FC2ブログ

担任を呪う話

2017.11.23 (Thu)
これ、俺が中学2年のときのことだから、今から30年以上前の話だよ。
俺はそのころからオカルトが好きで、あるホラー雑誌を毎月書店で買ってたんだよ。
でな、その雑誌は、最後のほうの数ページは怪しい通販の広告がたくさん載ってたんだ。
頭が良くなるテープとか、背が伸びる方法とか、開運の水晶ペンダントとかそういうやつ。
ちょうどピラミッドパワーなんかが流行ってたころだったからね。
そん中に、呪いの藁人形セットってのがあったんだ。
興味をひかれて内容を読んでみると、藁人形1つ、五寸釘が1本、
それと呪いのやりかたを書いたパンフレットがセットで900円ってなってた。
面白い、と思って買おうと思ったんだが、900円は高い。
今とは違って、中学生の小遣いが月500円とか1000円の時代だったからね。
それで、その当時いつもいっしょに遊んでた悪ガキの仲間2人に話して、

1人300円ずつ出し合って買うことにしたんだよ。
んで、申し込んで2週間くらいしてそれが届いたんで、
俺の部屋に2人を呼んで、さっそく包みを開いてみたんだ。そしたら、
けっこうきちんとした藁人形、ピカピカの真新しい釘、それから冊子が出てきて、
それを読んでみると、呪いたい相手の爪か髪の毛、つまり体の一部分を、
藁人形の中に入れて、「死ね~」という強い呪いを込めながら藁人形に釘を打ち込め、
みたいなことが書いてあったんだ。それを毎日くり返して、
30日たったらその相手には最悪の不幸が訪れるでしょう、って。
ああ、「死ぬ」とはっきりとは書いてなかったな。
それはやっぱり、マズイんだろうなって思った。
で、さっそくやってみることにしいて、呪う相手を誰にするか相談した。

その結果、当時の俺らの担任にしようってことになったんだ。
なんで担任にしたかっていうと、俺らはその2ヶ月前くらいに、
学区にあるスーパーでの万引きを店の警備員に見つかって警察に引き渡されたんだ。
それで親が呼ばれ、学校にも連絡された。で、警察での調べでは、
俺らも素直に謝ったんだが、その後学校で担任に説教されたのが、
これじゃあ高校に行けないとか、嫌味たっぷりで、3人ともすげえムカついたんだ。
まあな、今から考えれば逆恨みなんだが、
それで担任を呪いの実験台にしてやろうと考えたわけ。ああ、担任は教科が英語の、
50代くらいのヒステリックババアだった。で、次の日、
学校に早めに行って、教卓の下とかを探したんだ。
担任の髪の毛が落ちてないかと思ってな。

けど、教室は毎日掃除してるから、髪の毛とか見つからなかったんだ。
それで教卓についてる引き出しを開けてみたら、
一本だけ、くるっと丸まった髪の毛が見つかった。担任ババアはパーマをかけてたから、
たぶんこれだろうって思って、それをちり紙に包んで持って帰り、
藁人形の中に入れたんだよ。それで、30日間釘を刺すのは、
3人で10日ずつ分担してやることにした。最初の10日は武田ってやつ、
次が今井ってやつで、最後が俺。で、さっそくその日から呪いが始まった。
次の日、武田に「どうだった」って聞いてみたら、
「9時に自分の部屋でやった。ババアに万引きで怒られてるときのことを思い出しながら、
 クソババア死ね~~って胴体のところにぶっ刺してやった」
こんなことを言った。もちろん担任はその日学校に来て普通にしてたが、

まだ呪いを始めたばっかだから、そんなもんだろうと思ってたんだよ。
10日過ぎて、藁人形は今井の手に渡った。
いや、ババアはその間、休んだりもしなかったし、具合が悪そうってこともなかったな。
最後の10日間になって、藁人形が俺のとこに回ってきた。
んで、俺も前の2人と同じように、1日1回、ありったけの悪意を込めて、
「死ね~~」って釘をぶっ刺してやった。けども、30日まであと3日ってときになっても、
担任ババアの様子はまるで変わらなかったんだよ。
それで、俺の家に集まってこんな話をした。
「ぜんぜん効いてる様子はねえよな」 「でぶババア痩せたりもしてねえ」
「やっぱ呪いなんてないのかなあ」 それで俺が、
「明日はババアの英語の授業があるよな。俺、この人形学校に持っていくわ。

 それで、ババアが授業をやってるときに、藁人形を机の下に隠して釘を刺してみる。
 近くでやれば効果があるかもしれない」そんなふうに言った。
それで翌日、実際に学校に藁人形を持って行ったんだよ。
それを机の中に入れて、英語の時間になってババアが大声で教科書を読んでるときに、
武田や今井に目で合図をして、筆入れから釘を出して、
机の下で藁人形にぶっ刺してみたんだよ。
うーん、まあ正直、何かが起きるとはあんまり期待はしてなかったけどな。
そしたらだよ、口からつばを飛ばしそうな大声で教科書を読んでた
ババアのあごが、下に向かってにょ~~んと伸びたんだよ。
顔の長さが倍くらいになったんだ。「えええっ!」 しかしそれは
一瞬だけのことで、ババアの顔はすぐにもとに戻ったんだ。

授業が終わってから、俺はすぐに武田らのところにいって、
「授業中に藁人形に釘を刺したらババアの顔が伸びたよな。お前ら見たか?」
って聞いたんだが、2人とも「え~、そんなことなかった」
「見てないぞ」こんな反応だったんだ。どうやらババアの顔が伸びたように
見えたのは俺だけだったんだな。でまあ、2人にそう言われると、
見間違いかなあって思うしかなかった。藁人形は家に持ち帰って、
いよいよ呪いの期間が終わるまであと2日ってことになった。
で、翌日のことだよ。俺は学校から帰って飯食ってから自分の部屋にいた。
藁人形を取り出し、釘を握りしめて、「クソババア、早く死ねよ~~!!」
って呪いながらぶっ刺してやったんだ・・・
そしたら、窓のほうで「ベチャ」みたいな音がした。

俺の部屋は2階にあって、窓は2方向にあるんだが、
その表通りに面したほうの窓だった。濡れた雑巾を叩きつけるような、
大きなはっきりした音だったんでドキッとした。それで気になって、
その窓のカーテンを開けてみたんだよ。そしたら・・・
窓に大きな顔がへばりついてたんだ。グルグルに巻いたパーマの髪にメガネの
担任の顔だった。しかも教室で英語の時間に見たように、
あごがにゅ~っと下に伸びて、1mくらいにも長くなってたんだよ。
「うわあ!」俺はびっくりしてその場にへたりこんでしまった。
したら声が聞こえたっていうか・・・頭の中に内容が響いてきたように感じた。
「見たぞ、見たぞ。わたしを呪っているのはお前だな。なんで呪う? 
 許さないぞ、許さないぞ、もし死んだらお前もいっしょに連れてくぞ~」

で、頭が割れるように痛くなって目をつぶり、もう一度目を開けると、
窓にあった顔はなくなってたんだ。それで、俺は気分が悪くて、
トイレに行って吐いてしまったんだよ。
で、翌日学校に行ってみると、担任は休んでたんだ。
かわりの先生がホームルームに来て、担任ババアは昨日の夜
急病になって病院に運ばれて入院した、とうぶんお休みということになるかもしれない、
って説明をしたんだよ。それで、俺は前の晩に自分の部屋で見たもののことを、
武田と今井に説明したんだ。2人は半信半疑の様子だったが、武田が、
「それって、呪い返しってやつなのかもな」って言った。で、3人で相談の結果、
担任を呪うのはそこでやめたんだよ。藁人形は髪の毛が入ったまま川に流した。
ババアはそれから4日たって学校に出てきて、その後はクラス替えまで何もなかったよ。






関連記事
スポンサーサイト




トラックバックURL
http://scoby.blog.fc2.com/tb.php/1273-a31eb94e
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する