FC2ブログ

進化論と心霊主義の時代

2018.08.26 (Sun)
今回はこういうお題でいきます。カテゴリとしてはオカルト論になるでしょうか。
さて、進化論はご存知だと思います。一般的には、1859年に
チャールズ・ダーウインが『種の起源』を発表した時点が、
現在知られている進化論の始まりとされます。

チャールズ・ダーウイン
hsnsnsnsnsj (2)

ダーウインはそもそもが探検家でした。1831年から1836年にかけて、
ビーグル号で地球一周する航海をおこないましたが、
ガラパゴス諸島などに立ち寄り、世界の各地に、その土地特有の動植物が
生息するのを知って、「種の不変性」に疑問を持つようになりました。

「種の不変性」というのはどういうことかというと、
『旧約聖書』の創世記で、神がすべての動植物を創り、それがそのままの形で
現在に続いているというものです。ですが、ダーウインは、動植物はその地域の
気候などの環境に合わせて変化してきたのではないか、との考えを持ちました。

これは、現在からすれば当然の疑問だと思うんですが、
ダーウイン以前にそういう考えを持つ人がいなかったのは、それだけキリスト教の
影響力が強く、聖書の記述がそのまま信じられていたからです。
それに反した考えを持つことはタブーだったんですね。

ネアンデルタール人の化石人骨
hsnsnsnsnsj (3)

ちなみに『種の起源』発表の3年前、ドイツのネアンデル谷で人骨化石が
発見されました。後にネアンデルタール人と呼ばれるようになるものですが、
このとき、化石について学者の間では議論が分かれ、中には、
「ノアの箱舟の洪水で死んだ人間の骨である」と真面目に主張する人もいたんです。

『種の起源』では、ダーウインは人間の進化には触れていませんでした。
ですが、進化論がだんだんに浸透し始め、賛同者が増えてきた1871年に、
『人間の進化と性淘汰』を発表し、その中で、
人間は異性を巡る競争を通じて進化した、という説を述べています。

さて、ダーウインの進化論は、細かい部分はあれこれ修正されつつも、
大筋では間違いないというのが、世界的な流れだと思います。
とはいえ、現在でも「進化論は根本から間違ってる」とする学説が、
ときおり発表されることがあります。で、その多くがアメリカ発です。

アメリカでは進化論を信じない人が多いんですよね。現在でも、公教育で
進化論を教えるべきかどうかの議論があります。これは、アメリカの建国事情と
大きな関わりがあるんです。イギリスの清教徒たちが信仰の自由を求め、
メイフラワー号で渡ってきたのがアメリカの国の始まりとされています。
そのために、聖書原理主義がひじょうに強い。

アメリカのキリスト教原理主義団体が作ったノアの方舟
hsnsnsnsnsj (6)

一方、ヨーロッパでは、各地でネアンデルータール人、クロマニョン人の
化石が発見され、人類の進化が現実的に考えられるようになりました。
「人間は猿から進化してきた」この考え方は、
それまでのキリスト教の精神支配をかなり弱めたんですね。

で、キリスト教の縛りがゆるむと同時に、キリスト教の専売特許だった
人間の霊魂についても、科学的に研究することができるのではないか、
そう考えた学者が多数出てきたんです。こうしてヨーロッパの心霊主義が
始まったんですが、この当時、心霊は科学と対立するものではありませんでした。
むしろ最先端の科学分野だったと言っていいかもしれません。

ですから、初期の心霊研究を行った人物には、高名な科学者が多数含まれます。
1880年代に、心霊現象研究を行う最初の学術団体として
「心霊現象研究協会」が設立され、それにに参加したのが、
化学者のウイリアム・クルックス、世界的物理学者オリバー・ロッジ、
ノーベル生理学・物理学賞を受賞したシャルル・ロベール・リシェなどです。

シャルル・ロベール・リシェ
hsnsnsnsnsj (4)

で、どのような形で研究が進められたかというと、霊や霊界と交信できる
とする、霊媒たちが行う交霊会を通じてのものが中心でした。
上述のロベール・リシェは、交霊会で目撃した、人体から出る不思議な物体を
「エクトプラズム」と名づけています。また、キュリー夫人なども
交霊会に参加した記録が残っています。

交霊会の様子
hsnsnsnsnsj (5)

ただ、この当時の霊媒には、多くのアバンチュリエが混じっていました。
アバンチュリエは、「山師、詐欺師」と訳されるフランス語で、
主に上流社会に取り入って詐欺を働く人物のことです。
錬金術の昔から、伝統的にヨーロッパにはこの手の人物がたくさんいましたが、
それが霊媒師に姿を変えて、世間ずれしていない科学者たちと交流したんですね。
中には、女霊媒の色仕掛けにコロリと騙された高名な科学者もいます。

さて、現在、ヨーロッパのカトリック勢力は進化論を認めています。
1996年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、
「進化論は仮説以上のものであり、肉体の進化論は認めるが、
人間の魂は神が創造したものである」と述べました。進化論は認めても、
あくまで、霊魂はキリスト教の支配下に置いておくということです。

さてさて、長くなってきたのでそろそろ終わりますが、
「進化論の発表→キリスト教権威の弱体化→科学者の霊魂研究への参入」
この図式で、心霊主義の時代が始まったんです。今でこそ、科学と心霊は対立する
もののように言われますが、当初はそういう構図ではなかったんですね。
では、今回はこのへんで。

hsnsnsnsnsj (1)



関連記事
スポンサーサイト




トラックバックURL
http://scoby.blog.fc2.com/tb.php/1578-b5743ff8
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する