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人形の洞

2013.11.15 (Fri)
*注意 この話もあまりにくだらないので読まないほうがいいです。

私の実家は海の近くにあって、高校卒業までそこで育ったのですが、
家から200mくらい離れた浜の岩場に、
「入らずの洞」と呼ばれる海岸洞窟がありました。
年に一度、村のお寺で人形供養があり、この地域では燃やしたりせず、海に流します。
そうして潮流の関係でほとんどがその洞に流れ着くのです。

人形は西洋のものも日本人形も、ブリキのロボットも、また木彫りのこけしなど様々なものを流しました。
そして浜の家の子供たちは、
「けっして洞に入ってはいけない。人形たちはそこで生きて暮らしているのだから。
もし入ってしまっても絶対に人形をもってきてはいけない。大きな祟りがある」と言われていました。

でも小学校6年生の時に男の子たちに誘われて入ってしまったのです。
洞の中は暗く、よどんだ海水の中にたくさんの人形が浮かび、
海藻にまみれフナムシが這いずっていました。
また洞の岩の上にも人形が打ち上がっていましたが、それらの多くはきちんと立ったり座ったりしていて、
横になっているものは少ししかありませんでした。
まるで様々の人形たちが本当にそこで暮らしているかのようです。

あまりに異様な光景だったため、男の子たちも声を失ってしまい早々に戻ることにしたのですが、
岩の上に見たこともない奇妙な形の人形?があったので、
いけないと思いつつもつい持って帰ってしまったのです。
それは半透明のピンク色できらきらと光っていました。

男の子たちと別れて家に入ろうとしたとき、
庭で草むしりをしていた祖母ちゃんがこちらを見とがめ、
「おや、〇〇子。お前まさか人形様の洞にいったんじゃないだろうね」と聞いてきました。
私が「ううん、行ってない」と答えると、お祖母ちゃんは「嘘をつくんじゃない、わかるんだよ」
「後ろに持っているものはなんだい、まさか人形様を持ってきたんじゃないだろうね。
見せてみなさい」と、それまで見たこともないきつい口調で問い詰めてきます。

私は荒々しく後ろから手を引き出されてしまいました。
お祖母ちゃんは私が持っているものを見ると一瞬絶句し、それからほっとしたような表情になりました。
「人形様でなくてよかった。もしそうだったら一族みんな祟り死にだったよ」と言います。
私は当惑して「これは何」と尋ねると。
お祖母ちゃんはちょっと困った顔になり「・・・いやそれ、電動こけ・・・ぶつぶつぶつ」
と言葉を濁しながら私の手からひったくりました。

『2万体の人形が奉納される淡嶋神社』


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