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目標はインデイ?

2016.05.12 (Thu)
今日はこの話題を取り上げます。本当はあまり大騒ぎになるべき話ではないんですが。
『まさに発想の勝利とでも言うべき、素晴らしい発見が。
カナダの15歳の少年によって達成されました。同国に住むウィリアム・ガドリー君は
星座の星の配置を地図に当てはめることで、
ジャングルに被われたマヤの古代都市を発見することに成功したのです!
 
以前より中央アメリカの古代文明に興味を惹かれていたガドリー君は、
星座の星の並びとマヤの古代都市の配置を観察していました。
そしてある時、その星座の星とマヤの古代都市の位置に
関連性があることを発見するのです!
 
22の星座の星が117のマヤの都市に一致していることを確認したガドリー君は、
23番目の星座の星の一つに一致する都市がないことに気づきます。
その場所は、メキシコのユカタン半島。ガドリー君はカナダの宇宙局に事情を説明し、
当該箇所の衛星写真を撮影。そして、ピラミッドと思われる古代都市の
一部の発見につながったのでした。』
(sorae.jp)

自分が最初にこの記事を読んだときの感想は「うわー」でした。
この「うわー」の意味は「本当だったらすごいけど、かなり危ういよなー」
というものです。まず最初の疑問は、15歳の少年がどうやって
「マドリード絵文書」(Codex Madrid)から星座を特定できたのかということです。
あれは絵文字を用いた非常に難解なもので、下に一部を掲載しますが、
自分のような占星術師が用いる現代の星図とはまるで異なっています。
もしあの中から星座や恒星の位置の記載を見つけ出したというのなら、
それだけでもすごいことですが。

『Codex Madrid』
あsdfg

次に浮かんだのは、一口にマヤ文明といっても、オルメカと呼ばれた紀元前から、
スペインによる植民地化が始まる16世紀まで長期間続いているものですので、
その都市が築かれた時代も、築いた主体もさまざまです。
それらがすべて、星座と位置関係を同じくするという統一的な意図が貫かれて
建設された、なんてことがあるのだろうか?という疑問でした。

ただ、一般的に都市というのは、地形や水運による交通の利便性などから
立地が決められていく場合が多いのですが、
マヤ文明の場合は、何でこんな不便な場所に、
というジャングルのただ中に都市があるのもまた事実ですので、
もしかしたら隠された規則性が存在している可能性も、
絶対にありえないと言うことはできないでしょう。

ここで、少し余談になりますが、ガドリー君がマヤ文明に興味を持った
きっかけというのが、「2012年12月22日に世界が滅亡する」
という世界に流れた噂だったということです。「ホピ族の予言」
とも言われるのですが、しかしこれもかなり危ういものでした。
まず、世界が滅亡するという予言はホピ族にはありませんし、
2012年でマヤ暦の長い1サイクルが終了するのは確かのようですが、
そこで終わりではなく次のサイクルに入るだけという説が有力です。

これと、ニューエイジによる「アセンション」が結びつけられ、
プレイアデスの周囲を取り巻く膨大なフォトンのベルトが地球の破滅をもたらす、
あるいは霊的な変化をもたらす、などと言われましたが、
フォトンベルト自体に科学的な根拠はありません。
あの頃2012年説を唱えていた人たちは、
今、どういう考えなんでしょうねえ。

そもそも、「じゃあ古代マヤ人は、
どうやって2012年に世界が終わることを知ったの?」
このあたり前の疑問に誰も答えられる人がいないですよね。
この場合、宇宙人、地球外生命体が持ち出される場合が多いです。
「この文明が世界の他の地域に比べて、○○が異常に発達しているのは、
そ知識を地球外生命体によって教えられたからだ」
しかしそんな証拠はどこにもありません。

マヤ文明の場合、暦やその計算に用いる数学は発達していましたが、
反面、ずっと金属器を持たずに石器を使用し、
車輪もなかった(土偶などには見られるので概念はあった)し、
牛馬などの家畜もなかったため、物資の移動はすべて人力によっていました。
ヒッタイトの鉄などのように、ある文明がある技術に特化して発達するというのは
ままあることですので、そのあたりはトータルで見る必要があります。
マヤもアステカも、外洋船や武器を発達させたヨーロッパ文明に、
滅ぼされてしまったわけです。

さて、上掲のニュースに5月12日、続報がありました。
『一部の専門家により、今回撮影された四角い部分は、
「古いトウモロコシ畑ではないか」という指摘がなされています。
指摘を行なっているのはテキサス大学の考古学者のDavid Stuart氏など。
Stuart氏によると、「このような遺跡やそれらしい場所はそこら中にあり、
それを意味のある配置だと勘違いしてしまったのではないか」とのこと。
今後の続報が待たれます。』
(sorae.jp)

まあ、日本でも、地図上にある神社に夏至の太陽が昇る方向などを書き加え、
レイライン(古代の遺跡には直線的に並ぶよう建造されたものがあるという仮説)
的な研究を行っている方がおられますが、これもなかなか、
万人を納得させるようなものにはなっていないように思われます。
机上の研究にはやはり限界があるのです。

さてさて、この項はけっしてガドリー君を非難するものではありません。
彼の説が正しいという可能性も、まだ十分にあります。
ですが、こういうことについて、周囲の大人が
あまり騒がないことが重要だと思うんですね。ある程度の結果が検証され、
それで正しかったら、そこでいくらでも称揚すればいいわけです。

このニュースは考古学の分野に入る内容でしょうが、
そこで基本となるのは現地調査、インデイ・ジョーンズのようなフィールドワークです。
(ただしインデイ・ジョーンズは盗掘者ですが)
安易に持ち上げておいて、落とすようなことにはなってほしくないなあと思います。

衛星写真による古代都市?





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コメント
 こんばんは、野崎です。

 実際、2012年というのは一部の現代人が適当に起点を定めて計算しただけで実際に何年と特定できたわけではないし、もし2012年に長期歴が終わるのだとしてもまた次の周回が始まるだけ、とSF作家の山本弘さんが『ニセ科学を10倍楽しむ本』でバッサリ切り捨ててましたっけ。

 さて、今回は歴史的発見なのか、それとも単なる勘違いなのか、続報が楽しみですね。
 そして、できれば歴史的発見であるといいな、と思います。
野崎昭彦 | 2016.05.15 00:43 | 編集
コメントありがとうございます
この結果はどうなるかわかりませんが
大騒ぎせず見ていくことが大事だと思いますね
bigbossman | 2016.05.15 03:28 | 編集
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