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「動物兵器」って何?

2018.11.17 (Sat)
人も犬もロボットになる時代、このたびワシントン大学にて、
太陽光パネルに赤外線レーザーを当てて給電する、
極小のハエ型無線ロボット「RoboFly」が開発されました。
これは20年の研究の末に完成させた、世界初の試みなのだとか。

これまでは、ピエゾ圧電効果・逆圧電効果を担うピエゾアクチュエータを
駆動するための回路を小型化することが困難だったのですが、
マイクロプロセッサーの脳を搭載し、爪楊枝よりも軽い回路を
作り出す新しい方法によりやっと完成したのです。
(Rakutennews)



今回はこういうお題でいきます。上掲のニュースは、
羽ばたきをして飛ぶ、超小型のハエロボットが完成したということです。
重さはわずか190mgということで、これは1円玉が1000mgなので、
その5分の1なんですね。研究チームも軽量化には苦労したようです。

動力は、ソーラーパネルが小さいので、自然光を利用した発電は無理で、
パネルにレーザー光をあてて人為的に充電を行うようです。
つまり、半永久的に飛び回ることはできません。また、このハエロボットは
簡単な人工頭脳を持っていて、翼の羽ばたきを「する」・「しない」
を制御して飛び、せまい場所へも入り込むことができるとのことです。

自分はこのニュースを見て、劇画の『ゴルゴ13』のエピソードを思い出しました。
ある科学者が、自分が開発した昆虫型の小型飛行ロボットに毒針をとりつけ、
連続殺人を行うというストーリーだったんですが、当然ながら最後には、
ゴルゴの超人的な狙撃技術の前に倒されてしまいます。

さて、今回のお題は「動物兵器」ですが、このニュースに出てくるのは、
「ロボット」です。ですので、ここからの内容は記事から離れます。
では、動物兵器ってどういうものでしょうか?
少し前の2013年に、アフガニスタンでタリバンが「ロバ爆弾」を使用し、
4人の死傷者が出たというニュースがあったのを思い出された方もいるでしょう。

こういうのって、国際条約で禁止できないんでしょうか。
生物兵器や化学兵器などは、多国間条約でそれぞれ禁止されています。
ですが、動物兵器の場合はいろいろと難しい点があるんです。
その一つは、「動物兵器」と「軍用動物」の境界がはっきりしないことです。

暴れ狂う戦象


軍用動物とは、文字どおり、軍務のために使用される動物のことです。
例えば、馬を軍用品の輸送に使った場合は軍用動物です。
また、馬に爆弾をつけて敵の中に放てば、これは動物兵器と言っていいでしょう。
じゃあ、馬に人が乗って闘うのはどっちなんでしょうか。

これは難しいですよね。馬の機動力を実際の戦闘に使用してるのは
間違いないですが、馬自身が戦いをしているわけではありません。
騎馬兵の歴史と伝統は世界各国で古くからあって、尊重されてます。
ですから、なかなか「動物兵器禁止条約」というわけにはいかないんです。

さて、では、これまでに使用された動物兵器にはどんなものがあるでしょう。
ローマ帝国では、馬に、映画の『ベン・ハー』に出てくるような戦車を牽かせました。
紀元前4世紀、アレキサンダー大王がインドに侵攻した際には、
インド側は200頭の戦象を投入して戦ったという記録が残っています。

また、紀元前3世紀のポエニ戦争では、カルタゴの名将ハンニバルが、
戦象を使ってアルプス越えをし、イタリア侵入を図ったのは有名な話です。
とまあ、この手のことを書いていくときりがないので、
近代に使われた動物兵器の例を、2つだけご紹介しましょう。

どちらも、第2次世界大戦時のものです。一つめは、旧ソ連軍による
「対戦車犬」です。空腹にさせた犬の前に、ドイツ軍の戦車の模型を置き、
その下に餌を設置して、戦車を見れば下に潜るよう条件づけをします。
これはまあ、実験下においては、まずまずうまくいったようです。

「対戦車犬」


ですが、実際に爆弾を背負わせて最前線に投入すると、
激しい爆発音などに犬が怯えてしまい、逃げ去ったり、自陣に駆け戻って爆発し、
味方に大損害を与えるなど、うまく機能しなかったんですね。
まあ、訓練を積んだ人間の兵士でさえパニックになるので、これは無理ないでしょう。
ドイツ軍は対策として戦車に火炎放射器を搭載し、多くの爆弾犬を焼き殺しました。

2つめは、アメリカ軍が日本への攻撃に使用しようとした「コウモリ爆弾」です。
冗談のようですが、これ、かなり真面目に研究されたものなんです。
1942年、フランクリン・ルーズベルト大統領が計画を承認。
コウモリに搭載されるの通常爆弾ではなく、ナパーム弾の予定でした。

「コウモリ爆弾」


これは、日本の家屋が木や紙でできており、火をつければ簡単に燃えること。
また、コウモリに搭載できる通常爆弾の火薬の量では、
大きな被害を与えられないことからです。それに対し、ナパーム弾なら、
少量の油を入れておけば勝手に燃え広がっていくわけです。
それと、コウモリが夜行性なのも都合がいいんですね。

で、航空機に爆弾を搭載したコウモリをのせ、空中で放ってみたところ、
ほとんどのコウモリは石のように落下し、地面に激突して死んでしまいました。
そこで、コウモリに小型のパラシュートをつける試みがなされましたが、
もう、何を研究しているのかわからなくなっています。

東京大空襲


そうこうしているうちに、同時並行的に研究されていた原子爆弾が完成し、
コウモリ爆弾計画は中止されたんです。これ、興味深い話だと思いませんか。
もし、コウモリ爆弾が成功していたら、日本に原爆は落ちなかったのかも
しれません。ただ、東京大空襲などの状況を見ると、
ナパーム弾による火炎攻撃もかなり悲惨なものでした。

さてさて、ということで、今回はやや毛色の変わった内容になりました。
上記のハエロボットの話に戻って、アメリカ軍では間違いなく、
超小型ロボット兵器の軍事研究を行っているはずです。このニュースの技術も
使われるのかもしれません。そう考えるとちょっと怖いですね。
では、今回はこのへんで。

イルカ兵器? ただしアメリカ軍は開発を否定しています





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コメント
ハエくらいのサイズなら窓やなんかを破る力は無さそうですが、人間が出入りするときに一緒に入ったり出来そうですよね。
圧倒的な火力の攻撃も怖いですが、あまりに小さくても防ぐ手立てが難しそう。
放射能や火災で土地や家屋を傷めず人間だけを除去したいときに有利かもしれない。
| 2018.11.18 17:04 | 編集
コメントありがとうございます
そうですね、超小型の飛翔昆虫ロボットをもし使うとしたら
一番考えられるのは盗聴ですかね
あとまあ、ウイルスなどの生物兵器を拡散することもできそうです
bigbossman | 2018.11.18 19:22 | 編集
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