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盗人の系譜

2018.09.23 (Sun)
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今回はこういうお題でいきますが、これ、書く気になれば、
ぶ厚い本の何冊分にもなるような内容を含んでるんですよね。ですから、
ほんのさわりを紹介するという形にしかならないと思います。
さて、「売春は世界貴古の職業」という言葉がありますが、盗みというのも、
人間の歴史が始まったごく初期からあったものと考えられます。

古代日本についての、最初のまとまった資料である『三国志』「魏志倭人伝」には、
不盗竊少諍訟 其犯法 軽者没其妻子 重者没其門戸及宗族」と出てきます。
(倭人は)盗みをせず、訴訟は少ない。法を犯した者については、
軽い場合は妻子を没し(奴隷とし)、重い者は一族を没する。

ここでは、当時の倭国は犯罪の少ない社会であったように書かれています。
中国の史書が他の蛮夷の国について記述する場合、その道徳性を評価した
内容が記載されることが多いんですね。ただまあ、
これが実際の当時の様子を表しているかどうかは、はっきりしません。

さて、やや時代が下って、古墳時代の528年、九州の地方豪族が
ヤマト王権に反旗を翻した「磐井の乱」が起こります。
この磐井の墓と見られる岩戸山古墳は全長約130m、北部九州最大の前方後円墳で、
墳丘上に多数の石人・石馬が立てられていました。討伐された磐井の墓が
残っているのは、おそらく生前から造られていたためでしょう。

岩戸山古墳の石人
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奈良時代に編纂された『筑後国風土記』には、「イノシシを盗んだ裸の罪人が
裁かれる場面を石人で現していた」と書かれています。磐井は国造(こくぞう)で、
その土地出身の裁判権・警察権を持った豪族でした。これがだんだんに、
中央集権の官である国司(こくし)に変わっていくのが、ヤマト王権の歴史です。

さて、個人として名前が通った盗賊は平安時代に出ます。袴垂(はかまだれ)
保輔ですね。この人物、藤原氏に連なる下級貴族ではなかったかと
見られています。公的な宴で傷害事件を起こして逃げ、その後も強盗を重ねて、
朝廷から、捕らえたものには恩賞を与えるという賞金首となりました。

袴垂保輔
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『今昔物語』には、袴垂のエピソードがいくつか出てきますので、
ご紹介しましょう。袴垂が金がなくなって、裸になって道で死んだふりをしていたところ、
馬にまたがった立派な武士が、大勢の家来をつれてやってきたが、
横たわった袴垂の姿を見ると、まず従者に様子を見に行かせた。

従者が戻ってきて「死人でございます」と答えると、武士は馬から下り、
弓をつがえて寝ている袴垂に向け、狙いをそらすことなく、そろそろと通り過ぎていった。
これを見た往来の人々は、「なんて臆病な武士だ」とあざ笑った。
そこへまた別の武士が騎馬でやってきて、「何で死んだのか、哀れなものだ」
と言いながら、弓の先で袴垂をちょんちょんとつついた。

すると急に袴垂は起き上がり、弓をつかんで相手を馬から引きずり落とし、
武士の刀を抜いて刺し殺し、着物や武器を奪うと、馬にまたがってどこへともなく
逃げていったという話が載っていて、最初に通りかかった武士は、
武名高い源頼光四天王の一人、碓井貞光だったということになっています。

で、この袴垂保輔ですが、捕らえられた後、牢獄の中で自殺を図り、
自分の腹を刀で突いて内臓を引きずり出し、翌日に死んだとされます。
これが、日本での最初の切腹だったという話があるんですが、
真偽のほどはよくわかりません。

石川五右衛門
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さて、日本で最も有名な盗賊というと、石川五右衛門じゃないでしょうか。
安土桃山時代、豊臣秀吉の治世の頃の人物で、辞世の句として、
「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」と詠んだとされます。
石川の浜の砂がすべてなくなったとしても、いつの世になっても盗みや盗人が
なくなることはないだろう、という意味ですが、もちろん後世の偽作と考えられます。

石川五右衛門は、歌舞伎や講談で有名になりましたが、実態はよくわかっていません。
ペドロ・モレホンという宣教師が「石川五右衛門という盗賊が、家族10人あまりと
釜茹での刑になった。その他20人ほどの仲間が磔になった」と書き残しています。
これが史実のすべてで、伊賀忍者の総帥、百地三太夫の弟子だったとか、
秀吉の持つ千鳥の香炉をねらって伏見城に忍び込んだとか、

釜の中で油が煮えてくると、自分の子を頭上にさし上げていたが、
熱くなって油に引火し釜が火につつまれると、子を沈めて死なせてしまった。
観衆が、「命が惜しくて自分の子を下にするのか」とあざ笑うと、
「馬鹿者が、子どもが苦しまないよう早く死なせてやったのよ」と答えた・・・
などなど、これらはみな、根拠のない作り話なんですね。

鼠小僧次郎吉
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あとは、鼠小僧次郎吉が有名ですか。江戸時代後期の盗賊で、
義賊伝説が残っています。盗んだ金を貧しい人に分け与えたというものですが、
そういう公的な記録はありません。これも歌舞伎で創作されたものでしょう。
ただ、次郎吉は徒党を組まず、つねに単独犯だったこと、

人を殺傷しなかったこと、盗みに入ったのは武家の屋敷だけで、
合計3000両以上を盗んだと見られることなどから、義賊としての
話ができあがったものと考えられています。次郎吉は捕らえられ、市中引き廻しの上、
打ち首、獄門となりましたが、多数の野次馬が押しかけた記録が残っていますね。

さてさて、やっぱり長くなってしまいました。こうして見ると、
袴垂保輔、石川五右衛門、鼠小僧次郎吉、3人とも捕まって刑死(自死)しています。
昔から、日本の警察力は なかなかたいしたものだったんですね。
ということで、今回はこのへんで。






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コメント
こんにちは。カテ違いで初歩的なコメントで申し訳ありませんが、(④を導く根拠に①②を用い、③は④を補強)、どのように思われますか。

① 『遺伝子DNAは誰が作ったのか』

 地球上の全ての生命に遺伝子DNAが組み込まれていますが、1mとか2mとかの長さがあり、4種の塩基配列は複雑精巧で、自己修復機能まで有します。

 こんなものが自然や偶然に出来るわけが有りません。作ったのは「遠い未来の人間」です。

② 『物質(原子)は誰が作ったのか』

 地球上の物質(原子)は百余り有りますが、陽子・中性子・電子の3者で構成され、それ以外の構成は存在しないし、規則性とか法則性に支配されています。

 中性子は中性子線を内包し、特定の物質(原子)もα線とかβ線などを放射して崩壊し、電子は電荷を内包しています。

 こんな複雑な物が自然や偶然で出来るわけが有りません。原子を作ったのは「遠い未来の人間」です。

 (uクォークとかdクォークとか中性子のβ崩壊で発生する陽子や電子ニュートリノなどの難しい話ではなく、単に『こんなもの(原子)が自然や偶然に出来上がるものか』ということを、お尋ねしております。)

③ 宇宙の始まりが無機であったとしても、進化の途上で有機(生命とか生活機能)が生まれ、さらに彼らが多様な進化を遂げたうえで、人間や様々なものが作り出された可能性は否定されるものでしょうか。

 (胎児の成長過程で一時的に見られる「尾っぽ」とか「指の水かき」は進化の記憶でしょうか。)

④ 『私たちは人工的に作られた肉体を使って、人工的に作られた「場」で生活をしていますが、実は、今の世界は実在しない虚構であり、実在する本当の自分は「DNAや原子を合成する科学を持った遠い未来」(真実の世界)にいます。』という発想は、(無限回の問答は抜きにして)、成り立つでしょうか。
どう思われますか | 2018.09.24 10:43 | 編集
こんにちは。いつも興味深く拝見しております。ところで、「終末予言」について、ご興味をお持ちでしょうか。

世は、七度の大変りと知らしてあらう。(黄金の巻 第26帖)

世はグルグルと七変り、改心の為 世界の民皆、今度は引上げ一旦みなあるぞ。(黄金の巻 第71帖)

★(追記)
 上記以外にも、シリウスファイルのオコットのメッセージ、ヒトラーの予言、エズラ黙示録、ヨハネの黙示録(外典)、マザーシプトンの予言、ビリーマイヤーの予言、その他の予言などにも類似性や関連性が認められます。

どう思われますか。
7回目の終了です(その3) | 2018.09.24 10:44 | 編集
コメントありがとうございます
これは難しい問いですね
まず、わたしたちが見たり感じたりしていることは
本当に「現実」なのか?ということが最初に来る気がします
DNAや原子、あるいは宇宙なんてものは
本当は「実在しない」のではないか

遠い未来、あるいははるかな過去でもいいのですが
そのときにできた何かのシステムによって
わたしたち、いや、わたしはDNAがあり原子があり
家族がいて友人がいて・・・という夢のようなものを見せられている
そういう考え方は面白いし、可能性はあると思いますよ






bigbossman | 2018.09.24 12:38 | 編集
コメントありがとうございます
終末予言ですか
「始まり」があれば、普通は「終わり」があると考えたくなりますよね
実際、いつかは地球も太陽もなくなります

人類の歴史はたかだか500万年程度です
恐竜の歴史は2億年ほども続きましたが、滅んでしましました

いや、現在は恐竜が進化して鳥になったという考え方もあります
ですから、ホモ・サピエンスとしての歴史はいつか終わり
何か別のものに姿を変えて続いていく
ということはあるかもしれません

bigbossman | 2018.09.24 12:45 | 編集
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