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地震あれこれ

2018.09.12 (Wed)
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今回はこのお題でいきます。ただ、地震とオカルトというと、
「人工地震説」というのが出てきますよね。ある国が、秘密裏に開発された
特殊兵器を使って、実験的に地震を引き起こしているみたいな。
オカルトの中でも陰謀論というカテゴリに入る内容ですが、今回は取り上げません。

さて、地震が最初に史書に出てくるのは、『日本書紀』の允恭紀です。
允恭天皇の5年(416年?)に、ただ「地震があった」という記述が出て、
すぐに別の記事になっています。次が、推古天皇7年(599年)4月27日。
ここには「地動 舎屋悉破 則令四方 俾祭地震神」と書かれています。

推古天皇
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「地が揺れ、建物はことごとく壊れ、全国に勅令を出して、地震神を祭らせた」
注意しなくてはならないのは、日本神話では地震の神というのは、
名前が特定されていないことです。ここに出てくる「地震神」というのは、
海の神や山の神と同じく、一般的な名称なんですね。

古くは地震のことを「なゐ」と言ったので、「地震神」は「なゐのかみ」と
読まれるんだと思います。で、面白いなあと思うのは、この記事の直後に、
「秋に百済の使節が来日し、ラクダ、ロバ、羊、白い雉を献上した」
と出てくることです。『日本書紀』は中国の「天命説」の影響を受けているので、

天変地異が起きるのは、その天皇の徳が至らないため。また、外国から
使節が来て珍物を献じるのは、天皇の徳が周囲に満ちていることを表すことになります。
ですから、相反する内容が続けて出てくるんですよね。
これには何か意味があるのか、それともたんに事実を列挙しただけなんでしょうか?

あと、天武紀には地震の記事が十数回出てきます。
小さな地震も、すべて細かく記録されているようです。これは一つには、天武天皇が
中国式の天文遁甲に通じていて、自ら式盤をとって占いを行っていたため、
特に地震などの天変地異が重視されているんだと思います。

また、天武13年(684年)には、「白鳳地震」と呼ばれる巨大地震が起きていて、
これは、マグニチュード8~9クラスの南海トラフ地震と考えられ、
甚大な被害があったことが記されています。ですから、天武紀に地震の記述が
多いのは、地殻変動の活性期に入っていたためかもしれません。

さて、古代において地震はどのように捉えられていたのか?
これがよくわからないんですね。日本では、地震は「地中にいる巨大なナマズが
暴れ動くため地震が発生する」という話もありますが、
天武天皇の頃に、そういう考え方があったとは、自分は思いません。 

香取神宮の要石
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話変わって、現在の茨城県には鹿島神宮、千葉県には香取神宮があり、
両者は中央構造線をはさんで向かい合うようにして建っていますね。
鹿島神宮の主祭神は武甕槌神(タケミカズチ)、香取神宮は経津主神(フツヌシ)です。
どちらも、国譲りの際に活躍した武神で、剣を擬人化した神格と言われます。

で、この両神宮には「要石(かなめいし)」があります。これは、もともと、
日本列島を「金輪(こんりん)」につなぎとめておくためのものと考えられていました。
金輪は仏教の宇宙観で、この世界の底となる部分のことで、
「金輪際(こんりんざい)=地の底の底」という語の語源になっています。
この話は、神仏習合した平安時代以降に出てきたものでしょう。

仏教的宇宙観


それがいつからか、鹿島神宮の要石は地中の大ナマズの頭を押さえ、
香取神宮の要石はしっぽを押さえているというように伝承が変化していきました。
余談ですが、水戸藩主の徳川光圀が、鹿島神宮の要石の下を掘らせてみたところ、
7日7晩掘っても、石は地下に広がっていたという話があります。

さて、では、いつから「地震は大ナマズが起こしている」という考えが出てきたのか。
これはおそらく、室町後期頃ではないかと思います。豊臣秀吉の手紙に、
「なまつ大事=ナマズ大事」と出てきますが、天正13(1585年)
の大地震を受けて、部下に地震対策を指示したもので、
地震とナマズが結びつけられている最古の文献です。

豊臣秀吉
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この後、江戸時代には、地震とナマズの関係が一般庶民にも広がり、
「鯰絵」が大流行しました。鯰絵は地震から身を守るための護符ですが、
天然痘を防ぐためのものに変化していきます。下図は、鹿島神宮の武甕槌神が、
ナマズの頭に剣を突き刺して押さえている様子を表しています。

「鯰絵」
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ここまでをまとめると、古代には、地震は地震神(なゐのかみ)によって、
起こされるものと考えられていたのが、中世には、仏教や中国からの影響で、
地中にいる竜などが暴れ、金輪を揺るがして起きるものとなり、さらに江戸時代以前に、
ナマスが地震を引き起こすというように変化した、ということのようです。

さてさて、ナマズが地震を起こすというのは俗信ですが、ナマズは地震の発生を
予知できるんでしょうか。ナマズは水中の泥に潜んでいるので、
微弱な振動や電気的な変化を感知できる可能性はあります。かといって、
ナマズが暴れたから近々地震が起きる・・・と、そこまでは言えないようですね。
ということで、今回はこのへんで。




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