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「T-1000」ってできる?

2019.03.23 (Sat)
映画「ターミネーター2」に登場するT-1000は液体金属のボディーを
持っており、体を自由自在に変形させ、狭い隙間を通り抜ける
ことができます。中国の研究チームがそんなT-1000を思わせるような、
水平方向だけでなく、垂直方向にも移動可能な液体金属を
作り出すことに成功しました。
(グノシー)

hshshs (4)

今回は科学ニュースから、この話題を取り上げてみたいと思います。
液体金属という概念は、上記の引用にあるように、
映画『ターミネーター』シリーズで有名になりました。
「T-1000」は未来の最新型のアンドロイドで、全身が液体金属でできて
いますが、その性能は、考えてみるといろいろ不思議なことだらけです。

おっと、まずはニュースの話からしていきましょう。常温で液体の金属
というと水銀がよく知られていますね。昔は、体温計の針は水銀で
できていたので、割れると中から銀色の水銀の玉がこぼれてきました。
ですが、水銀は毒性が強いので、だんだんにアルコールなどにとって
かわられるようになり、現在はほぼデジタル化されています。

水銀
hshshs (1)

この中国の研究チームは、ガリウム、インジウム、塩酸に浸したスズ合金を
まぜた、常温で液体となる金属を使っているようです。
ただ、合金が勝手に動くことはありませんよね。動力源がありません。
そこで、合金の中に鉄やニッケルの微細粉末を入れ、
磁石を使って人力で動かしています。

ガリウムの結晶
hshshs (3)

また、液体金属のままだと流れて広がってしまうので、
水の中に入れて操作します。これまでは、液体金属の表面張力のため、
水平方向にしか動かすことができませんでしたが、この研究では、
垂直方向に持ち上がるように動いています。

磁力で上に持ち上がる液体金属
hshshs (2)

これは、表面に酸化ガリウムの層が形成されることにより、
表面張力を抑え、磁力に反応しやすくしているとのことです。なるほど、
意味はわかりましたが、これを何に使うのか、応用が難しい気がします。
もし製品化されるとしても、かなりの時間がかかるでしょう。

さて、T-1000の話にうつります。T-1000は、上記したように、
映画『ターミネーター2』から登場してくるアンドロイドで、
アーノルド・シュワルツネッガーが演じる完全な機械作動の、
T-800型の上位機種となっていました。実際、かなり強かったですよね。

ただ、SF的なアイデアとしては面白いものの、これが現実化するには、
いろいろと問題点があります。まず、思いつくのは、
いったい何を動力として動いているのかということです。
T-800の動力源は、パワーセルという一種の電池でしたが、
T-1000の動力については、映画ではいっさい説明がありませんでした。

T-800 機械を有機組織が包んでいる
hshshs (1)

まあ、完全な永久機関とは考えにくいので、やはりどこかに電池を
隠しているんでしょうか。それとも、自然にある静電気や、
空気を分解してエネルギーに変えるなどの、未来の技術を持っているのかも
しれません。よくわからないと言うしかないです。

2つめの疑問は、全身を制御し、行動を決定するAIが
どこに入っているかということです。AI部分も液体金属でできてるんだろう
と考えられなくもないですが、後述するT-1000の特徴によって、
そのことは否定されてしまうんですね。

3つめは、体の粘性?を自由に変えることができる点です。
水が氷に変わるように、相転移を起こさせるんですね。
T-1000は、自分の指先をのばし、尖らせて槍のように相手を
突き刺すことができました。人間の頭蓋骨を軽々と通り抜けるので、
本来は硬い合金なんでしょう。

ふれた人間に擬態し、手を槍に変えて相手を殺す
hshshs (5)

それが瞬時に結晶構造を変化させることにより、液体化も可能・・・
と説明してみたものの、それって、実際に行うにはかなり
難しい技術ですよね。映画では、2029年に開発された
ことになってましたが、現状では不可能です。
AIが支配する世界ゆえの、技術的なブレイクスルーがあったんでしょう。

それから、T-1000は地のままでは金属光沢を持っていますが、
一度何かにふれると、そのものの質感や色をコピーすることができました。
これはそれほど不思議でもないような気がします。色というのは、
光の反射でできるものなので、ふれた物質の表面構造をそのまま
自分に写せば、なんとかなりそうではあります。



あと、T-1000は自分の体を複雑な機械に変えることはできません。
例えば、バイクや銃のようにはならないんですね。ですから、
映画の中では、銃は相手の持っていたものを奪って使ってました。
それと、火薬やガソリン、薬品などの化学物質にも変化できません。

これは当然でしょうね。できたら錬金術です。
ということで、簡単に考察してみたんですが、T-1000は超技術の
かたまりのようなアンドロイドです。これを造るには、人間の科学だと、
100年では不可能でしょう。200年でも厳しいかもしれません。

自己修復能力があるので、倒すためには、全身にくまなく
ダメージを与えるしかないんですが、『ターミネーター2』では、
液体窒素で凍らせても、溶けると復活してきたので、
溶鉱炉の中に落とすことで、『ターミネーター/ジェニシス』だと、
罠にかけてスプリンクラーで強酸を浴びせて破壊していました。

さてさて、引用の研究の話に戻って、液体金属を実用化するには、
技術的なこととともに、コスト面の問題があげられます。
「形状記憶合金」というのがありますが、これがなかなか使われないのは、
コストのせいが大きいんですよね。では、今回はこのへんで。




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