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TTRPG

2016.06.23 (Thu)
15年くらい前、私が大学生のときの出来事です。
ただ、あまりに奇妙な話なので信じてもらえるかどうか。2年生のときですね。
私はテーブルトーク・ロールプレイングゲームのサークルに入ってたんです。
おわかりになりますでしょうか?コンピュータのゲームはご存知ですよね。
ファンタジーなら、戦士、魔法使い、治療師などが共通の目的を持って
冒険の旅に出ますよね。それを、機械を使わないで会話で行うんです。
ゲームマスターという役割の人がいて、その人が大ざっぱなストーリーや、
ダンジョンの間取りなんかを考えてきて、
それにしたがってサイコロを振ってゲームをするわけです。
ルールは、ゲーム店で売られているルールブックを使うことが多んですけど、
慣れたゲームマスターだと自分で作ったルールで遊ぶこともできます。

それけっこう難しいんですよ。ルールを厳しくしちゃうと、
ゲームの序盤で登場人物がみなバタバタ死んでいったりして。
死んじゃった人はあと他の人がやるのを見てるしかできないですから。
説明すると長くなってしまうので、話の中で意味のわからない部分があったら、
そのつど質問してください。そのときは夏休み中盤の平日の日中でした。
大学の中はガランとしてましたね。メンバーは2年の男子2人、
女子2人、それに3年の男のマスター。サークルや同好会で申しこめば
自由に使える小会議室に集まって。エアコンがあったので涼みがてらってことです。
マスターは「今日は夏らしくホラーゲームを考えてきた。
 それも実際にある幽霊屋敷の間取りを手に入れたからそれを使う」
そう言って、エアコンの設定温度を18°にしたんです。

「えー、そんなのよく手に入りましたね」 
「ホラー雑誌から借用したんだけどね。その家の次男が婆さんの首を絞めて殺し、
 一家離散して廃墟になった場所らしい。心霊スポットになってるのに潜入した
 ルポが載ってたんだよ」それから、
マスターの説明を聞いてキャラクターを決めるんですが、マスターが、
「今回は臨場感を出すために、役割演技じゃなく自分をそのままやってもらうよ」
って言い出しました。これ、私が素のままの私を演じるってことです。
ただ、それだけだとゲームにならないんで、最初に20面サイコロを振って、
自分の霊感ポイントと精神ポイントを決めました。霊感ポイントが高いほど、
霊がいることを察知したり、追い払ったりする力が強いんです。
精神ポイントのほうは、何かイベントがあるたびに減っていって、

0になれば、発狂するか霊に憑依されてしまうという設定でした。
「さあ、君たち4人は草むらに車を停め、そろってその家の前に出た。
 木造2階建ての一軒家は廃墟と化して久しく、一面に蔦がからまり、
 壁の崩れ落ちている個所があちこちに見られる。侵入者に割られたのか、
 生垣の向こうの縁側のガラスがせまい庭に散乱している。時刻は夕暮れ時。
 さて、どうする?」マスターのこの説明に対して、私たち4人が
相談して応じるんです。目で見てわかることは質問してもかまいません。
「あの、玄関は開いてるんですか?」 「引き戸は閉まってるが、
 鍵がかかってるかどうかはわからない」
相談して、とりあえず玄関を調べることにしました。ああそれから、
言い忘れましたが、懐中電灯とかブーツとかの装備も最初に決めてあるんです。

コーラーという役割の人がいて、その人が次にとる行動をマスターに言います。
私はそのときマッパーをやってました。家の中がどうなってるかの情報はないので、
マスターの話を元に地図を書いていくんです。でも、ダンジョンならともかく、
一軒家ならそんなに複雑ではないだろうと思ってました。
玄関の鍵は開いていて、男A女A女B男Bの順番で入っていきました。
これ女Bが私だったんです。「玄関には靴だながあり、たたきに古い靴が散乱している。
 ほとんどが若い男物。玄関の先には細い廊下があり、右手にフスマ戸がある。
 玄関を調べるかい?」 「廊下を先へ進みます」
「廊下の突きあたりに木の扉とサッシ戸があり、どうやらトイレと風呂場に思える。
 さてどうする?」 「まずトイレに入ってみます」 「開けるのは男Aでいいんだね」
「トイレの戸がギーッと嫌な音を立てて開き・・・はい、ここで最初のチェック」

チェックというのは、怖がって精神ポイントが減ってないか、一人ずつ
サイコロを振って調べるんです。20面サイコロの6~20ならダメージなし。
それ以下だと出た目の数を引かれます。私は大丈夫でしたが、女Aの子が5を出して、
最初の22から引かれて17まで落ちてしまいました。これ現実だと、
すごく怖がってるってことです。「精神ポイントが5まで落ちたらパニック状態。
 憑依チェックをするよ」とマスター。トイレはひどい臭いがする汲み取り式で、
大の便器が赤黒く染まってるということでした。風呂場は浴槽に少し水が残り、
緑に濁ってボウフラのようなものが浮いてたということです。
そんな感じで、私たちは昔のカレンダーや領収書類が散らばった居間を抜け、
天井に焼け焦げのある台所を通り、奥の寝室と思える和室に入りました。
特別そこまでは何事も起きていません。

でも、マスターの情景説明がすごく上手で、突然掛け時計が鳴りだしたり、
本当に廃屋を探索してる気分になってました。
私たちはそれぞれ精神ポイントを減らしていましたが、女Aの子は残り4の
状態でその和室に入ったんです。「部屋の奥に大きな仏壇があり、扉は閉まっている」
相談の結果、男Aが扉を開けることになりました。「扉に手をかけた瞬間、
 ゆらゆらと仏壇が前後に動き始めた。ここでポイントチェック」
そしたら女Aの子が3を出し、残り1に精神ポイントがなっちゃったんです。
「うん、じゃまた憑依チェックをしよう。10以下が出たら憑依されてしまう。
 ただしまだ、霊感ポイントあんまり使ってないから救いもあるよ」
女Bがおそるおそる振ると、出た目は1でした。20面サイコロの1です。
「ああ、憑依されちゃったね。でも、霊感が強ければはね返すことができる。

 まだ先は長いから11以上が出れば霊を受けつけなかったことにするね」
それで振った目がまた1。「ああ、君は霊にとり憑かれた。もう自分が自分ではない。
 大きな叫び声を上げながら君は、揺れている仏壇を抱きかかえ、
 少し離れておもむろに扉を開いた・・・」 
「イヤアアッ!!!!」女Aが絶叫しました。これゲームじゃなく、実際にってことです。
私、最初これも演技のうちだと思ったんです。こういうゲームって、
登場人物になりきってセリフも気分出して言ったほうが面白いから。
でも、そうじゃないってことはすぐわかりました。
両目に黒いところがなかったんです。眼球が裏返って全部白目だけ。
音を立ててイスを倒し、テーブルに腰をぶつけて後ろ向きになりました。そのとき、
テーブル上の飲みかけのペットボトルが、ボンボンボンって弾けたんです。

ええ、フタ空いてたのも炭酸でないものもです。「ちょっと女A、どうしたのよ」
「イアアアアア、イエアアアアアアアッ」女Aは壁にあったスチール棚、
中には同人誌とか入ってたんですが、そのガラスに両手を突っ込み、
ばっと血が飛び散りました。男子3人が寄ってきて取り押さえようとしましたが、
女Aはスチール棚の奥を血まみれの両手で引っかきまわして・・・
何かをつかみ出したんです。右手に半分、左手に半分、縦二つに割れたお位牌でした。
そんなものが大学にあるはずないんです。女Aは位牌を頭の上にあげ、
「ギャハハハハハハ」と笑うとそのまま後ろに倒れ、テーブルがあったので
頭を打たずに済みました。そのまま目を閉じて動かなくなり、
血だけがどんどん流れたので、傷口タオルなどでしばって救急車を呼んだんです。
幸いというか、血の量に比して傷は大きくなく、

病院で数カ所縫っただけで。それと意識も戻って、何かにとり憑かれた状態
じゃなかったんです。いえ、警察沙汰にはならなかったですが、
大学当局からさんざんしぼられて、サークルは解散させられてしまったんです。
あと、お位牌はマスターが保管してましたが、
後で聞いた話だと、ホラー雑誌に載ってた家の仏壇にあったものと
よく似ているということで、雑誌の写真だと字まで読めませんでしたが、
私が見ても形は同じものでした。それでどうしたかって?
マスターが雑誌の廃屋まで返しに行ったんです。車で6時間かけて。
その後マスターに会ったとき、そのときの様子を聞いたんですが、
首を振るだけで答えてくれなかったんです。いや、みんな元気ですよ。
あれ以来不幸があったって話は聞いていません。こんな話です。






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コメント
 コレってやっぱりアレだよなーと思いながら読んでいたら、最後の画像で案の定w 現代和風にアレンジすると、確かにこんな感じかも知れませんね。廃墟の肝試しなんてまさに探索者ですし。
 この例では、セッションが一種の交霊術みたいになってしまったんでしょうか。プレイヤー自身が永久的狂気に陥らなくてよかったw
| 2016.07.02 18:19 | 編集
コメントありがとうございます
だいぶ気持ちを入れてゲームしてたんでしょうね
マスターが上手すぎたのかも
bigbossman | 2016.07.03 03:34 | 編集
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