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「クライオニクス」って何?

2018.01.21 (Sun)


現在の医学では治癒困難な病に冒された人々の体を冷凍保存し、
未来の医療技術の進歩に託す「人体冷凍保存(cryonics クライオニクス)」。
すでに世界中では数百人が全身、あるいは脳を含めた人体の一部を
冷凍保存しているが、問題は解凍技術がまだ存在しないことだ。

冷凍保存されている人々は医療技術の進歩だけではなく、
解凍技術の開発も未来の科学者に託しているのである。そんな中、
英紙「Daily Star」が朗報を伝えている。なんと、10年以内に解凍技術が
開発されるかもしれないというのだ!

解凍技術におけるブレークスルーが昨年夏にあった。
これまでの技術では、冷凍した胚(受精卵)を解凍時に均一に温めることができず、
無事に解凍することが困難であったが、冷凍時に「金ナノロッド」と呼ばれる
極小の金属物質を混ぜることで、解凍レーザーの熱が均一に伝わり、
冷凍された胚を素早く温めることが可能になったのだ。
しかし、この技術をもってしても、蘇生した胚は全体の10%に過ぎなかったという。
このような不完全な解凍では、多額を投じて冷凍保存された人々が浮かばれない。

(tokana)

今回はこの話題でいきたいと思います。引用記事にあるとおり、
「クライオニクス」とは人体冷凍保存という意味です。
ただし、より広い定義として、不治の病で亡くなった人、
あるいは老衰死した人でもいいわけですが、
その遺体を冷凍保存して、未来に蘇らせることを指す場合があります。

ちなみに、生きた人をそのまま冷凍保存しようとしても、
現在の技術では、冷凍すれば死んでしまいますので同じことです。
また、生きた状態で人間を人工冬眠させる、いわゆるコールドスリープ
(和製英語)は、クライオニクスとは別の技術と考えられています。

これまでの研究では、精子や卵子を冷凍保存する技術は開発されていますが、
精子などは生命とは言えませんし、あくまで遺伝子などのタンパク質レベルの話です。
あと、カエルや魚などの実験では、冷凍後24時間以内であれば、
蘇生が確認された報告もありますが、これらの生物はもともと寒冷な
地域に生息しているため、体内に天然の不凍液成分を持っていました。
クライオニクスというより、コールドスリープに近いものだったんですね。

さて、では、クライオニクスは将来的に成功するでしょうか?
これ、自分は無理なんじゃないかなあと思います。もしできるとしても、
百年以上の年月がかかってしまう気がしますね。上記のような、
不治の病にかかった人を冷凍保存し、医療技術の進んだ未来で蘇らせるためには、
大きく3つの技術的に克服するべき点があります。
① 冷凍された遺体を解凍すること。
② 死亡している遺体を生き返らせること。
③ 不治の病を治療して健康体に戻すこと。

まあ、②が一番無理だろうというツッコミは当然あるでしょうが、
この際、②と③については問わないことにします(笑)。
これ、①だけでも技術的な困難はたいへんなものです。冷凍することによって、
人間の遺体は壊れてしまいます。なぜかというと、人間の体の約60%は
水分で成り立っているからです。水は凍らせると体積が膨張しますよね。

現在行われているクライオニクスでは、
遺体の血液を不凍液に入れ替えているようです。
しかし、人間の体の水分は、もちろん血液だけではありません。
人間の体は細胞でできていて、一つ一つの細胞の中には、
液体が詰まっていると考えていいと思います。そのすべてを抜き取ろうとする段階で、
まず無理があります。できないと考えるべきでしょう。

実際、クライオニクスを現在研究しているグループも、できないと考えており、
未来における解凍の際に、ナノテクノロジーを使って、
壊れた細胞を分子レベルで修復する技術が完成していることに期待しているようです。
ですが、人間の細胞は約40兆個もあるうえに、心臓や脳、皮膚など、
体の部位ごとに性質も違います。それらをすべて修復できる技術が完成するには、
もしできるとしても、長い長い年月がかかりそうです。

では、一度死んだ人間が未来に蘇ることは絶対に不可能なのでしょうか。
ここは一つ発想を変えてみたらどうでしょう。
遺体の全身を保存するのは、修復に多大な困難がともなうので、
保存するのは脳だけ、ということにすればどうでしょう。
蘇るのは遠い未来でのことですので、もしかしたら、
脳以外の体のパーツは機械に置き換えることができるか、
IPS細胞などで作ったアンドロイド体が完成しているかもしれません。

次に、冷凍というのをやめて、別の方法を考えたらどうでしょう。
冷凍すると細胞が壊れてしまうのですから、
もっと壊れにくい方法はないもんでしょうか。
うーん、そうですね、自分が素人ながら考えるのは、
真空パック、あるいは缶詰、干物、酢漬け(笑)などですね。

現在の食品の真空パックはよくできています。例えばベーコンやハムなどは
賞味期限が1年あるものも珍しくはないですし、缶詰だと、
防災用に備蓄するものでは、賞味期限25年というものまであるようです。
もちろん、真空パックや缶詰の食品が腐らないで長持ちするのは、
パッキングする前に加熱などの殺菌処理を行っているからです。
その上で、真空状態にして外界の腐敗菌などが触れないようにするわけです。

当然ながら、人間の遺体を加熱すれば冷凍する以上に壊れてしまいます。
ですが、自分は、この方面に集中して研究したほうが、
結果として、冷凍よりは保存の効率が高いんじゃないかなあ、
という気もするんですね。みなさんはどう思われますでしょうか。

さてさて、ここまで書いた以外にも方法はあるでしょう。
例えば、ある人の遺伝子だけを保存して、未来にクローンとして蘇らせる。
あるいは、脳の中の記憶や人格などを完全に記号化してコピーし、
遠い将来、人工知能として蘇らせるなどです。
ただ、これだと「亡くなった人物 個人」が蘇ったとは言いにくいでしょうし、
本来の目的とは違うことになってしまうのかもしれません・・・うーん、難しい。
ということで、今回はこのへんで。








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コメント
 「ウルトラクイズ」の優勝賞品がコールドスリープ権だった年を思い出しました。子供心に「いや無理だろ、ていうか嬉しくねえ!」とツッコんだ記憶があります。同じ「蘇生技術」のカテゴリと言えますが、クライオニクスも同じぐらい望み薄な印象だなあ。あとは時間停止系・・・もっと望み薄かw
 最後のパターンは、昔の特撮だとちょいちょい出てきます。死亡した親や開発者の人格をコピーしたAIが主人公をサポートする的な。うーん、確かに「蘇生」とはちょっと違いますね。
| 2018.01.25 19:05 | 編集
コメントありがとうございます
自分はこのクライオニクスはさすがに無理なんじゃないかと思います
どれだけ未来にいっても、一度死んだ者を蘇らせるのは不可能な気がするんですが
まあ、お金持ちの人がこういう形で夢を買うのはありだとも思います

映画のプロメテウスでは、不治の病におかされた大金持ちのウェイランドが
少しずつコールドスリープをくり返しながら
永遠の生命を得るために人類をつくり出した宇宙人に会いに行く
という筋書きでしたね
bigbossman | 2018.01.25 23:38 | 編集
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