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よい怪談を書くために

2018.11.07 (Wed)
今回はこういうお題でいきます。カテゴリは怪談論ですね。
でねえ、こういう内容を書くと、後でいろいろ言われるんですよね。
「お前は怪談のプロでも専門家でもないだろ。何を偉そうに!」
みたいなことです。まあ、たしかにそうなので、
素人の戯れ言と思って聞いていただければ幸いです。

さて、まずはじめに「よい怪談」って何でしょうか?
これはいろいろな考え方があると思いますが、怪談を読む側から考えると、
長い夜のひととき「怖い思い、ぞっと背筋が寒くなるような思いをしたい」
という場合がほとんどなんじゃないでしょうか。

ですから、怪談は、まず怖くないとダメだと思うんですね。
それはもちろん、「心温まる、感動する怪談」とか、
「派手なアクションでスカッとする怪談」などがあってもいいと思いますし、
実際に自分もそういうのを書いてもいます。

ですが、やはり怪談の本質というものを考えると「怖いかどうか」
ということが評価の軸になるのは当然だろうと思います。
感動する話とかは、例えば、オー・ヘンリーの「最後の一葉」とか、
普通小説でいくらでもできるわけで、
怪談でなければならない必然性はないですよね。

ただ、当ブログの怪談論で何度か書きましたが、「怖い」って難しいんです。
それは、人によって「怖い」と思うツボが異なってるからです。
自分の書いた話でも、仲間内で「どれが怖かったですか?」と聞くと、
かなりバラバラの答えが返ってきますし、ある人が「すごく怖い」と言ったものが、
別の人は「ぜんぜんだった」となることも珍しくありません。

この対策は難しいというか、自分は、どうにもならないと思ってます。
恐怖という感情は、その人がどういうふうに生まれ育ってきたかと、
密接に関係があるんじゃないでしょうか。ですから、「怖い」を意識しながら、
なるべくいろんなタイプの怪談を書いてくしか、手はないような気がします。

さて、では、「よい怪談」を書くにあたって、どんなことが必要でしょうか。
まず考えられるのは「文章力」ですが、自分はこれ、
そんなに必要ないんじゃないかと思ってます。何か人に見せるものを書く場合、
それは文章力があるに こしたことはないんですが、

怪談の場合、文章がたどたどしかったりしたほうが、かえってリアリティがあって
迫力が出る場合もあります。それに、ふつう怪談では、くわしい情景描写や、
登場人物の心理描写はしないものです。そういう部分を入れると、
「創作臭い、小説じゃないんだから」と言われてしまいます。

ですからまあ、読み手が、よどみなくすらすら読める程度の文章力は必要でしょうが、
そんな高いレベルが要求されることはないと思います。
自分も、当ブログの怪談を書くにあたっては、「情景、心理描写は最小限に」
ということを心がけてるつもりです。といっても、
興に乗ってだらだらと書いてしまうこともあるんですが。

次に、「オカルト知識」はどうでしょう。これはもちろん、ないよりは
あったほうがいいに決まってます。「お坊さんにお祓いしてもらった」とか、
「神社の御本尊」とか書くと変ですよね。そこで読み手が引っかかってしまうと、
それ以上読んではもらえないかもしれません。

あと、古典にある有名な怪談や世界の都市伝説。そういうものを知っていれば
いるほど、書く内容にバラエティが出てくると思います。
自分の場合も、『今昔物語』とか、中国の『聊斎志異』なんかから
ヒントをもらって書いたものがけっこうあります。

古くから伝わっている、大勢の人に広まっている怪談というのは、
それだけ怖さのツボが押さえられたものが多いんです。
ただし、あくまでヒントをもらうだけで、完全なマネではいけません。
芥川龍之介に、「鼻」 「芋粥」など、『今昔物語』を下敷きにした短編がいくつも
ありますが、どれも独自性を持った芥川文学になってますよね。

さて、長くなってきたので最後にします。「人生経験」のようなものは
怪談に必要でしょうか。これねえ、以前は特に必要ないだろうと思ってたんですが、
最近になって少し考えが変わってきました。怪談のパターンということを考えると、
一番単純なのが、「○○を見た、体験した」というものです。

例えば、「夜道を歩いていたら血まみれの女がいて追いかけてきた」とか。
これが悪いということではありません。書き方によっては怖くなりますし、
上で書いたように、怪談は怖ければいいわけですから。ただ、最近自分は、
意識して、「語り手の人生とからんだ怖さ」みたいなのを書くようにしています。

どういうことかというと、「怖ろしい体験をすることによって人生が変わった」
また逆に、「それまでの生き方が怖ろしいものを呼び込んだ」みたいな話です。
これ、なかなか難しいんですよねえ。ですが、
それだけに挑戦のしがいがあるようにも思ってるんです。

さてさて、ということで、今回は怪談論でした。ですがこれ、
一介の素人の占い師が言ってることですから、異論もたくさんあると思います。
秋の夜長の季節になってきました。みなさんも一つ、
創作怪談に挑戦されてみてはどうでしょうか。では、このへんで。





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