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木のオカルト

2019.01.19 (Sat)
デビルズ・タワー
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前回、石のオカルトをシリーズで書きましたので、今回は木でいきます。
ただ、自分の印象だと、木のオカルトは石よりも少ない気がします。
これは石と違って、木は腐ったり、虫に食われたりして、
比較的短期間に失われてしまうためじゃないかと思います。

考古学的にも、木はなかなか残らないんですね。古墳を発掘すると、
木棺が、中にあった遺体とともに、ほぼ完全に消滅してしまっているケースは
珍しくはありません。木が残っている条件としては、
砂漠のようなところで完全に乾ききっているか、
逆に、ずっと水の中に浸かっていた場合が多いんです。

水の中から木製品が出土して、そのまま乾かすと、変形したりバラバラになって
しまったりするので、しみ込んだ水分を樹脂やアルコールなどに置換する
処理を行わなくてなりません。木造建築の場合も、石製のものと違って残りにくく、
法隆寺の西院伽藍が、現存する世界最古なのはご存知だと思います。

さて、木のオカルトですが、まず最初に、最も壮大なものをご紹介したいと
思います。「雑草仮説」というのをご存知でしょうか。
これは半分冗談みたいなものですが、アメリカ発の話で、
「現在地球上に生えている木は、じつは雑草のようなもので、
古代の木はもっとはるかに大きかった」とする説です。

アメリカのワイオミング州に「デビルズ・タワー」という岩山があります。
これ、地下のマグマが冷えて固まってできたものなんですが、
ネイテイブ・アメリカンの伝承では、じつは大きな木の切り株だと
言われてるんです。最初の画像を見れば、たしかに切り株に見えます。

このデビルズ・タワーは、その神秘的な形状から、1977年の
スティーヴン・スピルバーグ監督の映画、『未知との遭遇』で、
宇宙船の降りる場所として描かれ、世界的に有名になりました。
また、超古代にあった巨木はすべてカーボンでできていて、それらはエイリアンが
全部伐って持ち去ったという話も、アメリカでは広がっているようです。

この説によれば、オーストラリアのエアーズ・ロックもやはり切り株で、
石のように思えるのは、木化石化しているためということになります。
まあねえ、話としては面白いですが、さすがに信じられません。
ですが、「世界樹」という概念は、さまざまな神話の中に登場してきます。

世界樹とは、「インド・ヨーロッパ、シベリア、ネイティブアメリカンなどの
宗教や神話に登場する、世界が一本の大樹で成り立っているという概念」
のことで、北欧神話の世界樹「ユグドラシル」は、巨大なトネリコの木で
あるとされます。世界樹の神話では、木の世話をしっかり行っていないと、
枯れて世界が崩壊してしまうという形も多いですね。

北欧神話の世界樹「ユグドラシル」
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さて、前回の石のオカルトでは、古代の信仰の対象になった岩を「磐座」と
呼ぶと書きましたが、これが木の場合は「神籬 ひもろぎ」になります。
神が降臨するための場所として、巨木の周囲に玉垣をめぐらし、
注連縄で囲ったもののことです。

現在の神道では、巨木に代えて、榊などの広葉常緑樹の枝を
八脚台という木の台の中央に立て、紙垂(しで)と木綿(ゆう)を
つけたものを神籬として用います。下図のようなものですが、
地鎮祭などの儀式で見たことがある方も多いと思います。

現在の神道で用いられる「神籬」
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このルーツは、日本では縄文時代から見られる、巨大な柱を立てる文化で、
特に、山陰から北陸、東北地方にかけての日本海側に多いんですね。
これは、世界樹信仰とも、樹木が冬に葉を落とし春になるとまた芽吹くことから、
再生の象徴として見られていたなど、さまざまな説が唱えられています。

石川県真脇遺跡の巨木建造物
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あとはそうですね、日本ではあまり聞かないんですが、世界的には、
樹人の伝説があります。J・R・R・トールキンのファンタジー小説、
『指輪物語』に登場するエントが有名ですが、
言葉をしゃべり、根っ子を使ってあちこち歩きまわったりもします。

樹人「エント」
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日本でも、植物、とくに樹齢を重ねた古い木は感情や霊力を持つという思想があり、
それは「伐ると祟る木」という話になっています。
これは全国各地にありますので、全部は紹介しきれないんですが、
有名なのは、山梨県の甲府市にある諏訪神社の朴(ほう)の木ですね。
幹を伐るどころか、落葉にさわっても祟りがあるとされています。

諏訪神社の朴の木
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あとは、東京競馬場の第3コーナーにある大欅(けやき)の話も知られています。
これ、観戦やテレビ中継のじゃまになってるんですが、伐られることはありません。
大欅の近くでは、落馬事故や馬の故障が頻発すると言われます。
また、木の下には「井田是政」という武将の墓もあり、JRA(日本中央競馬会)では、
「是政特別」というレースを設けて、墓の主に敬意を払っています。

なぜこの墓が残されているのか、たいへん面白い話があるんですが、
予定の字数が尽きてしまいました。これについては、また書く機会もあるでしょう。
さてさて、日本の建築物は、欧米とは違って木でできているものがほとんどです。
それだけに、日本人は日常的に木に接して、特別な思い入れを持っていると
言えると思います。では、今回はこのへんで。

東京競馬場の大欅(と言われているがじつは榎)
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コメント
も◯ちゃんはフリーメーソン
、 | 2020.01.05 03:05 | 編集
コメントありがとうございます
え、も◯ちゃん?
bigbossman | 2020.01.05 04:32 | 編集
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