさっそく、お屋敷のご主人と一部屋ずつ全員で回りました。
1階は何もなかったです。そして2階に上がって3番目の部屋に入ったとき、
ピーンと来たんです。妹たちを見たらうなづいてました。父はわからなかったみたいです。
僕が「せーの!って声かけるから」こう妹たちに言いまして、

せーの!でダーツを投げたんです。そしたら3本とも、
見事に同じ天井の一画に刺さりました。ハシゴを用意してもらって、
父が少し儀式をしてから天井裏に上り、しばらくして、
クモの巣だらけになって出てきたんですが、手には陶製の黒い壺を持っていました。
フタを開けてみると小さな骨が何本か入ってたんです。
これ、五生の呪いっていうやつで、骨は鳥類、爬虫類、両生類、魚類の体の一部と、
残りの一本はたぶん人骨、それも赤ちゃんの骨だと思います。
これはかなり本気の怖い呪いなんですよ。まあ呪いの元は除去できたので、
当面の怪事はしのげます。でも、呪った人はまだいるので、そっちをなんとか
収めなきゃなりません。それは大人の仕事なんで、僕と妹らはこれでお役ごめんです。
ま、こんな話だったんですが、その家のご家族にはすごく感謝されまして。

父はいつものとおり謝礼はお断りしたんですが、ぜひにということで、
ハワイのディズニー・リゾートツアーの招待券を、家族全員分もらったんです。
ええ、こどもの日をはさんだゴールデンウイーク中に行ってきます。
金曜日は僕も妹たちも学校は休みにして。
力を使ったのはほんのちょっとだったので、申しわけない気もするんですが、
すごく楽しみにしていました。そしたら、夜に持ってく荷物を準備してたときに、
塾から戻ってきた妹たちのうち、お竹が変なことを言ったんです。
「さっき帰る途中、空に巨大なUFOが浮かんでた」って。
お梅に「お前も見たか?」って聞いたら首を振りましたが、
お竹は続けて「たぶんだけど、オアフ島で私たち宇宙人に会うと思う。
 そういうメッセージがあった」トロンとした目をしてそう言ったんですよ。






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