FC2ブログ

白と黒

2017.10.21 (Sat)
これ・・・臨死体験の話なんです。でもほら、臨死体験って、
本なんかに載ってるのだと、川を渡ろうとするものが多いじゃないですか。
ええ、三途の川って言うんでしたっけか。そのどっちかの岸で、
とっくに亡くなったお祖母ちゃんとかが「こっちに来なさい」って呼びかけてくる。
それで、行こうかどうか迷っているうちに目が覚めたとかなんとか・・・
ところが、私が体験したのは、それとはぜんぜん違ったものだったんです。
それを今からお話したいと思います。

あれは大学2年のときでした。深夜の2時ころ、皿洗いのバイトが終わって、
ミニバイクで部屋に戻ろうとする途中、信号で停まっているところを、
ミニバンに追突されたんです。突然後ろに強い衝撃を感じて、
気がついたら宙を飛んでました。それもたぶん、
頭が下側になってたんじゃないかと思います。
よく、そういうときは自分のそれまでの人生で起きたことが次々に出てくる、
って言いますけど、私の場合はそれはなかったです。

ただ、宙を舞ってる時間がものすごく長く感じられて、
なかなか下に落ちていかないような気はしてました。それから、
目の前が真っ暗になって・・・そして、また宙に浮かんでいる自分に気がついたんです。
ええ、そういうのを体外離脱現象っていうって、後になって聞きました。
それで、下のほうに自分が倒れているのが見えたんです。
バイクから数m離れた道路にうつぶせの状態で。
バイクはひしゃげて大破し、私の手足は不自然にねじまがって、
頭の部分からどんどん道路に血が広がっていってるところでした。

ええ、深夜だったんですが、はっきり見えたんです。
ぶつかったミニバンの人は車外に出て、倒れている私の近くにきて
携帯電話をかけていました。警察と救急車を呼んでたんです。私は・・・
そうですね、体の痛みはまったく感じていませんでしたし、気持ちも平静というか、
あ~あ、大変なことになっちゃった、バイトのお給料が入らないし、
大学の単位落としちゃうかも、どうしようって、
何か他人ごとみたいな感じでそれを見てたんです。

そしたら、いつの間にか私の倒れている体の近くに、変なものが来てたんです。
うーん、説明するのが難しいんですが、もし似ているものをあげるとしたら、
ガマガエルでしょうか。大きさは私の頭の3倍くらいはありました。
小さめの犬くらいって言えばいいでしょうか。
ただ、全体の印象がそんな感じというだけで、手足はカエルよりずっと多かったですし、
顔はその、お寺にあるおシャカ様の仏像に似ているような気がしました。
ええ、上のかなり高いところから見下ろしてるのに、
それの体の前についてた顔がわかったんです。そのあたりは不思議ですが。

あと、それは色が真っ白だったんですよ。体全体が漂白したような白。
ああ、変なものがいるなあ、と思いました。もしかしたら死神なのかも。
私はもう死ぬんだろうか、それにしても、
マンガとかでみる死神とはぜんぜん違うなあ・・・
そしたら、別のものが体の反対側のほうにもう一匹いるのに気がつきました。
そっちのほうは黒い色だったので、ぱっと見わからなかったんです。
ええ、白と黒という色の違いをのぞけば、ほとんど同んなじ形でしたね。

それで、両方がくぱーという感じで同時に口を開けて、そしたどっちも、
口の中からロープの束みたいなものが出てきたんです。
うーん、言葉でうまく表すのが難しいです。一本が直径1cmくらいのヒモ。
でもヒモというか、生き物のミミズみたいに思えましたが、
それが何十本もからまりあって一つの太いロープのようになってて・・・
ただ、やっぱり色が違ってました。白いガマから出てきたのは白くて、
黒いガマから出てきたのは、ちょっと赤黒い感じで・・・

状況がうまく伝わってますでしょうか。2匹のガマが私の体をはさんで、
口からロープのかたまりを吐き、それがちょうど、うつ伏せに倒れてる背中の上で、
しばらくうねうねとしていましたが、やがて白いロープと黒いロープの先が、
ガッと結びついて、綱引きみたいに引っぱり合っているように見えました。
ええ、両方のガマの体に力が入ってるのがわかったし、
ロープがどっちかに引かれるたびに、負けそうになってるガマが、
グラっとよろけたりしてましたから。

私はそれを見下ろしながら、ああ、どっちが勝つんだろうなって思って・・・
ええ、不思議なものを見てるなあ、というくらいの気持ちでした。
どのくらい引っぱりあいが続いたのか。すごい長い時間に思えたけど、
救急車が来るまでに5分くらいしかかかってないはずなので、
たぶんほんの数分だったんだと思います。グン、グンと引っぱるたびに
両方のガマの体が揺れて、ついに黒いガマのほうがコテンとひっくり返りました。
そしたら両方の口から伸びてたロープの束がするすると引っ込んで、
白いガマが私の体の上に乗ってきたんです。

ああ、白の勝ちなんだなと思いましたが、そのとき黒いガマのほうが、
ひっくり返ったまま顔だけ上げて、宙にいる私のほうをきっと見すえたんですよ。
そして、「次はこちらが必ずとる」って言った・・・というか、
そういう内容が私の頭の中に直接響いてきた気がしました。
そのとき救急車のサイレンの音が聞こえはじめ、宙に浮いている私はシュン、
という感じで倒れている体のほうに引っぱり込まれて、
その後は何もわからなくなってしまったんです・・・

それで、次に意識が戻ったのは4日後だそうです。
私は病院のベッドにいて、両親が私が気がついたのを見て涙を流してました。
硬膜下出血の緊急手術をして、医師にはいつ気がつくかわかりません、
数日なのか、1ヶ月以上になるかも、って言われてたそうなんです。
それからは砂袋で頭を固定され、1ヶ月近くベッドで上を見たまま過ごしました。
あと、頭の他に全身を打撲し、左の手首は骨折もしてたので、
入院期間は半年近くになったんです。

はい、長い間寝ていて体が固まってしまったので、リハビリはしましたが、
脳のほうは幸い大きな後遺症もなくて、今は普通に生活しています。
ただ・・・あの事故からもう4年がたったんですが、年に2回くらい夢を見るんです。
ええ、あのとき負けた黒いガマ、ガマと言っても正面から見ると、
顔は仏像のように立派なんですが、それが私の胸の上にまっすぐに乗ってて、
口を開けてロープに束のような舌を出し、私のあごをペロペロなめながら、
「次はこっちがもらうからね」みたいな念を送ってくる夢です。

どういうことなんでしょうか。あの事故のとき、白いガマのほうが勝ったから、
私は助かったんでしょうか。そうだとしても「次」ってどういうことでしょう。
だって、人はだれでも年をとって最後には死にますよね。
それが「次」っていうのは、もしかしてまた事故とかがあるんでしょうか。
そう考えると不安になるんです。それで、事故とかにあわないように気をつけて、
とにかく慎重に毎日を送ってるんです。こんな話なんですが、
もし何かわかることがあれば教えていただきたいと思って。









関連記事
スポンサーサイト




トラックバックURL
http://scoby.blog.fc2.com/tb.php/1233-9fb7a305
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する