FC2ブログ

光の科学あれこれ

2018.10.09 (Tue)
宇宙からの電波信号を探ることだけが、地球外生命体を探す手段ではないことを、
カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)の学生らによる研究が示している。
宇宙物理学者のフィリップ・ルービン(Philip Lubin)教授らは、
「Trillion Planet Survey」というプロジェクトで、フォトニクス(光通信)
を活用した地球外生命体の探査を行っている。

「我々は地球人と同等かそれ以上の知能を持つ生命体が、
光ビームを使って存在を知らせようとしていると考えている。
その光ビームは現在地球上で開発されている”指向性エネルギー”を使ったもの
である可能性がある」とエモリー大学の研究者、アンドリュー・スチュワートは
声明の中で述べた。
(Forbes)



今回は科学ニュースから、このお題を拝借します。ただ、元記事が短いため、
詳細がよくわからないんですよね。それと、光の話は難しいので、
自分がどっかで間違えているかもしれません。もしお気づきの方がいれば、
コメントでご教示いただければありがたいです。

さて、宇宙にある地球外知的生命体の文明を探査することを、
「SETI(セティ)」と言います。これまでアメリカを中心に実施されてきましたが、
そのほとんどが電波望遠鏡による、宇宙からの電波の解析でした。
また、地球から宇宙に向かって打ち出すのも電波でしたが、
この計画は、それを光ビームで行おうとするもののようです。

うーん、何から書いていきましょうか。まず、電波と光(可視光線)
はどう違うんでしょうか。これは、どちらも電磁波の一種ですよね。
ただ、波長が違います。電波は波長が長く、可視光線はそれよりも波長が短い。
下に電磁波の波長の表を掲載しましたので、参考にされてください。

クリックで拡大できます
lllllk (4)

では、少し思考実験をしてみましょう。あなたが、夜空に向かってLEDの
ペンライトを光らせたとします。すると、その光はどこまで届くでしょうか?
まず、光は直進していきますよね。これは光の持つ基本的な性質で、
中学校で勉強するのかな。光が直進するのは、質量がゼロで、
電気を帯びていないので、他からの影響をほとんど受けないためです。

ですから、理論的には、遮るものがなければペンライトの光はどこまでも進み、
宇宙の果てまで届くはずです。ですが、実際には、宇宙空間にはガスや塵などの
星間物質があり、光はそれらに吸収されたり、
反射、散乱したりして、だんだんに力を失っていくことになります。

じゃあ、ペンライトより強い光ならどうでしょう。例えば恒星が出す光など。
われわれの太陽系で最も強い光を出しているのは、太陽です。
光は波と粒子の両方の性質を持っていますが、太陽は大量の光子(フォトン)
を撃ち出しています。あれ、太陽の光って、どこまで届くんでしょう?

ヒッパルコス
lllllk (6)

これは、「等級」で考えてみるといいでしょう。
われわれが夜空を見て、明るい星を1等星などと言いますよね。古代ギリシアの
前2世紀頃の天文学者、ヒッパルコスは、目安として最も明るい恒星を1等星とし、
かろうじて肉眼で見える暗い星を6等星として、間を分ける形で6段階に
定めたとされます。1等星は6等星の100倍ほどの明るさです。

うーん、今使われてる1等星という言葉は、そんな昔からあったんですね。
で、天体の明るさは距離の2乗に反比例するので、当然ながら、
地球に近い星は明るく、遠い星は暗く見えます。ですから、地球に届く星の光は、
あくまでも見かけ上の明るさなんです。

lllllk (3)

では、客観的な基準はないかというと、これはあります。
ある天体を、地球から10パーセク(32.6光年)の距離に置いたものと
仮定したときの明るさを「絶対等級」と言います。太陽の絶対等級は、
+4.83(4等星と5等星の間)、見かけ上の等級はー26.7です。

詳しい計算は示しませんが、太陽の光が人間の目で見えなくなる6.5等星
になるのは、だいたい70光年くらいの距離だと考えられます。
これを長いと見るか、短いと見るかは難しいですが、
ともかく、太陽の光でも、届く距離は70光年程度なんです。

さて、最初のニュースの話題に戻って、どうやら宇宙からの光を解析して、
宇宙文明を見つけようとしているようです。ここでいう光ビームがどのような
ものかわかりませんが、恒星からの光よりも強力なんでしょうか。えーと、
例えば、地球からアンドロメダ銀河までの距離は、約250万光年とされます。

太陽の光はまったく届きません。太陽系から最も近いとされる星は、
ケンタウルス座の方向にあるプロキシマ・ケンタウリで、4.246光年です。
そこでなら太陽の光はかなり明るく見えますし、逆に、
もし、そのレベルの距離から指向性の強い光が発射されているなら、
地球上で見つけることはできるのかもしれません。

プロキシマ・ケンタウリ
lllllk (2)

さて、ここまでお読みになられて、あることに気がつかれた方も多いと
思います。この内容は、あくまで地球人類を基準にした話なんですよね。
まず、光(可視光線)という定義が、地球人の目に見える電磁波という意味で、
宇宙人は、それとまるでちがう領域の電磁波を見ているかもしれません。
(映画の『プレデター』では赤外線を見てました。)

この地球上にも、人間には見えない紫外線を見ることができる昆虫などがいます。
あと、1等星とか2等星とかいうのも、地球人の目の構造を元にした考え方で、
現代では、視力1.5もあれば目がいいと言われますが、
宇宙には、もしかしたら視力100.0とかの宇宙人がいるかもしれません(笑)。
それなら、70光年以上離れていても太陽の光が見えます。

自分は、宇宙のことを考える場合、地球人の基準では
なかなか推し量れないことが多いんじゃないかと思っています。
ですから、地球外生命体が、もし何かの情報を発しているとしても、
われわれの想像を大きく超えたものなのかもしれません。

さてさて、とはいえ、上記の実験にケチをつける気はまったくありません。これまで、
宇宙からくる電波を解析しても、宇宙文明らしい痕跡は見つけられていません。
(ニコラ・テスラが宇宙からの通信をキャッチした、なんて話はあります。)
ですから、違うアプローチをするのはいいと思いますね。
続報を期待しましょう。では、今回はこのへんで。  

関連記事 『宇宙人を探せ1』





関連記事
スポンサーサイト




トラックバックURL
http://scoby.blog.fc2.com/tb.php/1623-56af947b
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する