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『エクソシスト』3作+

2017.10.24 (Tue)


最初の『エクソシスト』は大ヒットしましたが、
なにぶん1973年公開ですので、
リアルタイムで見たという人は少なくなったかもしれません。
貸しビデオ屋で借りて見た人が多いのかな。この作品を論評するとすれば、
キリスト教映画であること、密室劇であること、の2つですかね。
ストーリーはごくごく単純で、ある少女にとり憑いた悪魔を2人の神父が
キリスト教の悪魔祓いによって追い出す・・・これだけです。

映画の公開時には、伝統的な勢力からいろいろと批判もあったようですが、
最終的には神父2人の自己犠牲によって悪魔は退散するのですから、
神の勝利が描かれてるわけで、昨今のスプラッタ系や拷問系の映画に比べれば、
そんなに非難されるような内容ではないと思いますけどね。
むしろカトリックの悪魔祓い儀式や、悪魔にとり憑かれる怖ろしさについての
いい宣伝になったんじゃないかという気がします。

密室劇については、最初こそメソポタミアの遺跡などが出てきますが、
それ以外はずーっと、あのせまい石段を上った先の、
屋敷の2階のリーガンの部屋の中で話が展開していくので、
観客を飽きさせないために、リーガンの体が宙に浮くとか、緑色のゲロを吐くとか
声が変わって汚い言葉をしゃべるとか、首が180度回転するとか、
たくさんのおどかしギミックが詰め込まれることになりました。
これを「こけおどし映画」と評する人もいるんですが、
場面転換して目先を変えることができないので、監督としては、
次々と怖いギミックを仕掛けることに集中できたんでしょうね。

あとは、テーマ曲の『チューブラー・ベルズ』。
監督は最初の音楽担当者を、デモテープを聞いてすぐ解雇したそうですが、
これは大正解でした。チューブラー・ベルズのくり返し円環していく曲想は、
この映画の内容にぴったりだと思います。

さて、『エクソシスト2』に行きましょう。これは1作めとは逆に、
アフリカとアメリカのシーンがめまぐるしく入れかわって描かれる内容でした。
評価は賛否両論で、都筑道夫氏のように、
「この数年間でただ一度、終わったとたんに、思わず拍手してしまった映画」
みたいに激賞する人もいれば、「わけがわからん」と切り捨てる人もいて、
どっちかといえば否定派が多いんだと思います。

自分はこの両方の論ともにわかる気がします。
「わけわからん」というのは、まず、あまりにも多くの内容が短時間の中に
詰め込まれている上に、説明不足なので、観客が理解できないうちに
次のシーンに移ってしまい、消化不良を起こしてしまうからでしょう。
あと、よく考えればつじつまの合わないところもたくさんあり、
脚本にちょっと問題があったかなあと思います。

よかったと思うのは、単なるキリスト教映画を超えていたことで、
生物学的な視点、心理学的な観点が盛り込まれていました。
悪魔は、群れをなして襲ってくるイナゴの象徴であり、
かつて悪魔にとり憑かれたアフリカ人の少年は、
大人になって生物学の研究者になり、凶暴化したイナゴの群れを鎮める
「よいイナゴ」をつくり出していました。そしてリーガンもまた、
催眠療法などを通して、悪魔をはね返す力を身につけた
「よいイナゴ」になっていたのです。

このあたりのことは、オカルトホラーに造詣の深い都筑道夫氏なら、
瞬時に理解できたのでしょうが、1作めの怖さを期待して見にきた一般の観客が
これを見てそこまで理解するのは、はっきり言って不可能ですね。
ですから、批判があるのもしかたないのかなあと思います。
でも自分は好きですよ、この映画。

さて、『エクソシスト3』に行きます。
1作目の原作者のピーター・ブラッティが、
『エクソシスト2』の出来に腹を立て、自らこの映画を制作したんですね。
彼は映画の監督は素人ですので、説明的な長いセリフが多いなど、
演出にもたつく部分もあったんですが、
恐怖というもののとらえ方が映画畑出身の人とはかなり違っていて、
それだけにはっとさせられるシーンが多かったです。

話の流れは、連続殺人事件を刑事が追っていくという、
サイコスリラーのような形をとっていて、当時のホラーとしては斬新でした。
残虐な殺人が続くのですが、そのほとんどは画面としては描かれず、
セリフで語られます。このあたりは小説家のつくった映画らしいところ。
あと、上記したようにそれまでのホラー映画には見られなかった、
感覚的に怖いシーンがあちこちに詰め込まれていましたね。

例えば、病院で夜間に見回りする看護師を長回しで写して、
こんなのを長く撮ってるのは何か意味があるんだろうなと観客が思ったころ、
白布をかぶった殺人鬼が手術用の骨切り鋏をかまえて看護師の後から
出てくる場面、これにはのけぞりました。あと婆さんが天井を這い回るシーンとか、
刑事の娘が間一髪で首を斬られるのを逃れるシーンとか、
才能ある素人に映画を撮らせるのも面白いなあと思わされました。
映画には文法があるんですが、それを外すのも一つの手なんですね。

ただ、エクソシストの題名がついているのに、最後の対決のシーンで、
神父が簡単にやられてしまうのはちょっとどうなんでしょうか。
あと特撮もいまいちしょぼかったですし。
まあでも、映画監督の黒沢清氏が絶賛しているなど、
全体的な完成度はそれなりに高かったと思います。

最後に、題名に「+」とあるのは、2004年の『エクソシストビギニング』。
これは自分はあまり楽しめなかったです。
前半の重い設定が後半の悪魔祓いのシーンに
ぜんぜん生かされてなかったですし、なにより怖くなかったです。







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コメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| 2017.10.25 11:03 | 編集
コメントありがとうございます
メアドがわからないんですが・・・
ご要望の件は了承しますのでどうぞお使いください
ただ、「Bigbossman」と「怖い話します」の名前は出さないように
してください
bigbossman | 2017.10.26 01:38 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| 2017.10.26 09:03 | 編集
コメントありがとうございます
今後ともよろしくお願いします
bigbossman | 2017.10.26 22:42 | 編集
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