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オカルトとエイプリルフール

2018.04.01 (Sun)
「宇宙空間における膨張運動とゾウリムシの体細胞運動が99%以上
同一であることを、英オックスブリッジ大学の研究チームが発表した。
生物学と物理学を結びつけるとともに、宇宙の起源に迫る重要な手がかりとして、
今後大きな波紋を呼びそうだ。論文は英科学誌「フェノメノン」に掲載される。」


4月1日にちなんで、今回はこういうお題でいきますが、
内容は別にエイプリル・フールではありませんので、ご安心下さい。
ちなみに、上記の引用記事は、イギリスのオンライン新聞の
今年のエイプリル・フールネタで、もちろん事実ではありません。

さて、オカルトはいったいどうやって発生するんでしょうか?
これはじつに多種多様、さまざまなでき方をするんですが、
その中で、自分が最も多いんじゃないかと前々から考えていたのが、
欧米の「タブロイド新聞 (Tabloid)」を起因とするものです。

タブロイド新聞は、映画の『メン・イン・ブラック』で、
主人公らが街頭で買うシーンがよく出てきていましたが(下図)、
あれは、「この映画の内容はタブロイドだよ」と観客に伝えてるんですね。
タブロイド新聞は、小さな判の、冊子状になった新聞で、
内容は、センセーショナルな事件報道やゴシップ報道が中心です。



これらは、全国的に発売されているものもあれば、
地方だけで発行されているのもありますが、題字が赤いことにちなんで
「レッドトップス (Red tops)」と呼ばれ、犯罪やスポーツ、性、
ゴシップ記事などを、基本的には、虚報も交えて扇情的に報道することで
部数を獲得する編集スタイルを貫いています。
そのため、名誉棄損で訴えられるケースも少なくありません。

これ、日本だと「東京スポーツ」に近いという人もいますが、
「東京スポーツ」は、さすがに写真や記事の内容を捏造することまでは
しませんよね。ところがタブロイド新聞は平気でそれをやるので、
これらから生まれたオカルトは枚挙にいとまがないほどなんです。
ためしに「Tabloid occult」 「Tabloid aliens」で画像検索してみて下さい。

自分が前に書いた、「生き残るオカルト」という記事では、
「フランスで地下トンネル工事をしていたところ、岩を砕いた際に、
中からなんと生きた翼竜が出てきた」という話をご紹介していますが、
これは、「イラストレーテッド・ロンドン・ニューズ」という
タブロイド新聞の記事が元になって生まれたものです。 
 関連記事 『生き残るオカルト』



さらに、特にヨーロッパでは、4月1日のエイプリル・フールには、
ふだんは真面目な内容の新聞・雑誌も、その手の記事を掲載し、
これは多人数が読み、また、タブロイドよりも信じる人が多いので、
オカルトの発生源になってしまうんですね。

さて、エイプリル・フールで生まれた最も有名なオカルトは、
下の画像です。これについて、現在流れている情報は、「1950年頃、
西ドイツのケルンの新聞に掲載されたもので、メキシコシティー
付近に墜落したUFOから発見された宇宙人だとされる」という内容です。



世界中のUFO研究者が調査したんですが、なかなか
情報源がわかりませんでした。しかし現在では、1950年4月に、
ドイツはケルン市の週刊誌「Neue Illustrierte ノイエ・イルストリーアテ」
の創刊号に掲載された、エイプリルフール記事であることが判明しています。
これについては、次のサイトがたいへんわかりやすくまとめてありましたので、
興味を持たれた方は参照なさってみてください。 「UFO事件簿」

さて、1938年、アメリカのラジオ放送局が、映画監督、俳優の
オーソン・ウエルズを起用して放送した、H・G・ウェルズ原作の
『宇宙戦争』を、実際に起きている出来事と勘違いした市民の間で
パニックが起きたとされます。2人のウェルズが起こした事件ということで、
ウディ・アレン監督の映画『ラジオ・デイズ』でも取り上げられていますね。

これは、エイプリル・フールの放送であったと考えている人も多いんですが、
実際は10月のハロウイン期間の企画でした。この事件に触発され、
宇宙人物は、エイプリル・フールのネタとして定番になっていきますが、
最近はマンネリ化してきてもいます。

さてさて、これらのフェイク記事には一定のルールがあります。
まず、これはフェイクだよとわかるヒントを、
記事の中のどこかに隠しておかなくてはなりません。上記の宇宙人ネタの場合、
宇宙人の手を取っている軍人の名前が、D・Ussel軍曹というのは、
ドイツ語で赤ちゃんを意味するDusselを表しています。

また、ネタにする内容は「誰もが思わずニヤリとするような、
一読して嘘とわかる、洗練されたユーモアを持ったもの」でなくてはなりません。
ですので、エイプリル・フール記事を掲載する新聞・雑誌は、
会社の知識を総動員して、かなりこったネタを仕掛ける場合が多いんですが、
残念ながらギャグが滑ってしまうこともあります。

ただし、このところ、「フェイクニュース」についての社会の目が厳しくなって
きているので、北欧などの新聞社はエイプリル・フール記事をやめてしまいました。
まあでも、のべつまくなしに虚偽情報を垂れ流すならともかく、
4月1日くらいはいいんじゃないかと自分は思ってます。では、今回はこのへんで。

 「Tabloid aliens」で画像検索して出てくるもののほんの一部






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