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地味な水星の話

2019.03.20 (Wed)
科学者のチームが、デモンストレーションを通じて、平均的に地球に
一番近い惑星は金星ではなく水星だという答えを導き出しました。
彼らは独自の計算で単純化した距離を割り出し、その結果報告は、
PHYSICS TODAYにて発表されています。太陽系にあるほかの7つの
惑星に対して、平均的に水星が地球に一番のご近所さんでした。

(GIZMODO)

水星 月によく似ています
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今回は科学ニュースからこういうお題でいきます。水星は太陽系の
惑星の中でも地味というか、あんまり話題にならないですよね。
これにはいろんな理由があるんですが、それらについて
ご紹介していきたいと思います。おそらく地味な内容になるでしょう。

まず、水星は英語でマーキュリー、ローマ神話の男神メルクリウスの
英語読みで、もともとはギリシャ神話のヘルメス神のことです。
雄弁家、盗賊、商人、旅人の守護神であり、タラリアという、
翼のついたサンダルをはいていて、飛ぶように走り、
神々の伝令役を務めたと言われます。

マーキュリーのサンダル「タラリア」
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なぜ、水星にこのマーキュリーの名がついたかというと、
水星もまた足が速いからですね。公転周期は約87日、
地球の4分の1以下の期間で太陽のまわりを一周します。
しかもその軌道は、太陽系の惑星の中で最も楕円形になってるんです。

さて、上記のニュースですが、金星よりも水星のほうが
地球に近いことが判明したというニュースは、かなり意外ですよね。
みなさんは小学校で、「水金地火木土天海冥」と習われたんじゃ
ないでしょうか。これは太陽に近い順に惑星を並べたものですが、
じゃあどうして水星のほうが地球に近いことになるのか?

これは「近い」という定義によるんですね。最接近したときの距離は
金星のほうが地球に近いですが、平均の距離を比較すると、
水星のほうが地球に近いのが、今回判明したということのようです。
この計算は難しいんです。地球は地球の公転速度があり、
水星、金星も独自の速度を持っている。

なかなかコンピュータでも正確な距離の計算ができません。
ちなみに、金星の公転周期は約224日と、水星の3倍です。
ということは、ゆっくり公転して、たまにしか地球に近づかない金星より、
回転が速く、しょっちゅう地球と近づいている水星のほうが、
平均すれば近いことになるという理屈のようです。なるほどね。

さて、水星の一般的な知識としては、直径が地球の3分の1くらいの
小さい星です。木星の衛星ガニメデ、土星の衛星タイタンのほうが
水星よりまだ大きんですね。星が小さいということは、重力が弱い
(地球の3分の1)ため、ほとんど大気はないと考えられています。
ですから、月と同じように隕石の直撃を受けるわけです。

左から、水星、金星、地球、火星、大きさの比較
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水星の自転周期は約59日です。ということは、昼が30日、
夜が30日と単純に考えてしまいそうですが、それは違います。
というのは、水星は自転しながら、太陽のまわりを速いスピードで
公転しているので、水星で太陽が上って沈み、
また上るまでの1日(太陽日)は、176日になります。

上で書いたように、公転周期が87日なので、水星の1日は水星の2年に
なってしまうんです。太陽に近いため、日中の最高気温は約400℃、
長い夜の間の最低気温は-160℃になります。この気温差はすごいですね。
かつては、蒸発してしまうため、水星に水はないと推測されていましたが、

探査の結果、水星表面は月のようにたくさんのクレーターで覆われていて、
その中の永久に影になる部分には、氷があるのではないかと
考えられるようになってきています。
では、何で水星の話題はあんまり多くないのか?

水星の楕円形の公転軌道
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これはやはり温度差が激しいためです。昔から、火星人、金星人という
言葉はよく聞きますが、水星人というのはほとんど聞かないですよね。
生物の体は、水分の占める割合が大きいですが、
400℃、-160℃という温度では、水は状態変化を起こしてしまいます。

このため、水星に生物が生息するのは不可能だろうと思われ、
古典SF作品でも、水星人が登場する話は極端に少ないんです。
もし水星人がいるとしたら、体が岩石(ケイ素)などでできている生物?
などということになるでしょうか。

もう一つの理由は、これまで水星にはほとんど探査機が送られていないことです。
ですから情報がないんです。なぜ近いのに探査が進まなかったかというと、
水星の重力が弱く、探査ロケットは水星よりも、
太陽重力の影響を受けてしまいやすいため、技術的な困難が大きいからです。

水星のシンボル「ヘルメスの杖」
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それと、火星などは地上からの望遠鏡での観察が容易です。
火星の運河なんて話もありました。これに対し、水星は太陽に近く、
太陽の強い光の中に埋もれてしまって、なかなか観察することができませんでした。
ですから、西洋でも中国でも、歴史的な水星の観察記録は少ないんです。

あと、地球人類の移住ということを考えても、水星よりも先に、
月、火星や金星が候補にあがってきます。とはいっても、1973年、
アメリカはマリナー10号で、水星への接近を試みていますし、
現在、「ペピコロンボ計画」という、ヨーロッパと日本が協力して、
水星に探査機を送る計画が進行中です。

ペピコロンボ計画
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さてさて、ということで地味な惑星、水星のお話でした。やっぱり、
書くことはあまりなかったですね。ちなみに、自分がやっている西洋占星術では、
水星はふたご座、おとめ座を支配していて、流動性、つまり交通や通信、
通商や旅行のシンボルとなっています。では、今回はこのへんで。

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