安倍マリオと地球空洞説

2018.02.04 (Sun)


変な題名ですが、今回はこのお話をしてみたいと思います。
早いものでリオ オリンピックはもう一昨年のことになりましたが、閉会式で、
安倍首相がマリオに変身し、ドラえもんが作った土管で地球の中心を抜けて
リオの会場に飛び出してくるというPR映像が出ていました。
あれって、本当にできるんでしょうか?・・・まあ、できませんよね。
できないんですが、考えてみるのは面白そうです。
(自分が計算機片手に思考実験しましたが、間違いがあるかもしれません。)

まず、地球の直径は12742km、これに土管を通すことができるか。
地球の内部の上のほうは、地殻という岩盤になっています。
この厚さが、だいたい30~40kmほど。検索してみると、
青函トンネルの長さは53.85km・・・おお、なんか掘れそうな気もします。

ですが、水平方向にトンネルを伸ばすのとは違って、
下向きに掘れば掘るほど、温度と圧力は高くなっていくはずです。
ちなみに、これまで掘られた最も深い穴はロシアで約12km。
このときの内部温度は180℃だったそうです。



まあでも、なんとか地殻を突破できたとしましょう。
その次にあるのはマントル、どろどろに溶けた岩石と金属の層です。
上図を見てもらえばわかりますが、温度はその上部で1000℃、
地球中心部で6000℃程度になります。(上図は華氏)
これは太陽の表面温度と同じくらいですかね。

うーん、アメリカのスペースシャトルが地球に戻ってくる大気圏再突入では、
表面の耐熱タイルは1500℃ほどになるそうです。また、日本の人工衛星、
「はやぶさ」が帰還したときには、機体の温度は3000℃まで上がりました。
では、6000℃に耐えて、しかも中の人間が無事な土管は作れるのか・・・

次に圧力を見てみましょう。地球の中心部にかかる圧力は360万気圧、
これは途方もない数値です。日本が誇る深海探査船、「しんかい6500」が
耐えられる圧力が700気圧・・・これはダメですね、文字どおりケタが違います。
温度のほうは何とかなる土管が作れたとしても、
圧力で一瞬のうちに消えてなくなってしまうようです。

ま、普通はここまで考えて終わりなんでしょうが、それだと夢がないので、
日本からブラジルのリオまで届く土管が作れたとします。
では、その中に飛び込むとどうなるのか?
これ、内部に空気があると摩擦熱で燃えてしまう上に、衝撃波も発生するので、
中は真空にするしかないでしょう。真空には熱を伝えない利点もあります。
安倍マリオには酸素ボンベを背負い、宇宙服を着てもらいましょう。
また、地球の自転の影響は無視します。

トンネルに飛び込むと、そのまま地球の重力で自由落下していくわけですが、
1分後にマッハ2、3分後にマッハ5、21分後に地球の中心に到達して
マッハ23ほどになります。およそ秒速8000mです。
これが最高速度で、そこからは地球の重力でだんだんに減速していき、
リオに着いたときは速度0になっているはずです。
日本ーリオ間の到達時間は21分の2倍、42分です。

ここでまた問題があります。人間の体ってこのスピードに耐えられるんでしょうか?
検索してみましたら、スカイダイビング競技で、
パラシュートを開かないフリーフォール中にマッハ1を超えた人はいるようです。
それでもせいぜい、秒速にすれば350mくらいです。
うーん、まあ、安倍首相は超人なので耐えられることにしましょう(笑)。

ということで、ここまで見てきたかぎり、最大の問題は地球内部の圧力、
これに耐える土管を作るのは、どうやっても不可能でしょう。
しかし、もし地球の内部が空洞だったとしたら?
これ、昔からオカルトで言われている、
「地球空洞説 hollow Earth theory」というやつです。

地球空洞説


みなさんは、「ハレー彗星」という言葉を聞いたことがあると思います。
イギリスの天文学者、エドモンド・ハレーが回転周期を発見したので、
彼の名がつけられているんですが、このハレーさん、実はオカルトの人で、
「地球空洞説」を大真面目に発表しているんですね。
彼によれば、地球内部には空気の層があって明るく、
人間の居住が可能だろうとなっています。

また、スイスの数学者、レオンハルト・オイラー。
天才というしかない頭脳の持ち主でしたが、彼も地球空洞説論者でした。
地球の内部の中心には太陽があり、高度な文明が発達しているという説です。
フランスの小説家、ジュール・ベルヌは『地底旅行』で夢のあるSFを書きました。

現在から考えれば、トンデモの極地のような地球空洞説ですが、
ハレーは17世紀、オイラーは18世紀、ベルヌは19世紀の人です。
当時の科学水準では、これも立派な仮説として認められていました。
空洞説が完全に否定されたのは、20世紀になってからのことなんですね。

さてさて、もし地球の内部が空洞で気圧も地上と変わらないなら、
安倍マリオはリオに行けるのかもしれません。
しかし、さすがにそうではないので、高速のジェット機で行くなどの現実的な方法を
考えたほうが、費用対効果の面でもよさそうですね。
マッハ2の速度の個人用ジェットで、リオまで最短距離で直行するとすれば
だいたい15時間ほどじゃないかと思います。

関連記事 『地球平面説について』








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