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空間についての一考察

2018.10.22 (Mon)
映画E38080Cube-2E38080より

今回はこういうお題でいきます。ただこれ、前半は自分がかなり勝手に考えた
内容ですので、冗談みたいなものだと思って聞いていただければ幸いです。
さて、よく「時間と空間」と言いますよね。この2つは、
古代ギリシアの昔から、哲学的な考察の対象になってきました。

ただ、時間については、カントやハイデカーなど、多くの哲学者が著書で
くわしく書いていますが、空間についてはそうでもありません。
これは、時間とは何かを考えるのが難しいのに対して、
空間は、なんとなくわかっているような気がするからかもしれません。

むしろ空間は、哲学よりも数学での考察の対象になってきました。
みなさんも学生時代に勉強して苦しめられたでしょうが、
縦・横・高さをそれぞれ軸にとった下図のような座標で、
基本的に、どのような空間も表すことができるからです。

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ですが、みなさんが普段、空間と認識しているのは、
じつは、あくまで「地球上にすむ人間」という条件に縛られたものなんです。
宇宙空間を無重力遊泳している場合を考えてみてください。
みなさんはどのような方向にも回転することができますし、
自由に進んでいくことができます。

とすると、縦・横・高さという区別は意味がなくなりますよね。
ただ、x・y・zという3つの座標軸があるだけ。
ですが、どのように回転しても、みなさんはたぶん、
頭がある方向を上、足の方向を下と考えてしまうと思います。
これはみなさんが、人間の体という器に縛られているからじゃないでしょうか。

また、縦を前後、横を左右、高さを上下と言い換えることもできます。
で、この中で高さは特別なもののように思いませんか。
例えば、広い野原の中に一人で立っているとしましょう。
みなさんは、前後にも左右にも自由に動いていくことができますが、
上下に動くのは難しいですよね。

上にはせいぜい1mくらいジャンプするだけで、下にいくためには、
スコップで地面を掘らなくてはなりません。なぜそうなのかと言えば、
みなさんは地球の上に立っていて、地球には重力があるからです。
もしこれが宇宙空間だったら、みなさんは頭の方向へも、
足の方向へも自由に進むことができるはずです。

どうでしょうか。みなさんが空間と考えているものは、人間の体と地球上
という条件によるところが大きいんですね。ちなみに、前後という区別があるのも、
みなさんの目が一方向についているからです。
目で見える方向が前、見えない方向が後ろというように一つの軸ができます。
そして、その軸に対して直交する軸が左右なわけですね。

ここで、面白い思考実験をしてみましょう。ある星に宇宙生物がいたとします。
その生物は完全な球形の体を持っていて、全身にびっしりすき間なく目があります。
つまり、360°の視界を持っているんです。で、体の中にはガスが詰まっていて、
フワフワと浮かんで進むことができます。(ここで、口はどこにあるのか、
などと言う人は思考実験には向いていません。)

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では、この生物にとって、前後・左右・上下の区別はあるでしょうか。
おそらくですが、上下の区別はあると思います。自分の星の地面が見えるほうが下。
その反対の空があるほうが上。では、前後・左右はあるのか。
ここが難しいですね。みなさんはどう思われますでしょうか。

さて、ここからは真面目な話です。じつはこの100年ほどで、
空間の概念は変化してきています。かつてニュートン力学において、
空間は、無限に広がる3次元のユークリッド空間と想定されていました。
ところが、20世紀初頭、相対性理論が登場して大きく空間の概念が変わりました。

重力でゆがめられる空間
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アインシュタインはまず、空間と時間は切り離すことができないとして、
空間3次元+時間1次元の時空連続体を想定しました。
それと、重力によって空間がゆがむことを発見し、
リーマン幾何学によって空間を記述することを提案したんですね。

さらに、量子力学の分野において、プランク定数が発見されました。
プランク定数とは何か、長くなるのでここでは説明しませんが、
物理学において、きわめて重要な宇宙定数です。
その式を変換することで、「プランク長さ」というものが出てきます。
これは、それ以上小さくすることができない、空間の最小単位です。

その長さまでくると、空間は原理的に、われわれには観測できなく
なってしまうんです。また、時間の最小単位である「プランク時間」もあり、
この宇宙は、プランク長さとプランク時間を単位として、
格子状に編まれているとするのが、ループ量子重力理論です。

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また、量子力学と相対性理論(重力理論)を統合する試みである超弦理論では、
この宇宙は、空間9次元に時間が1次元。そして、空間のうちの6次元は、
われわれに見えないプランク長さ以下に縮こまっている、と説明されます。
これを空間のコンパクト化と言います。

さてさて、ということで、この100年ほどの間に、自明のものであると
考えられていた空間の定義が、ダイナミックに変化してきました。
こういう話はすごく面白いし、こう言ってはなんですが、
オカルト的な感じがしますね。では、今回はこのへんで。






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