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マンモス復活!?

2019.03.14 (Thu)
シベリアの永久凍土のなかで2万8000年間にわたって眠っていた
マンモスの化石から採集した細胞核を、マウスの卵子内で細胞分裂の
直前まで目覚めさせることに近畿大学などの国際共同グループが成功した。
絶滅動物を細胞レベルで復活させる夢に結びつくとして、
世界中から注目が寄せられている。
(ハザード・ラボ)



今回は、科学ニュースからこういうお題を拝借します。
マンモスの復活ですか。これ、じつはかなり昔から出ているニュース
なんですよね。マンモスの凍結死体が発見されるのは、
ほとんどが現ロシア、シベリアの永久凍土からですから、
古くからソ連の研究チームによって復活が試みられてきました。

ですが、結果として一例も復活していません。なぜ復活できないのか、
この主な原因は、DNAに半減期が存在するからです。
オーストラリアのコペンハーゲン大学の研究チームが、モアという
絶滅巨大鳥類の残存DNAを調べた結果、DNAには521年の半減期が
あることが判明したとされています。

モア


もちろん、死体の保存状況によって、その壊れ方は違うでしょうが、
温度マイナスの環境で良好に保存されていたとしても、
その崩壊をのがれることはできないようです。
半減期間の521年って、ずいぶん短いと思われませんか。

映画『ジュラシック・パーク』では、恐竜の血を吸った古代の蚊が、
樹液の中に閉じ込められてコハク化し、その中から恐竜のDNAを
採集していました。ですが、最後の恐竜が滅びたのが6500万年前
とされているので、たとえ空気に触れないコハクの中であっても、
そのDNAはボロボロに壊れてしまっているはずです。

コハクに閉じ込められた先史時代の蚊


ですから、現状では、恐竜復活は技術的に不可能。
まさに映画の中だけの夢物語なんですよね。では、マンモスの場合は
どうでしょう。みなさんの中には、マンモスは古代生物だから、
現存のゾウより大きかったと思われている人もいるんじゃないでしょうか。

でもこれ、みなさんがイメージする一般的なケナガマンモスは、
アフリカゾウよりもやや小さいんですね。体長540cm、
肩の高さ300cm~350cmと言われます。ただ、マンモスにも
種類があって、ステップマンモスはアフリカゾウよりかなり大きいですし、
中には、肩の高さ120cmのコビトマンモスなどもいます。

左から ステップマンモス・アフリカゾウ・ケナガマンモス


さて、マンモスは約400万年前から1万年前ころまでの期間に
生息していた哺乳類で、巨大な牙が特徴です。
現在のゾウの近縁種ではありますが、直接の祖先ではありません。
ですから、もし凍土の中でマンモスが見つかったとしても、
そのDNAは壊れてしまっているはずです。

マンモスが絶滅した原因には、いろいろな説があります。
・氷河期末期の気候変動にともなう植生の変化による
・人間の狩猟の対象になり、多くが狩られてしまったため
・伝染病の蔓延による などです。この他にもあるんですが、
最近の研究では、伝染病説が有力視されてきています。

あと、マンモスはいまだに生き残っていて、隠れて暮らしているという
説もあります。最後のマンモスは、紀元前1700年ころ、
東シベリアの沖合にある北極海上のウランゲリ島で狩猟されたという説が
ありますので、そんなことは絶対にないとも言いきれません。
この話もたいへん面白いんですが、今回ご紹介するのは無理ですね。

マンモスの骨格標本


さて、では、もしマンモスのDNAが発見されたとして、
どうやって復活させるのか。これには2通りの方法が考えられます。
一つめは、マンモスの精子を現代の雌ゾウの卵子に授精して
50%雑種のマンモスを誕生させ、雌が生まれれば、
再びその卵子にマンモスの精子を授精し、75%マンモスを作出します。

これを繰り返せば、やがては100%近いマンモスが生まれてくることに
なるはずですが、まず精子が壊れず残っていることは
考えにくいですし、もしうまくいくとしても、
数十年の歳月がかかってしまい、現実的には無理だと思われます。

もう一つの方法は、体細胞クローン技術を利用した方法で、
マンモスの凍結死体からDNAが状態よく保存された細胞を取り出し、
体細胞クローン技術により胚を発生させ、雌ゾウの子宮に移植する
ことによりマンモスを誕生させます。この方法だと、
1世代で100%近いマンモスができることになります。

Yuka


上記引用のニュースは、ロシアと近畿大学による共同研究で、
2010年にシベリアで発見され、「Yuka(ユカ)」と名づけられた
若い雌のマンモスからDNAを採集しています。このDNAも残念ながら
壊れてしまっていますが、近畿大学では、マウスの卵子にマンモスの
細胞核を注入し、DNAが自動修復されることをねらっているようです。

昔から、マウスの卵子には傷ついたDNAを修復する機能が備わっている
ことが知られていましたが、その技術を応用しようというわけです。
それにしても、巨大なマンモスのDNAを小さなマウスの卵子で
修復しようとするあたり、自分は面白いなあと思いますね。



ただ、研究の現状としては、マンモスのDNAを取り込んだマウスの
細胞核の中には、細部分裂の直前の状態まで変化したものもありましたが、
いずれも最終的には途中で止まってしまったという、
ちょっと残念な途中経過報告が出ています。

さてさて、ということで、ほんとうはすべて人力で、
マンモスのDNA復元ができればいいんでしょうが、それにはまだまだ時間が
かかりそうです。期待を持って見守っていきたいと思います。
では、今回はこのへんで。



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