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イグノーベル賞2018結果

2018.09.21 (Fri)
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今回はこのお題でいきます。去る9月14日、今年度の受賞者および
受賞研究が発表されています。今回も日本人が受賞しており、
これで12年連続になるのだそうです。うーん、どうなんでしょう。
名誉と言っていいものかどうか。

まず、イグノーベル賞(Ig Nobel Prize)とは何かというと、
「1991年に創設された(人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究)に
対して与えられるノーベル賞のパロディー」とWikiには出てきます。
科学雑誌が始めたもののようですが、現在はアメリカの
大学研究者が中心になって運営されています。

賞金は特になし。年ごとに違う、価値のない冗談みたいな副賞が贈られます。
また、授賞式参加のためのアメリカへの交通費、滞在費は受賞者持ちなので、
受賞しても、式に現れない人もたくさんいるみたいですね。しかもこの賞、
核実験の実施に対してなど、皮肉として授与される場合もあるので、
そういう受賞者が自分から参加することはないでしょう。

「イグ ig」というのは、例えば「ignore 無視する」なんて言葉がありますが、
英単語につく否定的な接頭語です。アメリカは、本家のノーベル賞を圧倒的多数
受賞している国ですが、もらえたかどうかで研究者間の嫉妬や対立などもあり、
本家に対して、複雑な感情があるのかもしれません。

さて、ではさっそく今回の受賞を見てみると、日本人で「医療教育賞」
を受賞したのは、昭和伊南総合病院 内科診療部長、
消化器病センター長の堀内 朗先生。
研究は「座った状態で行う大腸内視鏡検査方法の開発」うーん、なるほど。
でもこれ、自分はけっこう重要なことじゃないかと思います。

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みなさんは、大腸内視鏡検査を受けられたことがあるでしょうか。
自分は2年前、大きな病気したときに、全身検査の一つとして受けまして、
良性のポリープが2つ発見され、内視鏡切除しています。
で、あれ、恥ずかしいし、苦しいですよね。

まず、肛門のところに穴が空いた変な下履きをはくのが恥ずかしいし、
検査は、大きな痛みはないですが、お腹の中に強い異物感があります。
さらに腸を空気でふくらませると、膨満感というのかなんというのか、
じつに嫌な苦しさがあり、検査が終わった後、大量のオナラが出ます。
自分のときは横向きに寝て、ヒザを抱えた状態で検査しましたが、
あの姿勢が本当にベストなのかどうかはわからないですよね。

日本の医療は、検査であれば、まず確実に検査結果が得られること。
次に、重篤な合併症などを起こさないことが重視されます。
これはもちろん大切なんですが、そこで止まってるんじゃないか、とも思います。
ある検査について、「もっと楽に受けることができるんじゃないか」

「もっと羞恥心を持たせないよう検査する方法はないのか」
このあたりの研究が足りない気がします。日本で女性の大腸癌患者が多いのは、
この大腸内視鏡検査を受けるのが恥ずかしいから
受けない人が多いためだ、という説もあるんですよね。

ですから、この研究のように、少しでも楽な方法を模索するというのは、
意味があると思います。堀内先生は、何通りもの方法を自分の体で試して研究し、
一番楽な形として論文にまとめたわけです。堀内先生は授賞式に参加された
ようですが、改めておめでとうございますと言いたいです(笑)。

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さて、イグノーベル賞は年ごとに10の研究に対して与えられるので、
今年は、他にどんな研究があるか見てみましょう。
【医学賞】「ジェットコースターに乗ることによって腎臓結石を取り除く」
なるほど、ビンを振って中に詰まってる物を出す感じですか。理にかなっています。

【人類学賞】「動物園で人間がチンパンジーの真似をするのと同じくらい、
チンパンジーも人の真似をしている証拠を集めた」これはそうでしょう。
人間は気づかないかもしれませんが、猿にかぎらず、動物はすごく人間のマネをしています。
小さい頃から飼ってる犬なんか、自分が人間だと思ってるかもしれません。

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【生物学賞】「ワインの専門家はワイングラスに入ったたった1匹のコバエでも
確実に匂いでかぎ分けることを示した」これ、前に書きましたが、
人間は訓練によってかなり嗅覚を高めることができます。香水の調香師、ウイスキーの
ブレンダーなんかも、信じられない能力を持ってるんです。  
関連記事 『においとオカルト』

長くなってきたので、最後にもう一つだけご紹介します。
【経済学賞】「パワハラ上司に対する仕返しとして、
ブードゥー人形を使う呪術を行うことの効果の研究」
これ、オカルトに関係ある内容です。気になって受賞論文を読んでみましたら、  
これが長くて本格的、ちゃんとした論文の体裁を備えています。

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しかし、いつまでたっても「ブードゥー人形の呪いは成功するかどうか」
についての話になりません。職場環境における精神衛生、どうパワハラを防止するか
みたいな社会学的な内容だと解釈しましたが、
まあ、自分は短時間で斜め読みしただけなので、
興味を持たれた方は、下のリンクをあたってみてください。  

「The Leadership Quarterly」

さてさて、ということで、イグノーベル賞について見てきました。
で、自分が思うのは、こういう「変な」研究を大真面目で進める学問的な余裕は
大切だということです。どんなところから、人類史を一変させるような、
画期的な成果が出てこないともかぎりません。すぐにお金に結びつく研究だけでは
ダメなんだと思いますね。では、今回はこのへんで。 

dddert (1)




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