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祈りのパワーってあるの?

2018.10.16 (Tue)
感謝の言葉を語りかけた水の結晶は美しくなり、罵詈雑言を浴びせた水の結晶は
醜くなる。今や「疑似科学」のレッテルを貼られてしまった波動の存在。
しかし、意識や思考が物質に与える影響を真剣に取り組み、
肯定的な実験結果を得ている研究も存在するのだ。

2017年に学術誌「Explore」に公開された、国立台湾大学、高雄師範大学、
米・純粋知性科学研究所の共同研究によると、僧侶の祈りを込めた水を与えた
植物の種子は、そうでない種子よりもより成長していたという。
(tocana)

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最近、なかなか科学ニュースで、いい話題がないんですよね。
一番オカルトに関係ありそうなのがこれだったので、今回はこういうお題でいきます。
さて、人間の意識、あるいは祈りのパワーは、植物の成長に変化を与えるのか?
・・・あれ、なんか変だと思いませんか。これ変だと思わない方は、
もしかしたら少し危険があるかもしれませんよ。

実験は、市販されているミネラルウォーターをA・B2つのグループに分け、
Aはそのまま、Bには事前に、「台北市福智佛教基金会」のベテラン僧侶3人に、
「この水に浸される植物が大きく成長しますように」という願いを込めて、
祈ってもらっていたのだそうです。

そしてA・Bの水に、シロイヌナズナという植物の種子を浸し、
その成長程度の違いを測定。結果、祈りを込めた水で発芽した種子は、
普通の水を使ったものより有意に胚軸が短く、アントシアニンが増え、
若干クロロフィルも増加していたということです。
アントシアニンは、花の色を表す色素ですね。

シロイヌナズナ
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どうでしょう、この実験の怪しい部分に気がつかれたでしょうか?
当ブログの読者の方なら、実験の1段階がすっとばされていることがわかると
思います。僧侶が祈りを込めたBの水が、植物の成長に変化を与えられる
のだとしたら、Aの水とは何か違いがあるはずですよね。
そこ調べないとダメなんじゃないでしょうか。

ここで少し、水についての話をします。水がH2Oという化学式で表される
化学物質であることがわかったのは、そんなに古い話ではありません。
19世紀初め頃でしょうか。まだ、200年たったくらいです。
それまで、水については、さまざまに神秘的なことが言われてきました。

水が化学物質であると書くと、驚かれる方もいると思います。
美しい湖にたゆたい、清冽な渓流を流れる水は自然の象徴でもありますが、
一方で、分子の化合物でもあります。水素原子2個と酸素原子1個が手をつないだ形。
ですから、水を大量に飲めば中毒を起こしますし、死に至ることもあるんです。

で、水の分子同士は、他の分子と水素結合でくっついてます。
下図を見てもらえばわかりやすいでしょう。最近は、最先端の顕微鏡を使って
水分子のつながりを見ることができるようになってきました。
じゃあ、表題の研究で、どうしてAの水とBの水の比較をやらないのか。

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これは、ぶっちゃけた話をすれば、比較しても有意な差が出ないからじゃないかと
思います。どっちも、特別なところのない、ただの水なんですね。
それに対して、植物の成長に差があったとか、
葉緑素が少し増えたなんてのは、何度か実験すれば、植物の個体差とか、
置き場所の微妙な違いなどで、そういうことが起きてもおかしくはないでしょう。

もし、徳の高い僧侶の祈りのパワーが、水に明らかな変化を与えることが
できるのなら、世界中で追試が可能なんじゃないかと考えられます。
それとも、台湾のこの3人の僧侶でないとできないことなんでしょうか。
ということで、実験の段階をすっ飛ばしている研究は、
眉に唾をつけて見られたほうがいいと思いますね。

水分子を見る
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さて、僧侶の祈り、あるいは瞑想には、パワーというか、脳を活性化させる働きが
あることは実証されています。ダライ・ラマを始めとする高名な仏教僧の
脳波を測定すると、修行期間の長さにおうじて、短時間の瞑想で
強いγ波が生じました。γ波は高次の精神活動時に出る波長で、
それによって注意力が高まり、幸福感が増します。

瞑想時の脳波測定
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ここで、少し話を変えて、仏教には「小乗仏教」と「大乗仏教」があるのは
ご存知だと思います。最近は「小乗」は差別的な言い方だとして、
「上座部仏教」と言われることが多くなりました。
この「乗」という文字は、「乗り物」という意味です。

ちゃんと説明すると長くなるので、簡単に触れるだけにとどめますが、
小乗仏教は、出家者が修行をして悟りを開き、自分個人を救うための仏教です。
それに対し大乗仏教は、多くの人々を救うための大きな乗り物なわけです。
日本の仏教各派は、基本的にどれも大乗仏教です。

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さて、ここまで読まれて、自分が何を言いたいかおわかりかと思います。
優れた僧侶が祈り瞑想すれば、脳内が活性化して、自らを「悟り」の境地に
導くことができるでしょう。上で書いた実験はそれを示しています。しかし、
いくら徳の高い僧侶であっても、祈りの力が水などの物質に働くとは考えにくい。

日本で有名な僧、空海、日蓮、道元、法然、親鸞などは、
僧坊にこもって読経や座禅だけしていたのではなく、俗世間に出て、
行動と言葉で教えを広めていった人たちばかりです。
それが世の中を動かすことであり、「大乗」ということなんだと考えます。

さてさて、そろそろ終わりにしますが、疑似科学は、実験の過程を一部抜いていたり、
結果をあいまいにしているものがほとんどです。で、そのことを指摘すると、
「だって実際に植物が育ってるじゃないか!」みたいな答えが返ってくるんです。
しかしそれは、科学のふりをしていても、科学的な方法ではありません。
そこらへんを、しっかり見分ける目を持ちたいですね。では、今回はこのへんで。



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