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ドラえもんとタイムトラベル

2017.10.07 (Sat)


こないだタイムパラドックスの話を書きましたが、その続きみたいな内容です。
ちゃんとした科学のお話ではありませんので、そのつもりでお読みください。
未来にも過去にも行けるタイムマシンが完成したとします。
で、これを使って何か金もうけをしたい。

そう考えたとき、一番最初に思いつくのは、株とかロトとか競馬ですよね。
この中では、結果が短期間にわかる競馬が一番てっとり早いでしょう。
馬券もほぼ金額無制限に買えますし。
じゃあ競馬以外にはどんな金儲けの手段があるでしょう。

これ、『ドラえもん』のある回で面白い話が出ていたのでご紹介します。
さすがに子ども向けアニメですからギャンブルを出すのははばかられるので、
こんな内容になったんでしょうね。・・・自転車がほしいのび太は、
お父さんにボーナスで買ってもらえる約束をします。

ところが、お父さんの会社の業績が悪化して
ボーナスの額が減らされてしまい、お父さんは約束を無視します。
のび太はいつものようにドラえもんに泣きつき、
ドラえもんはタイムマシンを取り出します。



そしてお父さんのボーナスをこっそり拝借し、
現在の銀行で100年間の定期預金にしてしまうんですね。
これで利子が100年分つくはずです。そして100年後の未来に行って、
増えたお金を引き出してくればいいわけです。

結果、たしかにお金は増えました。ドラえもんはリュックいっぱいの
札束を持って未来から帰ってくるわけですが、もちろんその札束は、
現在の人間は誰も見たことがないもので、使いようがなかったんです。
そこでさらに知恵をしぼった二人は、
100年後の未来でも、現代のお金が古銭として売られてるだろうと考えます。

で、もう一度未来に行って、未来のお金で現在のお札を古銭として買ってくる。
しかし未来では古銭の価値が値上がりしていたので、お父さんのボーナスは、
ちょうど自転車1台分しか増えなかった・・・こんなお話でした。
しかしこれ、現実的に考えれば危ない方法です。

100年はたいへん長い期間ですし、その間に銀行の倒産、ハイパーインフレ、
デノミ、戦争、革命などが起きないとは限らないですよね。
さて、競馬の話に戻って、今日のスポーツ新聞を持ってタイムマシンで
昨日に行き、勝った馬の馬券を大買いする・・・
大きく買えば買うほど配当率は下がってしまうでしょうが、それはしかたない。

でもこれ、そんなにうまくいくでしょうか。
前回、平行世界のことを書きましたが、この手のお話は、
タイムマシンで過去に戻ったとき、時空がずれて別の平行世界に入ってしまい、
持っているスポーツ新聞のとおりの結果にはならない・・・
そういう結末になることが多いんですよね。



さて、タイムパラドックスには、前回ご紹介した「親殺しのパラドック」の他に、
「ブートストラップのパラドックス」と呼ばれるものがあります。
これは、例えば現代から『枕草子』を持って平安時代に行き、清少納言に見せる。
面白いと思った清少納言はそれを書き写し、現代にまで伝わる・・・
そうすると、『枕草子』を実際に書いた人がいなくなってしまうわけです。

これ、本でなくても、未来から来た人が有名デザイナーの服を着ていて、
それを見た過去の人がスケッチをして、そのデザインを自分のもの
として発表してしまう、なんてことも考えられます。
やはり未来の情報が過去に伝わるのはマズイようなんです。
 
この考え方を効果的に使っていたのが、映画の『ターミネーター』シリーズです。
最初のターミネーターが未来から過去にある人物を殺しにやってくる。
で、ターミネーターは撃退されたけども、その腕が過去に残ってしまい、
その未来の技術をもとにして、人類を滅亡させるスカイネットが作り出される。

『ターミネータ-2』では、人類を助けにやってきたターミネーターが、
自分の体が過去に残るのを避けるために、
溶鉱炉に入って自分を完全消滅させるという名シーンがありましたよね。
よくできているなあと思いました。

さてさて、そろそろまとめますが、原因があって結果があるという因果律は、
どうしても崩せないものであるのかもしれません。ですから、
そもそも過去に戻ることができるタイムマシンは完成しない。ホーキング博士は、
「時間順序保護仮説」で、過去に戻れるよう空間をねじ曲げるには
無限大の力が必要で、相対性理論の式が破綻してしまうと述べています。

また、もし過去に戻るタイムマシンができたとしても、
過去に未来の情報が伝わってしまいそうな場合、そこで時空にズレが生じて、
因果律に反しないような平行世界に入ってしまうとか、
もしかしたら、そういう宇宙の仕組みになっているのかもしれませんね。

関連記事 『タイムパラドックスの話』



追伸: 量子力学では二重スリット実験などで、未来の出来事が過去に影響を与える 
    「逆因果」という事象が世界的に研究されています。それについては、
    いつか機会があれば書いてみたいと思います。




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コメント
私がタイムパラドックスの概念を知ったのは、映画の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でしたね。
このジャンルの発達した今の目で見ると、「過去改変が現在の自分にリアルタイムで影響してくる」という、何とも言えない演出でしたが・・・
しかし、直感的に分かりやすくはあったと思います。
| 2017.10.18 01:28 | 編集
コメントありがとうございます
バック・トゥー・ザ・ヒューチャーは確かに
単一の世界を行き来してる世界観でしたね
あれはあれで面白かったですけど
bigbossman | 2017.10.18 20:15 | 編集
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