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亀乃の怖い話の話

2018.04.11 (Wed)
この間、タロット占い師のGさんのことを書きましたが、そのGさんから
紹介されて、高校2年生のお嬢さんと、大阪市内のホテルのロビーにある
喫茶室でお会いしました。仮にNさんとしておきます。
「どうも、星占いをやってるbigbossmanです。よろしく」 
「こちらこそ、よろしくお願いします」 「なんでも、怖い体験をなさったそうで」 
「はい」 「どんなことでしたか?」 「私、bigbossmanさんのやってるブログの
 読者なんです」 「あ、それはありがとうございます」
「それで、影響を受けてっていうか、自分でも怖い話を書いてみようと思って、
 ブログを立ち上げたんです」 「ははあ、そういう形でオカルトが広まって
 いくのはうれしいですね」 「それで、書いてみると、やっぱり難しいです。
 ネットで見たことがあるようなものしかできません」

「最初はそれでいいと思いますよ。何事もマネから入るのが基本でしょうから。
 何話くらい書いたんですか?」 「ええと、まだ7つです。今、8つ目の話を
 書いてるんですけど、今回の相談はそれに関係があるんです」
「というと?」 「私は1日に一つの話なんて書けないから、
 何日もかかるんです」 「はい」 「で、今の話は4日前から書いてるんですが」
「どんな内容です?」 「女の子が、ゴミ収集所から人形を拾ってくる話です。
 それから怖いことがたて続けに起きていく・・・」 「よさそうじゃないですか」
「それが、話の中だけじゃなく、私自身に怖いことが起こって・・・」
「ははあ、どんな?」 ここで、Nさんはカプチーノをぐっと飲むと、
「その拾った人形、日本人形なんです。舞妓さんみたいな」 「はい」
「人形の名前もあるんです。亀乃っていう」 

「・・・Nさんが自分でつけたわけでしょう」 「そうなんだけど、でも、
 亀乃って変じゃないですか。古くさいっていうか」
「まあそうですね」 「けど、人形の名前を考えてたら、
 頭の中に亀乃が浮かんできて、もうそれしか考えられなくなって」
「うーん、話の中の女の子がつけた名前なんですよね。たしかに古風ですけど、
 昔に実際にありそうな名前ですよ」 「それで、少しずつ書いていったんです。
 私は、まずパソコンのメモ帳に書いてからブログにアップするんですけど、
 途中まで書いたのが、どうやっても保存できなかったんです」
「いつもはできるのに、ってことですよね」 「はい」
「それでどうしました?」 「私が何か操作を間違えてるかもしれないと思って、
 中2の弟を呼んだんです」 「はい」 「そしたら、すぐ保存できました。

 そのとき、弟に書いてる内容を読まれて、姉ちゃん、幽霊の話とか書いて、
 そんなの信じてるのかってバカにされました」 「ああ、まあしょうがないです。
 オカルトの道は偏見との戦いですから」 「・・・それで、翌日も続きを
 書いたんですけど、そのときはすごくスラスラ書けたんです。
 頭の中に次々に筋が浮かんできて」 「はい」 「で、半分くらいまで書いて
 保存したんです」 「できたんですか?」 「ええ、あっさり」
「で?」 「その日は、それから学校の宿題をやって、友だちとメールしたりして、
 12時過ぎに寝ました。私、いったん寝ると朝まで起きないし、
 夢も見ないんですけど、そのときは嫌な夢を見て起きちゃったんです」
「どんな夢?」 「時代劇みたいな夢でした。赤い布団が積んである、
 せまい部屋にいて、人形を抱いて泣いてる夢です」

「その人形が亀乃?」 「そうです」 「時代劇っていうのは?」
「私、着物を着てたんです。薄い赤い着物」 「はい」 「それに、髪も
 日本髪みたいになってて」 「鏡を見たんですか?」 「いえ、触った感じで」
「で?」 「あと、自分はもうすうぐ死ぬんだ、ってそういう気持ちになってて、
 それで亀乃を抱きしめて泣いてたんです」 「なんで死ぬんです?」
「わかりません」 「ああ、すみません、続けてください」
「それで、目を覚ましたら、涙が出て枕がぐしょぐしょになってて。
 枕元のスマホを見たら、時間は夜中の3時過ぎでした」 「はい」
「いったん電気をつけて、ベッドに座ってウエットテイッシュで顔を拭いてたんです。
 そしたら、急に部屋のドアが開いて・・・」 「開いて?」
「パジャマを着た弟が入ってきたんです。手にペットボトルを持って」

「弟さんとは別の部屋なんですね」 「そうです。部屋に鍵かけたりしてないから、
 入ってくるのはよくあるんですけど、弟はそのとき白目をむいてました」
「で?」 「歩き方も、映画に出てくるゾンビみたいに、ふらふらよろよろして」
「で?」 「私の机にパソコンがあるんですけど、その脇に立って、
 パソコンのフタを開けました。で、ペットボトルのジュースをかけようとしたんです」
「で?」 「あんた何すんのよ!って言って、突き飛ばしたんです。そしたら、
 そんなに力を入れてないのに、弟は大きく飛んで本棚に頭をぶつけました」
「で?」 「倒れた弟はかたく目をつぶったまま、こう言ったんです」
「何と?」 「亀乃を外に出すな、って」 「?? どういうことですか?」
「わかりません」 「で?」 「弟がそのまま動かなくなったんで両親を起こしました。
 父が揺すったら弟は目を覚ましましたが、大事をとって病院に連れてかれて」

「はい」 「私はついていかなかったんですけど、レントゲンを撮っても
 異常はなかったみたいで、家では寝ぼけたんだろうってことになりました」
「弟さんは、そのときのことを覚えてたんですか?」 「いえ、それが何にも。
 私の部屋に入ったこともわかってなかったです」 「うーん、亀乃を外に出すな、
 ですか・・・不思議ですねえ。Nさんにその話を書くなってことなのか、
 ちょっとわからないです。あ、そうだ、パソコンは無事でしたか?」
「水はちょっとしかかからなかったんで、故障はしてませんでした。でも、
 保存してデスクトップに入れてたメモはどこにもなくなってて」 
「・・・消えたってことですね」 「ありえないですよね」 「いや、自分も
 その手のことは経験してます。心霊系の画像を収集してますが、ときたま、
 どっかに消えちゃうものがあるんです。だから、信じますよ。で、その後は?」

「怖くなってきたんで、もう話を書くのやめようかとも思ったんですが、
 それも悔しいんで、昨日、いちから書き直したんです。内容はほとんど覚えてましたし」
「うーん、また消えるかも」 「だから、書き終わったらすぐプリントアウトしようと
 考えました」 「ああ、なるほど」 「それで、書いてる間は何事もなくて、
 途中までのもプリントしました。それを机のパソコンの上に置いて・・・bigbossmanさん、
 大阪市内なんですよね?」 「ええ。それが?」 「昨日、雷が鳴ってましたよね」
「ああ、そうです、夜中に」 「あれ、私のうちの近くはすごくて、
 あんまり寝られなかったんです」 「はい」 「それで、ベッドで本を読んでると、
 ビターン、ビターンって音が外でしてきて」 「で?」
「窓からのぞいてみたんです、そしたら」 「そしたら?」
「うち、ネットは光回線を壁に穴を開けて引いてるんですが、その線がゆるんでて、 
 
 壁にあたってたんです」 「その音ってことですか。たしかに風も強かったですけど」
「そのときに稲妻がビカって光って、それで、屋根の上に人がいるのが見えたんです」
「で?」 「着物を着た女の人でした。その人が後ろ向きで光回線をつかんで、
 壁に打ちつけてたんです」 「・・・・」 「で、ふっと動きを止めると、
 私が窓から見てるのがわかるみたいに、こっちを見て」 「で?」
「暗くてはっきりはしなかったんですけど、それ私の顔だと思いました」 「う」
「着物を着た私が、屋根の上で雨に濡れながら線を揺さぶってたんです」 「で?」
「またピカッと光って、雷がドーンと」 「家に落ちた?」
「いえ、私の家ではなかったみたいでした。でも、屋根全体が青白く光って・・・
 机の上のパソコンが発火したんです」 「ええ!?」
「あわてて、枕を押しつけて消したんですけど、完全に壊れちゃったし、

 上に置いてた怖い話のプリントも燃えちゃったんです」 「うーん、すごい。
 Nさんが思いついた話がネットに出るのがよほどマズイってことでしょうか。
 それ、いちからNさんが作った話なんですよね。どっかから聞いてきたんじゃなく」
「ええ、そのはずなんですけど、ただ、前に言ったように、亀乃なんて名前を
 思いつくのが変だし」 「とにかく、その話はもう書くのをやめましょう。
 そうすればおそらく、異変も収まると思います」 「ええ、そうします」
「その後は?」 「今朝です。家の軒下にこれが落ちてました」Nさんがそう言って
バッグから取り出したのは、真っ黒に焼け焦げた日本人形らしきもの・・・
「亀乃ですかね」 「たぶん」 「自分が預かってもいいですか?」 「お願いします。
 怖いんで、そうしてもらおうと思って持ってきたんです」Nさんには、念のため神社での
お祓いを勧めました。顔もわからない人形の残骸は、今、自分の本棚の上にあります。

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