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宇宙での身長・体重

2018.07.22 (Sun)
現在国際宇宙ステーションに滞在中の我らが日本人宇宙飛行士、
金井宣茂さんから届いた「重大な報告」に全世界から熱い注目が集まっている。
金井さんのツイートいわく「宇宙に着いてから身長が9センチも伸びていた」そうで、
「たった3週間でニョキニョキと」こんなにも伸びたのは、
「中高生のとき以来」だとのこと。
(ネイチャー)

国際宇宙ステーション


ちょっと古い話題ですが、今回はこういうお題でいきます。
まずこのニュースですが、その後、訂正が入りましたよね。ロシア人の
国際宇宙ステーション船長が、「いくらなんでもそんなには伸びない」と疑問を発し、
再計測してみたら、じつは2cmしか伸びてなかったんですね。

それでも、無重力空間で身長が伸びることはまちがいないでしょう。これは、
地球の重力から開放され、脊髄の骨と骨の間にある椎間板が伸びるからですね。
それと、地球上ではS字に湾曲している背骨も真っ直ぐになる。
あれ、もしかしたら、椎間板ヘルニアなんかの治療に役立つかも。

しかし、わざわざそのために無重力装置に入るというのも、
現状では難しいでしょう。また、宇宙に出かけたら必ず身長が伸びるというわけでも
ありません。これはあくまで無重力状態での話で、
もし地球よりも重力が大きい星に滞在したとしたら、
上から押しつぶされて、身長は縮むことになってしまいます。

金井宇宙飛行士


それでも、身長が伸びるなら無重力空間で生活したい、
と思われる方もいるかもしれませんが、残念ながら地球に帰れば元にもどってしまいます。
あと、無重力状態の中にずっといると、骨密度が低下して
骨粗鬆症のような状態になったり、筋力や視力も低下することがわかっています。

では、無重力の国際宇宙ステーション内で、どうやって身長を測っているんでしょうか。
これ、特別な身長計というのは持ち込んでいないそうです。
国際宇宙ステーションでは、スペース確保のため、不必要なものは一切置かれていません。
身長を測るのは、特に必要とされることではないんですね。

で、身長の測り方は、まず壁に背中をぴったりくっつける。その上で、
仲間に頭の上と足の下に印をつけてもらい、その間の距離をメジャーで測定する。
唱歌の「5月5日のせいくらべ」に出てくるのと同じやり方ですが、
この方法だと、誤差が出てくるのはしかたなさそうですね。

さて、金井宇宙飛行士は身長が180cmと、日本人としては長身ですが、
宇宙飛行士になるのに、身長の制限ってあるんでしょうか。
これはあります。国際宇宙ステーションの搭乗者募集要項を見ると、
身長は「158cm以上190cm以下」になっています。

うーん、これだと、日本人の女性では基準に達しない人もかなりいそうですね。
あと、宇宙服を着て船外活動を行うには165cm以上の身長が必要、
という補足も書いてあります。とすると、もし160cmの人が
国際宇宙ステーションに入っても、船外活動はできないことになります。

船外活動


みなができることをやらないというのは、負い目になるでしょうし、
実質的には、身長165cmが宇宙飛行士として国際宇宙ステーションに
入るための下限なのかもしれません。ただ、これらのことは、将来的には、
装置や設備の工夫改善で克服できるはずです。

それと、身長には上限もあり、現在使われているソユーズロケットでは、
190cm以上の身長の人は、頭を強く打つ可能性があるからとのことです。
この他にも、矯正視力が1.0以上、血圧が140以下とか、
宇宙飛行士になるための身体的条件があるようです。

さて、じゃあ、体重のほうはどうなんでしょうか。その話の前にまず、
「重さ」と「質量」の関係を考えてみましょう。
重さ(重量)は、物体に作用する重力のことです。例えば月の重力は地球の
1/6ですから、地球上で体重60kgの人は、月面上では体重10kgになります。

重さと質量


それに対し、質量のほうは物の動かしにくさ(慣性の大きさ)です。
ただ、地球上では重さと質量はだいたい同じですから、
直感的に理解しにくい。うーんそうですね、例えば、無重力の中に、
同じ大きさの発泡スチロールと鉄の玉が浮かんでいる。これを指先でちょんと
押してみると、鉄の玉のほうが動かしにくい。

これが質量ということです。え? かえってわかりにくい・・・そうですか。
で、宇宙空間で、身長とちがって、体重を測ることは必要です。
宇宙飛行士の健康状態に直結する指標だからですね。宇宙空間でいう体重は、
質量のほうです。では、どうやって質量を測っているのか?

無重力状態でのファッションショー


かつては、上で書いたように、無重力状態の人を押したときの初速を測って
質量を出していたようですが、これだと誤差が大きいので、
現在では、特殊なバネつきの板でできた質量計が、
国際宇宙ステーション内に持ち込まれています。(下図)

このバネ量りに乗ると、バネは伸び縮みをくり返しますが、
その周期を測って、加速度を計算して質量を割り出すもののようです。
これはバネ定数が一定だからできるんですね。この他に、日本では、
強力なゴムひもを使った宇宙質量計が考案されています。

さてさて、じゃあ宇宙旅行をすると体重が減ってダイエットになるのか?
これはどうなんでしょう。無重力の中では特殊な食べ物、飲み物をとりますし、
プライベート空間もないので、やせる人が多いかもしれませんね。
では、今回はこのへんで。

国際宇宙ステーションの質量計





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