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金の蛇の話

2016.06.27 (Mon)
今晩は。では、よろしくお願いします。
これ全部、私のいとこから聞いた話なんです。ですからすべて本当かどうかは
わかりません。でも、こんな変な内容の嘘をつくわけもないですし。
3年前ですね。母の父が80歳代で亡くなりました。
それで、いきなりお金の話になってしまうんですけど、
母の実家はその地方で町長を出したほどの旧家だったのに、調べたら
遺産は多くはかったんです。田舎ですから土地は二束三文だし、
銀行預金や証券などが、想定したよりもずっと少なくて。
母は3人きょうだいの末娘でした。長男、次男、母です。
ただ、次男は早くに交通事故でな亡くなっていまして、相続者は2人。
それで、母はその相続を放棄していまいました。

というのは、結婚して以来、実家とはずっと絶縁状態でしたから。
はい、私の父との結婚に反対されたんです。で、駆け落ち同然に家を飛び出して、
それ以来、盆正月にも帰ることはありませんでした。
それでも、実の父母ですので葬儀だけは顔だけ出しました。
ええ、長男、私からみて伯父さんとも折り合いが悪かったんです。
ですから、たとえわずかな額でも遺産をもらうわけにはいかないってことです。
これは母の立場を考えれば当然だし、私も惜しい気持ちなどなかったです。
で、その伯父さんですね。県の関連団体の職員をしてましたが、
父親が死ぬと、まだ50代半ばでしたが、あっさり早期退職してしまいました。
退職金の割増で、定年まで勤めるのとあまり変わらない額が出たようです。
家族は娘さんが一人だけ、奥さんは10年ほど前に病気で亡くなっています。

娘さん、私からみていとこは、とうに結婚してて子どもが2人。
実家にわりに近いところに住んでいます。伯父さんはかなりの広さの実家で、
一人で生活してたんですが、お酒をたくさん飲んでいたようで、
半年前ですね、自宅で血を吐いて倒れ、自力で救急車を呼んだものの、
その日のうちに静脈瘤で亡くなってしまったんです。
・・・すみません、長々と親戚の話をしてしまいまして。
いちおうの関係はおわかりになったでしょうか。
その娘さんしか遺産を相続する人がいないということです。実家のほうは、
処分をどうするか迷っていたようでしたが、築120年の旧家だったため、
町で保存の話が出て、維持費も出してくれることになったんです。
でも、人が住まない家ってすぐ傷んでしまうでしょう。

それで、いとこが月に2度ほど掃除に行ってたんです。
午後から半日かけて隅々まで掃除し、一泊して翌朝帰るんです。
で、その日も居間に布団を敷いて休んでおりました。旧家ですから居間には
囲炉裏が切ってあって、その横で一人で。
12月でしたが、保存が決まってから囲炉裏に火は入れていませんでした。
少しうとうととしたところで、布団の胸の上に違和感があったんです。
冷たいものがあごのあたりに触れている感じがし、
無意識に手で触るとつるりとした感触。「え!」それで目が覚めました。
おそるおそる目を開けると、胸元に金色のものがありました。
実家は電気は通っていて、スモールライトだけつけてたのが、
そのわずかな光で金色に輝いて、しかも動いていた。

思わず手で布団を持ち上げて上半身を起こしたところ、
それはころんと囲炉裏の中まで転がり落ち、ならした灰を崩しながら
蛇が鎌首をもたげるような仕草をしたのだそうです。
立ち上がって電気をつけました。上から見下ろすとやはり蛇。
長さは60cmほどで、蛇と異なるのはウロコ状の模様がないこと。
あと、全体の太さが同じくらいで、つまり寸胴の棒状ってことです。
それと、目や口があるようには見えなかったそうです。
ですから金色のミミズと言ったほうが正確かもしれません。
ただ全体の動きは蛇そっくりだったということでした。
そのものは体をくねらせて灰を振り落とし、囲炉裏から這い出ると、

鎌首をもたげてクイ、クイと動かしました。それがまるで、
「ついてこい」と言っているように思えたんだそうです。
そして体を伸ばして部屋の隅をしゅるしゅると這い、
木の戸に潜り込むようにして消えました。いとこが戸を開けると、
もし幻覚などだったらそこで消えてしまうんでしょうが、
金色の蛇は廊下の上にいて、やはり首を動かしてから進み始めました。
ついていくと、廊下を渡りきり、ふだん伯父さんが寝室にしていた
納戸の障子の前でまた消えました。はい、納戸の中で蛇は待っていて、
奥の畳から外れた板の上で、くるくるとトグロを巻き始めたそうです。
60cmほどの長さですので、そんなに大きなトグロになりませんでしたが、
見ていると、20cmほどの高さになった蛇の体が、

どろどろ溶け始めて、なんと仏像に変わったんだそうです。
ええ、よく仏壇の中に飾られているようなお釈迦様の坐像です。
驚いていると、坐像はゆっくりと沈むようにして板の中に消えていきました。
怖いという気はしなかったんですが、ただただ不思議だったそうです。
まだ夜明けまではだいぶ間があるので、布団に戻って休みました。
そして明るくなって一番に、納戸のその板を調べてみると、
上から軽く叩いただけで、中が空洞になっているような音がしました。
それで夕方にご主人を呼び、バールで板をはがしてみると・・・
なんと中には、昨晩見た金の仏像。それに金のおりんと燭台などなど。
それと束ねられた紙幣・・・仏像は純金で仏具は18金。
現金も合わせると、総計3000万以上もあったそうなんです。

これ、どういうことかわかりますか。相続税対策ですよね。
そこに隠したのは母の父だと思います。おそらく伯父さんへの相続のために。
これは想像でしかないんですが、たぶん祖父は母が相続放棄するだろうと
考えてたんじゃないでしょうか。それで、息子が相続税で困らないよう、
現金の一部を仏具に変えて隠していた。
ええ、仏具は税控除の対象になりますから。
え? 伯父さんもそこにあることは知っていたんだと思います。
金相場を見ながら現金に戻すタイミングを図っていたんじゃないでしょうか。
もしかしたら紙幣には伯父さんのお金もまざっていたのかも。
いずれにしても、さきほど話したように母は相続放棄していたので、
うちに一銭も入るわけじゃありません。

「もったいなかったと思う?」と母に聞いたんですが、
「いいや、どんな額でも相続を受けるつもりはなかったよ」という返事でした。
きっと結婚するときに嫌なことがいっぱいあったんだと思います。
まあこんな話なんです。あ、それと、金の蛇は何で出てきたと思いますか。
私のいとこ、かわいい孫に遺産のありかを知らせたかったんでしょうか。
私はそうとしか思ってませんでしたが、これも母に聞くと、
「そうかなあ。私は違うと思う。仏像はいくら税金対策で造られたとしても、
 魂入れの開眼供養をしているでしょう。それが世俗の垢にまみれた
 札束といっしょくたにされてるのが嫌だったんじゃないかねえ」
こんなことを言っていました。これが正しいか、私にはわかりませんが、
なるほど、そんなこともあるのかなあとは思いました。






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