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癌にならないしくみ

2018.08.17 (Fri)
ゾウはガンになりにくいことが知られており、
科学者たちはその仕組みを解き明かそうと長年研究を続けてきました。
シカゴ大学の研究者たちによる最新の論文によると、
ゾウは死んだ遺伝子を復活させて「ガン細胞を殺す」という
タスクを割り当てることで、腫瘍を破壊するという驚がくの
メカニズムを有していることが明らかになっています。
(AFP)

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今回は、科学ニュースからこのお題でいきます。
象の寿命はアフリカゾウとアジアゾウで違いがありますが、
だいたい50~70年くらいとされます。その中で、癌で死ぬ個体が
極めて少ないことは以前からわかっていました。

まったく癌にならないというわけではなく、癌での死亡率は5%ほどと
見られています。これは人間よりは圧倒的に少ないですよね。
日本人は現在、2人に1人が癌にかかり、3人に1人が癌で死ぬとされています。
癌が増えたのは、それだけ高齢者が増えたからです。

癌は基本的に、遺伝子の異常によって起こります。
細胞内の遺伝子が、発癌性物質や老化によって異常な変異を起こし、
まるで自分の意志を持っているかのように、
本体に制御されない自律的な増殖を行うのが癌細胞です。

そう考えれば、細胞の量が多ければ多いほど癌になりやすいと言えますよね。
細胞が多いとそれだけコピーエラーをする確率が上がる。実際、そのことは
犬では確かめられています。例えばチワワとセントバーナードでは、
見た目も体の大きさもかなり違いますが、持っているのは同じ犬の細胞です。

さまざまな犬種
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で、小型犬よりも中型犬、中型犬よりも大型犬のほうが、はっきり癌にかかりやすい。
これは人間も同じだと考えられます。細胞量と癌の関係についての人間での研究は
スウェーデンで行われ、記録を分析した結果、身長が10センチ高くなるごとに、
女性では乳がんリスクが20%上昇し、悪性黒色腫(メラノーマ)のリスクは
男女ともに30%も増えることがわかりました。

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あと、これは癌だけのことではありませんが、アメリカの研究では、
身長が1cm高くなると、0.47~0.51年の寿命の短縮があるという
統計結果が出ています。身長が175.3cm以下の男性は、
身長が175.3cm以上の男性グループに比較して寿命が4.95年長く、

身長が170.2cm以下の男性は182.9cmの男性より
7.46年長生きするという報告もあります。
低身長のほうがかなり寿命が長いんですね。
うーん、10cmで7年以上も違うというのは驚きの結果です。

また、身長が120cm以下のラロン低身長症候群の人は、
ほとんど癌にならないと言われます。あと、東洋の巨人と言われたプロレスラーの
ジャイアント馬場さんは、たしか60歳で大腸癌で亡くなられてますよね。
その他にも大腸癌は長身の人に多い印象があります。
自分も身長は高いほうですので、気をつけていきたいと思います。

さて、象は細胞量が多いのになぜ癌になりにくいのか。これは、遺伝子変異が起きた
細胞を殺すためのタンパク質「p53」を持った遺伝子のコピーバリエーションが、
人間には2つしかないのに対し、象は38個もあるからだそうです。
それを使って、癌になりかけの細胞ができたら殺していく。細胞量が多くても
癌になりにくい体内システムを、生まれながらにして持っているわけです。

この他、癌になりにくい生物としては、前に一度ご紹介したハダカデバネズミの仲間が
知られています。ここでは詳しくは説明しませんが、
ハダカデバネズミは、象とはまた違ったシステムを持っていて、
細胞の癌化を防いでいるんですね。

ハダカデバネズミ
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あと、「トカゲのしっぽ切り」などという慣用句がありますが、
イモリやトカゲなどは、再生能力が異常に高く、足や尾を切られても、
短期間でまた生えてきます。このとき、猛スピードで大量の細胞分裂が起こりますが、
それによって癌化が起きることはほとんどないようです。イモリの仲間は、
強力な発癌物質にさらしても、癌そのものを移植してもなかなか癌にならない。

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さて、少し話を変えて、 iPS細胞というのがありますよね。
ノーベル賞受賞の山中伸弥教授がつくり出した万能細胞で、髪の毛一本から、
理論的には、その人のさまざまな臓器や組織をつくることができ、
これからの再生医療の柱になると期待されているんですが、

一方で、早い時期から「癌化」の問題が指摘されていました。
iPS細胞でつくった臓器は、増殖が止まらなくなって癌になる恐れがあり、
実際、マウスを使った実験では、体組織に育つ過程で癌になるケースが
多数見つかり、なかなかうまく制御できないんですね。

山中伸弥教授
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これはつまり、イモリは急速な細胞分裂でも癌化をふせぐ機能を持っているが、
人間の細胞は持っていないということになります。
別の見方をすれば、人間の細胞‎には一定年数のうちに癌になることが
最初からプログラミングされていると言ってもいいのかもしれません。

さてさて、では、これらの癌になりにくい動物を研究することで、
人間の癌をふせぐことはできるのか。自分は、これはかなり難しいだろうなあ
と思います。なぜなら、象やイモリが癌になりにくいのは、
長い進化の過程で獲得した体のしくみであり、種族としての特性であるからです。

逆に人間が癌になるのも、もしかしたら進化上で獲得された
一つの「能力」なのかもしれません。こう書くと怒られそうですが、
人間の子育てが終わるのが、だいたい50歳くらいですよね。
そのあたりから癌になる人が増えてくるのは、繁殖がすんだ個体はお役御免。
ジジババは若い個体に道をゆずって、さっさとこの世から退場しなさい、
そのほうが人類全体としては都合がいいという、
あらかじめ定められたシステムなのかもしれない、とも思うんですよ・・・





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