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殺人光線について

2018.07.06 (Fri)
中国が現在生産を計画しているのが、レーザー・アサルト・ライフル「ZKZM-500」。
これは800m先から標的を狙え、照射された可燃物は燃え、
人間は皮膚を炭にされてしまう恐ろしい武器なのです。

攻撃可能なレーザー・ビームを作るのは、軍事開発が何年も夢見た技術でした。
それが近年、アメリカ軍は船や車両に搭載する巨大レーザー砲の開発に成功。
ドローンなどを撃ち落とすことが出来るようになりました。とはいえ個々の兵士が
所持できるレーザー銃なんて、SF映画でしか実現できないような存在だったのです。

ところが、中国科学院の西安工学精密機械研究所の研究者たちから話を聞いたところ、
彼らは警察が対テロリスト用に持つ強力なレーザー銃を開発したようです。

(YAHOOニュース)



今回は、科学ニュースからこのお題でいきます。レーザー銃ということですね。
自分が子どもの頃、光線銃というのがあって、買ってもらって遊んだ記憶がありますが、
現在でもああいうのは売ってるんでしょうかね。レーザー兵器というと、
映画『スターウォーズ』シリーズのレーザー・ブラスターが有名ですが、
あれが現実のものになったんでしょうか。

下の画像が実物のようですが、おもちゃのような外観ですよね。
重量は3kgということで、一般的なアサルトライフルと変わりません。
画像を見るかぎり、ほとんどがバッテリーの重さのようです。
このバッテリーはリチウムイオン電池で、
2秒間の射撃が1000回撃てる長寿命となっているそうです。

ZKZM-500
ダウンロード

また、制作費は1丁につき166万円ということで、
現在、日本の自衛隊が使用している自動小銃が30万円くらいなので、
高いといえば高いですね。ただ、普通の銃は弾丸の値段もありますし、
充電する電力代と比べてどうなんでしょう。

さて、レーザーについて。英語で「laser」ですが、これは、
「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation」
(輻射の誘導放出による光増幅)を略したものです。
では、レーザーとはどのようなもので、どんな利点・欠点があるのか。

太陽光などの可視光線を含むすべての電波は、波の性質を持っているのは
ご存知だと思います。波には波長があり、波の高いところ(山)と、
低いところ(谷)があります。太陽光などは、
さまざまな波長の電波の混合なので、山と谷がバラバラですが、
この山と谷がそろっている光をコヒーレント光と言います。



で、レーザー光は、気体や結晶などのレーザー媒質を通すことで、
人工的に山と谷をそろえて増幅された光で、長距離でも拡散せずに飛びます。
風や重力の影響もほとんど受けません。このような性質から、
DVDのレーザーディスクなどの工業製品、また医療などにも使われていますね。

さて、レーザー兵器に関して、アメリカが一番進んでいると考えられています。
2014年、アメリカ海軍はペルシャ湾で、輸送揚陸艦「ポンス」に搭載した
新開発のレーザー砲「LaWS ロウズ」の発射実験を行い、
無人機や小型船を破壊することに成功し、映像を公開しました。

LaWS


これにかかる電力は15~50万ワットほどと推定されています。
また、低出力で使用すれば、敵の兵士の眼を幻惑させる
非致死的兵器としても使えるとしています。アメリカ軍は、2020年までに、
艦隊や航空機にレーザー兵器を導入する計画を立てているようです。

では、レーザー兵器には欠点はないんでしょうか?
これは、まず一つには、光ですから直進性があります。つまり、そのままでは、
地平線・水平線を越える場所をねらうことができないんですね。
ただ、その解決法はあるような気がします。

もう一つは、高出力のレーザーをつくるには、高出力の電源が必要ということです。
そのような電源は重くかさばるので、ハンディな銃に使用するのは
無理があると考えられてきました。ですから、この中国のレーザー銃も、
威力はそうたいしたことがないんじゃないかと思います。

中国政府も、これは軍用ではなく、暴動鎮圧用、または対テロリスト用の
非致死的兵器と説明しています。暴れている人間を撃って「あちちち」と言わせる。
あるいは、持っている紙製のプラカードを燃やす。
とはいえ、目にあたれば失明するでしょうし、可燃性の服を着たりしていた場合、
全身が火につつまれるなんてこともなくはないでしょうね。

さて、話変わって、旧日本軍が第二次世界大戦中に、光線兵器を研究していたのは
ご存知でしょうか。ただし、当時はまだレーザーの概念は一般的ではありませんでした。
そこで、考えられたのは「マイクロ波」を使ったものです。マイクロ波というのは、
電子レンジに使われている波長のごく短い電波です。

研究は、帝国海軍の伊藤庸二大佐を中心に、「Z研究」として進められました。
1944年、海軍技術研究所島田実験所において、出力500万ワットの
「マグネトロン1号実験機」が完成し、レーダーの撹乱実験や、
ウサギなどの実験動物に対する照射も行われました。

伊藤庸二海軍技術大佐
ito (1)

ですが、この電力は、当時の駆逐艦2隻分の発電力を上回るものであり、
実用化するのはとうてい非現実的でした。そのうちに戦局はどんどん
日本軍の不利になっていって、研究は途中で中断、放棄されてしまったんですね。
(原書房1976年 『機密兵器の全貌』より)

さてさて、中国は全体主義の国ですから、国家が必要と考えた科学研究には、
優先して潤沢な資金を投入することができます。ですので、
人類全体にとって危険な破壊兵器が、秘密裏につくり出される可能性も十分考えられ、
自分は怖いなあと思っています。では、今回はこのへんで。

関連記事 『中国科学の脅威』






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