阪急宝塚線2

2013.11.05 (Tue)
その日は朝方に家庭のちょっとしたごたごたがあり、家を出るのが遅くなって、
いつもの通勤急行に乗れず、2本遅らせてしまった。
こんなことはここ何年もなかったんだが、会社の始業にはなんとか間に合うだろうと思っていた。
途中乗車なんで座れないのはいつものことだ。

池田駅を通過したあたりで、
目の前でくたりと寝ていたOLが急に目を見開いて立ち上がったので驚いた。
ザダッという音がして、そのOLだけでなくイスに座っていた乗客がみなそろって立ち上がったのだ。
乗客はいっせいにくるりと車窓のほうを向き、直立不動の姿勢をとった。
自分のまわりで立っていた乗客も同じだった。

何事かと思っていると、乗客たちは完璧に同じタイミングで右の車窓に向かって2礼し、
パンパンと力強く2拍手した。
そして最後に一礼して、イス席の客は座り立っている客はバラバラに向きを変えた。
窓の外に有名な神社とかがあるわけじゃなく、いつもの見慣れた街並みだ。
自分はあっけにとられていたが、
前のOLがとがめるような目で自分を見た。他の乗客も自分のほうをうかがったり、
低い声で非難の言葉をささやき合っているようだ。

今のは何なんだ?
何も悪いことをしていないはずなのに、なぜかいたたまれない気分のまま、
電車はやっと梅田に着いた。
降り際、ホームに足を着いたときにぐぎっという音がして足首をひねってしまった。
足首を押さえて立しゃがみこんだ自分の後ろから、さっきのOLが追い越しざまに、
「ほら、バチが当たったんだよ」と言い捨てて、
足早に改札へと向かっていった。

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