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石灯籠の写真の話

2017.12.01 (Fri)
今、たいへんなことになっているんです。ある知人から、こちらの話をうかがって、
それで相談にうかがったんです。ほんとうにわけのわからない状況で、
なんとか助けてほしいんです。ああ、すみません。わかりました。
落ち着いて、順を追って話していきますので。
うちは父と母、祖母、それから自分と高校生の妹の5人家族でした。
はい、自分は社会人になってまだ2年目で、独身です。
幸い、会社は実家から通えるところだったので、
家を出ることをせずに両親と暮らしていたんです。それで・・・
4ヶ月ほど前のことです。うちに1通の絵葉書がきたんです。
ええと、最初に郵便受けからとったのは祖母だったはずです。
庭の草取りをしていて、そのついでに郵便受けをのぞいて見つけたんです。

はい、今ここに持ってきてます。これです。普通の絵葉書に見えますよね。
表側はうちの住所がかなり達筆な字で書いてあって、女性の字じゃないかと思います。
差出人の住所氏名はありません。はい、消印も見ました。
この葉書は鎌倉郵便局になってます。でも、
うちでは誰も鎌倉には知り合いはいなかったんです。
それに、これまでにきた葉書は、すべて消印の場所が違うんですよ。
北海道だったり、四国だったりで、これって全国を移動しながら、
はがきを投函してるんじゃないかと思うんです。
でも、誰が何のためにそんなことををしているのか・・・
はい、裏面の写真がこれです。石灯籠の上の部分ですよね。
それもかなりピンボケしている・・・明るいですから昼に撮ったものだと思います。

あと、わかるでしょうか。この石灯籠の穴の向こう側に顔があるんです。
最初は穴の中が暗くて気がつきませんでしたが、
サングラスをかけているように自分には見えます。
ただ、これだと男か女かもわかんないですよね。ああ、とりあえず話を進めます。
この葉書はまず父母が見て、それから自分や妹にも見せられたんですが、
祖母もふくめて、誰も心あたりがなかったんです。みんな首をかしげるばかりで・・・
でも、そのときは、そんなたいしたものじゃないとも思ってました。
間違いでうちに配達されたものか、でなければ何かの広告だろうと。
それでです、その日の夜。祖母が玄関で転んだんですよ。
左の手首を骨折してしまいました。病院の救急外来でギブスで固定してもらって・・・
でも、そのときは絵葉書と関係があるとは誰も考えませんでした。

それはそうですよね。たまたま転んじゃったんだって思うのは当然ですよね。
それで、2週間くらいしてまた絵葉書がきたんです。正確には15日後です。
ええ、宛名の字は同じだと思います。
裏面の写真も・・・一見、前と同じように見えます。
でも、じつは少し違ってるんです。これは後になってからわかりました。
石灯籠の後ろにいる人物が、少しだけ右側にずれてるんです。
ほんのわずか、数cmくらいだと思いますが。
それで、このときも家族で写真を見て、
やっぱり誰も何なのかはわからなかったんです。
そして、その日の夜中です。タンスの上に置いてあったラジオが落ちてきて、
布団に寝ていた母親の顔にあたり、ちょっと切れて血が出たんです。

絆創膏を貼れば治るくらいの傷でしたけど、
地震でもないのにラジオが落ちてくるのは、
今になって考えれば変だと思います。で、それからまた2週間後です。
葉書は午前中に配達されることがほとんどで、
父親が会社帰りに郵便受けから取ります。
その日、高校の帰りに妹が事故にあったんですよ。
丁字路で、横から一時停止せずに出てきた車とぶつかって、右足を骨折しました。
警察から連絡があって、家にいた母が現場に駆けつけたんですが、
足は複雑骨折で、病院で手術をしなければなりませんでした。
父は会社を早退して病院に行き、自分も退社後にすぐ行ったんですが、
手術は成功したものの、しばらくは松葉杖になるだろうってことでした。

それで妹は入院になりまして、母を病院に残して父と自分が家に戻ったときに、
郵便受けにまた絵葉書が入ってるのに気づいたんです。
はい、それがこれです。写真を見てください。やっぱり同じ石灯籠なんですが、
その後ろの人物、それがまた少し移動してるんです。
顔が右に数cm出てきていますよね。ほらここ、サングラスの端だと思うんです。
で・・・その夜、父が、こんなふうに言ったんです。
「また、この葉書か。いったい何なんだろうな。これまで3回きたんだよな。
 そのたびに家族の誰かがケガをしてる。まあ偶然だとは思うが・・・」って。
うーん、自分も偶然だと思ってましたが、それはこのときまでです。
それからまた2週間して絵葉書がきました。石灯籠の後ろの人は、
顔が半分くらいはみ出してて、髪型もわかるようになってたんです。

これです。女だと思います。で・・・その日の夜、
祖母が寝ている間に亡くなったんです。朝になっても起きてこないので母が見にいったら、
もう布団の中で冷たくなってました。心臓の発作という診断でしたけど、
前に話した手首のケガ以外は、ずっと病気ひとつしたことがなかったんです。
心臓の持病もなかったし・・・
祖母の火葬や葬式があって、家の中がバタバタしたんですが、
このころには、家族のみなが、絵葉書が来るのを怖れるようになってました。
だって、葉書が来た日に確実に家族の誰かがケガするわけだし、
とうとう祖母が死んでしまって・・・それで絵葉書を受け取り拒否できないか調べたんです。
でも、葉書には差出人の住所も名前もないし、消印は毎回ちがう場所だしで、
もし受け取り拒否するなら、転居、つまり家族全員が引っ越すしかないみたいでした。

いや、そういう話も出ましたよ。とりあえず賃貸マンションにでも越そうかって。
その矢先に、また葉書が来たんですよ。郵便受けで自分が見つけたんです。
それで、写真を見ないで破り捨てようと思ったんです。
父親が帰ってきてから葉書が来たってことを話し、破ってもいいかって聞いたんです。
そしたら、それまで黙っていた母親が、「もう一回だけ見せて」そう言って、
葉書をひったくるようにつかみ取って、裏を見るなり、
「ああああっ!!」と叫んで放り出したんです。
はい、それを拾い上げて自分も見てしまいました。石灯籠の後ろの女は、
もう半分以上外に出ていて、大きなサングラスで表情はわからないものの、
ねじまがった唇の端に笑みのようなものが浮かんでいるようにも見えたんです。
自分が「母さん!これ、誰だかわかるの?」って聞きました。

すると母親は、その場にぺたんと座り込んで、
子どもがいやいやをするように首を振ったんです。
どうしようもなくて、父親と自分は黙って母親の様子を見ていました。
そしたら母親は、壁にもたれたまま早口で、
「いい、いい、わかったから。もう全部わかったから。母さんがなんとかする。
 これ以上家族に犠牲は出せないから!!」そう言うと急に立ち上がり、
走って家を出てってしまったんです。もちろん自分も父親も追いかけましたよ。
でも、サンダルをつっかけただけなのに、すごい速さで見失ってしまいました。
それでも父親といっしょにあちこち探したんですが、見つかりませんでした。
そのとき母親は、スマホも財布も持ってってなかったんです。
あちこち回っているうちに朝になり、警察に捜索願いを出さなければと相談しているとき、

向こうから、警察のほうから連絡があったんです。
・・・母が、運動公園の林で首を吊っているのが発見されたって。
こんなことが1ヶ月半の間にあったんです。母が何を考えていたのか、
絵葉書の女が誰なのか、いまだにわかりませんとにかく、父も妹も自分も混乱してしまって、
何がなんだかわからないまま時間が過ぎていったんです。
・・・それで、絵葉書は母の死後、何ヶ月もこなかったんですけど、
それが、つい2日前です。また絵葉書がきたんです。これです、見てください。
石灯籠から出かかっていた女がまた元に戻っていて・・・
それで、人が2人並んでるように見えませんか。1人はサングラスをかけた女で、
もう1人、あごと口の端のあたりしか見えないんですが、・・・亡くなった母に
似ている気がするんです。はい、これがきてケガなどをした家族はまだいないですが・・・









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コメント
 久々に「ああ、まだ終ってないんだな」という印象が強く残る、禍々しいお話でした。お母さんはこの呪い(だと思います)を止めようとして、あちら側に引き込まれてしまったのでしょうか。家族がとられる話は、やはり悲しくて怖い。
 ところで、「郵便怪談」で秀逸なのは少ないんですよね。そんな中、2chだと「友達からの葉書」と「真っ赤な葉書」のコンボが凶悪でした。
| 2017.12.05 01:19 | 編集
コメントありがとうございます
これは2人も人が亡くなるちょっと凄惨な話になってしまいました
今はメールでのやりとりが多くなったので
郵便怪談はますます難しいかもしれませんね
bigbossman | 2017.12.05 02:46 | 編集
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