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幽霊ミームはどこへゆく

2013.11.26 (Tue)
ミームというものをご存知でしょうか?
これは進化生物学者であるリチャード・ドーキンスが考え出した概念、造語で、
研究者によってさまざまな定義がありますが、共通項をとると
「人々の間で心から心へとコピーされる文化的な情報のことであり、
遺伝子との類推から考察され、遺伝子同様に進化していく基本的な単位」

まあこんな感じになるかと思います。

わかりやすい例をあげると、「テケテケ」でもいいし「首なしライダー」でも
いいですが、ある都市伝説が生まれるとそれが口コミあるいはネットや雑誌などの
メディアによってどんどん広まっていく。この内容を「テケテケ」のミームと
考えていいと思います。そしてミームは広がってゆくにつれて、話の内容は
より怖く、より面白く、より他人に伝えたくなるように形を変えていきます。
話が完成形に近づいていくといってもいいかもしれません。

遺伝子が生き残りをかけて進化していくように、
文化的なミームもまた進化していくのです。ただし遺伝子は実際にあるものですが、
ミームは文化を遺伝子のふるまいになぞらえて、
より客観的に分析するための手段であって、
実際に顕微鏡などで見ることができるものではありません。

さて、幽霊のミームはどうでしょう。よく幽霊の目撃談に出てくるのは
「白い服、黒い長髪の若い女」というもので、これは多くの人の心の中で形成されている
一つのミームといってよいかと思います。
なぜこのミームが広まっているかというと、やはりその姿が怖いからでしょう。
日本だけのことではなく「White Lady (ghost) 」で検索すれば英文Wikiにひっかりますが、
ブラジル、ドイツ、ノルウエー、英米・・世界各国で目撃される
白い服のレデイの幽霊の話が載っています。
これは多くの人が実際には見たことがない幽霊の像として心に描く典型なのですね。

逆に、幽霊の存否を議論する掲示板などでは、
「なぜ短髪、固太りのオカマの霊は出ないのか?」
などという話が出てきます。これは「あまり怖くないから」と答えればよいでしょうか。
また「なぜ縄文人の霊は出ないのか?」などの話もあります。
これには「現実感が損なわれるから」と答えればよいでしょうか。
われわれは怖く、しかも現実的な幽霊像というものをある程度共通して持っていて、
それが上記した「白い服、黒い長髪の若い女」という貞子のような姿になるのだと思います。

ですが、怖い話のまとめサイトのようなところで、
いくつか出てきた話の感想を述べ合っていると、怖かった話というのはバラけます。
各人それぞれ怖さのツボというものがあるようです。
これは、幽霊ミームの他に、恐怖のミームと呼ぶべきものがあって、
各人の生育歴や嗜好により、大きな共通項はあるでしょうが、
何を怖いと感じるかがやはり少しずつ異なっている部分があるからではないかと思います。
(ちなみに恐怖のミームは、ミームの中でも起源的なものと考えられています。
恐怖の元となる危険を事前に察知することにより、生き延びる可能性が高くなるためです)
またこれは、幽霊を信じる度合いによっても違いが生じ、
より現実的な犯罪の話が幽霊より怖いという人もいれば、
実話怪談より創作ホラーのほうが怖さ面白さを感じるという人もいます。

ですから怪談を書くのは難しい。ある人からは実に興味深いオカルトという賛辞があっても
別の人からは嘘くさい創作、と言われたりもするわけです。
なかなかマーケティングの通用しにくい難しい分野だと思います。
それに一般的な共通項といえる「白い服・・・」にしても、怪談を多数読みこなしている人には
ありきたりで陳腐といわれかねません。

前に当ブログの「二つの度合い」というところで、
「できるだけ実話っぽくするのか、あるいはフィクション感を強めるのか、
内容によってある程度決めてから書き始めます」とあるのは、
このあたりのことを言っているので、
結局は多種多様な話を書いて、「この中で興味に合うものがあれば幸いです」
とするしかないのかなと考えています。

プロが書かれる実話怪談本でも、現実感のある話、創作味の強い話と
混ぜ合わさって一冊になっているものが多く、苦労されているのがわかる気がします。
これがホラー小説であれば、その作家の作風に惹かれた人が買って読めばいいのであって、
その点、実話怪談が話の数で勝負となるのはしかたのないことかもしれません。

「ミーム」Wiki

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