FC2ブログ

ブラセボと聖痕

2017.09.28 (Thu)
今日はこのテーマでいきます。ブラセボ効果というのはご存知だと思います。
ブラシーボ効果、偽薬効果などとも言います。いちおう説明すると、
でんぷんなど、薬としての効き目のないもの(偽薬)で錠剤やカプセル剤をつくり、
頭痛の患者に本物の薬として服用してもらう実験をすると、
半数くらいの人が治ってしまうこともあります。
薬を飲んだという安心感が、体にひそむ自然治癒力を引き出すのかもしれません。
これを「プラセボ効果」といいます。

上記は武田薬品のホームページから引用させていただいたのですが、
実際は病気の種類や症状によって効果は違いますし、
半数程度が治るというのは大げさのような気がします。
それでも、3割近くの患者には何らかの症状の改善が見られる場合が多いのです。

ただし、その偽薬に副作用があると事前に医師が説明した場合、
実際に副作用のような症状を起こしてしまう患者もいて、
これをノセボ効果、反偽薬効果と言うことがあります。
現在、新薬として認可を受けるための治験では、本物の薬を与えた群と、
偽薬を与えた群とに被験者を分けて実験を行うのが普通で、
本物の薬を与えた群の症状改善が、偽薬を与えた群より上回っている必要があります。

つまり、暗示によって体調に変化が起きるのですが、
これはよい方にも悪い方にも作用してしまうということなんですね。
では、この暗示はどのくらいのレベルまで体に変化をもたらすのでしょうか。
これについて、興味深い2つのお話があります。

ニューヨークのコロンビア大学医学部のハーバート・スピーゲルの実験によれば、
米国陸軍のある伍長を被験者とし、この伍長に催眠術をかけて催眠状態にした上で、
「その額にアイロンで触れる」と宣言した。しかし実際には、
アイロンのかわりに鉛筆の先端でこの伍長の額に触れただけだった。
その瞬間、伍長は「熱い!」と叫んだ。その額にはみるみるうちに火ぶくれができ、
かさぶたとなった。数日後にそのかさぶたは取れ、火傷は治った。

この実験は、その後四回くり返され、いつもまったく同じ結果がえられた。
さて、五度目の実験の時には状況はやや違っていた。
この時は伍長の上官が実験に同席していて、この実験の信頼性を疑うような言葉を
いろいろ発して被験者に迷いや疑惑を生じさせる状況のもとで行われた。
このとき、もはや伍長にやけどの症状が現れることはなかった。


ある国にブアメードという名の健康な身体に恵まれた死刑囚がいた。
この死刑囚は、ある医師から「人間の全血液量は体重の10%が定説となっているが、
私は10%を上回ると考えているので、それを証明したい」と実験を持ちかけられた。
彼はその申し出を受け入れ、目隠しをされてベッドに横たわった彼は、
血液を抜き取るために足の全指先を小さく切開された。

足元には容器が用意され、血液が滴り落ちる音が鳴り響く実験室の中で、
1時間毎に累積出血量を聞かされた。やがて実験開始から5時間が経ち、
総出血量が体重の10%を越えたと医師が言ったとき、この死刑囚は死亡していた。
ところがこの実験は、実は血液を抜き取ってはおらず、彼にはただの水滴の音を聞かせ、
体内の血液が失われていると思い込ませただけだったのである。

この2つの実験がもし本当ならすごいことですが、確実な裏は取れていません。
①の話はいろいろなところで引用されており、
ハーバート・スピーゲルなどと固有名詞も出てくるのですが、
英文で検索しても、実際にあった実験だとは確かめられませんでした。
ただし、いかにもありそうな内容ではあります。

特に注目すべきなのは、実験が催眠状態で行われていることで、催眠状態では、
暗示効果が通常の状態よりも高まることはいろいろな実験で確認されています。
例えば、催眠状態でレモンを甘いイチゴだと言って食べさせた場合、
甘い、と答える人は実際にいるのです。
②に関しては、倫理的に大きく問題のある実験ですので、
都市伝説的なものではないかと思います。でも、こちらもありえそうですよね。

さて、このような暗示は「聖痕現象」にもあてはまるかもしれません。
聖痕現象とは、熱心なキリスト教信者の体の、
イエス・キリストが磔刑となった際についたとされる傷、
イバラの冠をつけさせられた額や、釘を打たれた手足と同様の箇所に傷ができ、
出血が見られることを言います。これらはスティグマータとも呼ばれ、
カトリック教会では奇跡として考えられることが多いようです。

聖痕現象の事例はたくさんあり、日本でも秋田県の「涙を流すマリア像」の関係者に、
この聖痕現象が起こったことが知られています。
これが起きる原因として、信者自身とキリストとを同一視するあまり、
自己催眠状態をつくり出してしまったと考えられることが多いようです。
ただし、その催眠状態の中で無意識に刃物まどを用いて、
自分で自分を傷つけていたのがわかった例も数多くあるのです。

さてさて、ブラセボで体調が改善する、病気の症状が軽快する、
ということは確認済みです。ある種の宗教で「手かざし」などを行うのも、
ブラセボで説明できてしまいそうです。
では、自分の体に火傷や傷ができ、出血するまでのことが本当にあるものでしょうか。
あるとしたら、これは一種の超能力ではないでしょうか。
また、他人の体だったらどうでしょう。スーパーナチュラルな力によって、
他人の心臓を止める、などという話は超能力ものの小説にはよく出てきます。
ですが、本当に精神の力だけでそんなことができるかどうかについては、
慎重に考える必要があると思いますね。






関連記事
スポンサーサイト




トラックバックURL
http://scoby.blog.fc2.com/tb.php/1195-55ec527c
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する